25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
私は、僧としては浅ましすぎるのです。
[ゆるりと笑んで]
慎み深いわけでもなく。
仏の道にありながら、色々なものを欲しました。
お前も、その一つ。
欲して、手に入れても、心を動かすことはなく。
父は、私にそれを教えたかったのかも、知れぬ。
花を愛でる心。
口で言っても、心で解せねばわからぬこと。
お前が、いなければ。
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
そんな貌とは どんな貌だ…
[眉尻下げる胡蝶を流し見遣る紫苑色は
困ったような、怒ったような。
糸の絡む指先が更に絡まれば
そっと力をこめ
現世へと眼を向ければ]
…朧様
[主の名を、呼んだ。]
|
[天満月が感謝の言葉に笑む、 主はその後、彼とどのような言葉を交わしただろうか。 その血塗れた上衣を気にしたまま、傍らに付き従って]
ところで、少し聞こえてしまったのですけれど……
天満月様も、――何かその…… 狙われるようなお力をお持ちなのでしたら、 お一人であるのは、危ないのでは?
[小さく意見を添える、 彼がある種イアンの保護下にあるということは知らず。 知っていたとて、今の彼の姿をただ不安に思うのみ]
(@0) 2010/08/09(Mon) 02時頃
|
……人も元は獣であった故か
否、主さまの其れは主さま故でしょう
[苦い笑み]
欲して其の手に入れて
喰われても良いほど、心動かされたなんて
帰って報告は出来ませんね。
このまま私と、
[ちらり盗み見る
現世の交わり
高い嶺の灯火が消え――]
…………?
[否、彼方で明々と燈っているのは
思わず身を乗り出す]
落胤 明之進は、天満月の悲鳴という呟きに、ふわり そちらをみて
2010/08/09(Mon) 02時頃
[屋敷に火が灯る]
お前と?
[身を乗り出す様に手は離さず、ただ腕の戒めは解く]
友が、気になりますか。
行きますか?
声は届かぬとも、思いは伝わるかも知れぬ。
|
[天満月の言葉、 喰われた方が楽だ、というそれには、 少しばかりきっと見据えて]
……もう一度言ったら怒りますよ。 夜光の分と、私の分と、2人分です。
[既にぷんすかむくれていたが、
そんな悠長なことをしている内に、 明らかに変わり行く空気、主が袖を掴む]
(@1) 2010/08/09(Mon) 02時頃
|
…――――いいえ。
[続く言葉は音にならず
首を振った。
手は繋がったまま、見上げて囁く]
往きません。
何処にいても見えるのですから
主さまの傍に居りましょう
さいごまで。
[そうして、冬色は現世を見遣る]
『…隠れて、…隠れて、』
[聴こえる声は現世に近い狭間の場所から。
混乱の屋敷の中で掻き消える程のか細い、幼い声。]
[消えた気配は形を作る。
己の命の果てた地に赤を踏みしめ降りるは黒い獣、鉄色の瞳。
其の肉体に質量があるのなら、たす、という音が聞こえようものを
けれどその体は地に着くや否や人の姿へと転変する。
黒い獣の姿は消えて
床の上に残るのは眠るように伏せる人の姿]
[ふわりと浮かび、直ぐ消える影。
燃える色のべべ着た切り揃えられた髪の童。]
[受け取られた黒い笛の上で光が瞬く。
明之進の言葉を肯定するように。
悲鳴。怒号。炎。
人の形は崩れ、光が螺旋を描くように舞う。
邦夜に迫る危険を直接振り払うことは出来ないが。
護りたい。願いそうして主の傍に添う**]
ですか。
[傍にいるという花のその視線の向こうを見る]
すべて燃えたら。
終わるのか。
燃えても、此方には関係なく。
けれど留めているのがこの屋敷なら、すべて燃えればそれが最後なのかもしれません。
[花へ後ろから手を回し、包むように抱いて]
|
[彼に手渡した黒い笛が、光り瞬く。 か細い光は、彼の身を取り巻いて――、 その幻の蛍は、一瞬ならば天満月の目にも見えるだろうか]
夜光はあなたを護りたい、と…… だから、きちんと。
[生きてください、とみなまでは言わず。 立ち上がる彼には、けれどその透ける手を貸せない。
――館内は騒がしいけれど、 いまだ炎の気配には気づかず]
(@2) 2010/08/09(Mon) 02時半頃
|
|
[幼子のか細い声が、 狭間より聞こえる。
『…隠れて、…隠れて、』
誰に向けた言葉か、 誰の耳に届いたか、
あるいは混乱の中で掻き消えたか、 小さな小さな こえ]
(@3) 2010/08/09(Mon) 02時半頃
|
『…隠れて、…隠れて、』
[ふわりと浮かび、また直ぐ消える幼い姿。
その両手には赤と白、二つの花を大事に抱えて。]
[聞こえる喧騒、見える世界が赤く染まっていく
少しずつ少しずつ
其れは勢いを増すのだろう]
……燃えて、尽きて
そうしたら
[背後の温もりに身体を預け、
迦陵頻伽の囀りを聴く]
お別れの時です
主さま
[新たに増える姿。
目の端に映し、また花を見る]
別れといえど。
私はこの手をはずすつもりはありません。
そう言ったでしょうに。
[もそり、と起き上がる様は獸の姿に似ていた。
色切子の色彩の下でゆっくり体を起こし
一つ二つと瞬き重ねて立ち上がる。
死んだという実感がない。
蓮の花の匂いはあれど、
それを塗り込めるように灰墨の匂いがしていた]
|
[こえを聞く、増えたこえ、 ――聞き慣れぬ幼子のこえ]
『…隠れて、…隠れて、』
[こえの聞こえたものが、 ふ、とその姿を探せば、一度だけ視えようか。
燃えるべべ着たかむろの童 両手に抱く花、あかとしろ]
(@4) 2010/08/09(Mon) 02時半頃
|
[起き上がる姿
同じ、人に非ずとされるもの。
冬色で窺うように流し見る]
人が死して 行く先に
獣のゆきみちは、ありやなしや
[握った主の手に少し力込めて
背を靠れさせたまま、吐息ひとつ]
……この先が、赤く染まって見えぬ故
不安が胸を埋めたのです
|
[笛を撫でるその手には、やはり笑んで―― きっとあの控えめな友も微笑んだであろうから。
主は何か告げたであろうか。 彼の特異な能力は、もしかしたら 自由を許されないかもしれないと思う。
そう、身柄を管理されるという月瀬のように、けれど]
はい……、 私の友が、常にあなたの傍らにあること。 どうか、お忘れなきよう。
[次いで立ち上がれば、 わずかに揺らぐ、眩暈のように]
(@5) 2010/08/09(Mon) 03時頃
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[現世と常世が近くなる、 狭間のこえのつよくなる。 引き込まれ、薄れてゆく。
ゆらぐ存在が、 繋ぎとめられたは偶然であったから。
この世にいまだ生きてあり、 狂気の淵に捕らわれた主が妄執と、 散った花の亡骸の上の日陰の椿。
けれど今、繋ぎとめる偶然は、もう一つ]
(@6) 2010/08/09(Mon) 03時頃
|
傍に居るよ、セシル
……ずっと此処に……
[桜の内に微かな微かな気配
傍に人ある今は、聞き取れもしないような声だけど]
[燃えている。焔は闇を塗りつぶすように
紅く、紅く、紅く。
白い鳥は蝶の傍に在りて
主の姿を探す。
絡めた指を、握り締めた。]
…―― 紅い ……
[「隠れて 隠れて」
幼い子供の声が、焔の中で揺らめく。]
|
[透ける指は、縋る。 打ち捨てられた仔犬を、拾って撫でたその腕に]
――……主様、 私、思い出したことが一つ。
[見上げれば、一つ過ぎることがあった。]
一番、最初にお会いした時も、 震えていた私を撫でて下さいました。
[最初の、最初の記憶]
牟田殿は、よく優しく笑う方でしたから、 きっと主様は良き主なのだ、とそう思ったのです。
[言葉を寄せて一度微笑めば、 屋敷の喧騒に眉根を寄せる]
(@7) 2010/08/09(Mon) 03時頃
|
|
[きこえるはずのない声に、 ふいに辺りを見回す―――
――――白い桜花が あの人騒がせな猫が、ふと気になった。
その頃であろうか。 セシルの中の微かな気配が囁いたのは
『傍に居るよ、セシル ……ずっと此処に……』
と**]
(@8) 2010/08/09(Mon) 03時頃
|
主さま
……どうか、この手
さいごまで繋げて置いてくださいね。
[淋しげな冬の色した瞳を揺らし
背の温もり感じながら、吐息をもう*ひとつ*]
『隠れて―――かすみ、』
[またふわりと、]
『―――…かすみ、』
[浮かんでは消える童は見つけられぬ姿を呼んで]
『―――…かすみ、』
[呼んで、]
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 03時半頃
『………見つかってしまう………。』
[か細い、啜り泣く声。童は花達と膝を抱えて蹲り]
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