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かみさま、
こんなぼくにすら…ねがうことがゆるされるのなら。
ぼくは、このむらのうえにふく すずしいかぜになりたいのです。
だれにきづいてもらえなくてもいい、
だれもおぼえていなくてもいい、
ただしずかに、そこにいて、このむらをみまもっていたいんです。
いろんなことがあったけど、それでもここが ぼくのいばしょだから。
― 教会 ―
――。
[大男が自らの抜け殻と、メアリーの亡骸をともに棺に収めた。凶相に似合わぬ温もりを湛えた表情で、男は白い花を捧げた。
――幸福の花。
そこには確かな祈りが込められていて。
男は茫洋とした表情で兄と、幼馴染の姿を眺めていた]
[兄と幼馴染はなんと言葉をかわしただろう?
兄はなんといって男を送っていた?
だん、だん、だん
棺に釘を打ち付ける音。
男は膝に肘を預け、前傾姿勢のまま座して動かなかった。
ギリアンが隣をすり抜けていく。
やがて扉の軋む音が立ち、月灯りが射し込んでくる。
大男の黒い影が、闇夜にくっきりと浮かび上がった]
――。
[扉の閉まる音。
男は身じろきもしなかった。
やがて、月が落ち、夜が明けて]
――何処の地獄だ、ここは。
[搾り出すように、呟いた]
[風のようにふわりと、街の上を漂って、
あちこちに満ちる悲しみを静かに見守る。]
…ヴェス?
[見覚えのある姿に、首を傾げる。
夢の中で見た、無残に壊された扉をふと思い出した。]
[男はメアリーの姿を探しに行こうとはしていなかった。
ただ教会の椅子からじっと動かずに一日を過ごしていた。
どれほど時間が経っただろう。
呼び掛けられたような言葉にぬるりと顔を上げた]
――。
[背凭れに寄りかかる。気怠げに髪を掻き上げる。
皮肉げな表情。
どうやら死しても同じ仕草をしているのにおかしみを覚えたようだった。
ついと視線を向ける。先を促すように]
[いつもどおりのようで、それでいて何処か空虚な雰囲気に見えたから。
何だか心配で、近くへと降り立つ。]
ヴェスは…もういいの?
[何がとはあえて言わぬ、シンプルな問い。]
――
[ラドルフの言葉を聞き、虚空に視線を移す。
長い時間を掛けて、男は呟いた]
あの娘は、最期まで祈りを欠かさなかった。
けれど僕は――
[く、と唇を歪める]
そういうことなのかもしれないな?
僕は死んだのか……よく分からなくなる。
第二の生を受けたのではないか。
そんな気すらしてくる。
…そっか。
[隣に腰掛け、見上げるステンドグラスはまばゆい極彩色。]
死んだら、何もかも終わって無くなっちゃうんだって思ってたけど、
案外…違うんだね。
そうだな……
何の罰だ?
こうして滅びを突き付けられて。
その後は?
[大きな手で顔を覆う。大きく、息を吐いた]
――ふ。
僕らはずっとこのままか?
――……ここ、は。
[ゆっくりと、意識が覚醒していくのを感じる。
開いた視界に映るのは、いつも通りな村の風景。]
いや、いつもどおり、ではないか。
[異様なまでに静まり返った景色。
全てが止まったかのように、何一つ物音もない。]
――……。
[無言で、喉元に手を遣る。]
そうか。死ぬってのは、こんなもんか。
[ふと、空を見上げる。
雲は動くことなく空に浮かんでいた。]
どうなんだろうね…
善い行いをした人は、神の国に迎え入れられるのかな?
どうせ、僕は…行けないんだろうけどね。
[俯いて、薄い笑みは諦観。]
僕も罪深いってことか。
――それであの娘が救われたのなら、まだ救いがあるさ。
[自嘲の笑みを浮かべ、口角をつり上げる]
ここは教会だから……
懺悔すればきいてくれるかも知れないな?
手遅れかも知れないが。
メアリーかぁ…。
[ポツリと呟いて、目を伏せて。]
メアリーなら、きっといけるよ。
…きっと、ね。
そうならいい。
そうであればいい。
そして――その気持ちが変わらぬうちに僕も逝ければいいのに。
[いつか、彼女がいないこと。
そのことに対する絶望に塗り潰される――
そんなことを示唆して]
――何のしがらみもないのなら。
そう思ったことすらあったというのに。
[ゆらりと身体を起こし、ついと視線を向けて]
僕はもう行く。
観たいものもあるしな。
[そう水を向けた]
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