256 【突発RP村】胡蝶の夢
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[あの夢の中の歌い鳥は
身体には小さすぎる籠に押し込められた、真っ黒なカラスだった。
外の世界へ逃げ出そうと、必死にばたつき
助けを呼ぶように、醜い声で何度も鳴いて。
だけど解放なんてされやしない。
欲した相手は、決して現れない。]
[獣風情が親に会いたいなどと、
人喰いのケダモノが人間に歌を聞いてほしいなどと。
なんて図々しい身の程を知らない夢だったのだろう!]
[最期にカラスは籠ごと焼き捨てられた
崩れ落ち風に舞い上がる灰は汚れなき雪とは似ても似つかない。
あの時、カラスを冷ややかな目で見下ろし、火を放ったのは
誰だったっけ……?*]
[───うちに帰りたかったの。
収穫のお手伝い、ひとりで立派に遂げたなら
母さんはきっと褒めてくれたから。
その温かい腕で、胸の中に、強く抱きしめてくれたら
寂しさも不安もきっと全て消してしまえた。
ナナと、ニキと
降り積もった雪で遊べたに違いない。
一日くらい、休んでいたっていいでしょう?
ああ、でも──…
家に帰らない悪い子じゃあ、きっと褒めては貰えない。**]
[
われわれの心の喜びはやみ、
踊りは悲しみに変り、
われわれの冠はこうべから落ちた。
わざわいなるかな、
われわれは罪を犯したからである。
『哀歌』 5章 15〜16節
]
[
犯人捜しが始まるのを耳に、
生きたい、と思った。
初めての恐怖の中、
死にたくない、と思った。
初恋の君の亡骸を前に、
もう戻れないのだと、人としての感情を切り捨てようとした。
その為に友と呼んだ女を騙した。
……この三年間の孤独は辛いものだった。
初めて同じ存在と出会い、
多分己は、生きてみたかったのだ。
あの男と、もしかしたら、彼女とも。
]
[それもやはり、相応でない夢だったのでしょうね。]
[一人と一匹が命を奪われ、吹雪は未だ檻となり。
それでも尚、陽は昇り、一日は再び始まる。
血錆の臭いを纏って。]
……
[それは、食堂にいた。]
[それは、生前の姿のまま。
傷や、跡は見当たらず。
けれどそれは、酷く虚ろな目をしている。]
ーー……
[そしてそれは、紡ぐ。
生者には聴こえぬ音を。]
[肉体を喪ったそれが紡ぐのは不規則で、不安定な歌だった。
少年のように、青年のように、獣の唸り声のように。歌声は纏まりを持たない。
時折、すすり泣くような音すら混じる。]
ーー……
[ああ、これは讃美歌。
葬儀の、為の。*]
[ふわりと身体が軽く感じられる。
わたしはそこに在るはずで、けれど何かが無いようで。]
ああ、眠ってしまっていたのかしら──…。
[運んでくれたのはきっと、やさしい誰か。
眠るわたしを見つめる“わたし”の意識は
不思議なくらいに覚醒していた。
今日も自分で起きられたんだわ。
ねえ、母さん褒めてくれる?
鮮明に映る現実に怖がりも悲しみもしなかった
これが、わたし。──… 目を覚ますことは
いつまで待ったって、もう、ない。
ただ心が空っぽになる、ひどく虚しい心地。
───…ああ、早く、
早く家に、帰りたい。 ]**
[歌い烏は思い出す、最期の時を。
愚かなこと、彼の狩りを見たいと言ったのに。眠りこけてしまっていた。
たったひとりの犯人として此処に在ることは、家族だった女を騙すのは。
自覚は薄けれど確かに精神を疲れさせるものだった。]
[
最後にカラスに火を放ったのは、最期に俺が見たものは。
愛らしい、華のようなお姫様。**]
[
今も己の遺骸の傍らで。
まるでもう何もかもに興味を亡くしたみたいに、生者の姿にも反応をせず
歪む歌声を息継ぎ一つ無く響かせるばかり。
その虚ろな目が不意にひとりを捉え
ふ、と表情が緩んだ。
生前はその男に向けたことは無かった、穏やかな。
赤く伝わる感情に、
うれしいな、って。確かにそう感じて。]
[未熟で、迷惑をかけて、出会ってすぐに死んでしまっても。
同族として、仲間だと思ってくれているのだろうか。
もしそうならば、獣としての己は孤独ではなく生きられたのだろう。
その怒りは、亡者への細やかな救いだった。]
[ぼんやりと横たわるわたしを見ていた。
落ち着いた心で、冷静な瞳に
眠るそれはとても安らかな表情に見える。
不似合いに散らばるからだの欠片を拾い集める姿があった。
撫ぜる手に、見ているだけのわたしが何かを感じることもなく。]
わたしの子ども?
[子どもの作り方などわたしは知らない。
ばらばらな身体を集めるんだろうか。
何をしようとしているんだろう。
ひとり、首を傾げた。*]
[けれどすぐにその変化も
男達の話し合うような、争うような会話を前に消え失せる。
ケヴィンが去った後、苦しむような表情を、仲間が見せた。
己がそんな顔をした時、家族だった人間はどうしてくれたか。
思い起こせば考えずとも自然身体が動いていて
その金色に向けて伸ばした手は、……触れることなくすり抜ける。
その目には映ることなく、仲間は去っていった。*]
[アイリスのお姉さんが去ったあとで、
今度はヴェスパのお兄さんがわたしの元を訪れた。
けれど目にした現実を、彼は受け止めきれずにいたのか
狂ってしまったかのような笑い声をあげる。
そうして崩れ落ちた身体を、咄嗟に支えようとするけれど
軽いわたしの身体では、腕では それが叶うことはなく。
無力なわたしはその先を ただ見守るだけだった。
“人狼”と口にした言葉には少し驚き、
けれどそれ以上の感情はない。
誰がわたしをこうしたのかを、眠ったわたしは見ていない。
囁くアイリスの声を気付かれず確りと耳にすれば
ぱちり、目を丸くしたか。
こわい“人狼”が
やさしいヴェスパお兄さんなら、少し悲しいかもしれない。*]
[いや、正確には去ろうとした。
それが叶わなかったのは、仲間とかち合った女と狂乱に呑まれた男がやって来たから。]
…………。
[歌は、遂に途切れる。
その目は確かに、彼等へと向けられて。]
[今や面影の無い程に心を乱されている顔馴染みの職人の声
誰を殺しても生きたかった己、
少女を殺めた可能性を自らに見つけ、そう口にする男。
果たしてそれは、男が狂ってしまったから、その一言で済む差なのだろうか。]
…………。
[そして、俺は君の言葉に首を横に振る。
君がどうして此処へ来たのか、分かっているんだ。
だっておれは、君の家族だからね。
へなりと腰を降ろす姿を俺は見ていた。
もし、触れられたとしても。手を伸ばすことはしなかっただろう。]
[お姉さんとお兄さんの会話、
部屋を後にしたお兄さんはどこか様子がおかしかった。
大丈夫かしら、と、わたしもそこを出る。
ひたり、ひたり 階下へ降りる足取りは
確かなはずなのに、そこに音はない。
食堂へ向かう背中を追ってゆけば
人の姿と やがて口を開いた
ヴェスパタインの言葉を聞いただろう。]
──……
[自らを殺す、決意。
それが普通のものでないことは
子どものわたしにでもわかる。
許せない、とそこに居ないわたしを思い憤る言葉が嬉しい。
けれど優しいお兄さんが、どうしてわたしを?
ほんとう?と、思いはするものの
居ないわたしは、黙って見守る他にないのだ。*]
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