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―喫茶店/起こすころ―
[変な喫茶店は、居心地がいい。
時計の音、聞きながら。
コーヒーの上のアイスもすっかりとけるころ。
――起こして、と言われたから。]
……エフ、
――日、傾いてきた。
[そろそろ、起こす時間だろう。
眠り男はちゃんと目覚めてくれるだろうか。
――攫うって、どういうことなのか。
ちゃんと、教えて、くれるのか**]
メモを貼った。
―ある、回想―
[ 『人生の中には、
大きな分岐点が時折現れます』
なにかの授業で
髭の教師が
そんなことを言っていた。
『その後の生き方を
大きく左右してしまうような
ものであります』
話半分に聞いてた――なんなら、3割くらい夢の中だったが、そのことだけはよく覚えている。なぜか。]
[――分岐点か。
思い出したのは、
親友に彼女が出来たと聞いた時。
なんのことはないよくある話で
羨んだり、妬んだり、祝ったり。
色々あるだろう。
――でも、俺は違った。
寂しいような、
苦しいような、
泣きたいような、
叫びたいような――、
ようは、酷く、ショックで。
でも親友は見たこともないくらい眩しい笑顔で彼女のことを話すから。俺は常の調子でおめでとさん、とか。そんなことを言ったのだ。]
[ これは、秘密。
俺だけの秘密。
誰に言うつもりもなく、
埋めてしまいたい秘密。
――でも、夢に見る。
親友は黄昏の街で、かわいい彼女と楽しそうに歩いて俺になんか気づきやしない。
静かで穏やかで、
甘くさえある癖に
あれは俺にとっては
きっと、悪夢だ。 ]
―現実:黄昏迫る―
[――分岐点。
俺は昨日、知らないうちに
でかい分岐点に立ってたんじゃないかって。
ふと、思う。
握られていた指先で
簡素な『紹介状』の文字をなぞる。
そわそわして、落ち着かない]
――、夢に来られるなら
[ 我ながら小さな呟きだ。
寝ているこいつに届くやら。 ]
変なもん見ても
文句、言うなよ
[心が柄にもなくふわふわする。
ああ、そうか、『うれしい』んだ、俺**]
[夢を、見ていた。
貘の夢は空白だ。
自分の夢で腹は膨れてはくれない。
考え事にゃあ、夢の方が打ってつけ、それだけだ。
―――良いことあった、か。
成る程、確かにその通りで。
かおに出るくらい、嬉しい、だったのだ。]
はは。
[貘の身体で、笑う。
あの店員、トレイルは、人外のことも本当によく見ていると思う。
店長を除けば、唯一の人間。
人間で云えば昔は、頼まれて悪夢を食うこともあった。
いまは随分と逞しく―――…なったか?]
[夜の彼らを、リツが見たら驚くだろうか。
………だろうな、という、予感。
呼ぶ声
目を、覚まそう、いまのおれは現と夢は、少し違う。]
――起きた?
[寝ぼけまなこに声をかけた。
うん、ちゃんと起きたらしい。]
寝不足?
マスターも、
あきれてた
[肩にかけたタオルが落ちないように、注意を払う。夜が近づく。メモに書いてあった時間。落ちつかない。]
―――喫茶店―――
[突っ伏した姿勢、控えめな声に、顔を微妙に上げた。
眼鏡も外さずにいたものだから、角度がずれている。
その角度と前髪の隙間で、ちら、と、リツを窺い。]
うん。
[近い手を伸ばす。
コーヒー、そういえばメロンソーダじゃなかったか。
曖昧な記憶は視線に留めて、手を取った。
握り締め、浚う、文字通り。]
帰らないけど、……行くか。
昼の営業が終わったら、また、此処に。
寝不足、………じゃない。
腹が減ってるだけだねえ、いつも。
[店長に呆れられている。
それも、何時ものことで、笑う。
リツの分岐点
引き寄せるようにして手を引き、一旦、店の外に。
静かに、引き寄せ、ぽつ、ぽつ、明り>>*0が落ちれば。
おれにとっては慣れた感覚、世界から隔絶されたような。
リツにとっては、如何だろう、眠気まなこが窺うのだ。]
――― 夜 ―――
そういえば、聞きたいこと、あったな。
[覗き見た夢の片鱗。
あの男女は、誰か。
夢を見る時刻までは、約束を果たせないから
夜の店で聞くか、思考を留めた。
気にはなるが、聞かない、は、今は通用しないので。]
…… 夜。
[店の看板に、ぽつり浮かび上がるbarの文字。
繋いだ手が、体温が変わらず、熱い。
その間に交わしたことばと言えばとつとつと、して。]
―喫茶店―
[視線がこっち向いた。
少し、緊張する]
眼鏡、歪むぞ
[気になる。
本人は歪んでもあんまり気にしなさそうだけど]
――っ、
[だ、から。普通に手を握るな。
顔に血が集まった。視線の問いかけの意味を考える余裕が吹っ飛ぶ。
なんだよ、もう。
寝ぼけまなこの、くせに。]
わ…わか、った。
[店の扉を再び潜る、その頃には店員も店主も
ましてや店内すらも、様変わり。]
おはよう。
…… ようこそ、リツ。
[こちらの世界に――…?
薄明かりの下で笑うのは、昼間と違う、うっそりと**]
メモを貼った。
―喫茶店で
――ちゃんと食え
[体質なのかもしれないが
腹へって眠いと
そのまま死にそうだ。
いや、それは寒い方だったか。
大の男に引き寄せられる、
それが、嫌じゃない。
――イケメン店員は、
とても、人の事をよく見ている。
夜の街は、まるで別世界だ。
星が地上に落ちたような。
眠気まなこの視線を感じ、呟く
――なんか、見慣れない
―夜
……何?
[聞きたいこと。
何だろう。
俺にもある、色々。
まだ、こいつのことを、ろくに知らない。
人を知るほど――なんとか、って言ってたのは、エフ自身だったっか]
――よく、夜、行くのか
[夏の夜、体温が熱い。
他愛もないことを、ぽつぽつと。期待と不安が、ごちゃごちゃだ]
―BAR:夜
―――、
[ここは、本当に
“あの店”だろうか。
蔦が絡まるさまは
図書館で借りたあの本の
魔法の森の館みたいにさえ見える。
驚きのあまり呆けた顔、
エフにはよく見えたに違いない。]
うそだろ…
[だって、仕方がないじゃないか
こんなの、想像できるわけないし。
本当に同一人物なのか。
マスターも、イケメン店員も。]
− cafe & bar ≪Twilight≫ −
――、
[おはよう、なんて
場違いな事を謂う。
―――寝てないし。
そう、紡ぐはずだった唇が
薄く開いたまま止まる。
初めて見る笑みだった。
こんなわらいかた、するのか。
縫い止められたような、感覚。]
【人】 採集人 ブローリン[黄昏の店は昼でも、少し自由になれる場所。 (6) 2015/08/07(Fri) 13時頃 |
− cafe & bar ≪Twilight≫ −
……――た。確かに。
…これは、さらわれた、気分
[なんとか言葉を絞り出す。
気後れしそうになりながら、
エフの手を握る指先に力がこもる。
緊張している。レーススタート前でもこんな風にならない。はじめてだ。期待と、不安と。
勝手知ったるエフに引かれるまま。
案内は店員とマスターに言われるがまま
まるで、ここは
不思議の国、だ**]
メモを貼った。
[朗らかな声は確かにマスターのものだ。
少しだけ緊張がほぐれる。
――が、店員もマスターも
ビシっとフォーマルに決まっているものだから場違いじゃないかと不安になる。いや、明らかに場違い。]
…もっと、
ちゃんとした格好のほうが、
よかったすか…
[いや、でもエフはそのまんまか。
全然気にしてなさそうだ。]
――っす…
[>>*7 遠慮がちな返事になった。
席に案内してくれるトレイルを見て、つい呟く]
…似合うすね
[髪を束ねてるから印象が結構違う。
他の店員も、そうなんだろうか。]
……これ全部メニュー?
[昼のメニューとは比べ物にならない分厚さだ。これがこの店の本気か。びっくりだ。ちらとエフを見る。]
……あんたは、
いつも 何、飲んでるんすか、
[何が好きだろう。
気になって聞いてみる。
答えがあったら、それにしてみようか。
そうじゃなければ、おまかせで。]
[――バーは盛況らしい。
盗み見た客に羽が生えているように見えて、え?と目を丸くしてしまった**]
メモを貼った。
【人】 採集人 ブローリン[『この心は此処に置いていくから、 (10) 2015/08/07(Fri) 17時頃 |
【人】 採集人 ブローリン− 後日 − (12) 2015/08/07(Fri) 17時半頃 |
メモを貼った。
[眼鏡の位置
弦が緩んでも気に留めない面で
それよりも、血の気の良い顔色を楽しんだ。]
意外と、壊れない。
[眼鏡のはなしだ。
繋いだ指は、夜、改めて店を訪れるまで離さない。
――― 厭だ、と、その一言さえなければ。
ちゃんと食え、そのことば
食べられるものなら、食べている。
食べられない夢が、此処には多い。
如何伝えるか、ここからも、おれの正念どころ。]
食べると勿体ないものが、多くてね。
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