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【人】 飼育委員 フィリップ−小ホール− (3) 2010/03/08(Mon) 01時頃 |
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――回想 虚ろな少女――
[―――……それでも? と、濃紺は問う
それでも 貴方がほしい
貴方を私のものにしたい
[希い願う虚ろな少女に セシルの叫び
寂しいの
貴方で私を満たして
[満たされようと一歩近づけば
[その闇を切り裂こうと 振り下ろされた鉱石の腕でさえ
触れられれば甘い痛みが ぽかりと開いた胸の穴を満たす]
もっと 触れてほしい
もっと 私を求めて
[もっと 触れて――私を 求めて 虚ろな少女は願う
やがて薄紫の少女の命が摘まれ、世界は暗転した]
やみ…… 心地いい
でも
あのこの こえ が……
[ きこえてしまう ]
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【人】 飼育委員 フィリップ−小ホール− (6) 2010/03/08(Mon) 01時半頃 |
【人】 飼育委員 フィリップ[一つ、人として残された瞳に もう青碧 は 無い。 (9) 2010/03/08(Mon) 01時半頃 |
[もの言わぬ蝶が
緋色の指先で静かに羽を震わせれば
蒼い燐粉が光を曳いて、闇の中を流れた]
[蝕む闇、戻ってきた苦痛。
この身に相応しいから、心地いい]
……、――…
[はらはら零れる涙は、痛みのせいではなくて。
流れてゆく慰めのような蒼、淡く瞬く翅を静かに見つめる]
【人】 飼育委員 フィリップ−小ホール− (14) 2010/03/08(Mon) 02時頃 |
【人】 飼育委員 フィリップ[>>13見据える瞳に返すのは、笑み。 (16) 2010/03/08(Mon) 02時頃 |
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[黒い花、闇の花、ふわり香って顔を上げる。
こえ は 聞こえないのに 沁みるような絶望が]
ごめん ごめん ね…
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わぅん
わぅん
わぅん
わぅん
あぅん
ばうばう
わうあう
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………ピッパ?
[気がつくと、視界は全て闇。
目の玉がどろりと闇に溶けたのか、それとも、ずっと近くにいてくれた彼女が見えなくなったのか、よく分からない]
[ただ、彼女の苦しむ声だけが闇の中から聞こえる気がした]
いるよ。俺はまだ、ここにいるよ。
大丈夫、これはピッパのせいじゃない。
だって、あんたはとても綺麗だ。
[体は徐々に闇に溶けて、探しにいけない。
多分、その苦しみも寂しさも、彼女のもので自分が立ち入っていいものじゃない。けれど、ピッパは自分の苦痛に、常に共に在ってくれたから。自分を選んだことで苦しんでいる]
おいでよ、ピッパ。手をつなごう。
[もう手の形なんてきっとはっきりとはしていないけど。
でも、そう彼女の名前を呼んだ]
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[人を愛する感情は、憎むことと似ている]
……。
ケイト。
ケイト・グリフィズ。
貴女は彼らが貴女を見つけたとしてもすぐには返さないのではないですか。
[鬼が見つかるまで]
いえ。
帰れたとしても。
[思う。「彼ら」は帰ってそのまま生きていけるのだろうか]
[呟く言葉は彼女へ向けてではなく。ただ言葉として発せられただけ。
その魂の中に元々の彼であったものはいくら残っているのか。
いくらも残っていないのか
「教師」であったことしかのこっていないのか
暗い感情は今も残る。それは、闇が侵蝕していてもはっきりと確かに。
憎悪。
相反する気持ちは、侵蝕され続けて、その名を紡ぐことでしか保てない。
――もう
わすれてしまおう
その気持ちがあるから自分は闇に染まれないのだと、黒く塗られた裡で囁かれる]
[ケイトに問われる言葉。誰を心配していたのか、それももう]
「生徒」が心配です。
もちろん、貴女も。
貴女がどうしてそこまで闇に染まってしまったのか、わかりません。
今の私には、心配してもどうすることも出来ません。
できませんが。
貴女への言葉も届かないのなら。
今の私は「教師」でもないのでしょう。
[名を、呟くことをやめる。手放したくないと思った想いは、緩やかに散っていく。
今は、想いを留めるための器もなく]
【人】 飼育委員 フィリップ−回想・小ホール− (35) 2010/03/08(Mon) 13時頃 |
ですから。
私は貴女の嫌いな「せんせ」ではもうありません。
詭弁ですけどね。
[「エミール・スティーブンス」であることを、手放すのは、今の彼にとってとても簡単だったのかもしれない。
こちらに来てからはただ、教師であろうとしていただけだったから。
全ての想いが散ったとき、あの異形と同じものに*なりはてるのだろう*]
【人】 飼育委員 フィリップ[>>25殺すためだったの。 (36) 2010/03/08(Mon) 13時頃 |
【人】 飼育委員 フィリップ (37) 2010/03/08(Mon) 13時頃 |
[手に濡れた感触、闇の中なのにあたたかさを感じる。
その感覚はきっと偽り、幻想なのだと思うのだけれど。]
――…… ……ッ、
[その獣を抱きしめて、目に映る毛並み頬を寄せた。
深い かなしみ に浸されたまま、
ひと時の安堵に感じる 罪悪
あかい こえ が 聞こえない ]
ケイトの声に悲しそうに、*笑みを作った*
あなたは あの子が見つけてくれる わ
夜明けのいろ の うすむらさき
[ひいろ の こえ に 呟いた ]
【人】 飼育委員 フィリップ−闇の中− (38) 2010/03/08(Mon) 13時頃 |
うん、あの子がきっと、
この ながい ながい 夜を
終わらせて くれる ……
[夜明けの色、かれ が言っていた
それは 濃紺の夜 を 導く色 ]
[薄紫 を 夜明けの色だ と]
[そう言った少年の いろは ]
[ひかりのない ふかい ふかい 闇へ ]
[ 変じて ]
―――…あの子 を たすけて
[ 散る涙 ]
[ 冷たい 滴 ]
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[黒い花は緋色の傍らで 寂しいと呟いて]
私を奪ったとき
あんなに嬉しそうに哂ってたよね
満足だよ って言ったよね
だから貴方のものにして
私のものになってよ
みんなを送りたいんでしょ?
私が手伝ってあげるよ
だから 私を求めてよ
[闇色の瞳が 闇を捕らえて 昏く揺れる]
[左腕の約束はいつの間にか消えていた。
隠していた、古い傷跡、いつの間にか開いていて。
命を失った体からは、あかい血ではなく、
闇の欠片が、砂のようにこぼれ落ちていく。
手首から流れる 凍てついた闇は、
陰鬱に 輝いて。
やみ の中で尚、己の形への執着は強く
女の姿は 煙る月のように 仄白く やみ に浮き上がる
ずっと焦がれていた 世界 にいるというのに
まだ こころ を あちらに 残している]
[ あかい こえ が きこえない ]
[教師である以上、生徒に想いを抱くのは許されない。
口にすることなどあってはならない。
だから。
口にしなかった。
想いに気づかなかった]
想いを抱いたと言う点においては私とあの生物「教師」は同じなのでしょう。
このまま闇に落ちたら本当に同じになってしまうでしょうから。
[だから、想いを手放した事で「私」という存在が消えても構わない。
くらい闇にぬれた眼でケイトをみる。
最期まで教師として在りたかったから*]
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【人】 飼育委員 フィリップ−校舎内− (56) 2010/03/08(Mon) 16時頃 |
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