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だ
い
す
き
……。
[最期の言葉は、声にならず。
幸せな夢に溺れ]
[暗闇の後、目を覚ますのは。
囚われたままの魂が見る、真夏の夜の夢]
「…ううん、もう僕のものなんだ。
ちゃんと薔薇の精の言うとおり、甘い毒で狂わせて、蔦に絡めて、根を生やして…
もう、逃がさない。ずっと一緒にいるんだもん。」
[薔薇の蔦に囚われたまま、うっとりとヨーランディスは語る。]
「なんで君まで混ざってくるの?
君が来なければ、二人でずっと幸せな夢を見られたのにさ。」
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【人】 良家の息子 ルーカス―自室― (6) 2011/08/09(Tue) 00時頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス
(7) 2011/08/09(Tue) 00時頃 |
それで、ヴェス先輩は幸せか?
お前はこの人の見た目だけが好きなのか?
[頭のおかしい後輩。腕の中の先輩]
夢の中の人形遊びなら、一人でしてくれないか。
[眼を覚まして欲しい。
でなければこの後輩を退ける為に酷い事をしてしまいそうで。
でもそんな姿、見せたくは無い]
それに、先輩の意思を聞いたのか?
『そう、ダメだよ…』
[ざわりと風渡るように聞こえるのは、人ならぬ声。]
『まだ、足りない。もっと集めなきゃ。』
『だから…。解放させるわけにはいかないんだよ。』
[ヨーランディスの狂おしい恋慕も、
ヴェスパタインの胸の中に積み重なった痛みも、
全て上質な養分になるから。
深く絡まった太い蔓は、
心の鎧を失って脆く剥き出しになったヴェスパタインの魂を、
深い深い奥底へと更に引きずり込もうとする。]
『側に居たいというのなら、その代償が欲しいかな。』
[望むのは精気。魂だけでも交わり犯せと。]
「だって、応えてくれたもん。
好きな人じゃなきゃ、抱かないでしょう?」
[愚かな少年は、未だ甘い夢から覚めきらぬ。
心などそこにはなかったなんて、気づいてはいなかった。
抱いてくれた。それだけが、愛の証と信じ切っている。]
「それとも…ディーン先輩。
…僕の先輩は好きでもない人を抱けるようなひどい人なの?」
[空の色を写したような、ヨーランディスの瞳が揺らいで潤む。
ざわりと赤いバラの蔦が蠢いた。]
――代償?
それで、先輩が守れるのなら。俺に払えるのならいくらでも。
[見えない声へ、そう返事をする。でも、どうやって自分が]
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薔薇の精的には、セルフ以外なら手段を問わない…みたい。
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好意なんてなくても。
出来るだろう。
[自分がそうしたように。
薔薇の香に狂わされていれば尚更それは簡単に叶ってしまうもの]
お前とヴェス先輩に何があったとしても。
そこに先輩の意思がないのなら。薔薇に使われただけならば。
先輩は酷くない。
「嘘だ!そんなことないもん!ちゃんと愛してくれたんだもんっ!
そうじゃなきゃ、僕…何のためにこんなこと…っ!!」
[信頼は揺らいでも、それでも認めたくなくて、
恋に狂った哀れな下級生は泣きながら走り去る。
医務室で眠る少女のように可憐な姿も、ポロポロと涙をこぼしていたとか…]
お前がそう思い込むなら、俺には何も言えない。
[恋に狂っているのは、一人でなくて。
もしかしたら自分がヨーラだったかもしれないくて。
走り去る背中、何処に行けるのかわからないけれど見送るしかなく]
[代償、と言われたことを思い出して先輩をぎゅっと抱きしめた。
自分一人でどうにかして、薔薇を満足させられないかと悪あがき]
…いや、酷いさ。
[下級生の悲痛な叫びを聞いていなかったわけじゃない。]
結果はどうあれ、あの子の思いを踏みにじったのは、事実だ。
…自分と同じ目に遭えばいいと、確かにそう思ってたから……
[ぽつりと告悔する苦悩。
胸の奥は、痛むばかり。]
だから、そんなに優しくしないでくれ。
…場違いな気がして、居心地が悪いんだ。
そんなものをもらえる資格なんて無い。
いっそ罰を報いを受けたほうが、気が楽だと思うのは。
贖罪なんかじゃなく自分勝手な自己満足だと…わかってはいるんだ…けど……。
…すまん、なんか…どうすればいいのか…わからない。
[戸惑い隠せぬまま、動けずにいた。]
俺はアディンセル先輩を、利用したんです。
なので、酷いのはヴェス先輩だけではありません。
俺の方がもっと、最低で。
[何の慰めにもならないけれど。
強烈なあのイメージはまだ残っていて、あれと同じことがヨーラや、この先輩にも起きていたのだとしたら]
……だから、自分だけを責めないで下さい。
ルーカスの件が出てきたおかげで、ますますフクザツな心境……
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……罰。
先輩はもう充分苦しんできています。
もう貴方を泣かせたくない、上手く出来るかわからないけれど。
俺に愛されて下さい……。
それがきっと、先輩の進むべき道だから。
[そんな自信本当は無い、でも。
こう言わないとそれこそ囚われたまま進めないと思うから。
抱きしめる腕、もう少しだけ力を込めて]
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…愛され……?
[戸惑う。
腕の中でおずおずと上げる視線は、野良猫のように怯えていて。
どうしていいのか分からないと眉を下げた。
ふわりと薫る薔薇色の風が通りすぎる。
妖精の囁きに、瞳は熱帯びて潤み…]
…ディー………
[薔薇の香りに酔わされて、強請るように縋り付く。
淡く色づいた唇から、綻ぶように吐息が零れた。**]
【人】 良家の息子 ルーカス[どれくらい、そうしていただろうか。 (49) 2011/08/09(Tue) 11時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス ………ハナスベリヒユ……は…… (50) 2011/08/09(Tue) 11時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス[扉を開くと、其処に残っていた強い薔薇の香に頭が痛んだ。 (77) 2011/08/09(Tue) 17時頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス ……平気、だ。 (86) 2011/08/09(Tue) 17時半頃 |
そうです。
[見た事の無い表情をする先輩にどきりと腕の力を緩め、そっと涙の痕の残る頬を撫で。
必死で堪えようとしているものがぐらりと揺れる]
……せんぱ、い……。
[また薔薇の香に踊らされて、それでも腕の中の相手は望んでいるようにみえて。
いけないと、ここで触れてしまっては繰り返しになってしまうと理性の欠片は警鐘を鳴らしているけれど。
唇を合わせようと、顔を近づけてしまうのを止められない]
【人】 良家の息子 ルーカス[罅入った世界。 (90) 2011/08/09(Tue) 18時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス[もう自分は誰からも必要とされていないと思っていた。 (106) 2011/08/09(Tue) 19時頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス ……眠っている、者からも…… (113) 2011/08/09(Tue) 19時半頃 |
―虚ろな体―
――……、…っ……
[深い眠りに落ちたまま。
目覚める気配は無く。
けれど事後の処理として。
中に侵入する指。
掻き出すために擦られる内壁。
薔薇の、淫靡な夢に囚われた体は。
眠るままに反応だけを返す。
長い睫毛が、ふるり。揺れた]
―茨の夢―
[気付いた時、居た場所は。
薔薇に囲まれた知らぬ場所。
咲き誇る薔薇は、狂おしいほどの香りを放ち。
くらり、眩暈がするけれど。
同時にそれは、とても、とても甘美で。
ぞくりと肌が粟立つ]
[現実で。
体に与えられていた刺激に煽られたかは。
定かではないけれど]
[そんなことはどうでもよかった。
ただ此処に居るだけで。
息をするだけでも。
おかしくなりそうなほどの、快感]
[囚われた魂はなおも、薔薇へ精気を与えていく]
【人】 良家の息子 ルーカス ……わかっ、た。 (118) 2011/08/09(Tue) 19時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス[青磁に浮かぶ狼狽を隠しきれない。 (125) 2011/08/09(Tue) 20時頃 |
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