14 Digital Devil Spin-Off
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[彼女の命が絶たれたのは、いつの事か。
間に合わなくても構わない。 東雲や、他に誰が居たとしても構う事は無い。
男はただ、ゆっくりと。それでもできるだけの速さで以って、プラチナブロンドの彼女へと近づいて行った。]
(4) 2010/06/06(Sun) 00時半頃
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研修生 キリシマは、そうしてまた、(06)歩歩みを進めた。
2010/06/06(Sun) 00時半頃
― 最期の刻 ―
[少女の手に命を委ねる。
それは残酷な事だと解っていたけれど、
それでも実行してくれる彼女に小さく微笑んだ]
あり、がと……――。
[そのまま失血で彼女の意識が闇へと沈む前に。
ビョウキの爪は狂いなく彼女の命の灯火を断ち切った]
― アマラの世界 ―
――……。
[あの時と似たような感覚で、目が覚めた。
いいや、意識世界が摩り替わったというべきだろうか。
此処は何処だろう、私は今何なのだろう。
ただぼんやりと、意識は彷徨う]
……Я виноват.
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―トウキョウタワー前―
――……埋葬位は、させて下さいね。
[処刑の執行された後のような。彼女の亡骸まで、たどり着く。
今、戦う意志は無い事を告げ。
その傍らに、片膝をついて座り込み。 流れる赤をか、それとも流れたように見える涙をか。 吸い取るように、その顔に左手で触れる。
その死に顔を見る表情は静かに凪いだように見え。 涙は、流れていなかった。
一滴も、流れなかった。]
(11) 2010/06/06(Sun) 01時頃
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――……煩い。
[ラルフの言葉>>13が聞こえ、また静かに冷たく言い放つ。]
今、たった今。人が死んだのです。まず言う事は、それですか。
そんな事は、後にして下さい。
[彼に送る視線もまた、ただ静かな冷たいもの。]
(16) 2010/06/06(Sun) 01時頃
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[多くの人の目に、その死は焼き付いただろうか。
見て欲しかった者、見て欲しくなかった者。
それぞれだったと思う、けれど]
Я виноват……ジュン……。
[ごめんなさい、と。
「悪いのは私です」と、繰り返す。
嗚呼、やっと――生という楔から解放された。
理という重荷から解放された。
そう思えば、自然と感情が溢れた。
そう、悪いのは全部自分だというのに]
なんで。
[こんなに涙が零れて仕方ないのだろう。
ジュンにしか見せる事のできなかった、
見せようと思わなかった涙なのに]
どうして……。
[こんなに、溢れて零れて仕方ないのだろうか。
人を殺して約束を破って、生と理から逃げ出した]
涙が、止まらないんだ……――。
[今泣いて良いのは、自分ではないはずだと解っているのに。
深い深い意識の海で、胸の裂けるような感情に囚われる]
[それでも、この涙は彼女にとっての癒しだった。
だからこそ、悲しみのない世界などいらないと思った。
悲しんで、苦しんで、それでこそ。
ヒトはヒトらしく在れるのだと、今でもまだ思っていたから――]
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[彼女の身体を、全て抱える。ふらりとふらつく足。周りに集まる人を見る。 その中に、黒髪の少年の姿。―…確か、彼女が気にしていた。]
――……アキノシンさん。…手伝って、くれませんか。
[声は、届くのだろうか。静かに言った。]
(26) 2010/06/06(Sun) 01時半頃
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貴方、戦っている最中も見ていましたね。
[姿が見えなかったとして。リリムは彼の、光の気配に敏感だ。 ただそれどころではなかったので、深く追う事は無かったが。]
彼女が死ぬ前、そこに居て。 彼女がゾーイに死を見せる事を正しいと思わないのなら。
[じっ、と。声を荒げる男の目を、ただじっと見つめる。]
(29) 2010/06/06(Sun) 01時半頃
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[彼女は泣き続けるだろう。
次に誰か、見知った者が命を落とし此処へとやって来るまで――**]
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――……貴方はこの瞬間まで、何をしていたのです?
彼女が命を落とした時も。 東雲さんと、戦っていた時も。
ただ、貴方は「居た」だけでしたね……?
[男の問いには答えない。それだけ言って、背を向ける。 彼女の死を利用するかのようなその言動は。 ただ、放っておけなかった。]
(33) 2010/06/06(Sun) 01時半頃
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そうですか。それは、お疲れ様でした。
――……彼女の死を悼まない人の埋葬など、ただ彼女が迷うだけでしょう。 申し出は、お気持ちだけ受け取っておきます。 ―…あるのならば、ですけれど。
[>>35彼の言葉に、興味なさ気に返して。手伝いの申し出には、皮肉めいた断りの口調になった。]
(38) 2010/06/06(Sun) 01時半頃
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――……他に用があるのなら、僕一人で行って参ります。 場所は、お知らせしますので。 彼女と、連絡先は交代されていますよね?
[>>37少年の視線、顔色を変えた様子に。目を細め、構わないと言う風に言って。掲示板に書き込みをしているのを、見せてもらったのかもしれない。連絡は取れる相手なのだろうと、彼女のiPhoneを借りる心算で。そこに入っているプログラムは、自分で扱えるかはわからなかったけれど。]
(41) 2010/06/06(Sun) 01時半頃
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―トウキョウタワー傍―
そうですか……そちらも、お気をつけて。 ――……何か、あるなら。僕の知っている事は、お話いたしましょう。
[>>43唇を引き結ぶ表情。死を見れば、きっとこんな表情をするものなのだろう。 なのに、男の表情はただ静かで。 視線を追うように、血に塗れた彼女の身体をもう一度見る。 抱き上げたせいか、自身の白衣にも血が染みて真っ赤になった。
やはり、涙は流れない。
男はそのまま、いずこかへと立ち去った*]
(87) 2010/06/06(Sun) 07時頃
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―どこかへ―
……っ!
[どこか。彼女を弔う場所を探して、真っ直ぐに歩いて行く。 怪我をした足が痛み。 瓦礫に足を取られたようになり、がくりと膝をついた。
ざわり。空気がざわめく。]
……格好の獲物、と言う訳ですか。
[冷たい瞳で、辺りを見渡す。闇に隠れて、ナニカが騒ぐ。
暫しの後、空気が動いた。 ただ、糧を得ようと。異形の者が、こちらへ襲いかかって来る。] [白いままだった、カードがくるりと飛び出す。 闇の中から、紅いナニカが現れて。黒い―…深く黒い霧が、全ての異形を包み込み。
悲鳴のような声までも、全て、闇に飲まれて行った。、(08)]
(112) 2010/06/06(Sun) 11時頃
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は、ははっ……。
――……何で、今更。 今更、遅いですよ……。
[乾いた笑いが零れる。
遅いのだ、今更。 だって、もう。]
(116) 2010/06/06(Sun) 11時半頃
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『我は汝。汝は我――……』
[頭の中に声が響くのも煩わしい。現れた、「もう一人の自分」を睨み付ける。
亡骸と共に、男はその場から居なくなり。 後には、真っ赤な羽がひとつだけ残された。]
(117) 2010/06/06(Sun) 11時半頃
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―埋葬中―
[少しでも、綺麗な所にと。空を駆け、場所を探す。
男を運ぶのは、竜のような蛇のような姿をした、12枚の翼を持つ。紅い姿。天使であるとも悪魔であるとも言われる竜、"サマエル"。 どちらの姿だったとしても、竜は"死"を司る。]
――……ん。
[何かを見つけ、地上へと降りる。 そこは、元は池だったのだろう。今は殆ど干上がりかけているが。
この荒れ果てた中にあって、ただ一輪。 蓮の花が、咲いていた。]
(147) 2010/06/06(Sun) 15時半頃
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―埋葬中―
…………。
[最後、掌で顔を拭うようにした後。 紅い竜の力を借りて、彼女の身体を埋葬する。 そこは、水溜りのようになった池の傍。供えられているかのように、蓮の花が風に揺れた。]
……契約違反、なんて。していませんよ。
[男が求めたのは、"先に死なないと言葉にする事。" 彼女の生死に寄らず、口にしたあの時点で、既に報酬は支払われた。]
…おやすみなさい。良い夢を。
[そう、呟いてから。埋葬の場所、空から見た正確な位置―…そこは、恐らく元は不忍池と呼ばれた場所。彼女の懐から借りた、iPhoneを操作して明之進にメールを送る。]
霧島です。荒川さんの様子はどうですか?先程言った場所は、元不忍池の辺り。目印は―…。わからないなら、声をかけてもらえれば御案内致します。
[地図機能を使う事など、男の頭には無かった。]
(151) 2010/06/06(Sun) 15時半頃
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―不忍池跡:畔―
[メールを送り。 目印にと立てた木の棒、その前に、座り込む。]
……リリムも、居なくなりましたか。
[自分の中の、悪魔。その気配は、今は紅い竜のものだけだった。
薄っすらと、気付いていた。 リリムは、"真理"を亡くして以来、その哀しみに捕らわれて。「もう誰も、大切だと思いたくない」自分の姿。それでも、誰かを欲する、自分の。]
とても、お綺麗でしたよ。もう、少し。一緒に居てみたかったのですが。 …油断、しすぎです。
[軽口を叩くようにして、話しかける。話した時間も、会っていた時間もほんの僅かだったけれど。]
(161) 2010/06/06(Sun) 16時半頃
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―不忍池跡:畔―
[ワーニャが、「物好きだ」と。「嫌いじゃない」と微笑んだ時。男は多分、幸せだった。 理を抱え、揺れすらも抱えて、それでも凛と立って戦う姿は美しいと思った。
居なくなって、今更そう感じていた自分に気付いても。]
――……今更。
[遅い。……届かない。]
(162) 2010/06/06(Sun) 16時半頃
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―不忍池跡:畔―
[伏せるようになっていた視線を上げる。]
「神」も、「悪魔」も無い世界……。 そんな世界が、良いですか?
[彼女の"理"。問いかけるように、口の中で繰り返せば。 おぼろげに、白い影が彼女の墓の前に現れる。 それは、狐に似たような形をしている気がした。]
――……『神無』。 貴女の理を成す、助けをすると言う契約。 ちゃんと、履行します。 それまでは死にません。
……貴女が、僕の理です。
[「それまでは」。呟けば、白い影は男に吸い込まれていくように、その姿を消した。]
(164) 2010/06/06(Sun) 16時半頃
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[どのくらい、泣いていただろうか。
やがて、感情の波は収まりを見せて]
――……ジュン。
[彼を残してきた事への明確な後悔が形を成す。
彼が背負って立った神無き世界という理の大きさも相俟って。
だけど]
一緒に死のう、だなんて。
[そんな事、私は言えなかった。
だから、最期に彼の手を握っておいて、すぐに突き放した。
これは自分のエゴでしかないから。
彼がそれに付き合って死ぬ必要なんて、なかったから]
――私は。
ヒトがヒトとして生きれる世界が、欲しかった。
[サマナーもペルソナもいらない。
その能力が新たな苦痛を呼ぶのなら。
何かを捨ててまで心の平穏を望むくらいなら。
悲しみの代わりに喜びがなくなるなら。
不幸の代わりに幸せがなくなるなら]
私は、ヒトらしく生きた。
[痛くても、辛くても、苦しくても。
その末に死ねた事が、嬉しかった。
最期を看取ってくれる人がいた事が、嬉しかった]
だから、ジュン。
ヒトがヒトらしくあれる世界を。
[それが叶わぬならせめて]
君がヒトらしく、死ねる事を。
[私はただ、此処から願い続けるだろう**]
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―夢か現かその狭間―
[するべき事――生きる、意味は定まった。 もう、暫くの間だけは。]
神も、悪魔も。無くします。 例えそれで、悲しむ人が出ても。混沌が酷くなるとしても。その道程で、誰かを殺す必要があっても。
[それが、彼女の望みだから。 その為に、悪魔の力を借りると言う、矛盾を孕んで居たとしても。
いつの間にか訪れていた、青い部屋の中。「もう一人の自分」に視線を遣る。]
……そうなったら、貴方も――……。
[続く言葉は、呟くように。紅い竜は、いつの間にか男と同じ顔をして血で染まった白衣を羽織る。]
[光が弾け、"サマエル"のカードがくるりと回転する。描かれているのは、12枚の翼を持った紅い竜の姿。近づく者に死をもたらすとも言われる、竜。二度も死を見取った自分と重なるようで、薄く笑う。
アルカナは、白紙の時の"悪魔"から"死神"へと変わっていた。]
(171) 2010/06/06(Sun) 17時頃
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研修生 キリシマは、落胤 明之進からの返信で、ふ、と現に戻った。
2010/06/06(Sun) 17時頃
研修生 キリシマは、灰色の雲に伸びる金色の光を、見た。
2010/06/06(Sun) 17時頃
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「ひどいけがで、」
[途切れた文章。続く言葉は。 …こんな状況下。想像するのは容易く。 iPhoneから電話番号を探し出すと、明之進に電話をかける]
…霧島です。今、どちらにいらっしゃいますか?
[手当てをしていない、自身の右足。今も微かに血が滲むそこも、じくりと痛んだ。**]
(182) 2010/06/06(Sun) 18時半頃
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研修生 キリシマは、落胤 明之進からメッセージは見せられていたが、>>43場所まではわからなかった。
2010/06/06(Sun) 18時半頃
研修生 キリシマは、鳥使い フィリップも荒川の元に向かっている事は知らない。
2010/06/06(Sun) 18時半頃
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そうですか。 では、そちらに参ります。恐らく、直ぐに着ける筈です。
[何をしに行くつもりなのか。聞こうとしても、その前に電話は切れてしまうだろう。]
(187) 2010/06/06(Sun) 19時半頃
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……サマエル。
[紅い竜を呼ぶ。その背に乗って、教えられた場所へと。]
…………。
[「何をしに行くのか」。男の中でも、明確にはなっていなかった。ただ、崩壊が起きる前。足繁く通った店先の、自身の体質の為に近づく事は適わなかった二匹の猫の事を、思い出していた。]
(190) 2010/06/06(Sun) 19時半頃
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