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?
あぁ、入ったな。
[こて、と首を傾げながら
そして
薄く開いた唇を合わせた。]
一緒に、か。
うーん。そうだな。
[眠くて快諾してしまった、きっと起きても覚えているけれど。
適当な部屋に道也を引っ張っていって、(きっとベッドの部屋だった筈だ)そのままどさりと寝転がる]
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……そっ、か。
[その時良数
その顔色の訳が「すげー形相」という言葉にあったことは、事実だった。
ゆたんぽ王子、にちょっとだけ微妙な形ながらも笑みを取り返しつつ。
そのままやがては二人の背を見送っていくことになるだろう。]
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んー、一緒はいろ。
[ああだめだ、本当に眠い。
引っ張られるがままに廊下を進んで、ベッドの上に転がる。
引っ張られたままなので、当然良数と同じベッドに転がることになるのだが。
程よいぬくもりと、寝転がれたという安堵感。
それだけでもう……]
…………。
[おやすみという代わりに良数に軽く口付ける。
そしてそのまま*意識を手放した*]
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はぁぁ? 何その反応
俺の裸見ておいて、なんもねーのかよ
[悪かったな、貧相で…]
ん
[合わせてくる唇に、満足げに目を閉じた。
―…そんなときに、雷鳴轟く。
目を開けても、そこは何も変わらぬ部屋。
すんと鼻を鳴らしても、土橋の匂いしかしないから。
薔薇の香りなどしないから。
まさか自分達がとは思わずに。
もう一度、とキスをねだる]
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[ベッドに引っ張り込んで、薄いシャツ越しに道也の体温を感じながらウトウトしていた。
と、口付けの感触。ばっと眼を開いてみるともうぐっすり寝てやがる]
ッ、こいつ……
[相手を甘やかす行為に物凄く慣れているような素振りに、複雑な心境になりつつも。
うっすらと残る泣いた痕をそっとなぞって、耳元でこそっと道也がすき。バーカ、とツンデレ織り交ぜて囁いてから眼を閉じた]
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ん。休む、か。
[休みたいとの声(
避けられなければわざと、目の前の同輩後輩に見せるかのように、触れて、近寄って。]
体調よくねえのが寝るのは、当然。気にしてんじゃ、ねえって。
[そうして、離さないとばかり手を握り直す。
皆が場を辞するなら、軽く見送ってから。自分達も上へいこうと、階上へ促す。]
―それぞれが部屋に分かれる前―
石神井、俺らとりま下の階にしとく。
三人は、上な。
起きたら広間に向かえばいいって事で?
やっぱ携帯無いとすげー不便だよな。
[眼を細めて何かを含ませたのは言うまでも無い]
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どんな格好でもお前はお前だろ?
[それに頑張って自制してたんだよ、と囁く様に告げ、
口づけの感覚に、充足感を感じて同じように眼を閉じた。
雷鳴と停電に、またか、と思いが湧き上がった。
まさか自分たちが、とは思っていなくて。
もう一度、とキスをねだる思い人に、先ほどより長いキスを贈る心算]
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それ、なんか違くね? 何も着てな…
[囁かれ、土橋の服を掴む手に力が入る。頬が熱くなった]
へぇ、そりゃご苦労さん
[長いキス。息苦しそうに身を捩じった]
[額に哲人
距離が近くなっても、ここに居た皆に見られても、少しだけはにかむ位で。]
……当然。そっか、そうだった。
[どこか甘ったるげな微笑をふわりと浮かべて。確かな手の感触を確かめながら、階上へと上がっていった。
去る前、良数
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―― 2階・元哲人の部屋 ――
[はじめにふたりで眠っていたベッドに辿り着けば、特に着替えることもせずにその中に倒れ込んだ。
勿論、ベッドの片側に少し寄って、哲人が寄り添うことができるように。]
じゃあ、おやすみ、テツ――…。
[顔色の良くない身が、うとうとと夢うつつの心地に至るのは程なくのことだったろう。]
[そんな眠りの間。一度、目を覚まして。
一人、ベッドから降りて窓の方へ寄ろうと、身体を僅かにベッドの外へと滑らせた**]
―それぞれの別れる前―
ああ、下な。わかった。
[平然と。なにか含められたのすら、受け取ったのか怪しく見えるほどに。]
起きたら広間、把握。
携帯な。こんな屋敷んなかにみっちりいりゃいらねえ気もしてたけど、やっぱいるな。
文明の利器、あなどれねー。
[笑い声はそれこそ、いつも通り、に。クラスで軽口を言うのと変わらない。]
[服を掴む力が強まり、相手の顔が赤く染まる様子に笑みを浮かべて]
好きだよ、百瀬…。
[息苦しそうに身を捩った人に、もう一度、思いを告げた**]
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[それから、甘い微笑に眼を細める。
軽く手を引いて、上へ。
自室に向かえば、空けられたベッドの隙間に、疑問を抱くこともなく身を滑らせた。]
な、夕輝。
……本気で、寝ちまうか?
[少し寂しげな色を灯した囁き。
寝台のなかで口にしたそれは、艶めいた吐息とともに、熱を持ってくぐもる。]
[心に落ちる傲慢の欲と、強すぎる不安が。
目の前で浅く眠る身体抱きしめようと、手を、伸ばす*]
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その腕の中に温もりを感じるようなら、また深く、眠っていく――
[熱を分け合ってベッドの中。
こうして好きな相手と眠るのは初めてだな、なんて考えたり。
寝顔もやっぱりキレイだな、なんてこっそり眺めてみたり。
風呂に入っておいて良かったなとか、人とキスしたのいつぶりだろうとか、寝ているようなそうでないような。
そうこうしているうちに、ぐっすり寝落ちて。
先に眼を覚ますのはどちらなのか*]
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[『恋』なんてしない方が良い、と思ったのに。
想いが届かないことを辛いと思ったから。
届かなくなったことを辛いと思ったから。
けれど、『好き』と言われればくすぐったくなる。
想われるのが嬉しくなる。幸せだと思ってしまう。
想い続けてくれたのが、くれるのが、
とてもとても、嬉しい。
―だから。
珀への小さな恋心はサヨナラして、土橋への恋心を育てていこう。
どうやら俺は、コイツのことも、好きなようだから]
[耳元で告げられる思い。嬉しくて、照れくさくて。吐息が熱い]
…100回ぐらい言えよ、ばーか
それと、別に…『調音』でも、良いから。俺のこと
[1度だけ、そう呼んでくれたのを思い出した]
[土橋は『好き』だと何度も言ってくれただろうか。
3回程は黙って聞き、
6回になった頃には耳を赤くして、
10回を越えた頃には顔から火が出そうになるから。
その唇を塞うとしよう。首に手を回して逃がさないぜ。
深く重ねて。息を奪う程に]
[ベッドに身を横たわらせて。土橋はあっちと、元最上のベッドを指差した]
自制しとけっての
…あのさ。4月の入学式に初めて顔合わせたぐらいだろ?
まだ1ヶ月も経ってないのにさ
俺の事好きって、お前いつからだ?
それに、どこが…好きなんだよ えぇ?
[白ばむはずの空は、今、ここでは何色に変わっているのだろう。
やがて微睡む百瀬が気にするのは、*先の話*]
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[夢を見た。
入学して、道也と出会ったばかりの頃の。
あれから、色々あって]
……んんー。
[目を覚ましてまだ道也が寝ているなら、首輪にちゅうっと赤い花びらひとつ*]
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―― 自室 ――
[向こうでは、この空は白み始めているのだろうか。
窓に額を押し当てて、目を凝らすけれど、変わらずの雨粒と鉛色の雲しか見えないのは。
こちらでは時間の流れが違うのか、それとも、心象のせいか。
どちらでも、変わらない。
自分が此処に居て、彼らが未だ、あの場所に居るという、事実]
――な に、やってんだよ、馬鹿っ……!
[会いたい。
会いたくない。
王子と良数の姿を認めたとき、ふたりの無事と恋を失わなかったことに、感じた素直な喜びと。
ふたりが、幼馴染のいずれでも無いことに、感じた確かな失望と。
ふたつの比重が知れる前に、天秤を壊して、取り繕った。
彼らは祝福されるべき人々。
素直に祝福、出来るひとじゃないか]
[蛍紫と士朗が来たなら。
祝福など、出来ない。何をするか分からない自分に怯えて、まともに顔を合わせることすら恐れるかもしれない。
蘭香と誰かが来たなら。
寂しさと安心を同時に感じて、祝福して。
置き去りにしてしまったことと、今までの想いを謝罪するだろう。
もし。
二人が、共に来たなら?
考えたことは無かった。
けれどもし、そんなことがあったら]
……ありがとうって、言う ……
[自分の、あさましい恋心など問題にならない程、喜びを感じるに違いない。
ふたりに拒まれたとしても、それは変わらない。
生きていてくれてありがとう。
ただ、それだけ]
ばか、や ろ っ……!
[バカだ。
どうしようもない、バカだ。
がん、と窓枠を殴りつける。
堅牢にも見えないそれは、けれどひび一つ入ることは無く。
ただ、白い包帯に、じわりと赤い染みが広がるだけ]
……ばか、 …… …っ、ばか だ……。
[ふたりが大切だ。
自分のすべてで、今までで、これからでもある筈のふたりが、何より大切だ。
そんな当たり前のことも忘れて、自分の想いを零して。勝手に、消えて。
自分の事しか見えていなかった。
否、自分のことすら、見えていなかった]
[信じない前提。
哲人の言葉が、また蘇る。
ふたりを大切に想う自分を、信じて。
ふたりもきっと、自分を大切に想ってくれているのを、信じていたら。
あんな別れじゃなく。
もっと、ちゃんと、話し合って。
そうしたら今も3人、一緒に居られたかもしれないのに]
ごめん、…… ごめん、蛍紫、蘭香……。
[蛍紫が士朗と共に、こちらへ来ない理由が分からない。
蘭香は誰が想い人なのかさえ、分からない。
ふたりに甘えて、ふたりの手を離して。
そうしてひとりになって、やっと、それだけはしてはいけなかったのだと、思い出す。
どうしようもない。
どうしようもない、バカだった]
[ぽたり、ぴちゃん、赤い染みが薄まって広まって、白を濡らしていく。
それがやがて、茶褐色に褪せた頃]
……?
[とん、とん。
控えめなノックの音に、顔を出せば。
潤んで滲む視界のなか、召使然とした少女の口が開き。
新たな客人を迎えていることを、告げた*]
―ベッドの中―
[良数に囁かれた言葉も知らぬまま、ぐっすりと深い眠りに落ちる。
夢を見た。
良数の手を、寧人が迷わず取る夢。
一歩引いたのは自分で、お幸せにって笑って。
目の前で二人がキスして、消えて――……]
……っ!
[はっと目が覚めて、目の前にある身体にしがみついた。
それが良数のものであること、良数の隣にいるのは自分であること、――ここに寧人はいないこと。
夢と現実の区別がつき始めれば、しがみつく力はゆるゆると緩んで、抱きしめるようなそれに変わる]
……おはよ、良数。
[へら、と笑いながら朝の挨拶。寝ている間に付けられた花びらには*気づいていない*]
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