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[意識だけが、はなれる。
それは、薔薇の精との事が終わった後。
医務室に運ばれた身体が見える]
――何、してんだ。俺。
[解放された意識は、漂うだけ。
同じ医務室のベッドには他にジェフやノックスの姿も見えたか。
不思議な並びに苦笑を一つ、零した**]
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――夢のどこか――
[ベッドで、ロバートと会話をしていた筈だった。
ふっと意識が途切れて次に気がついたときには知らない場所。
辺りを見回しても、ここがどこだかわからない。
何が起きているのかも解らない。
一人でいるのは、恐ろしい。
ゆるく首を傾げて、歩き出した**]
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【人】 病人 エリアス[ベネットの腕の中、口元と瞳はチェシャネコのように弧を描く] (30) 2011/12/27(Tue) 07時頃 |
【人】 病人 エリアス[薔薇の下に倒れていたベネットの体は酷く熱かった。 (33) 2011/12/27(Tue) 07時半頃 |
【人】 病人 エリアス…甘いねぇ、僕も。 (34) 2011/12/27(Tue) 07時半頃 |
【人】 病人 エリアス「セレス…どこ……」 (35) 2011/12/27(Tue) 08時頃 |
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― 回想 ―
[ズブズブと夢に落ちる感覚は、蓑や繭にくるまるに
きっとよく似ている。]
ああ、ごめんねー……―――。
重いよねー……―――。
[意識を何かから防御する間に、
己の身体が小さな下級生に運ばれていく。
夢現で呟いた声は、きっと届かない。
触れる温もり。それだけで満足できる時に還りたい。
だから、カルヴィンに謝っても意識が戻ることはなく。
否、もう戻せることが出来なかった。]
[そして医務室のベッドの1つに横たえられる身体。
きっと日頃とは違い、真っ直ぐに整えられているのだろう。
その代わりに、ノックスの精神は、いつも以上に蓑虫の形。
繭の中に丸まり、外を見ようとしない。
――……男同士の恋愛なんてありえない。
付き合うならスタイルも性格も良い女の子がいい。
――……いつか愛されて産まれた子を、両親に見せてあげたい。
それがきっと普通の感覚だと。
そこまで意識を戻す為に。
繭から一度放たれた焔を、逆再生するかのように繭に収まる。
自分の焔で、自分自身を傷つけない為に。
でも、そうすると、とてもとても寒いから。
歩きだすジェフとは対照的に
余計、身を固くして繭の中に閉じこもってしまう。
何かに折り合いがつくまでは、きっとそのまま*]
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[ふわりと漂いながら、人のいない廊下を行く。
見える、けれど向こうは自分には気づかない。
自分の体に見えたのは茨の痕。
今もこの姿でもそれは映る。
廊下を行けば、見知った金髪が見えた。
焦がれた姿。今は――]
ジェフも倒れたんだ……?
あんな状態であんな事してるからだよ。
……俺もだけど。
[かける言葉にはどこか棘が残る]
[エリアスの体を抱いた記憶は、残っている。
途中からあやふやになってしまったそれは、最後まで行ってしまったのかどうかわからず、けれど残るのは後悔、と]
せっかくだから少し話さない?
ここなら、ジェフの大事な弟も、同室の彼も、いないしさ。
[いないというより、向こうから関知されないのだが。
こちらの声が届かないのであれば、同じ事だった。
ジェフェリーの方へと一歩一歩近付いていく。
すぐ側まで行けば、少し見上げる形]
……俺さ、知ってるんだ、ジェフが秘密倶楽部にいたことも、そこで何をしてたかも。
ジェフが誰を見ているのかも。
どうしてだと思う?
[問いかける口調はいつものもの。
棘が入り込んだせいか、視線には艶すら感じられて。
ジェフェリーの髪に、手を伸ばした**]
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【人】 病人 エリアス[薔薇の香の発生源は、中庭の薔薇にたたずむ。 (46) 2011/12/27(Tue) 14時頃 |
【人】 病人 エリアス[ベネットに抱かれなかったのも、どこか欲に押さえが利いているのも。 (47) 2011/12/27(Tue) 14時半頃 |
[どこかの廊下を歩いている。
自分はどうしたのか、それもわからない。
後ろから知った声がかかる、振り返るとベネットの姿。
独りでないことに、まずほっとした。]
あんなこと?倒れた?私が?
[しらばっくれようとして、しかし続く言葉に無駄だと知る。
それなりの距離感を保てる良い友だと思っていた。
考えがまとまらない。見られていた、知られていた。何故だ。
ベネットだけでない、カルヴィンも、ノックスも、皆に知ってしまった、もしかしたらロバートも。他にも秘密を知るものは居る。
自分はどうしたらいい。]
どうしてだ。私は……
ベネットは何故。
[伸びてきた手からは逃れないから、指先に金が絡む。
艶の籠もる瞳を見ているとまた、ろくでもない自分が動き出しそうで、目を閉じてそのまま受け入れる。**]
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【人】 病人 エリアス[ベネットに重なるように僅かの時間眠っていた。 (49) 2011/12/27(Tue) 15時頃 |
どうしてって、わからない?
残念だな、ずっと見てたのに。
この学校で初めて会ってからずっとさ、俺はジェフに憧れてたよ。
ジェフがそういう事してるんだと知った時も、最初は驚いたけどね。
でも、同時に寂しかった。
俺じゃあ、大事な弟の代わりになれないから。
[髪を優しく撫でながら、口にする]
隠す必要がないとまでは言わないけど、ジェフはそのままでいいんじゃないかな?
そのプライドを持ったまま卒業して、その後で言ってみたら?
誰よりも大事なんだって。
俺はさ、ジェフのことが好きだったんだ。
[すんなりと出た言葉は過去形。薔薇の悪戯で表に出てきたのは、無意識下で抱えていた思い。
自分が倒れていなければ、看病くらいは友人としてするつもりでいたけれど]
でも、今まで気づかなくて、良かった。
もっと早く気づいてたら、俺は今でも、ジェフを好きなままだったから。
[髪からするりと指を抜いて、頬に触れる。触れたかったものが、今はこんな近くにあるのにそれほど欲さない]
――さてと。俺は素直になったから、ジェフだって素直になればいいんだ。
誰が好きなのかはっきりしないと、誰も手に入らなくなるよ?
[そういって、にこりと微笑んだ**]
【人】 病人 エリアス[ベネットを医務室につれていくのは骨が折れた。 (51) 2011/12/27(Tue) 19時頃 |
【人】 病人 エリアス誰か… (52) 2011/12/27(Tue) 19時頃 |
【人】 病人 エリアス[ベネットを寝かせるのはノックスの隣] (53) 2011/12/27(Tue) 19時半頃 |
【人】 病人 エリアスああ、…いたの。 (55) 2011/12/27(Tue) 19時半頃 |
【人】 病人 エリアス起きないんだ…皆これ以上でかくなってどーするつもりなんだか。 (58) 2011/12/27(Tue) 20時頃 |
【人】 病人 エリアスそう。それは、確かにね。 (62) 2011/12/27(Tue) 20時半頃 |
【人】 病人 エリアス[今まで妙に甘かった香に、毒を含んだような苦みを帯びる。 (64) 2011/12/27(Tue) 20時半頃 |
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[繭の中で丸まっていた魂は、
音と香りに反応し小さく身じろいだ。
部屋で起こされた時、そうするように
蓑虫がちょこっと顔を覗かせる様に
見聴きするのは……。]
もう、やだなぁ……―――。
[もにゅもにゅと零す言葉は、何に対してか。]
薔薇ちゃん、あんまりオスカー虐めないでね?
[それでも、雪うさぎを共に作れなかった
後ろめたさも手伝って願う音は
薔薇の音には成りきらない。
それでも、傷が疼くように彼らの声だけは聴こえて。]
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[入り込んだ棘はもう落ちてしまった。
けれど、棘があった、という事実が薔薇の精の声を耳に届ける。
棘に侵されたもう一人の声も]
ま、素直にって言ってもここからじゃ声は届かないか。
[そういう口調はどこか楽しそうに]
見てるだけなのは、切ないよな。
手が届かなくて、こちらを見ない相手を見続けるだけ、なんて。
って言っても、ジェフは今までもそうだっけ。
弟には、中々手を出せないし。
[自分でも意地が悪い言葉だと思う。それでも、止められないのは湧く事のなかった嫉妬心の欠片かもしれない]
【人】 病人 エリアス[薔薇は珍しくイラついたように, (84) 2011/12/27(Tue) 22時半頃 |
[オスカーを虐めないでと、願ったけれど。
その彼が、ベネットに触れるのを見れば、
アイスブルーは眼を逸らした。
――……自分は何も見ていない。
思いこんで思いこんで。
思いこんだと信じて、けれどその場には居られない。]
やっぱり……。
[逃げ出すように、歩んだ先。
見えるのは2つの影。
聴こえる声は、ベネットのもの。
ジェフの秘密を知っていて、尚、彼は……―――。
唇が歪んだ。顔を覆う。
醜いと思うものよりも、己が酷い顔をしていると判るから。]
[顔を覆ったまま、彼らに見つからぬうちに……と。
聴こえるヴァイオリンの音に誘われるように、
その場を離れた。]
[言葉を切って、ふと感じた気配に振り向く]
……ノックス?
[ジェフェリーがいるのだから彼がいてもおかしくはない。
そして彼が今この場面を見れば、どう思うのかは明白で]
ごめん、ジェフ。
行って来る。
[その傍を離れて、遠くに見えた背中を追った]
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