249 Digital Devil Survivor
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―丑三つ時―
[月の囁きでも耳にしたのか。 ざわつく心を抑えられず、ビルに無断侵入して屋上で1人で月を見ていた。 酒も肴も歌もない静かな夜だった。
元々その受け継がれてきた名が示す通り、一族は関連深かった。 だからだろうか、マガイモノであるにも関わらずいつの間にか月と親しむようになったのは。
給水塔にだらりと預けていた背が強張る。 どこか此処ではない遠くを見ていた瞳の焦点が合うと同時に、]
――ガキィィィンンーーー――…………
[夜の帳を引き裂く様な金属音が響き渡った。 ふわりと前髪が舞う。その一寸先には鋭い爪が迫っていた。 それを推し留めるのは何時の間に取り出したのか、細い棒状の何か。]
(108) 2016/06/16(Thu) 22時頃
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随分堂々としていらっしゃる。
[無造作にそれを振るえば異形の物はすぐさま飛び退って距離を取る。 自分の周りだけではなく、街のそこかしこに悪魔の気配があった。]
もう少し、早く行動するべきでしたか。
[元凶を叩かなければならないが、まずは……]
殲滅します。蹂躙せよ、オルトロス!
[左手の指に挟まれた管が光を放ち、その後には二つ首を持つ獣がそこに居た。]
(109) 2016/06/16(Thu) 22時頃
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[嬉々として獣が悪魔の群れに突っ込んでいく。それを制御しながら、自分にじりじりと迫ってくる悪魔に向き直った。
手には先ほどの細い棒状の何か。目を凝らせばそれに規則的に穴が開いている事に気付いけるだろう。
それは、笛だった。
鋼で出来た横笛。サマナーとしての自分の武器である。 普通に音を出す事でも攻撃は出来るが、今使うべきはそれではなく。 腕を一つ振れば、笛から伸びる一条の気が刃となる。
それを上段に構えるや否や、自分もまた悪魔へと肉薄した。]
(110) 2016/06/16(Thu) 22時頃
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[粗方自分の周囲の悪魔を殲滅して、時には交渉もしたかもしれない。 そういえば、と戦いの最中に存在を主張して震えていた携帯電話を取り出す。
送られたメッセージに目を細めると、ぽちぽちと押しながら歩き出した。 オルトロスが静かに後ろにつく。
『こちらは今一仕事を終えたところです。 忍田さんはどちらにいらっしゃいますか?一度各々が持つ情報と分担を確認した方がいいかもしれません。 といっても、私のそれほど情報は多く持ってはおりません。』
それだけを打ち終えると送信ボタンを押す。 メールではそれなりに普通に話せるのだった。 そして、ボタンを押している処から想像に容易いだろう。彼女もまたガラパゴス携帯である。]
(111) 2016/06/16(Thu) 22時頃
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―回想・邂逅―
[あっさりと此方の正体を看破してきたところを見ると、 こちらの世界に身を置いているのだろう。 肯定も否定もせず、というより人間と相対すると途端舌の動きが悪くなるので反応できなかっただけである。
相手から放たれる警戒の視線を静かに受け止めながら、 次に掛けられた言葉に暫し考え込む。]
命令でも、何でも、なく。 自分の意思、で、……あの鬼を撃とうと、、 その気持ちが、ある、なら、素性など些末、事……と、思います。
想像、は、つきます、が。
[脳裏に浮かべるのは先ほど飛来した矢の力。 視線をそっと自分の足先に落とした。*]
(115) 2016/06/16(Thu) 22時半頃
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[メールを送ってから、もう一人のサマナーである彼、西廻の連絡先をついでに聞いておくべきだったと気が付いたが、 再び送るのも気後れする。 会った時で構わないだろう。 もしかしたら西廻と会う方が先かも知れない。
情報と、力を持たない一般人を出来るだけ救うべく。 けれど今は手探り状態なので足が向くまままるで異界のようになった街を歩きだす。
適当に聞き分けのない悪魔を倒したり、仲魔にはしなくても比較的友好的な悪魔と取引をしたり、緊縛状態にしてカツアゲしたり、はしなかったが。]
(129) 2016/06/16(Thu) 23時頃
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生臭い風が吹いた。
悪魔の気配が二つ。一つは良く知らない気配だが、もう一つは良く知っている。 それほど力が強い訳ではないが、言葉も通じず物理攻撃も効きにくい。 ついでに群れている事もあるので厄介だ。
想像が間違ってなければ……。
人の気配もする>>98。]
(130) 2016/06/16(Thu) 23時頃
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[気付いた以上放っておくわけにもいかず、そちらに向かって走り出したのだが。
不意に一つの気配が消えた>>99。 仲間割れでも起こしたのだろうか。
ならば猶更危ない、と出会いがしらに攻撃するつもりで笛を手にする。 角を曲がった時点で、腕を振ろうとして、人と悪魔が仲良く手を繋いでいる状態>>98に慌てて腕を留める。
どう見ても友好的である。]
サマナー?
[男からはサマナーの独特の気配を感じないのに、明らかに悪魔と友好関係を築いている事。 驚くべき事態に攻撃体勢を解いて、まじまじと奇妙な二人組を*見つめた*。]
(131) 2016/06/16(Thu) 23時頃
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ヨーランダは、小鈴に話の続きを促した。
2016/06/17(Fri) 00時頃
ヨーランダは、サミュエルに話の続きを促した。
2016/06/17(Fri) 00時頃
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[悪魔、は知らないが人間の方は此方に気が付いていないようだ>>147。 話しかけてみようか、あの人間、ではなく悪魔の方に……。
そんな考えがちらと過ったが、 悪魔が手を男の手を振りほどくその少し前、近づいてくる気配を察した。
見境なしに襲っているのか、それとも。
ポケットに入れたままのマガタマの存在を思い出す。]
検証は後……。
[助太刀します、という言葉は結局口には出せなかった。 ただ、彼らを庇うように、しきの魔法の範囲内には入らないようにやってきた悪魔に向き直り、オルトロスと共にその群れへと飛び込んだ。
それが終わった時、彼らはまだそこに居ただろうか。 居たのなら話を聞こうとしただろうが、その時の彼の反応は、果たして。]
(164) 2016/06/17(Fri) 00時半頃
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[もし聞けたのなら、スマホのアプリとやらの情報も得られただろうか。
もし得られたのならぎこちないながらも礼を述べて、 交渉で手に入れた玉やらお金やらを幾ばくか渡しただろう。 危ない時に使ってください、と。
自分の事を問われれば、本当にかいつまんだ説明をしただろう。 どれ位伝わったかどうかは微妙なところではある。
それから、ついてくるならば警告はするものの止めはしないし、何処か目的地があるなら彼を見送っただろうか。
暫く歩いてから携帯電話の存在を思い出す。 確認すれば大分前にメールの着信>>134があったようだ。]
(178) 2016/06/17(Fri) 00時半頃
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[
『忍田さんも、ご無事なようで良かったです。 私も先ほどからよく絡まれます。 マガタマに群がっているのかと仮説を立てておりましたが、 サマナーという線もありますね。 確か、西廻さんもヤタガラス所属ではないそうですが、サマナーですよね。 何か情報は聞かれていますか?
そういえば、一般の方が悪魔と契約をしているの、ご覧になりましたか?』
そんな意識があるかどうかは別として、あれは一種の契約だろうと思う。 もし、櫻井から話を聞けていればアプリの事を、聞いていないならば何やら重要視していたスマホの話を憶測を交えて話しただろう。
『助言、ありがとうございます。忍田さんも何かありましたらご連絡下さい。』
そう綴ってメールを送信した。]
(179) 2016/06/17(Fri) 00時半頃
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―メールを送る少し前―
[話を聞こうと思っていたが、あちらから話しかけられてあからさまに肩を揺らしてしまう。
どういたしまして、を何とか口に出そうとしているうちに 彼の仲魔が口を開く方が早かった>>176。
しきの方へ視線を向ければ、多少なりとも緊張が和らいだ。 男が、獣に怯えている事にも気が付き、周りに危険な気配がない事を確認して一度管へと戻す。]
どう、いたしまして。 ヤタガラス、知っているのね。
……そう、私は、ヤタガラス所属。
貴方のお友達が、お世話になっているサマナーさんて、誰かしら? 後、私も、聞いていい? どうやって、彼、と、契約したの?
[見たところ目の前の悪魔に危険なものは感じないが、何か変なものが介入しているのなら止めるべきだろう。そう考えて**。]
(184) 2016/06/17(Fri) 01時頃
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[男が戸惑っているのには気が付いたか、どう説明すればいいか分からず、結局口を噤み、しきの言葉に耳を傾け、最後には気にしないでと首を振った。 お互い、縁があれば会う事もあるだろう。 今は、目の前の事象についてが優先だ。
……しかし、かなり良い友好関係を築けているらしい。 小さな優しいやり取りに驚きつつも、多少目元が緩んだ。 些細な変化だったので目の前の彼らが気付いたかどうかは分からない。
重ねて聞けばスマホ画面を見せられた。]
悪魔、召喚……プログラム……
[一体誰が、何の為に作成して配布したのか。 この事態を見越していたのか。 少なくとも目の前の男も知らない様子なので勝手に配信されたのか。 それならそれで、悪魔だけでなくネットワークにも詳しい者か。 しきにありがとうと礼を述べて、 それも含めて、忍田に連絡を入れる>>179。]
(267) 2016/06/17(Fri) 21時頃
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[それが彼の家の玄関先であろうが、話を終えたつもりになっていたので、 話しかけられれば>>198びくりと肩を揺らしてしまった。]
あ、……。
[ごめんなさい、と反射的に謝ってからしきに対していた時よりも更にたどたどしい言葉遣いで質問に答えていく。]
悪魔が、街に、あふ、れ、て…… 先ほど、の、……よう、に人を、襲って、います。 本来、なら、こんな沢山、出て、これな、いのに……。
その、プログラム、を使えない、のか、そもそ、も、持っていない、のか。 悪魔、と契約出来ない、人間、は……。
[その後は言葉を濁す。 元々彼の口元辺りに視線を置いていたが、爪先まで落とす。]
(269) 2016/06/17(Fri) 21時頃
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[暫くそうしていたが、気を取り直して話を続ける。]
悪魔、は、色々、いま、す。 その、子のように、友好的な子、もいれ、ば 話が、通じな、い、もの、狡猾なもの、人間、のように、様々
只一、つ言えるのは、人より圧倒的に、力が、強い、という、こと。
[話が長くなると判断されたのか、家に招き入れられる。 少しばかり迷ったが、こくりとと頷いてお邪魔しますと家に上がらせてもらった。]
(276) 2016/06/17(Fri) 21時頃
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[そこで、ヤタガラスの事は伏せたが聞かれた事は出来る限り教えただろう。 原因はと問われたら、分からないと答える。 ただしと付け加えて、最近流行っていたマガタマ、に何か秘密がある気がすると自分の憶測は伝えた。 このような、と取り出しせてみせたそれは、穴の周りが黒い。 前回とあまり変わってはいないようだ。]
最初は、白、い。 穢れ、を吸っ、て、黒くなる。 祓、われることなく、蓄積し、た、穢れは 膨大、だけれ、ど、人に余る、力……。
[そんな事も話したか。
話を終えれば自分と同行させるべきか、それとも離れるべきか、 少し考えて別行動を選ぶ。自分は危ない所に突っ込んでいくのだから。
その代り、悪魔のいなし方、簡単な交渉術、危ないと思ったら目を見る前に逃げる事。
そんな知識を彼に渡した。 引き止められず、そのまま何事もなければ気を付けて下さい、と言い残して彼の家を後にしただろう。*]
(277) 2016/06/17(Fri) 21時頃
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―回想・邂逅続き―
[武器が仕舞われた事に安堵する間もなく、 目の前の女性の言葉に>>209引っ掛かるものを感じて顔を上げる。]
優し、い……?
[気持ち悪いとか、暗いとか、よくわからないとかは口でも、視線でも数えきれないほど言われてきたが、そんな感想はほぼ初めてで。 瞼を忙しなさくぱちぱちとさせる。
その様子は彼女の眼にはどう映っただろうか。]
小鈴、さ、ん…… ……真月 揺籃……
私、も、小鈴さん、の、事、嫌いじゃ、ない、です。
[少し驚いたけれど、胸の裡に広がったそれは決して悪いものではなかった。*]
(279) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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[結局、櫻井はどうしただろう。 ついてきたいというのなら警告と共に一度は止めるだろうが、重ねて止める事はしない。
途中、遭遇した悪魔の群れを掃った後、携帯電話がちかちかしている事>>244を指摘された。]
…………
[知り合いが生きていたことにほっとする。 先日した依頼も、今となってはほぼ意味がなくなってしまったようなものだが、見落としている事もあるだろうし、話を聞いた方がいいだろう。]
『生きています。 今、どちらにいらっしゃいますか? このような事態になってしまいましたが、何か気付いたことや知った事はありますか?』
[そう返信した*。]
(286) 2016/06/17(Fri) 22時頃
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[届いた短いメールを何度も読み返して、小さな溜息を一つ吐いた。]
街の中、って街の何処ですか。 ……心配はないのでしょうけれど。
[もし櫻井と共に行動していたら、流暢に話すその様子に驚いたかもしれない。 後は、予想の範囲内ではあるが、腑に落ちないものもある。]
意図的に撒いて、マガタマを持った人間を悪魔に狙わせる……? そんな事の為だけとは考え辛い、ですね。
そこに、マガタマがなければいけなかった理由。 穢れを溜め込むその習性も、重要と見るべきでしょうか。
[視線を空へと転じる。 空が、何処か歪んでいる。何か薄い膜一枚通して覗いているような>>260、 そんな印象を受ける。 あれも、どうにかしなければならない。]
(311) 2016/06/17(Fri) 23時頃
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『ありがとうございます。 もし、追加で分かったことがありましたら教えて下さい。 ところで、気付いていらっしゃいますか? どうやら、閉じ込められているようですよ。一体、何が目的なのか……。 報酬はお会いした時に。』
[現在お金がどれほど価値があるかと言われれば困るのだけれど。 悪魔との交渉位だろうか。そもそも、彼は悪魔と交渉出来るのだろうか。 とりあえずは結界をどうにかするべく、いわくつきの地名を持つ護夜峠へと足を向けた。 その道中、見た目は自分より若いながらも、不可思議な力を持つ女性に会ったかもしれない>>310。]
―街中→護夜峠―
(312) 2016/06/17(Fri) 23時頃
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―回想・邂逅 終幕―
[重ねられる言葉に驚く事しか出来ず、 最後は呆然と彼女の目を見ながら、勢いに流されるように彼女の問いに答える事となった。]
あ、字、は……、 ユリカゴと、書い、て、ヨウラン、です。 呼び、やすい、ように、呼んで、いただいて、大丈夫、です。
…………………………どちらか、と言われれ、ば、す………………。
[結局最後まで言う事は出来なかった。彼女はどう反応しただろう。]
はい、また、何処かで。何かあれ、ば、呼んで、下さい。
(328) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[笑顔が綺麗な人だと混乱する頭の片隅の冷静?な部分が判断する。 だから、近づいてきても、特に敵意もないのに身構える事など出来なくて。 がしと手を握られれば、目を白黒させたまま自らの手を彼女の手に預けることになった。
その後更に少し言葉を交わしたかもしれない。 名残を惜しむ彼女をその場で見送って、その気配が完全になくなってからじ握られた手を見つめる。 仄かに残る熱に恐怖を覚えない事に、驚く。その熱がまるで染み込むように胸に温かな何かをもたらしている事に気が付くのは、もう少し後。*]
(329) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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―護夜峠―
[近くに人とも悪魔とも言い難い気配>>310を感じたが、特に此方に干渉する気配がなかったのでそのまま姿をお互い見ることなくすれちがう。
境界付近で何度か壁を叩いたり小さな呪を放ったりしてみるが、 やんわりと、時に強固に押し返される。
何となく結界の種類の目星はついたが、今の自分には解けそうもない。]
無駄足、でしたかね。
[一つため息をついて、街を振り返る。 いくつか特に気脈が大きく乱れている処がある。]
今は、中に集中しましょうか**。
(352) 2016/06/18(Sat) 00時半頃
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