163 【飛入歓迎】冬のすずなりの男子高校生村
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俺よりもか。それは楽しみだな。 男の成長期はこれからだぞ。
[>>0:229伸び幅は約30センチといったところか。 自分を見下ろす後輩の姿を想像して、くす、と笑い。
…という事は彼との縁は自分が高校を卒業しても続くのだろうか―流石に自分が卒業するまでに30センチは不可能だろう―、などと密かに思いを巡らして目を細めた。 自分から切るつもりはない。]
……。
[最初は弾んでいたのに、空気の抜けた風船のように声の勢いがなくなって。 露巡のフォローも分からなくはなかったのだが。 翠の目に涙が滲んだのに気付けば、無言でぽんぽんと肩を叩いてやった。]
(3) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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へぇ…。それはなかなか。
[>>12野久保の語る思い出話に相槌を打ちつつ、ガレージまで歩く。 子どもなら可愛らしいが、大の大人が興じているところもまた面白いのかもしれない。 放り投げられた、と聞けば驚いたように目を丸くしたが、声が小さくなったので言及はしない。]
――それは良かったです。
入瀬、見つかると良いな。
[気落ちしている様子の彼への気遣いにやはり野久保先生も立派な大人だと思いつつ、青年も話に乗っかった。]
(21) 2014/02/13(Thu) 00時半頃
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[ガレージへと向かえば、前は何色を着たのだったか思い出そうとする。 確か、去年は紫紺色のものだった気がする。
暫く考えた後に青年が手に取ったのは1 1やはり紫紺(ボーダー)2無難な紺色(でも星マークついてたり)3モノトーンに黄色のライン]
―…応!
[出陣する兵士の如く、応じる声に気合が入ってしまったのは、時代劇好きの血が騒いだからだ。]
(24) 2014/02/13(Thu) 00時半頃
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[ガレージへと向かう途中、サルが軽やかに駆けて行った。 青年は1 1その姿をしかと目に収める事が出来た。 2何かが通って行ったのは分かったが、咄嗟にサルだとは分からなかった。]
(26) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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…? パルックさんがninjya?
[>>25入瀬にしがみつかれ耳打ちされれば、青年は驚いたように彼とパルックの間で視線を何度か行き来させた。 青年の知るパルックは生徒たちを温かく迎えてくれる管理人さんだ。(普段の姿はどういったものかは知らないが。) とても生徒を襲うとは思えないの、だが。]
礼を失しなければ何もされないと思うぞ。 もしも何か危ない目に遭ったら俺を呼べ。
[後輩を安心させるように言葉を重ねつつ、取り敢えず落ち着くように宥めただろう。*]
(28) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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―…サル?
[颯爽と地を駆けるサルは何かを咥えていたように見えた。 きっと何か餌でも見繕って住処へと戻るのだろう。もしかしたら違う何かかもしれないが。
――この寒空の下、強く生きろよ。
…と、青年はあっという間に小さくなったサルの背中に心の中でエールを送った。*]
(30) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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[ガレージの中では首尾よくタイヤチューブを発見する事が出来た。 >>20興味がある、と言っていた入瀬に持っていくかどうか聞いて、持っていくと言うならば運ぼうとしただろう。
去年と同じ紫紺色のスキーウェアに身を包み―寒さが苦手なので着替えは迅速だっただろう―野久保先生の掛け声に応じた頃、>>16保健委員の後輩が野久保先生に声を掛けていた。
>>27御田先生に気付けば会釈をしただろう。**]
(34) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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[>>36応じた後に我に返って少し恥ずかしくなったりしたのだが、入瀬から質問されれば驚いたように目を丸くして首を捻る。]
…格好いいか?
[けれど問われた事に答えるべく少し真剣に考え込み。]
そうだな…何かぶれない一点を持てばいいんじゃないか。 好きなものを好きでいるとか、 仲のいい人間を大切にするとか、何だっていい。 俺は露巡に「大丈夫」と言ったお前は‘格好いい’と思うぞ。
[そして褒めるように彼の頭を撫でた。*]
(75) 2014/02/13(Thu) 21時頃
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[>>38少し元気が戻ってきた後輩には目を細めて]
それなら後で運ぼう。
[タイヤを縦向きにして、外に出る時には転がしながら運ぼうと。 身体も鍛えられるし、などと考えてしまう自分は柔道部の癖が抜けていない。 因みに柔道部では1 1役員をしていた。 2平部員だったが、裏番長と言われていた。*]
(76) 2014/02/13(Thu) 21時頃
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―外―
…ん。
[>>42緑色のウェアを着て此方に手を振ってくるのは同級生の兼家か。 青年も無言で片手を振り返し。
向こうは教師の引率はないようだが、兼家がいるなら大丈夫だろうと思うくらいには信頼を置いていた。 宮丘もいる事に気付けば、広間でのマフラーで顔を隠す仕草を思い出して、凍えない程度に楽しんで来いと心の中でエールを送る。]
(77) 2014/02/13(Thu) 21時頃
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―少し前―
[>>70どうやら意に添う事が出来たらしい。 何度か頷く円には、口元に薄く笑みを浮かべる事で応じてみせ。
円が入瀬に自己紹介するのを、間に挟まれる形で見ていた。 入瀬と円の取り合わせは何となく癒し系だなと思った。*]
(79) 2014/02/13(Thu) 21時頃
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[>>71円がソリという単語を口にしながら青ざめていたのには気付かなかったが、タイヤのチューブを発見した時に喜んでいるようでなかったのは気付いていた。]
ん、さてどうするか…。 全員分持っていってもいいが、全員で一気に滑るのか。
[青年は合宿の時にはスキーをしていたので、ソリ?に乗るのはこれが初めてで。 それ故に周囲の人間に意見を求める事にした。 一緒に滑るのならば、落ちるところは一緒だろうからもしもの際の救助の事は考えなくていいだろうか、と。
スキーをしていた事で、二年続けて校長が雪だるまになったのは目撃したが、その後に続く伝説>>62>>63は知らず。 もしその場に居合わせたなら、兼家と同じように嘘を信じ、素直に校長の事を感心していただろうに。 これも神様の悪戯という奴だろうか。]
(80) 2014/02/13(Thu) 21時半頃
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─移動前─
[>>84野久保先生の言葉には素直に納得できた。]
それもそうですね。 持っていく分にはいいですが、持ち帰るのが大変そうだ。
[もうすぐ任期が終わる、という言葉には僅かに目を伏せたが、その後に続いた要求には不器用ながら笑みを浮かべて頷いた。]
あぁ、そうでした。 うかうかしていると時間が足りなくなってしまいますね。
[ソリの方に意識が向きすぎて本題を忘れるところだった。 着替え後にはタイヤチューブの一つは自分が運ぶと申し出た。]
(92) 2014/02/13(Thu) 22時頃
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─そして出陣の音頭が響き渡る─
[>>87野久保先生にスマートフォンを向けられれば、そちらに視線を向けるが、写真は2 1緊張してしまい、ガンを付けているように見える。 2うっかり目を瞑ってしまった。]
…どうぞ。
[肖像権を主張するつもりはない。 目の前で御田先生の携帯へ勇姿?の画像が送られた。*]
(101) 2014/02/13(Thu) 22時半頃
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[>>96やがて、雪だるま作り隊は野久保先生の先導で目的の場所へと向かう事となる。 野久保先生の持っていた手袋を自分の発見したサルが咥えており、後輩と追いかけっこをしている事態になっているなどとは思いもせず。
コテージに向かう道中の事を思い出して、野久保先生の動向には注意して進んだが、思いのほか順調に進んだので青年はそっと安堵の息をついた。 やがて辿り着いたそり滑り用の小高い丘は近くで見るのは初めてで、青年はきょろきょろと辺りを見回した後。]
ここなら安全そうですね。
[先生との因縁など知る由もなく、安堵した様子で彼に笑みを向けた。]
(104) 2014/02/13(Thu) 22時半頃
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―少し前―
……。
[>>103野久保先生と>>98円の会話を聞いていて青年は黙ったまま視線を床に向ける。 もしも後輩がそれに気付いたなら、何でもない、と苦笑して首を振ってみせ。]
…俺も写真を撮りたい。 扱いがよく分からないから、誰か撮ってくれないか。
[辛うじて連絡手段として機能している青年のスマホは、ミーハーな性質の父がノリで機種変更させたものだ。 それ故に写真は撮っていない―撮る時は人に頼んでいる。主に同級生や部活の人間に―ので画像ファイルは少ないが、この思い出を残しておきたいと思った。*]
(110) 2014/02/13(Thu) 22時半頃
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ジェームスは、マドカの頷き>>115にはほっとしたように口元を緩めた。
2014/02/13(Thu) 23時頃
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─キッズ/ファミリー向けスペース─
[>>109野久保先生が驚いていた事には、彼も此処に来るのは初めてなのだろうかと思いつつ。 ファミリー向けに特化された場所を新鮮な思いで眺めていた。こういったところに来るのは小学生の頃以来。]
転げ…?滑るんじゃないんですか。
[転げまわる、という表現に北海道で放り投げられたという話を思い出しつつ、そう言って。
タイヤチューブは野久保先生の置いた隣に置いて、円が先生の手伝いをするようならば青年は入瀬と雪だるまを作ろうかと雪玉を作り始める。 因みに青年の小学生の時の図工の成績は5段階の1]
(127) 2014/02/13(Thu) 23時頃
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ジェームスは、自分の図工の成績>>127を思い出して雪だるま作りに波乱の予感を感じた。
2014/02/13(Thu) 23時半頃
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─少し前─
[>>128自分の言葉にきょとんとした先生の顔に、ガラケーだったら問題なく出来たんです、とは言わない。 円の視線には信頼をにじませて宜しく頼む、と視線を送っただろう。]
データ交換…。
[駄目だ。容量オーバー。 写真を撮る事の出来ない自分にそんな芸当など出来る筈もなく。―パソコンやガラケーなら(以下略)。 ともかく、何かあった時には円に頼ろう、と。 卒業式まで…という言葉には頷いて賛同の意思を示しただろう。*]
(137) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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酔いやすい人には大変そうですね。 俺も初めてですし、どうなる事やら。
[>>130遠い目をした野久保先生の返答に、予想以上に激しそうだという事を知る。 さて、スノーマンの作り方は知っている。小さい頃に父と作った事もある。 けれど青年は昔から図工系が不得意だ。
猫を描こうとすれば、その牙で見る者を食い破らんとするような化け物に。 粘土で兎を作ろうとすれば、耳の垂れ下がった丸っこい餅のような何かに。 自分の意図して作ったものが相手に伝わった試しがなく、先生も困ったような顔をしていたのを覚えている。]
…入瀬。頭は任せる。
[スノーマンの身体的特徴はふな…を作るよりは簡単だろうが、下の方が無難だろう、とそう青年は判断する。 雪玉を上に乗せるなら手伝おうと。]
(152) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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[雪玉を黙々と大きくする作業に専念していた頃、>>147入瀬が何かを発見する。]
…?どうした?
[一体何を見つけたのか、目を輝かせてファミリースペースから走り去った後輩に青年は声を掛ける。 聞こえていないようであれば追いかけるだろう。]
(155) 2014/02/14(Fri) 00時頃
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[>>154追いかけていった先、聞こえてきたのは後輩の歓声。 頬を紅潮させて大興奮している後輩はスマホで雪だるまを激写していた。]
…おぉ。確かに凄いな。
[素顔を隠している上に、手裏剣まで持っている。 そのクオリティーの高さに青年も感心した様子で暫く見とれていた。]
(162) 2014/02/14(Fri) 00時頃
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―少し前、入瀬と―
…ありがとう。
[>>125首を捻る後輩に感謝の言葉を告げる。 柔道の世界ではそういった評価を受ける―対戦した相手に「俺の兄貴になって下さい!」と言われた時には、「うちは家庭円満なので…」と真面目に返した事がある。―が、どちらかといえば「怖い」という評価を受ける方が多い。 やがて不思議そうにしていた後輩が自分の答えを受けて真面目な表情になり、紡がれた強い意志を持った言葉を聞けば。]
あぁ、格好いい男になってくれ。
[楽しみにしているぞ、などと言いながら自分も笑みを浮かべ、頭を撫でていた手を離したのだった。*]
(166) 2014/02/14(Fri) 00時頃
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―少し前・入瀬と―
[>>136寂しい、という後輩の言葉に青年は眉を下げる。 視線を落としていた事には気付かれてしまったようで、何でもないと告げながら首を振り。]
ん? ―どうした?
[何か言いたげだった後輩の唇は、何でもないと結んで閉ざされる。
青年は暫く黙っていたが、あまり溜めこむなよ、と言って苦笑した。*]
(170) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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[>>160後輩からは自信のありそうな返事が返ってくる。そんな入瀬はとても頼もしく見えた。]
あぁ、任せた。
[少しほっとして表情を緩め、自分は下の部分を作ろうと作業に専念し始める。 雪玉を作るのなら大丈夫な…筈。
やがて後輩が何かを見つけて走り出していったので、それを追いかける事になった。]
→そして、ninjya雪だるま発見へ。*
(181) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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[>>182我に返った様子の後輩に話しかけられて、青年は視線を彼に移す。]
あぁ。 こんな凄いものを作ったんだ。きっと悪い人ではないだろう。
[それを最初この後輩が作っていたとは知らず、青年は只この雪だるまと製作者をを賛辞する。 学校の生徒以外もこのゲレンデには来ているから、もしかしたら知らない人が作ったのかもしれないけど。]
いや、大丈夫だ。 お前のお蔭でこの雪だるまを見れた。
―そうだな、そろそろ…
[戻るか、と来た道を引き返そうとして雪に気付き、空を仰ぐようにして降る雪を暫し見上げていた。
今年が青年にとって最後の合宿だからだろうか。何だか感慨深い気分になった。]
(190) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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―ン、
[どれだけの間、眺めていただろうか。 >>194傍らの後輩に見られている事には気付かず。 >>#0>>#1やがてスキー場に放送がかかれば青年はそれにじっと耳を澄ませ。]
―…天候には逆らえないな。
入瀬、取り敢えず二人の方に向かおうか。
[肩を竦めてみせながら、後輩に声を掛ける。名残惜しさは胸の中のみに留め。
二人の雪だるまは完成しただろうか。 辿り着いたら見せて貰おう。 雪だるまを作れなかったのは残念で。 暫し猶予があるなら作り上げたいものだが、野久保先生が帰るように言うならばその指示に従うだろう。**]
(196) 2014/02/14(Fri) 01時頃
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―そうだな。可能なら、明日作ろう。
[>>198残念そうにする後輩に頷いて応じつつ、元いた場所へと引き返そうと。 雪だるまの持っている手裏剣を回収する様は目に収めつつ、呼ばれれば僅かに首を傾け。]
ん?
あぁ、構わないぞ。
[手袋越し、自分の手を握って見上げてくる後輩と視線がかち合う。 いつもと違い、どこか寂しげな様子の入瀬の申し出に少し心配になりつつも、許可の意思表示をして軽く握り返す。
彼から手を離すまでは、その手は繋いだまま。]
(217) 2014/02/14(Fri) 12時半頃
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[そして野久保先生と円と合流するまでの間。 雪を踏みしめて歩きながら、傍らの後輩に向かって青年は語りかける。
それは柔道部の夏合宿の時の話。 ―入瀬と青年の共通の思い出。]
(218) 2014/02/14(Fri) 12時半頃
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[柔道部の合宿の内容は、娯楽よりも強化合宿的な意味合いが強い。 けれど最終日には近くの海水浴場で遊ぶ事が許されていたし、前日の夜には毎年肝試しを行っていた。
最終学年の青年は本来は各ポイントで部員が道に迷わないように待機する役だったのだが、怖がりの後輩に脅かし役を変わって貰えるように頼まれて了承した。 相方の後輩からの指示は腕を組んで立っているだけ。 頃合いが来れば相方が斜め下から青年を照らす手筈になっていた。 一体これの何が怖いんだろう、と思いながら青年はその通りにした。
しかし照明の辺り具合が絶妙だった所為か、ふと照らし出される陰影がついた青年の仏頂面は予想外に阿鼻叫喚を呼んだ。―相方だった後輩はその才能を何処かで生かせばいいと思う。
自分に向かって駆け寄ってきたのは入瀬くらいのものだ。]
(219) 2014/02/14(Fri) 12時半頃
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[盛大に悲鳴をあげられ、青年は眉間に皺を寄せながらもこっそり傷ついていたのでいつも通りの後輩の反応は嬉しかった。]
…あの時あいつは悔しがっていたが、お前はなかなか肝の据わった奴だと言ってたぞ。 将来は大物になるだろうと。
[その時の相方だった二年の言葉を入瀬に届ける。 間近に控えた試験の結果がどうであれ、もう暫くしたらこんな風に話す機会はなかなか持てなくなってしまうだろうから。]
お前の努力は俺も評価されるべきものだと思う。 だから自信を持って稽古に励むといい。
(220) 2014/02/14(Fri) 12時半頃
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