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メモを貼った。
―― 地下聖堂 ――
[ゆるりと瞼を開け、身を起こす。
見覚えのない天井が見えた。
濃密で甘い芳香が漂っている。
まるで夢の中にいるような心地でぼんやりと座り込み。
視線を彷徨わせて人がいる事に気づいた。]
―――…。
[アヴァロン伯とラルフの姿。
アヴァロン伯は灰になって散った事を思い出す。
ならきっとそういう事なのだろうと理解した。]
そう…私は死んだのね。
[そっと首筋を撫でる。
痛みも苦しみもない。
自分に手を掛けた彼は優しかったから、きっとそのおかげだと思った。]
メモを貼った。
―― 地下聖堂 ――
[二つであったはずの気配が三つに増える。
新たな声に女はピクと肩を揺らし其方を見遣る]
――…ようこそ
死者の世界へ
[歓迎の言葉を紡げど
エリアスの死を喜ぶような響きはなく]
あなたは――…
魔女にはならずに済んだのね
【人】 学者 レオナルド[一つ大きく息を吸い、声に震えの出ないよう、ひとつひとつしっかりと発音する。] (10) 2012/05/02(Wed) 00時半頃 |
【人】 学者 レオナルド[吸血鬼の、それも吸血鬼の王《ヴァンパイア・ロード》とも言うべき存在を、真正面から見据えるのはかなりの勇気が必要だった。 (11) 2012/05/02(Wed) 00時半頃 |
魔女…。
[そう答える声に力はない。
私は人として死ねる、そう言った時のドナルドの反応を思い出す。
彼は心は人間のままにあった、そう感じた。
なら、目の前にいる彼女――アヴァロン伯もそうなのかもしれない。]
……魔女狩りのように貴女を狩り。
私はもうすでに魔女だったのかもしれません。
[保身の為に異端審問に突き出そうとした事実は消えない。
醜悪なのは吸血鬼であるアヴァロン伯よりもきっと。]
私は神の元には行けませんね……。
[悲しげにそう呟いた。
このまま朽ち果て、忘れ去れてしまうのだろう。
それも宿命なのだと受け入れるしかなかった。]
罪無き罪を断じられるのは誰しも恐ろしい
魔女の汚名を返上するために力を尽くしたあなたを
私は立派だと思うわ
人であればこそ
生きるために足掻くのでしょう
[女は守られるばかりで生きる為の努力を怠った。
討伐隊に狩られた事を恨めしく思う気持ちはない]
魔女ではなく、人なればこそ、と
私はそう思う
[神のもと、とエリアスの呟きには淡く微笑むのみ]
【人】 学者 レオナルド あなたの血を、いただきたい。 (16) 2012/05/02(Wed) 01時頃 |
…貴女はとても綺麗な世界で生きてきたんですね。
[純粋に羨ましい、そう思う。
汚い世界を見たから綺麗事ばかりを述べる事など自分には出来ない。
彼女が悪いわけでも、自分が悪いわけでもなく。
ただ、生きてきた世界が。
見えていたモノが違っていただけ。
彼女のように綺麗な世界で生きていたい。
もう死んでしまった自分には叶わない願い。]
…まだ、死にたくなかった。
[小さく呟く。
人として死ねる幸せ、それは紛れもなく本音ではあったけど。
本当は生きていたかったのだと、はっきりと悟った**]
人であった頃は――…、そうかもしれない
[平凡な家庭に生まれ平穏な日々をすごしてきた。
元々持っていた魔力も使う必要もなく
魔女と言われることもなかった。
死にたくなかった、と呟くエリアスを
濡らしたままの深紅の双眸が見詰める]
死にたくなかった、なら
人としてではなく……
私のように闇に属する者としての生を受けてみる?
[女が示すは一つの選択肢。
人としてあるか吸血鬼として生きるかは
エリアス自身が選ぶべき事]
【人】 学者 レオナルド 私は、生命の根源に至りたい。 (21) 2012/05/02(Wed) 01時頃 |
【人】 学者 レオナルド[レイピアを選んだのは単に、武器に習熟していない自分が使うを考え、両手持ちとなるエストックよりはまだいくらか扱えそうだという判断に過ぎない。] (31) 2012/05/02(Wed) 02時頃 |
【人】 学者 レオナルド[だが、残された時間は僅かしかない。 (33) 2012/05/02(Wed) 02時頃 |
【人】 学者 レオナルド[痛みがなくても、息の出来ない苦しさがなくなる訳ではない。 (48) 2012/05/02(Wed) 09時頃 |
【人】 学者 レオナルド[背筋を伸ばし、おもむろに歩き出す。 (50) 2012/05/02(Wed) 09時半頃 |
【人】 学者 レオナルド[騎士の目覚めを目の当たりにし、驚きに軽く目を見開いたが、当たり前のように吸血鬼に臣下の礼を取るのを見て、胸に暗い感情が湧き上がる。 (59) 2012/05/02(Wed) 11時半頃 |
【人】 学者 レオナルド[と同時に、今の動きから冷徹に身体能力を測ることもしていた。 (60) 2012/05/02(Wed) 11時半頃 |
【人】 学者 レオナルド[吸血鬼の王の言葉に答えることも口を挟むこともなく、階段まで一歩ずつ床を踏みしめて歩く。 (67) 2012/05/02(Wed) 13時頃 |
【人】 学者 レオナルド ――その男は。 (68) 2012/05/02(Wed) 13時半頃 |
……え…貴女のように?
[アヴァロン伯の言葉(
人として死ねたのは幸せな事――本当に?
目の前にいるアヴァロン伯は闇に堕ちても人と変わらぬ心を持っているように見える。
――私も同じように。
甘い考えが胸の内で渦巻いて離れない。
一度死にたくなかったのだと自覚した身では抗う事は難しい。]
本当に…まだ生きていてもいいの?
[縋るような瞳でアヴァロン伯を見つめる。
生きて。
魔女と謗られる事もなくひっそりと生きていければ。
それはなんて素敵な事だろうと思った。]
――ええ、私と同じように
幸い、あなたの身体はまだ形を保っている
あなたが望み、主が――…
[何か思い出したように口篭り
ゆるゆると小さく首を振る]
主でなくとも、吸血鬼が応えれば
第二の生を、生きられる
あなたが生きたいと望むなら
[良いのかと問うエリアスに肯定の頷きを向けた]
人であった頃と全く同じではないでしょう
血を欲してしまうこともあるでしょう
血を与えた“親”に従うことも必要になるでしょう
[示した選択肢により
変わるだろう事をぽつぽつと語り]
それでももう一度
生きたいと言うなら
――…それはきっと叶う
[傍にいるなら女の声は聞こえているだろう。
エリアスにそういい終えると
今度はラルフへと顔を向ける。
彼は如何思うのだろう、と。
そんな思いをもち、その反応を窺った]
[諭すようなアヴァロン伯の言葉(
人であった頃と全く同じではない。
血を欲し、血を与えた親に従う。
それが辛い事なのかは分からない。
人でありたい。
死にたくない、生きていたい。
相反する願いが胸中を渦巻いて苦しい。]
…私は。
[保身の為に異端審問に突き出そうとした。
すでにこの心は魔女と同じであると、そう思う。
もう汚れているこの身ならば。]
それでも生きていたいと、そう願ってしまいます。
[罪深い願いに自嘲するようにそっと笑みを洩らした。]
[俯くエリアスに歩み寄り、視線を同じくして]
其れがあなたの願いなら
叶える為に私も力を尽くしましょう
[女はエリアスたち討伐隊に追い詰められ退治された魔性。
それも世の理と何処かで思っていたから咎める気もない。
ただ残してきた者の行く末が心配でそれが未練となっている。
それが消えてしまえば、留まる理由さえ消えるかもしれぬが]
苦しそうな、貌
過去があなたを苛むなら
その過去も取り除いてしまいましょうか
[幼子をあやすかの如く撫でようと
エリアスの頭へと手を伸ばした]
[アヴァロン伯の手が頭に触れ、優しく撫でられているのが分かる。
涙腺が緩みそうになるのを堪える、素直に泣けない程には年をとっていたから。]
…過去を消す事など出来るのですか?
[過去は生きてきた証でもある。
それを消してしまうのもまた罪深いような気がして。
それでも全てを忘れて新たな生を歩む事が出来るのなら。
それはとても有難い事だと思った。]
[エリアスの言葉の一つ一つが
歩んできた一端を垣間見せるように思う。
姿変わらぬままそれなりの年月を経た女は
艶やかなエリアスの髪を撫で目を細めた]
私は魔女だから
それくらいの魔法は使えてよ?
[主の血を受けた肉体が失われ
血の束縛さえ薄れてしまった女は
此処でない場所では口にしなかった事を
悪戯っぽい口調で告げた]
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