人狼議事


73 ─深夜、薔薇の木の下で。

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[意識だけが、はなれる。
それは、薔薇の精との事が終わった後。

医務室に運ばれた身体が見える]

 ――何、してんだ。俺。

[解放された意識は、漂うだけ。
同じ医務室のベッドには他にジェフやノックスの姿も見えたか。

不思議な並びに苦笑を一つ、零した**]


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――夢のどこか――

[ベッドで、ロバートと会話をしていた筈だった。
 ふっと意識が途切れて次に気がついたときには知らない場所。

 辺りを見回しても、ここがどこだかわからない。
 何が起きているのかも解らない。

 一人でいるのは、恐ろしい。

 ゆるく首を傾げて、歩き出した**]


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― 回想 ―

[ズブズブと夢に落ちる感覚は、蓑や繭にくるまるに
きっとよく似ている。]

 ああ、ごめんねー……―――。
 重いよねー……―――。

[意識を何かから防御する間に、
己の身体が小さな下級生に運ばれていく。
夢現で呟いた声は、きっと届かない。
触れる温もり。それだけで満足できる時に還りたい。

だから、カルヴィンに謝っても意識が戻ることはなく。
否、もう戻せることが出来なかった。]


[そして医務室のベッドの1つに横たえられる身体。
きっと日頃とは違い、真っ直ぐに整えられているのだろう。
その代わりに、ノックスの精神は、いつも以上に蓑虫の形。
繭の中に丸まり、外を見ようとしない。

――……男同士の恋愛なんてありえない。
    付き合うならスタイルも性格も良い女の子がいい。
――……いつか愛されて産まれた子を、両親に見せてあげたい。

それがきっと普通の感覚だと。
そこまで意識を戻す為に。
繭から一度放たれた焔を、逆再生するかのように繭に収まる。
自分の焔で、自分自身を傷つけない為に。

でも、そうすると、とてもとても寒いから。
歩きだすジェフとは対照的に
余計、身を固くして繭の中に閉じこもってしまう。
何かに折り合いがつくまでは、きっとそのまま*]


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[ふわりと漂いながら、人のいない廊下を行く。
見える、けれど向こうは自分には気づかない。

自分の体に見えたのは茨の痕。
今もこの姿でもそれは映る。

廊下を行けば、見知った金髪が見えた。
焦がれた姿。今は――]

 ジェフも倒れたんだ……?
 あんな状態であんな事してるからだよ。

 ……俺もだけど。

[かける言葉にはどこか棘が残る]


[エリアスの体を抱いた記憶は、残っている。
途中からあやふやになってしまったそれは、最後まで行ってしまったのかどうかわからず、けれど残るのは後悔、と]

 せっかくだから少し話さない?
 ここなら、ジェフの大事な弟も、同室の彼も、いないしさ。

[いないというより、向こうから関知されないのだが。
こちらの声が届かないのであれば、同じ事だった。

ジェフェリーの方へと一歩一歩近付いていく。
すぐ側まで行けば、少し見上げる形]

 ……俺さ、知ってるんだ、ジェフが秘密倶楽部にいたことも、そこで何をしてたかも。
 ジェフが誰を見ているのかも。
 どうしてだと思う?

[問いかける口調はいつものもの。
棘が入り込んだせいか、視線には艶すら感じられて。

ジェフェリーの髪に、手を伸ばした**]


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[どこかの廊下を歩いている。
 自分はどうしたのか、それもわからない。

 後ろから知った声がかかる、振り返るとベネットの姿。
 独りでないことに、まずほっとした。]

 あんなこと?倒れた?私が?

[しらばっくれようとして、しかし続く言葉に無駄だと知る。
 それなりの距離感を保てる良い友だと思っていた。

 考えがまとまらない。見られていた、知られていた。何故だ。
 ベネットだけでない、カルヴィンも、ノックスも、皆に知ってしまった、もしかしたらロバートも。他にも秘密を知るものは居る。
 自分はどうしたらいい。]

 どうしてだ。私は……
 ベネットは何故。

[伸びてきた手からは逃れないから、指先に金が絡む。
 艶の籠もる瞳を見ているとまた、ろくでもない自分が動き出しそうで、目を閉じてそのまま受け入れる。**]


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 どうしてって、わからない?
 残念だな、ずっと見てたのに。

 この学校で初めて会ってからずっとさ、俺はジェフに憧れてたよ。
 ジェフがそういう事してるんだと知った時も、最初は驚いたけどね。

 でも、同時に寂しかった。


 俺じゃあ、大事な弟の代わりになれないから。

[髪を優しく撫でながら、口にする]

 隠す必要がないとまでは言わないけど、ジェフはそのままでいいんじゃないかな?
 そのプライドを持ったまま卒業して、その後で言ってみたら?
 誰よりも大事なんだって。

 俺はさ、ジェフのことが好きだったんだ。


[すんなりと出た言葉は過去形。薔薇の悪戯で表に出てきたのは、無意識下で抱えていた思い。
自分が倒れていなければ、看病くらいは友人としてするつもりでいたけれど]

 でも、今まで気づかなくて、良かった。
 もっと早く気づいてたら、俺は今でも、ジェフを好きなままだったから。

[髪からするりと指を抜いて、頬に触れる。触れたかったものが、今はこんな近くにあるのにそれほど欲さない]

 ――さてと。俺は素直になったから、ジェフだって素直になればいいんだ。
 誰が好きなのかはっきりしないと、誰も手に入らなくなるよ?

[そういって、にこりと微笑んだ**]


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[繭の中で丸まっていた魂は、
音と香りに反応し小さく身じろいだ。

部屋で起こされた時、そうするように
蓑虫がちょこっと顔を覗かせる様に
見聴きするのは……。]

 もう、やだなぁ……―――。

[もにゅもにゅと零す言葉は、何に対してか。]

 薔薇ちゃん、あんまりオスカー虐めないでね?

[それでも、雪うさぎを共に作れなかった
後ろめたさも手伝って願う音は
薔薇の音には成りきらない。

それでも、傷が疼くように彼らの声だけは聴こえて。]


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[入り込んだ棘はもう落ちてしまった。
けれど、棘があった、という事実が薔薇の精の声を耳に届ける。
棘に侵されたもう一人の声も]

 ま、素直にって言ってもここからじゃ声は届かないか。

[そういう口調はどこか楽しそうに]

 見てるだけなのは、切ないよな。
 手が届かなくて、こちらを見ない相手を見続けるだけ、なんて。
 って言っても、ジェフは今までもそうだっけ。
 弟には、中々手を出せないし。

[自分でも意地が悪い言葉だと思う。それでも、止められないのは湧く事のなかった嫉妬心の欠片かもしれない]


[オスカーを虐めないでと、願ったけれど。
その彼が、ベネットに触れるのを見れば、
アイスブルーは眼を逸らした。

     ――……自分は何も見ていない。

思いこんで思いこんで。
思いこんだと信じて、けれどその場には居られない。]

 やっぱり……。

[逃げ出すように、歩んだ先。
見えるのは2つの影。
聴こえる声は、ベネットのもの。
ジェフの秘密を知っていて、尚、彼は……―――。

唇が歪んだ。顔を覆う。
醜いと思うものよりも、己が酷い顔をしていると判るから。]


[顔を覆ったまま、彼らに見つからぬうちに……と。
聴こえるヴァイオリンの音に誘われるように、
その場を離れた。]


[言葉を切って、ふと感じた気配に振り向く]

 ……ノックス?

[ジェフェリーがいるのだから彼がいてもおかしくはない。
そして彼が今この場面を見れば、どう思うのかは明白で]

 ごめん、ジェフ。
 行って来る。

[その傍を離れて、遠くに見えた背中を追った]


[そして、辿り着くのは音の降る場所。
フィリップの近くで、星に願う音を聴く。]

 うん、やっぱり、いい音……――。

[顔を覆っていた手を落とし、呟く。
少し今まで2回聴いたそれと違う気がしたけれど。
それでも根幹は、きっと同じ。

大気圏に触れて燃えて消え堕ちる流れ星のように、
一度燃え盛った焔は穏やかに落ちついた。
このまま、どす黒い何かも消えてしまえばいい。]


[そして音が止んだ。
酷く穏やかな気持ちになったけれど、
セシルの唇から落ちる言の葉に、唯心配そうな顔をした。]

 願いを叶えたって顔じゃないけどなぁ。

[けれど、その声は、もう彼には届かない。
きっと、何をしてあげることもできない。
出来たとしても、それが彼の為になるかは

――……薔薇の声でのあれこれを思い出して
苦く微笑むしかない。

それでも、願うことは許されるだろうか。
部屋を貸してくれると言ってくれた彼の為に。]

 セシルにも、良いことがありますように。


[音の鳴り響く廊下。そこに、その背中を見つけた。
言えば、聞いてくれるだろうか、と思う。

彼を傷つけたのは自分で、恐らく誤解もされていて。
音がやむ]

 ――ノックス。

[声をかける。彼は、自分の言葉を聞いてくれるだろうかと]


[純粋に誰かの幸せを祈る背に、かかる声。
ぴくっと肩が一度震え、止まる。
振り返った顔は、いつもの微笑。]

 ――……ベネット先輩。

[感情を凍らせたようなアイスブルーが
同室の先輩の姿を映す。]

 なんで、此処にいるんです?

[そう言えば、そもそも何故という部分が抜け落ちていた。
これも薔薇ちゃんのお節介かな……とは、思ったけれど。
それプラス、先程彼が誰の前にいたか、知っているから。
何故、自分の前に立つの……と。]


 なんでって、……なんでだろ。
 薔薇に魅入られたから、かな。

[ノックスの前、ではなく、同じ空間にいる理由を告げる。
薔薇の精と何をしたのか、言えない]

 ちゃんと、謝ろうと思って。
 俺の態度が曖昧で、俺の言葉がノックスを傷つけたのなら、謝りたい。
 でも、俺はジェフの代わりだなんて、思ったことはないよ。
 
 俺は、確かにジェフの事が好きだったけど。
 もうそれはいいんだ。どんなに考えても、過去形にしかならない。

[首を振って、ノックスを見る。
あれから、事あるごとに思い出すのはジェフではなく、彼のことで。
どう言えば伝わるのだろうともがく]


[撫でられる。
 その手はとても優しくて、閉じたままの瞼が震えた。]

 すまない。

[最初の謝罪は、驚かせたことと悲しませた事に。]


 ……ありがとう。

[次の感謝は、背を押してくれる言葉と、気づけなかった好意へ。]

 私みたいな、どうしようもない男でも。
 ベネットのように好いていてくれる人が居ると知れた。

[頬にその手が触れると、ゆるりと瞼を開いて見下ろす。
 美しい笑みに、感情に気づけなかった。
 本当に自分は酷い男だ。] 


 素直に。
 しかし、私が素直になったところで。
 好きなのは。

[背をしゅんと縮めて、情けない顔になった。
 とっさに、最愛の弟の名が出なかった。おかしい。
 記憶が途切れる前に見た金色は。]

 ん。ああ。本当に有難う。
 出来ればこれからも良い友人としていて欲しいと、欲張りな私は思ってしまうが。

[去る背中を見送る。その向こうの淡い金色に、ああと反対側に歩き出す。

 私が好きなのは、誰だ。]


 薔薇に?そっか……―――

[相手の言葉に、淡い色合いの睫毛が伏せられ
頬に濃い影をつくる。]

 俺が、謝られるようなことってあったっけ?

[唇が、戦慄きながら弧を描く。
もう、それ以上、聴かせないでと拒否するように。
けれど、それは叶わずに。
先程まで優しかった世界に満ちる音は、
残酷にノックスの鼓膜を叩く。]

 ――……過去でも、実の弟を性の対象にするような人
 貴方は好きだったんだろう?

[だから、あっさりと繭は燃えた。]


 そんな、趣味の悪い貴方に、俺が好かれるなんてことない。
 ――……わかってるよ。

[だって自分は常識人だと、壊れた笑みで告げる。
こんな言葉、吐く自分が、誰よりも醜いと]

 わかってるよ。

[2度告げる言葉は、自分を貶めるだけのもの*] 


―少し前―

 ……ジェフそんなに酷い?
 そりゃ身代わりで抱いてたらそう思うんだろうけど。
 抱かれる方も承知の上だろ?

 ジェフは、理想が高いからそう思うんだよ。

 ん、言ったろ、俺も倒れてなければ、友人として看病するくらいには思ってたって。
 それに、それくらいは欲張りでも、なんでもない。

[去り際、笑ってその願いに頷いた**]


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 は、趣味が悪いって、言ってくれるなぁ。
 仕方ないだろ、好きなんて気付かなかったんだから。

 気付いてても、変わらなかっただろうけど。

 ノックス、できれば逃げないで欲しいんだけど。

[そう言って、ノックスのほうへと近づいていく。
壊れた笑みは、自分のせいだとわかる]

 今の俺は薔薇の影響下にない。
 香りもしないし、意識だってまともだ。

 でも、ノックスにキスしたいっていったら、だめかな。

[触れたい。誰よりも、彼に。失いたくない温かさを、知ってる]


  ――――独りだ。

 色々と考えるのには良いのかもしれないが。
 


 わかってないよ。
 
 俺が、誰を好きになるかは俺が決める事だし。
 鈍感だから中々気付かないし。
 でも、素直になるとさ、俺がしたいことは一つなんだ。

 ノックスに、触れたい。
 ……部屋に、戻ってきて。

[そう口にして、ノックスの顔を覗き込んだ**]


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 趣味が悪いことは、否定しないんだ?

[近づく人を、今はもう感情を隠せないアイスブルーが
鏡のように映し、紡がれる言の葉にひくっと頬が引き攣った。]

 判ってないよ……先輩は何も判ってない。

 だって、そうでしょう?
 本当に好きだったら、大切だったら、簡単に触れるなんて。
 男同士で、兄弟で?此処から出たら異端なんだよ。
 相手の幸せを願うなら、辛くても触れない。
 嫌われたって、おかしいって言ってあげるのが本当だよっ

 そうじゃない関係なんて、好きっていう言葉を免罪符に
 慾に溺れているだけじゃないか。

[だから、嫌悪したのだ。ジェフとその周囲を。
けれど、そう思って尚、止められない感情というのを
今まさに体験していて―――苦しい。]


 だから、そう思ったから、俺は……

[逃げ回っていたのに……と。]

 なのに先輩は、俺を酷い人にしようとする……。

[覗きこまれる顔を、両手が覆った。まるで泣くように。
けれど、涙は、まるで裡から溢れる焔で
蒸発させられたのか、まったく零れなくて。
ゆるく落とす両手の下、現れる眸は、ぞっとするほどの
情念に焦がれている。]

 本当に、趣味が悪いよ……―――

[それでも、ベネットがノックスに触れるなら。
この裡に荒れ狂う焔で、彼を焦がしてしまうのだろう*]


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