224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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[息を吸って、吐く。 ヴェスパタインに促され、メモ用紙を手に取る。 一度、先程まで思っていた名前を書いて、消した。…覚悟を決めろ。
戦う覚悟を。 これは、今からその名前を書くのは、そう言う事だ。]
(233) 2015/05/28(Thu) 23時半頃
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[ヴェスパタインの置いたシルクハット >>228 を見て
処刑… 誰かを、葬らねばならない。]
私はどうやら、一夜に一人の正体しかわからないようだ。
無実の者を、犠牲にしてしまうかもしれない…
[このやり方はとても残酷で それに対して私の能力など、無力に近いのかもしれない───
渡された紙を握りしめた手は、ひどく震えていた]
(234) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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リーは、メモ用紙をシルクハットに入れた。**
2015/05/29(Fri) 00時頃
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[階段を上りかけて、長髪の男が現れつげた言葉>>に鼻を鳴らす。]
ふん―――いいだろう。
[そうして、恐らく誰よりも躊躇なく紙片をとり、懐から万年筆を取り出した。]
……わしは、その女―――メルヤとか言ったな。 そいつの名前を書く。
[そうやって手早く紙片に書き付けると小さく折りたたみ、シルクハットに入れた。]
これで用は済んだだろう。
(235) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[ヨアヒムが投票先をはっきりと告げたのは、策略。
恐らくこの排他的な村のことだ。よそ者に対して投票する人間が多いだろう。 場合によってはアランすら裏切る可能性がある。
―――だが、どこにだってもろい人間はいる。 そこに真実か嘘かわからない、しかし強い言葉を投げればどうなるか?
そこに生まれるのは―――混乱。
そう、彼は己の身を守るためだけに、すでに"狂って"いるのかもしれない。]**
(236) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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ヴェスパタインさん… >>232 おそらく昨日からですが、自覚はありませんでした。
ただ昨日の晩、眠りの浅い時に 記憶の中のリーの体温、暖かさのようなものを感じたのです。
[突然自分の中に生まれた能力に、アラン自身も少し戸惑っている]
(237) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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ヨアヒム様。 私の職務は、貴方をモスクワへ無事に帰還させることです。
どうか… 私のことを、信じてください。 全員とは言いませんが、村の者を、信用してください…!
(238) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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ああ、そうか。 そりゃー驚くよな。
[戸惑う様子のアリーニャの肩をぽんと叩いて、疑っててすまなかったと。]
バレたら狙われるとかは…お前の事だ、思わねーよな。 昔っから、そんなだった。 守護者も、どこかに隠れてる。きっとお前さんの事を守ってくれるさ。
だから、早いこと雪鬼を見つけてくれ。 疑われてる奴が無実だとわかれば、殺さずに済むんだし
(239) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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アランは、唇を噛みながら、ヴェスパタインの言葉に頷いた。
2015/05/29(Fri) 00時頃
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[視線は、各自の手の中へ渡っていく小さな紙へ。
その行方を観察して、一番真っ先に入れた手を見やる。
躊躇せず迷いなく書けたのは、探す必要がないから? 自分さえ生き残ればいいのならば、それは……]
(240) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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ちが、…違う。 ジリヤ!
[何が違うと言うのだろう。
自分を信じたい、とそう告げてくれた人物に対して、一瞬でも疑いの目を向けてしまったなんて。]
………ちが、う。
[ 大切な幼馴染だから。
考えなしに呟いた言葉ではない。 信じたいのは本当だ。
言い切れなかったのは、]
(241) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[ 追いかけようと踏み込んだ足は止まる。 視線はヴェスパタインが卓においた紙面>>228
ヴェスパタインが握る道具に目を見張りつつも、紙を一枚取る。 とある人物>>235へ一瞥したのは一瞬。
シルクハットへ突っ込めば、その場を後にする。 先生一人に汚れ役を押し付けるのも憚れたが、足は自然と離れていく姿>>223へと。]**
(242) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[恐らく、今日狂った村人たちに殺されなければ、明日自分に嫌疑が集中するだろう。]
アラン―――いいことを思いついたぞ。
[アランの悲痛な声>>238に振り返り。]
もし本当に貴様に人か雪鬼かを見極める能力があるなら、わしを調べたらいいだろう。 この村の人間はずいぶんとよそ者が嫌いと見える。
もしこれでわしが人間なら……少なくともお前たち村の人間の中に犯人はいると絞れるだろう? そのよそ者の女を殺し、わしを見定めれば、残りは貴様の言う信頼すべき村の人間たちだ。 お互いに見張り合うにもやりやすいだろうよ。
[顔を醜くゆがめて言い放った。]**
(243) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[矢張り今夜から処刑を始めるらしい。 疑わしき人物の名前を書けと言われた。用意された白紙に書くという事は、 ――その人物を殺す事に等しくて。]
ぐず、ぐず。…やだ、…怖いよ。
[信じるだけでは、雪鬼は見つけられない。部屋から泣き声が漏れる。]
(244) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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[誰が雪鬼だとか、じゃないだとか。知らず知らず、疑心暗鬼に呑み込まれて は苛まれて。疑い目を向けられるのは怖くて、人を疑うのは恐ろしかった。罪の意識に溺れていく。 先程、黒い少女と対峙した時も。本当は、膝が笑っていた。嗚咽は止まらない。]
[だけど、わたしは――。死にたくない。 あの、黒猫の瞳に見抜かれてはいないだろうか。わたしの、嘘を。**]
(245) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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アランさんゆえの正義感なんですね。 合理的ではない気も、するけれど ……あなたの判断です、それに口出しはしません。
[過ぎたることを責めても仕方がない。>>230 本当に他にその候補がいないなら 自ずと彼を信じる形になる。 ふと、長髪の男を目に止め>>239]
何かいろいろ情報を集めていたようですが、 誰かの真実を知れるようなものと 死んだ人の真実を知れるようなものと 守るものと―――他に 狂ったもの、が、いたと私の故郷の御伽噺はありました。 ここも、そうなんですかね。
(246) 2015/05/29(Fri) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/29(Fri) 00時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/29(Fri) 00時半頃
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…ああ、それもここに。
[メルヤに言われて、先程流し読んだ手記の中から該当箇所を。]
その時は雪鬼は二人、それを崇める狂い人が一人。
そいつが能力者を騙って無実の者を陥し入れた記録も残っている…な。
[今も居るとしたら、そいつはどう動くんだろう……?]
(247) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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[ 追いかけた先にあるのは扉一枚。 たった一枚隔てた先にある扉をノックしようとした時だったか。
漏れ出る声>>244を耳にしたのは。 ジリヤがメルヤと具体的にどんな会話を交えていたかまでは、聞き及ばず勘違いする。 ]
ごめん、……ごめん。
[ かける言葉が見つからず、扉を撫でるだけに留める。
暫く扉の前にいたがそれ以上は声をかけず、私刑が行われる頃には戻るだろう。]**
(248) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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メルヤ、だったか。 君は……何処かで似たような目に?
[知っているような口ぶりに、問い掛けた。]
(249) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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……考えたわ。 ヴェスパタインが、ケイトちゃんが、そうかもって。
でもね。わからないの。 ……………わからない、の。 あたしが見えるのは、死んだ人だけ、なのよ。
[目を伏せる。 深呼吸して、また上げる。]
死にたくは、ないわ。 でも、あたしは、もうこの歳なのよ。 あなたは、他の子は、……まだ、ずっとずっと若いじゃないの。
[声が震える。握った手も。 格好などつくはずもない。 亡くした家族の顔が浮かぶ。]
(250) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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……いいえ。 こういったおとぎ話が現実になったような事態は 初めてです。 ただ私の地元に、人食い狼という ここでいう雪鬼とよく似た話があったんです。
人が死ぬ瞬間を、何度か見てしまっているせいで こんなにも冷たい感情で物事を理論展開しようと しているんでしょうね。
[自分でも、悲しいくらいに、ひえたこころ。]
(251) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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[長髪の男性にゆっくり近づき そっと背伸びして彼にだけ聞こえる程度の小声で]
大切な人が目の前で死にました。 その人を殺した人を、私は殺したんです。 だから罪人。 この手は血で汚れています。
[ゆえに。私刑を行うなら、情のない私がとも 思ってしまうのだ。
そうしてヴェスパタインから離れれば 拙い文字で、名前を書いて 帽子の中に折りたたんで、入れた**]
(252) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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[なにを聞かされるよりも前に、人の死を知る。 そんな能力など、必要どころか役に立つかも疑問だが、]
あたし自身、隠れ続けるつもりはないの。 あたしが危険かもしれない、なんて理由だけなら、……みんなの前に、出るわ。
……あたし、一応、能力者なんて呼ばれるものなのよ。 何もしないで、それで大事な人を亡くすなんて…… 先にいったあの人に、顔向けできないのよ。
[前に出ることで、少なくとも、何かを変えられると信じたい。 顔色も悪いだろう、歪に無理やり笑った。]
(253) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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[ただ。ケイトの提案を受ければ、少しだけ躊躇う。 見つけたら出る、それでことは足りるのか?]
……少し、考えるわ。 ありがとう。
[二人は本当に人間か。 確証など何もない。
ただ、黙り続けることの方が、ずっと怖かった。 ケイトの後に続き、皆のところへと。]
(254) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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[青ざめ引き攣った顔で、ヴェスパタインから預かった小さな紙片を見詰める。 ヨアヒムやメルヤ、アラン──そしてジリヤの言葉が、頭の中で渦を巻く。]
この先も誰かが死ぬかなんて、分からないのに。 殺すの?──人を。それが、鬼かどうかも分からないのに。
[震える手で、ペンを握り。 テーブルの上で拳を強く強く握り締める。]
こんなの、可笑しい…みんな、どうかしてるわ… ひとを、人を殺そうとしてるのよ…!
[脳裏に浮かぶのは、あの、叔父のどろりと濁った白い双眸で。]
(255) 2015/05/29(Fri) 00時半頃
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…似た話、か。 人に化けて人を食う狼なんて聞いたことはないが…… 狼に喰われるのなら、ケツが凍るよりは想像しやすいかもな。
[確かに、似たような伝承もあちこちにあるのだろう。 同じように、魔物と戦ってきた歴史が]
(256) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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それは、辛かったね。
[こんなに小さく華奢なのに、そんな過去を一人で抱えて。 思わず抱きしめたくなったが、知らないおじさんがそれはいけないと踏み止まって、肩をそっと撫でるに留めた。 大切な人を失い、自分の手を汚して。
この子のような覚悟ができるだろうか?いや、しなくてはならない。]
きみにはもう、そんな思いはさせないから。 ……きみが雪鬼じゃなければ、だけど。
[ちいさく、拳を握った。]
(257) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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[紙に名前を書く。 ルールとして、それが明快。 お婆さんに聞いたやり方と変わらないそれに、吐き気のような懐かしさを感じた。]
……………この、中に……
[書かないという選択肢は、ない。 数名の顔をみやり、昨夜騒いだ男を見る。
ギリギリまで悩み、やがてそこにひとりの名前を書き、シルクハットに差し込んだ。*]
(258) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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[…考えるんだ 今晩、尻を焼き、屠るべき者を…]
[此処にいる者たちの顔と、発言を思い出し 消去法で、投票先を思案する。
アランは泣いていた。
すべての人を救う方法が無いこと その現実に耐えられず、涙が───]
だめだッ…!
["ケイト"と書いた紙を、粉々に破いて捨てた。 新しい投票用紙を受け取るとそこに *]
(259) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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アランは、シルクハットに用紙を入れた。その姿は、黙祷のようにも見えた。
2015/05/29(Fri) 01時頃
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[血の繋がった少年を見つめる。 彼は今、何を考えているだろうか。 家に帰らせてやりたいと思う。 せめて、彼は。
戦わなければ。 たとえ、自分が危険に晒されようとも。
大事なひとのケツが凍るなんて無残な姿になる前に、 雪鬼を、殺さなくては。]
(260) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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[声に出したところで、結果は覆らない。 みな一様に、苦い顔で、或いは無表情に、黒い山高帽の中へ折り畳んだ紙を投げ入れていく。
歯噛みした。 怖い。怖くて堪らない。 けれど、縋るべき手は一つもない。ここには、自分だけしか、頼れる者などいないのだ。なら。]
────『悪い子のところには、雪鬼が……』
[思い出したのは、繰り返された大人たちの口癖。 やがて、少女のペンがひとりの名を結んで、ちいさな紙を帽子へと落とした。]*
(261) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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[男の言葉に、へら、と弱く笑った。>>257]
ありがとうございます。 私が雪鬼でないことを、証明したい。 だから―――生きたい。**
(262) 2015/05/29(Fri) 01時頃
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