人狼議事


285 【突発誰歓RP】逢魔ヶ時に会いましょう

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視点: 人


【人】 蟻塚崩し エルゴット

――― The lucky beast ―――

[ 例えば彼と同じように>>27
 忠義で双眸を潰してしまうほど
 盲目になれればよかったのだ。

   そうであったら、
   抜き身のままの錆一刀を
   目に入れずに済んだのに。

  ( ワタシを動かしたのは
    キミの一途な熱意だったのに。 )


 " …キミが諦めてしまったら
  ワタシまで諦めたくなるじゃないか。 " ]

(67) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ だから、…だから。
 彼を励ますのは男のエゴなのだ。

 萎えかけた心の芯を叩き
 花弁が散り落ちないよう

  " 独り善がりなキミの幸せなど知るか。 ">>29
  と、言葉そのもので伝えるように
  沈黙を続ける彼のかんばせを見詰めていた。 ]

(68) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ だが、それでも ――――、
 ( 天使になりたかったわけじゃあない。 )
 頭の端ではそれを冷淡に眺める影がある。


   " キミはキミにしかなれない。 "

   ワタシたちは偽物だ。
       捨てられた贋作だ。

   だが、
   >>31伽藍洞のまま放り捨てられて
   中身を得たのはどこでだった?

   「 ワタシたちの愛すべき裏の街だろう? 」


 語る饒舌の裏側、呟く声はそいつの仕業。 ]

(69) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[
  " 所詮はストローマンの戯言だね。 "

 ワタシはワタシ。
 キミはキミ。

       暗示のように、語る言葉は
       酷く軽くてそして、脆い。

 それは男自身、よく理解していたが
 知らないフリを決め込んでいたこと。

   " ワタシは誰にもなれて誰にもなれない。 "

 不安定な自己を持つからこそ
 他者と自分を支えようとする。>>33

   掴んだ腕は確かに生きている温度を保っていた。 ]

(70) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 男は天使になれなかった。
   望みを叶えられなかった。

 
  叶えられなかったから、
  要らぬ節介を仕事にし、他人を助けることで
  蟠る感情の泥を見ずに生きてきた。


 見ないで済むのなら、
 見ずにいるままのほうがいい。

   ワタシがワタシとしてあるためには ―――。 ]

(71) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  " さあさあ、お坊ちゃん。
   死んで今こそ生き返るのです。 "

  ワタシもキミもここにいるのだから。


[ 芝居の帳に包み隠してしまう他はない。
 " 今までもそうして来たように。 "

    >>33雨の粒をそうっと拭うことも、
    目と目を逢わせることだって出来る。
    男は天使ではなく役者 だから。 ]

(72) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  …なぁに、
  " 不幸せなのはワタシたちばかりじゃない。 "

  我々が演じているこの場面よりも
  悲惨な見世物などいくらでもあるんだからねえ。


[ そして止まらない台詞を述べながら、
 頭の隅で考えていることと言えば、

  It can not be helped because
  you can not look into your eyes!>>35
  ( " 自分の目は覗けないんだから
      他人のを借りる他ないだろう? " )

             ―――――――― 、 ]
 

(73) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  どういたしまして、ザーゴ。

  ワタシもキミを見つけられてよかったよ。


[ 何とも救い難いことばかりだ。

 だから、
 そんなものは一旦脇へ放ってしまって
 男は伝言役に徹することにした。>>37

      …そう思いきったのは
      この際僥倖だったのだろう。 ]

(74) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 伝言を終え、
 幾つか言葉を交わしたか、交わさないか。
     …大音の波が唐突に押し寄せた。>>38 ]


  街中が叫んでいるようだねえ。
  鼓膜が弾け飛びそうだ。

  電話の場所は?…ああ、近そうだ。


[ 音の出どころを尋ねれば
 頼もしい返事が返って来る。>>38

 屋敷内の勝手を知らない男は、
 付き合ってくれると言う彼と位置を変え
 後ろに黒髪靡かせながら歩き出した。 ]

(75) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 整えられた敷地の中には
 実はこの男、踏み入れたことがない。

 いつもは門前を過ぎるだけ。
 外から少々窺い見るのが精々だった。

 よってはぐれれば迷子になるのは、こちら。
 門扉近くの待機所>>39ですら例外ではない。 ]


  ……この屋敷と繋がりのあるキミが、
  ここは出たほうがいいと思うねえ。ワタシは。


[ 受話を断った理由ひとつはそれ。
 もう一つは、彼へ告げたとおりに。

  ( 但し内容が聞こえるよう
    傍で確り聞き耳を立ててはいたのだが! ) ]

(76) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  まァなんとも……突拍子のない話だ。
  事実は小説より奇なりというやつかい。


[ 軈て一方的に断ち切れた受話器と
 それから彼>>40の顔とを
     男の石瞳が数度 …往復する。

 24時間。たった一日程度で
 生きるか死ぬかを決めよと言う。

 その突拍子もない選択を今直ぐ
 肯定も否定もできない。…する材料はない。

   どうすればいい?
   赤い爪先で軽く蟀谷をなぞった――その直後。 ]

(77) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 
[ ―――― 激しい音が轟く。
 傍らにいるヒトの声>>41すらすり抜けるほど
 鼓膜と脳がぐらぐらと揺さぶられ、
 足許にびっしりと亀裂が生まれてゆく。

 倒れないようにするばかりが精一杯だ。 ]


  …ザーゴっ !
  取り敢えず何処かに  ――――


[ 掴まれと言いかけたところで
 ようやく鳴動は収まり、…静寂が訪れた。 ]

(78) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  …あ、…ああ。ワタシは大丈夫。
  キミは? 立てるか?


[ 自分が何とか動けそうなことを確認すると
 男は傍に膝をついた彼>>41へ声をかけ
 要りそうならば手を差し伸べて、
 …それからようやく周囲へ視線を移す。

 荒れた庭。散乱した石畳。
 そして、壊れた電話機。>>42


      思わず、  …ため息が漏れた。 ]

(79) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  どうやら詳しいことを知るのは難しそうだ。
  …だが、考えることは決まったねえ。


[ いつの間にか自分の目にも憂色が
 浮かんでいるのじゃないだろうか。

 確認するすべはないのだけれど、
 男はこの時、確信めいてそう思った。

   しかし。…しかしだ。
   これからどうする?…どうしよう。
   それは誰かと一緒に考えることでは
   この男の中ではすでに無くなっていた。 ]

(80) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  " 還るべきか、還らざるべきか。 "
  これを考えなければ前にも進めやしない。

  どうだろうね、キミ。
  ここからは別行動にしないか。

   …いや、少し行きたい場所があるものだからさ。


[ 付き合わせても悪いから、だとか
 付け加えるのは実のところ、言い訳だ。

 行きたい場所。行くべき場所。
 そこへ彼を連れていくのに気が引けただけ。 ]

(81) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  キミも行きたい場所には行っておいたほうがいい。
  何せ本当に戻れるのかはわからないんだ。

        ……まだ、時間はあるらしいからね。


[ 結局肝心なことは伏せたきりで
 別れの言葉を告げ離れるのみだった。

  " 期待は苦悩のもとになる。 "

 口にすれば確たる事実に変わりそうで、
 他人の言葉を借りることは終ぞ出来ないまま。 ]**

(82) 2018/10/10(Wed) 19時半頃

蟻塚崩し エルゴットは、メモを貼った。

2018/10/10(Wed) 19時半頃


エルゴットは、オーレリアとの会話をぼんやり思い浮かべた。

2018/10/10(Wed) 22時頃


【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ やがて男は急きたてられるように豪邸を後にし、
 振り返らず地を踏みながら
 行き先を反芻する。

      歩いて、止まって。
      歩いて、止まって。

 時折、長くその場に佇んで
 逢魔が時の空の色を眺めたり  ]


  " London Bridge is falling down,
   Falling down, Falling down.
   London Bridge is falling down,
            … My fair lady. "


[ 音だけの旋律を口に上らせながら
 罅割れを踏んでは閑静な住宅地へ進んでゆく。 ]

(136) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 周囲には人の気配がない。
 男だけに見える影の姿も。

 地震が起きる前には落ち着いて綺麗で
 穏やかな街並みだっただろう、そこを
 一人きりで歩いているだけだ。

    それなのに鼻歌の裏では
    延々と同じ内容を呟き続けている。

 違う。違う。違う。違う。 ]


  " ワタシは捨てられたわけじゃあない。 "


[ それでも重い歩調は先へと歩み、
 暫くあとに一軒の家の前へと辿り着いた。 ]

(137) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 小奇麗な家だ。
 隣の二軒の間にちょこんと挟まるようにして
 赤く塗られた屋根が顔を覗かせていた。

 庭には月桂樹の木が一本。
 よく手入れされた芝生は青々と茂っている。

 案の定と言おうか、
 矢張り住人の気配はない。…どこにも。

   それを幸運と言うべきか、
    それとも不運と言うべきか?

 男は躊躇なくその家の玄関口まで足を延ばし ]

(138) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 玄関口を施錠するドアノブを掴もうとして
 …小刻みに震えている自分の手に気が付いた。

   何度も触れたことのある場所だ。
   ( 何年も昔の話とはいえ? )
   だから震える必要など、ない。
   …ないのに。


  ( 家を出た日のことを思い出すから、 )

      " 拒絶された日のことを思い出すから "

 手のひらに力を入れることが出来なかった。

      ―――― 弾かれたように手を引いた。 ]

(139) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  ……だから来たくなかったのに。


[ 独り言ちるけれど、
 とはいえそうも言ってはいられない。

 時間は迫っているし、
 男は…知りたかった。

   どちらの街にも籍を置き、
   どちらの街をも行き来する自分が
   帰れる場所は、 …戻れる場所は
   一体どこにあるというのだろう。

 一度は離別を選んだ家族の許か。
 それとも影と暮らしてきた地下劇場か。 ]

(140) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 



[ 帰りを待つ人間など、どこにいるのだろう。 ]

(141) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ この時ばかりは、
 先ほど別れたばかりの相手も、
 約束をした小さな友達も、
 保護者のつもりの女のコのことも、
 始終顔合わせるご近所の店も、
 押しかける教会の聖母のことも、
 贔屓にしている何でも屋のことも、
 何処かへと飛んでいってしまっていた。 ]


       [ …沈黙する扉だけが、そこに。 ]

(142) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  " 誓いましょう。
   ワタシはワタシをアナタ方の誰も知らぬ
   辺境の片隅に匿す。

   そこまでは誰もワタシを探しに来ない。
   信じなさい。これでアナタ方は救われる。 "


[ 扉を開けようとすることは結局、しないまま。
 洗礼じみた文句を投げかけ、……、

    野花を一輪。玄関先へ置くと
    踵を返してゆっくりとその場を後にした。 ]

(143) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 片や自分を捨てたもの。
 片や自分が捨てたもの。

    表と裏のどちらにもいて、
    そのどちらにも属さない。

 " 境屋 "。

 その名前こそが男のすべて。

        他には何も、 …何もない。 ]

(144) 2018/10/11(Thu) 00時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 割れた地面の上を、
 舗装された道路の上を、
 敷地と道路を区切る柵の上を、
 硝子で造られた建物の上を。

 境を横切るように、
 踏みつけるようにして 男は歩いていく。

 何処へ行くと決めているわけでもない。
 ただ暮れなずむ空の下を何処までも。

         ―――― 何時までも。 ]*

(145) 2018/10/11(Thu) 00時頃

蟻塚崩し エルゴットは、メモを貼った。

2018/10/11(Thu) 00時頃


【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ >>135" また "があるかどうかなんて
 元々男の知ったところじゃあない。

   " 保証もないのに約束だけするなんて
    あまりにも酷というものじゃないか? "

 …だから、
 指切りだってしなかった。

 期待なんかしていないフリをして
 口から出るのは未来の夢の話ばかりだった。


  ( ロマンチスト" 気取り "じゃない。
    ワタシは間違いなく夢見がちだった。 ) ]

(170) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 探して欲しかったのは誰だ?
 瞳に自分を映して欲しかったのは?
 鼓動を分けて欲しかったのは。>>133

  「 ――――  ワタシさ。 」


    自分は自分の目を覗けない。
    覗けないならば他人のを借りるしかない。
    " ワタシが人を助ける理由はそれだけだ "



 …………でも、 ]

(171) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 幕を引く覚悟はいつだってしていたのだ。 ]


  " ワタシの仕事を知っているだろう?
   他人の行きたい場所へ連れていく…。

              ……それはね、 "


[ 自分が行きたい場所には行けない。
 行きたい場所はもうどこにもない。
 ( ということなんだ。悲しいことに。 )

     そうして、嘘が積み重なっていく。 ]

(172) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  どういたしまして。
  ワタシは境屋。必要なときは
  キミの傍にいるさ。

     …今までそうだったようにね。


[ 押し付けられた願い事の代わりに
 切り売り口上の別れ言葉を返し。
 白い花束の代わりに抱える、道中。

    荷物が増えてしまった、と
    苦笑零して空を見上げた。

    白々と光る星の色をどこかに探して。 ]

(173) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 当然一等星の灯など
 マジック・タイムの空の中に
 燈っているはずもなかったが ――――、 ]


  ( ……なんだ? )


[ 地上よりはよほど天に近い、
 ガラスの建築物の森。
 その遥か高みに
   季節外れの蛍が舞うのを見た。>>154 ]

(174) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ そこへ向かってみようと歩いたのには
     ―――― とくに意味はなかった。


 …ただ、終わりを見守るのに
 どこか高いところへ行きたいと思っただけ。 ]


  " こんな時だもの。
   切り落とした角を探しに行っても
    … 罰は降って来ないだろう? "


[ 呟く。
 そうして誰かが開けたらしい>>1:271
 未知の場所への入り口を
    かつん、と、一音立てて踏み越えた。

 ( セキュリティ・アラームは
    運良く沈黙しているようだった! ) ]

(175) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 普段は案内をする側。
 受付嬢の姿がどこにもなくとも
 それとなく建物の構造を察し、
     階上へ上る手段を探して、

  >>103最上階へ止まったままの
  エレベーターがやがて  ――――目に留まる。 ]

(176) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ さて、どうにかこうにか
 禍々しい色をして横たわる空の下へ
 ややあって再び身体を晒した男は、
   暫し、声を出しあぐねて立ち尽くした。


  " キミのことはワタシが見つけてみせる "

  " 例え千里離れていても "


 思い出すのは、かつて口にした言葉たち。
 今ばかりは見つけたくなかった、と
 …苦々しく笑ってみたところで、ようやく ]

(177) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 


  …夜空を見るにはまだ早いんじゃあないか。


[ 乾いた唇で音を吐き出し、
 石色の瞳は黄昏色の空へ。


    " 逢魔が時に会いましょう。 "

  そんな約束を交わしたわけでもないのに
           男は彼女にこう言った。 ]

(178) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  …言っただろ?
  星ならワタシが見つけてみせる、と。


[ 幾度となくそうしてきたように
 矢張り、冗談めかした言い回しで。 ]**

(179) 2018/10/11(Thu) 11時半頃

蟻塚崩し エルゴットは、メモを貼った。

2018/10/11(Thu) 12時頃


蟻塚崩し エルゴットは、メモを貼った。

2018/10/12(Fri) 00時半頃


【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 舞い踊る火蛍が葬送の送り火なら、
 火を焚き続ける人間が必要なはずだ。


   「 送る者がまだいないのなら
     なってやろうと思ったまでさ。 」


 …だから星を探して此処へ来た。
 火の元に誰がいるのか
   ( 誰が火を付けたのか知らないままで。 ) ]

(321) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ いつもどおりに巫山戯た様子で
 声を、出せていただろうか。

 震えていなかったか。
 顔は強張っていなかった?


   ( …キミがここにいるのは
     さすがに予想外だったから、 )


 きっと、どちらも
 彼女には感づかれなかったのだろう。

   >>261男はこの時、
   自分に芝居の才能が欠片でもあることに
   心底、安堵を覚えて ―――― 、

     …そして、緩やかに口許を綻ばせた。 ]

(322) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  先に本当にしてしまったのはキミだろ?
  今度こそ見つけられないところだった。


[ 今は失われた空色の代わりに
 澄んだ碧い色の瞳がそこにある。>>262

  並んで歩くことはとんとなくなったけれど、
  " また "話せたことを素直に喜べたなら
  どれだけよかったことだろう。

 " …舞台が此処でなければ! "

 と、内心で嘆いてみたところで…すでに、遅い。 ]

(323) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ すでに舞台の幕は上がって、
 そして閉じようとしている。

    だからこそ、
    彼女の手にある書類の束すら>>263
    平然を装って見ていられた。 ]


  ……困る人は本当にいると思う?


[ そうして至って
 至って淡々と問いを返す。>>266

 >>264彼女の生い立ちを聞いて、
 最後の蛍が空へ放たれるのを見て、尚。

        何処までも平然平静の様子で。 ]

(324) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  ワタシの両親はね、
  天使が欲しかったんだ。

  それはそうだよねえ。
  誰だって綺麗で可愛い子どもが欲しいさ。

  でも、生まれたのはワタシ。
  天使のなり損ないのワタシだ。

  ワタシは、最初から望まれていなかった。
  いなくなっても誰も困らなかったさ。


[ 唯、一度。
 赤い爪を拳の中へ握り込んで。

 地表へ彼女の" 名前 ">>264が落下するのを聞いた。 ]

(325) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  ワタシね、家を逃げ出したんだ。
  " 何か "に期待することに疲れてさ。

  その癖、ずっと期待していたんだ。
  あの家には …両親の中にはまだ、
   …ワタシの居場所はあるんじゃないかって。


[ どれだけ他人を助けても、
 どれだけ他人の目を借りて
 幸せを覗き込んだとしても
   何処にも望んでいるものはない。

 願い事が叶うことはない。
 " 解っているのに見ないフリをしていた。 " ]

(326) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 
        、、、、
  でもね、 …なかった。

  誰を助けても、誰を幸せにしても、
  ワタシの帰る場所は何処にもない。


[ それは彼女にしてみたら
 八つ当たりのようなものだったかもしれない。

 これまでのこの男は、
 誰に対しても耳に触りのいい言葉ばかり
 好き好んで使って来ていた。

  ただ、終わりが近付く中、
  箍が外れでもしたのか、どうか。
  一度転げ出した言葉を止めることが出来なかった。 ]

(327) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  だから、 ――――。


[ けれど、
 その一言を口に出すには
 さすがに躊躇ってしまう。

    >>268彼女の言葉を
    真っ向から否定することになるから。

 " 生きて欲しい "という彼女の願いを
 思い切り踏み躙ってしまうことになるから。


      …男は迷って。…迷って、迷って。 ]

(328) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 


  " …ワタシは帰らない。 "



[ それでも、 ――続きを絞り出す。 ]

(329) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 境を越えて誰かを案内する度に、
 誰かと一度ずつ関わる度に、
 心動かされなかったと言えば、嘘になる。

 一人一人にとっては
 つまらない一欠片の出会いだろうけれど、
 男にとってはかけがえのない、思い出。


  結ばれた縁の糸を手繰れば、
  きっと誰のことだって思い出せる ほどの。 ]

[ " それだから耐えられない。 "

    自分が他人と他人との境目にしか
    存在できないことに。

         …誰かの" 境 "であることに。 ]

(330) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 誰かの人生の間。
 ホンのひと時の関わり合い。

 男と世界の関係性は
 言い表してしまえばそれだけでしかない。 ]


 " キミの保護者ももう止める。
  …と言っても、お役御免になって随分か。 "


[ それでも、道に慣れない彼女に
 無理を言って付き合うくらいには
 関わり合いを望んでいて。

   繋がりが切れた今でさえ、
   その 糸 を後生大事に抱えてしまっている。 ]

(331) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ ―――― だからこそ、
 男はこう言わなければならなかった。 ]


  帰るだけなら道案内は必要ないだろ?

  " キミは早く帰るといい。
   こちら側の夜は危ないんだ。 "


[ それは彼女がまだ裏の街に慣れていない頃、
 帰り道に付き添う時によく使っていた言葉。

       >>271彼女の笑顔にはきっと、
       上手く微笑みを返せただろう。

  ( 何せ役者だ。…演技するのは慣れたもの。 ) ]

(332) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ 言い終えると、
 背に当たる視線を感じながらも
 振り返ることはもう、しなかった。

        … 別れ際の挨拶 すら。 ]

(333) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

[ …… …… ……、
 やがて男は階下へ降りる段差へ
 ゆっくりと足をかける。

 そこはエレベーターから離れ、
 ただ只管下へ下へ続いている非常階段だ。

   終わりがやって来るまでに
   最後の踊り場を踏めるのかすら怪しいが
   そんなことはこの際、どうでもよかった。

 気がかりなのは、
 この世界で顔を合わせた他人のこと。

 一人一人の顔を思い浮かべながら、
 元の世界へ戻れることを如何ばかりか願うのだった。 ]

(334) 2018/10/12(Fri) 01時頃

【人】 蟻塚崩し エルゴット

 

  ( 他人の願い事は聞き入れない癖に? )


[ やがて足を動かすのも
 独り言を言うのも酷く虚しくなって
 立ち止まることもあっただろうが、

  その頃には、エレベーターの音も>>314
  硝子の壁を登攀する音も>>306
  きっと何もかも聞こえない中間階に居たはずだ。 ]**

(335) 2018/10/12(Fri) 01時頃

蟻塚崩し エルゴットは、メモを貼った。

2018/10/12(Fri) 01時半頃


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エルゴット
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