17 吸血鬼の城
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[そして、頭を振り、壁に背を当てて座り込む。 やっぱり荒い息遣いなのは、
息吹いた欲望が治まらないから。
同時に、頭に響いてくる声が増えたのも感じていた。]
――…白薔薇が……染まったか……。
[眼は閉じられる。*]
(187) 2010/06/23(Wed) 08時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 08時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 12時半頃
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―テラス―
[そして、宛てなく彷徨いつつ、格子の硝子扉を開ける。 高い位置にあるテラスに出た。]
ああ……
[思わず漏れるため息は、そこに世界は広がっていることを再認識したから。 この城だけではなく、外へ。
そう、幾人のものがここでそれを考えたのだろう。]
(201) 2010/06/23(Wed) 13時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 13時頃
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[裡に、ふと、白薔薇の声が響く。 ああ、彼が、フロレスクなれば、
闇にあっても、落ちぬのが理解できた気もしたが、
それは幻だったか、と思う。
また、そう、考える自分に苦笑い。
なぜ、自分はもう闇なのに、こんなことを考えるのか。]
(203) 2010/06/23(Wed) 13時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 14時頃
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>>207
――…ッ
[来訪者には目を丸くせざるえない。 彼は、自分よりも、きっと能力は上だと、思った。]
ここから
落ちても、 魔物ならば大丈夫かどうか、試してみるのも?
[それは冗談には聴こえないかもしれない。 だが、濃厚な薔薇の香りは、外にあっても圧迫感があった。
その煌煌と光る眼も。]
(208) 2010/06/23(Wed) 14時頃
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>>210
[空気が、噎せるほどの芳香に…… それは完全にこの場所を彼が制していることを示す。]
庇った……ああ
でも、あの時は、君が死にたいなんて、 知らなかった。
[それは、言い訳に、なるだろうか。 ただ、その口ぶりは、 あきらかにいままでの彼ではなく……。]
君の意にそぐわなかったのなら、すまなかった。 じゃ、どうすればいい?
君を殺せばいいのか?
(211) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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>>213
君の名は、 知っているものであれば、みな…
[どこか懐かしい旋律にも似たその声に返そうとしたとき、 すっと伸びた手が首を捉えようとすること、
そのまま、青色の眼で見た。]
――……こんな血でいいのか?
(214) 2010/06/23(Wed) 15時頃
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薬屋 サイラスは、同属の血には、反応しない自分に、気がつく・・・。
2010/06/23(Wed) 15時頃
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[指がなぞる場所。 拒絶することはない。
自分は、噛むことは赦されていない。 彼はそうならば、そういうことだ。
もう、 人ではない。]
――……好きに、するといい。 それが君の薬になるなら……。
[絡みつく手、首筋に牙が埋まるのであれば目を閉じて……。 その血は彼の友人の匂いも濃く持ったままだとは、自身では気づけず……。
下肢に降りた指には、びく…と身を震わせる。]
(216) 2010/06/23(Wed) 15時頃
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……あ
[煽る言葉を聴きながら、否定に考える。 ああ、そうか……。
薬を求めているのは、自分、
なのか?] ――…ク……
[そう、何か理解したとき、身体が宙を舞って、]
――……ッ
[柵の上、首筋の舐られながらも目は開けずにはいられない。 ひやりと、全身につめたいものが走った。それはきっと怯えた表情をさらけ出すことになる。]
殺す のか?――………うぁ………くッ
[問い詰めると同時に、身体に与えられる愛撫に身をすくめる。]
(218) 2010/06/23(Wed) 15時半頃
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>>219
――……あッ
[落ちる、そう思ったのと同時に、首に埋め込まれた牙から広がる快楽。 それは、ローズに齎された時を思い出し、それを忘れるほどの……
甘いけど、強烈な感覚で…。]
ひぅっ………
[身体全身に走るのは、抜き取られる冷たさだけではなく……。]
――……ッ
[同時に落下で頭から血は抜けていくようで……。 そう、死ぬのかということすら、ぼんやりと…。]
(222) 2010/06/23(Wed) 16時頃
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>>223
[吸血の虚脱感、落下の事実、それと施された快楽によって、失いつつあった意識。
だが、完全にブラックアウトする前に、地上へと彼は降り立った。 朦朧とする中、そのままぐたりと身は白薔薇に預ける。 ただ、それでも甘い芳香に犯された身体は、そのままで、地上に横たえられる時、やはりすっと唾液が落ちた。]
――……あ、ぐ……ッ
[見えるのは、白薔薇の淫靡な笑い。 そして、その両手を護っていた手袋がはらりと落ちる。
もう、目は閉じずにはいられなかった。**]
(224) 2010/06/23(Wed) 16時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 17時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 17時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 17時半頃
薬屋 サイラスは、水商売 ローズマリーに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 17時半頃
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―庭園―
[白薔薇の芳香がすっかり移りきった身体、立ち去った薔薇の姿は追わず、そのまま、ぼんやりと枯れたそこに佇んでいた。
これから、どうなるのか、わからない。 ただ、もう、
人ではない、それを、 理解して……。
生きるのか、死ぬのか、 を考える。]
(228) 2010/06/23(Wed) 18時頃
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薬屋 サイラスは、乱れた服のまま、また城の中に入っていく・・・。
2010/06/23(Wed) 18時頃
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―サイラスの部屋―
[戻るのは、自分の部屋。 ヘクターの遺体は片付けられていた。
寄り添う影が服の乱れを直そうとやってくる。 それを制止して、
白薔薇の芳香を漂わせたまま、薬鞄を開ける。]
ああ……
[ふと、見ると、ヘクターのものか、スキットルが転がっていて…手にとった。 そして、躊躇せず、中身を飲み干していく…。]
――……渇く……。
[薔薇の匂いと、アルコールの匂いが混じり、 血の残り香もそれに立ち込めるか。]
(229) 2010/06/23(Wed) 18時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 18時半頃
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―サイラスの部屋―
[そして、部屋で、一人、薬鞄をあさりながら…。 吸血鬼たちの囁きも聴く。
その内容に眉を寄せた。]
マーゴ……。
[彼女は、毒となったのに自分は関係ない、と言った。 だけど、そんなわけはなかった。
人であっても、人であらずとも、 彼女のことをそのままに、するわけには、
いかなかった。]
(233) 2010/06/23(Wed) 19時頃
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[そして、薬をそこで調合しはじめる。 自分でなした毒素沈着を解く薬を……。
そう、彼女がここから出れるのであれば、 その先、長い人生が送れるように………。]
――……
[そうすれば、彼女にだけは、 吸血鬼ではなく、
薬師のままで、いられる。 そんな、淡い、
淡い想い。]
(235) 2010/06/23(Wed) 19時頃
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[そして、閉じこもってからいくらか時間がたったあと、 また新たに調合した薬瓶を持って、部屋から出る。 その姿は、乱れたもののままだった。
鎖骨の下につけられた慈悲の刻印も、>>234 本人には見えぬもの。
ただ、視線は、葬列の乙女。マーゴの姿を探し始める。]
(237) 2010/06/23(Wed) 19時頃
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―客室廊下―
[そして、葬列の乙女の姿を探す男の姿を見るものもいただろう。 話しかけてくるものがいれば、マーゴの所在を聞いて…。]
ああ、そうか。
[それから、一旦冷静に考えて、影の存在にその所在を案内してもらうことになる。]
――…上へ? 最上階?
[それは、城主の部屋……。]
くっ……。
[それは駄目だとばかりに、階段に足をかける。]
(242) 2010/06/23(Wed) 20時半頃
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[途中、吸血鬼の囁きに、唇を噛み締める。]
ああ、いいえ、そんな……。
[階段を上る足が止まり、俯き、呻く。]
(248) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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―最上階へ―
[だが、また足を動かし始める。 それは最上階まで止めることはないだろう。]
[そして、最上階、そこに城主がいないことも知っている。これから現れるかどうか――?
ともかく、その白いヴェールをつけた娘を見れば、名を呼ぼうとする…が。]
[そこについても尚匂うのは、白薔薇。 それは、娘の胸からか、それとも、己からか、それとも?*]
(253) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 21時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 21時半頃
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―最上階―
[マーゴの寄ろうとしたとき、 奥の窓より白薔薇が現われる。>>267]
――……セシル……
[獲物と、彼はマーゴに告げる。 それにはまた唇を噛んだ。]
(270) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>268
[こっちを見る視線が、どのようなものだろう。 ただ、セシルの言葉を否定することはできない。
でも……]
――…マーゴ、 君は毒をもつべき人じゃない。
だから、ここからは出るんだ。
[彼女の目的は果たすことができないのだと…伝えたく……。]
(274) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>276
――……セシル?!
[彼がマーゴに寄ろうとすれば、その先を塞ぐように出る。]
(279) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>282
[セシルが動く様子がないのを見て、 方法が一つしかないのを知る。]
――……マーゴ……。 君の存在意義は、 ある。 吸血鬼を葬ること、それが勤め、なのだろう?
[そして、マーゴに振り返り、歩み寄った。]
(285) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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薬屋 サイラスは、長老の孫 マーゴの華奢な身体を捕らえようと手を伸ばす。
2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>287
[ナイフを握りしめた娘にそのまま、近寄って、 ナイフは取り上げることなく、その両肩を掴もうとする。]
マーゴ……君の毒が吸血鬼にきくのかどうか…。 自分もわからない。 だけど、
私も、吸血鬼、なんだ。
わかるね?
[その眸が紅に変わっていくのが見えるだろう。]
(289) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>292
[ナイフの切っ先を自らに向けるマーゴの手を即座に掴む。]
駄目だ。 貴女は、死んではいけない。 マーゴ……
[そして、先ほど用意していた薬瓶を取り出し、それを差し出す。]
これを…
(296) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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あと、言いたいことがあるんだ。
マーゴ……君のことを
[その眸を見つめて……それだけいうと、マーゴを抱きしめる。それは、強い、吸血鬼である力も借りて…。]
だから、君を、 自分は…………
[食らいたい……そう告げるのは紅の眸]
(302) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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>>300
これを飲めば、毎日……飲めば、 君の身体の毒は、かなり薄くなる、はずだ。
[抱きしめたまま、その耳に囁く。]
そしたら、もっと君は、笑ったり歌ったりできるから……。
[そして、唇はその首筋に…。]
(303) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[そして、つぷりと、マーゴの首筋に牙をたてる。 流れてくる血液は、あたたかく、でも、確かにそれは、死の味をもっていた。
だが、構わず、死を呼ぶそれを啜って飲み込んでいく……。]
(312) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[そして、唇を離して、マーゴの貌を覗き込むと、]
これで、貴女は、 私の………………
[そして、微笑んだ、と同時に、 その毒素が、全身に回り始めたのを感じ、
言葉は唐突に途切れ……。]
(314) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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薬屋 サイラスは、本当に、呆気なく、その場に沈んでいく。
2010/06/23(Wed) 23時頃
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[その身体からは白薔薇が香ってはいるだろう。]
(329) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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それは紅く、染まるけれど。
(332) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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