179 仮想現実人狼―Avalon―
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良かった。 ――本当に、良かった。
[ベッドの隣まで、歩いていけば。 そう言いながら、ちょっと泣きそうになっている。]
――おかえり。 サミュ兄。 …アヴァロンでは、結局殆ど話せなかったね。
[なんて言いながら、少し悪戯っぽく微笑んだ。]
(224) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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[ふと、サイドテーブルの上を見れば。 書類が眼に入り――、ちょっと暗くなってしまう。 その内容を、兄さんが知ればどう思うだろうと。 そのことに心を痛めていたから。
そのことを察したのか、兄さんは――。>>218]
……ううん、重荷なんかじゃないよ。 大丈夫、だから。 独りにさせてしまう方が、心配だよ。 私だって、もうアルバイトだって出来るし――。
(225) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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[>>219 立ち直る意思を持ってくれていることは、とても嬉しかった。 …それでも、心配だったけれど。退院後にまた同じように引きこもってしまうのではないか――と。 だから、独りにさせたくはなくて。]
……兄さん。
[そうして、頭を撫でられれば。 じわり、と泣き出してしまう。 かさりとした手は、それでも暖かくて。 優しい声に、家族の大切さを実感して。]
(227) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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[俯いて、ついぽろりと涙が流れてしまう。 >>220 その、決意の声に。 マユミは、哀しそうに。]
……それは。 やだよ…。
[小さな声で、そう言いながら。 兄さんの視線と、目を合わせるのが辛かった。]
ずるいよ、兄さん……。
[ふるふると首を振って、ぎゅうとシーツを掴んだ。]
(228) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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[続く言葉に、>>221。 ね?というように、言い聞かせるような兄さんに。 …その笑顔は、とても久しぶりな気がした。]
…うん。 分か…、った。 兄さん、でも大変なら少しでも私もそれを担うから。 無理しないでね。
――兄さんは、独りじゃない、から。 何時でも、愚痴でもなんでも聞くよ。 ……格好悪いところだって、見せても良いから。 腕によりをかけて、料理を作って――待ってる。
[そう言って、強がるように――微笑んだ。]
(229) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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[少し、疲れさせてしまったようだった。 外を見れば、もう今にも降りだしそうで。]
……ごめんね、無理させちゃった。
(230) Elliy 2014/06/08(Sun) 11時半頃
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…うん。 煮物はね、おばあちゃんから教わったから。 今度、教えてあげる。
[涙を拭いながら、そう微笑んだ。 兄さんが、前へ進む意思は感じられたから。 兄さんを信じる、それも大切なことだと思えた。]
うん。……シロガネソウ。 シロガネ、ってね。 小さい頃に見た、演劇からつけたの。 私にとって、あれは憧れだったから――。
[寝台の隣の花を見ながら、懐かしむように目を細めて。]
…アヴァロンは、綺麗な世界だったね。 優しくて、暖かくて――。沢山、良い人がいたよ。 楽しかった……兄さんが帰ってこない気持ち、私にも分かるくらい。
[そう言いながら、くすくすと笑った。]
(233) Elliy 2014/06/08(Sun) 12時頃
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……あのね。兄さん。 私、好きな人が出来たけど……失恋しちゃった。 実は、女の人だったの。 格好良くて……可愛くてね。 素敵な人で……、きっと兄さんも知ってた人。 まさか、女の人だなんて思わなかったから――。
[なんて、冗談を言うように微笑んで。 胸に刺さった、小さな棘を抜くように。 兄さんに、そんなことを話してみた。]
(234) Elliy 2014/06/08(Sun) 12時頃
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……うん。
[少し哀しそうに、はにかんで。 もしマユミが猫であれば、ぐるぐるとでも喉を鳴らしそうな様子で目を細めて。 兄さんの頭を撫でてくれる手が、心地よかったから。]
…分かっちゃったか。 チアキは、初めてあの世界で声をかけてくれてね。 シロガネとして、私はとても楽しかった。 短い間だった、けど…。 フィルタのない、あの世界は残酷ではあったけど。 なんでだろう。とっても魅かれたなぁ。
……気が付いたら、好きだった。 ――でも。叶わない恋、だった……かなぁ。
[アヴァロンのことと、チアキのことと。 一緒にしながら、マユミはそう話した。]
(238) Elliy 2014/06/08(Sun) 12時半頃
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兄さん。……兄さんなら、すぐに出来るようになるよ。 私は、兄さんが物作りをする姿に憧れて料理をやり始めたから。
いつか、自分のお店を持ちたいな――。
[くすぐったそうに笑いながら、マユミは自分の夢を語る。 やりたいこと。――見つけていたのだ。]
(239) Elliy 2014/06/08(Sun) 12時半頃
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…そうだね。
[なんていいながら、くすくすと笑う。 思い当たらない、ということと。 人の血は舐めてはいけない、ということ。 その両方を肯定するように。
――人の血を舐めたのは、よろしくなかった。 ゲームだからと、興味本位で行動してしまった。 そのことを、マユミは本当に後悔していたから。
兄さんに話して、すっきりとした顔になり。]
聴いてくれて、ありがとう。…私が愚痴っちゃった。 兄さん。……今度聴くのは、兄さんの方からかな? 頑張ってね。 私は、応援してるから――。
[そう言って、ちょっと悪戯っぽく微笑んだ。]
(243) Elliy 2014/06/08(Sun) 13時頃
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…その時、には。 兄さんにデザインしてもらいたいな。私のお店。
[外を見れば、もう雨が降りだしていて。 傘があるから大丈夫だよ、と指し示した。]
疲れさせちゃった…かな? お話してくれて、ありがとう…兄さん。 ううん、サミュ兄。 サミュ兄が目を覚まして、久しぶりだったから……嬉しかった。
――また、ね。
[そう言って、サミュ兄に手を振った。
病室を後にすれば、つと涙が流れて。 ――やっぱり、嬉しくて。 あれでも我慢していたのだ。 兄さんが目覚めて――、本当に良かったと。 そう、実感した。**]
(244) Elliy 2014/06/08(Sun) 13時頃
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――とある日。
[友人からのメールがきていた。 失恋なう。 タイトルはそんな軽さだったが、落ち込んでいるのが分かった。 どうやら先輩に告白してフラれたらしい。 告白はしてないながら、似たようなものだったのでマユミは友人に失恋お茶会を提案した。]
(315) Elliy 2014/06/08(Sun) 18時半頃
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[――まさか、友人が。
胸の小ささでフラれたとは夢にも思わず。 この時のマユミは、しらなかった。
この世の胸が大きな女子への恨み辛みを一晩中聞くはめになること。 その少しあと、貧乳に定評があると話題になり――友人に恋人ができることを。
そして、それが原因で友人の家に泊まり続けるのが申し訳なくなり――。
マユミが両親の元へと戻る一因になった。]
(317) Elliy 2014/06/08(Sun) 18時半頃
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[いつも通りにサミュ兄のお見舞いに来たら、珍しくサミュ兄が部屋から出ているのが見えて――。
思わず、はっと息を呑んだ。 ――まずいところだったかな、と。 チアキがお見舞いに来てくれていたようだった。 そのことが嬉しくて、笑みがこぼれた。
こっそりと来て驚かせようとしていたので、そのまま反転をして。 マユミは、その場を後にした。 ――出来る限り、二人きりにさせてあげたくて。]
(405) Elliy 2014/06/09(Mon) 01時頃
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〜♪
[鼻歌を歌いながら、マユミは帰っていった。 チアキがお姉さんのなってくれたらいいな。 なんて思いつつ、いつもの帰り道。
――ふと、憶えのある姿が目に入った。 街角でやっていた、テレビCMだ。 連理の――広告だった。]
(408) Elliy 2014/06/09(Mon) 01時半頃
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マユミは、の→に
Elliy 2014/06/09(Mon) 01時半頃
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[繰り返されるテレビCMを、じっと見つめて。 最初は驚き――。 ――やっぱり、チアキはチアキの方が良いなぁ。 なんて思えて、微笑んだ。"チアキ"の姿を知っていることが、ちょっとだけ誇らしい。
女性ヒーラーの姿は、何かチアキっぽくないように思えて――。でも、これはこれで綺麗だと思えたけれど。 連理として、と。 チアキとして、はきっと違うのだろう。 連理は連理で、素敵だなぁと思う。]
(410) Elliy 2014/06/09(Mon) 01時半頃
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[ふと、マユミはケータイへと目を落とした。 もしかして、CMに出るくらいならWikiとかに何か載ってるのかなぁと。
――ううん。 やっぱり、見るのはやめておこう。 チアキは、チアキだ。 と思い――その場を後にした。
サミュ兄にそれを教えたら、驚くかなぁ。 それとも、本人から聴いて知っているだろうか――。 なんて考えながら。 あとで聴いてみようか、それとも黙っておこうか。
――とってもご機嫌な帰り道だった。]
(411) Elliy 2014/06/09(Mon) 01時半頃
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[――"家"に着けば。 それまでのご機嫌な様子も消えて、緊張した様子へと変わる。
そう、家に戻ることになったのだ。 友達の家に泊まり続けるのも、流石に悪かったから。
それに、サミュ兄のことを両親にきちんと話すこともまだだった。 アヴァロンのことを話してもおらず、マユミのやりたいことを話してもいなくて。
沢山、話すことがあったから。 ――何時かは、ここへ来なければならなかったのだ。
その前にサミュ兄のお見舞いへ行こうとしていたけれど。 ――むしろ、2人の姿を見れば元気が出てきた。]
――頑張ろう。 力を貸してね、シロガネ!
[そう、ちゃんと話をする決心をして――。 家の扉を、開いた。**]
(413) Elliy 2014/06/09(Mon) 02時頃
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[マユミからは、サミュ兄の使うアドレスへと一通のメールが入っていた。]
From:まゆみ To:サミュエル Title:|д・) チアキとは上手く話せた?
ちゃんと、好意は伝えなきゃ分からないよ! 大丈夫だった?頑張ってね、サミュ兄。
あとね。今日、家に帰ることになったんだ。 こっちも頑張るよ(`・ω・´) 明日、その話をするね。
(418) Elliy 2014/06/09(Mon) 02時半頃
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From:まゆみ To:サミュエル Title:Re:Re:|д・) チアキとは上手く話せた?
シュークリーム…!? ( ̄¬ ̄*)
お母さんは、大丈夫そう。サミュ兄のこと話したら、とっても嬉しそうだったよ。お見舞いにいけなくてごめんなさい、って伝えておいて欲しいって。
問題は、お父さん・・・! あとで帰ってきてからが、戦いの始まりだよ! 私、この戦いが終わったらシュークリームを食べにサミュ兄のところへ行くんだ・・・! なんてね。 明日まで持つかな?駄目そうなら食べていいよ。
追伸:私から見るとサミュ兄はチアキのこと、好きなんだろうなって思ったから。違った?
(432) Elliy 2014/06/09(Mon) 03時頃
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From:まゆみ To:サミュエル Title:Re:Re:Re:Re:|д・) チアキとは上手く話せた?
チアキが、家族になってくれたら嬉しいな。
[とだけ書かれたメールを最後に、その日はマユミからのメールは届かなくなった。 話し合いが始まったのだろう。]
(437) Elliy 2014/06/09(Mon) 03時半頃
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― 翌日の病室、前 ―
[マユミは、こっそりと病室の前まで来ていて――。 中から聞こえた話し声に、病室には入らなかった。 サミュ兄にはあとでメールを送ろうと思いつつ。
自動販売機でアップルジュースを買って、待合室にいた子供と遊んでいる。 マユミは、以前より明るくなった。 落ち着いた子で大人しかったが、アヴァロンの一件以来は口調も少し砕けてころころとよく笑うようになった。
――話し合いは、終わらなかった。 沢山、沢山、話すことがあったから。]
(459) Elliy 2014/06/09(Mon) 12時頃
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[両親は、この前シロガネに説教をされたことで驚き、やはり何か悪影響が――。 なんて最初は心配していたけれど。
思っていたより、ずっとマユミは成長していた。 子供が育つのは早いのだ。 気がつけば、大人になっている。特に小学生から中学生になって、高校生――なんて辺りは考え方が育つのも早くてびっくりするものだ。
そんなことも分からずに、ずっと私達を子供扱いしたままで――。 結局、親子揃って誤解や勘違いばかりだったから。
一つ、一つを紐解くように。ちゃんと話し合った。 それには時間が全然足りなくて、まだまだ話すことばかりで――。 いつかは、きっと。 ちゃんと分かり合えるかな。なんて、半端な報告になってしまいそうだったけれど。 それでも、一歩前進だったから。 嬉しそうに、マユミは報告をするつもりで。
そして、出来ればサミュ兄からも嬉しい報告を聴きたいな。なんて思っていた。]
(460) Elliy 2014/06/09(Mon) 12時頃
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From:まゆみ To:サミュエル Title:がんばって!(o^-')b
[というタイトルだけのメールを送って、マユミはくすくすと微笑んだ。]
(461) Elliy 2014/06/09(Mon) 12時頃
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ん?なんでもないよ〜。 お姉ちゃんにも、お姉ちゃんが欲しいな〜なんて。
[なんて、ケータイを覗きこんでくる子供に微笑んだ。**]
(462) Elliy 2014/06/09(Mon) 12時頃
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[マユミは、チアキの性別を知ったらきっと。 ――驚き、眼を白黒させて。顔を真っ赤にしてから謝って、ついその場を逃げ出すようにしてしまうかもしれない。
恥ずかしさで、その日は枕を抱えてごろごろするだろう。 恋心、はあるかは分からない。 チアキのことが好きなのは、もう性別なんて関係なかったから。
――その気持ちの名前は、なんだろう。**]
(463) Elliy 2014/06/09(Mon) 12時半頃
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[いつも通りに、お客様を迎える。 最近は、自然に笑顔が出るようになってきた。]
いらっしゃいませ。2名様でお越しですか? こちらへどうぞ。卓の椅子を除けて車椅子のまま利用することもできますが、如何致しますか?
[そう言って、案内をしようとする。 車椅子で来ても、そのまま利用できるようになっていた。それでも車椅子から降りて椅子に座りたい人もいるので、こう聞くようにしているのだ。 店長はバリアフリーにはかなり気を遣ってくれているので、マユミもその配慮は汲めるようにと丁寧にご案内をしていた。]
(466) Elliy 2014/06/09(Mon) 13時半頃
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かしこまりました。 少々お待ちくださいね。
[オーダーをとって、ニコリと笑う。 早速店長へとそれらを伝えながら、]
あ、店長。車椅子の方が来店しました。時間通りです。 私、オーダー代わりますよ?
[そう言って、手を洗いはじめた。 きっと知り合いなのだろう、ゆっくり話をしていても大丈夫なように。]
(485) Elliy 2014/06/09(Mon) 19時半頃
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私は、全然気にしてないよ。
[とクシャミさんに微笑んで―― 楽しそうに、仕事へと戻っていった。]
(568) Elliy 2014/06/10(Tue) 00時頃
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