78 光環の戦溟 ― bloody searoar wars ―
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[杖を持て、其の言葉に言葉を発する前に。 パチン 指を鳴らす音が響き、宙に浮かぶは黎《クロ》の杖。]
ここに
(312) 2012/02/02(Thu) 01時半頃
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―――――御意。
[死女神からの加護を受けた黎《クロ》の杖は、 眷属の手へ返り、手の中で闇と成る。]
この命、我が君の為に。
(328) 2012/02/02(Thu) 02時頃
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仰せのままに――、我が君。
[信持つ声色《ゴクジョウノホマレ》は闇に染み渡りその黎《クロ》を潤す。 返事をし、目を伏せながらも其の表情には不敵な笑みを湛え。
畏まった礼を一つすると、するりと闇に溶けた。]
(337) 2012/02/02(Thu) 02時半頃
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― そうして半身は語りかける ―
久しいと言えば良いのかな――、半身よ いや、”リョウ”と呼ぶべきか?
あの御方との再度の誓約が為された事を共に祝福(いわ)おう。 そして―――久しぶりに、あの頃のように暴れるのも悪くない。 人間たちにはお気の毒様、と言っておこう。 我らが蘇った事で1000年ぶりの恐怖をもたらされるのだから。
― 空に溶ける闇が向かうは*反逆者の元* ―
(349) 2012/02/02(Thu) 03時頃
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― イェル=ゥラ自治区/図書館上空 ―
[それは七色クラリッサが落ちた後の事だろうか。 暗い空に、空より暗い闇が集まり形を成す。]
――
[宙空に仁王立ちし、図書館を見下ろす。銀の髪は風に靡いた。]
邪魔だな
[自らの髪をまず一まとめに片手で掴み、―――するり。そのまま毛先の方へとスライドさせる。しゅるっ――…。手が髪先から離れた時には、長い髪は綺麗な三つ編みに結われていた。銀色から闇色へのグラデーションは美しい。]
第七の地《セブンス・ヘブン》…
[頭に響いた声《約束の地》を繰り返す。>>362 剣に貫かれた胸に手を添え、口元に笑みを湛えた*]
――― 其の祝福に、闇よりも黎き感謝を
(381) 2012/02/02(Thu) 16時頃
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― イェル=ゥラ自治区/図書館上空 ―
…――む? フフ、楽しそうだな、半身よ
[通じて感じる愉悦に笑みを深めた。]
だが此処は駄目だな、駄目だ…
『生者』が少なすぎる
[図書館の前には死体の山が詰み上がり、 イェル=ゥラ自治区の道々には既に死んでいる人間の成れの果て《異形》が闊歩する。 其処にあるのは悲しみ呻きながら動くだけのモノ。それはそれで可愛らしいが、その嘆きが深まる事はなく、消え去るまでは一定なのだろう。生者ならば、深まる嘆きに底は無いのに。]
しかし、確か、あいつらは… ―――― ふむ…
(395) 2012/02/02(Thu) 19時頃
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少し、『準備』をしてくるとしよう
[ パチン ]
[姿は再び闇にとける]
(396) 2012/02/02(Thu) 19時頃
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― イェル=ゥラ自治区/大通り上空 ―
[ふわり、ふわりと。 闇が形を成し銀を煌かせ、次の瞬間にはまた消える。 海にたゆたう波のように、空を優雅に流れながら。
ペラジーがみね打ちにした異形達や、 それ以降に増えた異形たちを、眼下に眺めた。]
改めてみると凄いものだな…
[蠢く悲しい呻き声を聞きながら恍惚とした笑みが口元に溢れる。
イェル=ゥラ自治区では、生活用水に川の水を使用している。 この自治区に流れる川は勇者の加護の下、 清らなる流れとして当たり前に使われてきた。
けれど、人々が使うからにはされてしまう『ろ過』『浄化』の工程は、 その清らかさとは反対のものであり、その川の聖水としての役割を否定した。 その結果が、今のこの状態《死の町》である。]
(397) 2012/02/02(Thu) 19時半頃
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[ふわり。 ざっと見て、異形が集まっている場所へと降りてゆき、 彼らの頭の上程度の高さより、見下ろした。]
俺の受けた『加護』を、お前たちにも分けてやろう 穢れし兄弟《ディスプレッツォ・フラテッリ》たちよ―――…
[正確には其れは違ったけれど。 匣から生まれし根源は同じ。力の源は同じ。 黒曜の剣を受けし胸に片手を当てた。]
(398) 2012/02/02(Thu) 19時半頃
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[ドクン―――…! 右眼が紅く輝き、闇に染まる三つ編みが大げさに揺れる。]
其の姿になった理由を教えてやろう お前らが死んだ理由を教えてやろう
助けてくれなかったからだ!
聖なる加護がされていると、 信じていたのに為されていなかったからだ!
信じたのにお前たちは裏切られた、だからこそ―――、
(399) 2012/02/02(Thu) 19時半頃
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死に、
(400) 2012/02/02(Thu) 19時半頃
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其の姿で呻くしかない今を、強いられている……
[ドクン! 異形は動きを止め、闇に魅入られたように見上げる。 その異形の瞳も、徐々に紅く染まってゆく。 胸から手を離し、両手を広げ、受け入れるように声色は優しさを含み。]
何とも哀れで愛しい我が兄弟《フラテッリ》 其の恨み《ランコーレ》を共に晴らそうではないか…
(401) 2012/02/02(Thu) 19時半頃
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[うぉ うぉおおおおおおおおおおおおんんんんん!!]
[異形《兄弟》たちの叫びが、イェル=ゥラ地区へと響き渡る。 それは、勇者たちや、まだ残る生者の耳にも届いただろう*]
(402) 2012/02/02(Thu) 20時頃
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来たか、刻嗤いの悪霊《デモナ・クロノス》
[その気配を感じ取ると、ふわりと再度宙に舞う。>>406]
― 自治区/図書館近く上空 ―
[大通りから異形の群れは図書館へと向かう。 腐った身体に紅の瞳を宿し、
怨嗟を 憤怒を 悔恨を
八つ当たりのように、暗い町に叩き付けながら。]
(409) 2012/02/02(Thu) 21時半頃
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[其の最中――]
「きゃあああ!」
[図書館の近くでだろう。生者の声があがる。 家の中に隠れていた人間だろう。 先程の呻き声に、一箇所で大人しくしているのに堪えられなくなったのか、それとも、家族が異形に成りでもしたか。]
「もう いやぁあ…」
[崩れ落ちる女性に、生者への恨みを覚醒させた異形は襲い掛かる!]
(411) 2012/02/02(Thu) 21時半頃
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[見上げた空から間髪を入れず>>415]
[ヒュッ――]
[闇を固めた矢のようなモノが降り注ぐ!]
(419) 2012/02/02(Thu) 22時頃
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[黎き矢の飛んできた場所は、闇が濃い。 其の場所に振り上げられた刃が、”何か”を掠めた。]
―― おっと、
[濃い闇が後方へ動き、次の瞬間、闇が姿を象った。 肩にかかった長く編まれた三つ編みを、片手で後ろへと流した。]
久しいな、刻嗤いの悪霊《デモナ・クロノス》 この俺の気配をまさか忘れてはいまい?
[数歩分の空間を下がった場所で、にやりと笑みを浮かべ挨拶を交わす。 そうして次に聞こえた声に――、]
おや、ドロシーじゃないか 飛雲は一緒ではないみたいだが
(442) 2012/02/02(Thu) 22時頃
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前髪が、少し焦げてしまった。
[炎刃が掠めた場所を指先でつまむ。>>427 まあ、この程度なら”問題はない”だろう。]
(445) 2012/02/02(Thu) 22時半頃
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有体に言ってしまえば、覚醒(めざ)めたのさ
[どうしたと訊ねる声に、口元には笑みを湛えたまま。>>444 続く言葉に緩く目を伏せ、>>447]
そうだな… この澱んだ星の破壊に抵抗する相手にならば、 それは強ち間違いでもない
尤もそれが収まる日などはこない――… 俺たちは永遠の反抗期《リッベリョーネ》さ
[胸元に右手を当てると、溢れ出るのは、闇。
パチン
左手を鳴らすと現れるのは髑髏の杖。それを手に取り、
(455) 2012/02/02(Thu) 22時半頃
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ギィン――! 迫り来る鎌を首元で受け止めた。>>448]
物覚えの悪い事だ 俺たちは同じ死《アトロポス》の眷属だろう
もっとも――
[シャ――ッ、杖で刃を流すようにし、また数歩の間合いを取った。]
お前は反逆者だけれどな! どうだ、今回は共に『あの御方』に協力してみないか?
(456) 2012/02/02(Thu) 22時半頃
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再び『あの御方』に恭順するのなら、 お許しになると言ってくだっている
最初で最後の、”話し合い”だ
(457) 2012/02/02(Thu) 22時半頃
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引かなくても知っている。 「権威・権力などにさからうこと」、だ。 お気の毒だが、成績は俺も優秀な方だったさ。
[それは自身も学生だった事を意味し、 呆れた様子に、笑みを敷く。]
あの御方は我ら”死《アトロポス》の眷属”の主。
[それは、堕天した我らも含まれているが、>>324 悪魔と呼ばれるものもまた、その眷属に含まれるのだろう。 そして紡がれる、NOとの返事に杖を握り締め、対峙しようとし、 嗜める声に視線を送る。]
(484) 2012/02/02(Thu) 23時頃
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俺《パロニア・イゾラ》は最初から――さ!
『怒られた』くらいで素直に武器を収めるとは、 『イイコ』なお前は悪霊程度が丁度良い!
[武器は収めず杖を両手にて縦に構え、紫水晶の髑髏は闇に輝き翼を思わせる黎《クロ》を作り出す。 そこから降り注ぐは2本の黒き刃だった。]
(485) 2012/02/02(Thu) 23時頃
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半辺天とはよく言ったものだ オトメと名乗れる年齢かどうかは知らないが
[刃の1つは命中している。 その様子を見て、ふむ――、と口元に手を当てた。]
……”弱く”なったな。 半身の俺の攻撃にすら、そのダメージを受けるのか
[黒き剣の力もある故だろうか。けれど、]
(518) 2012/02/02(Thu) 23時半頃
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其の程度の力ならば、どの道『あの御方』には必要ない
[特に残念そうでもない声色だった。 むしろ笑うような声色で――、 向かってくる大鎌を、]
!!
[再度首を狙ってくるものかと思い目測がずれる。 カツィ――――…ンン! 紫水晶に綺麗な音を立てて刃が入り、 ピシッ、 小さな破壊音が響く。]
(519) 2012/02/02(Thu) 23時半頃
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――― ッチィッ!
[そのまま杖を振り上げ、至近距離のまま、杖にまとわせた闇ごとフィリップへ振り下ろそうとする]
(520) 2012/02/02(Thu) 23時半頃
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”飛雲 ダメだっ!!”
[犬の鳴き声。その主に、其の声は届いただろうか。]
(525) 2012/02/02(Thu) 23時半頃
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―――はッ!!
あ
ぐッ―― !
[杖を振り上げた瞬間。 ”この場にいる存在には何もされていないのに” ”まるで刃に振りぬかれたような傷を負う”]
(527) 2012/02/02(Thu) 23時半頃
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[身体に斜めに走った傷。 ダメージは、一人で其れを受けた時よりも少ないだろうけれど。]
くっ…
[杖を持ったまま、よろりと一歩、後方へ飛ぶ。]
”……”
[先程飛雲に語りかけた声は、今は沈黙を保っている。]
聞いて如何する ”知っている”だろうに
[くくっと喉の奥で笑い、杖を構えなおす。 だが、先程の所業。ここで自分を”見逃せば”、 次には更なる悪行を行うだろう。容赦も慈悲も、何も無く。]
(549) 2012/02/03(Fri) 00時頃
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[なぜ、ペラジーが”断ち切れない”と言ったのか。
それは、 『光一』の魂と、『パロニア・イゾラの半身』の魂は、 同一のものだからである。
『パロニア・イゾラ』の魂の成れの果て――変化の先が、 すなわち『光一』であるため、魂は一つしかなく。
それを行うと言う事は、すなわち。
目の前に現れる姿に、瞬いて、 ダメージもあり、避ける事も出来ない。]
(561) 2012/02/03(Fri) 00時半頃
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