233 逢魔時の喫茶店
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― バー ファミリア ― それじゃ。また来てくれると嬉しいよ。
[いつもより大分遅めの店終い。 それは今送り出した青年に思いの丈を吐き出させていたため。
店の片付けをしながら、青年から聞いた話を思い返す。]
(122) 2015/08/08(Sat) 19時頃
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[聞けば恋人だった男に別れを告げられたと。 体面のため、何の思いもない上司の娘と結ばれるから別れてくれと、そう告げられたと言っていた。 よくある話、とは言わないが、物語の中だけとも言えない、そんな程度の不幸話。
ただ、そう割り切れるのは多分自分が重ねた経験があるから。
青年はひどく荒れていた。 元より青年をこちら側に引き込んだのなその男なのだと、他に男を知らないというのであればそれも納得がいった。 初めは「それが彼の選んだことなら」、自分に言い聞かせるような様子だった。 もしかしたら彼はそれを肯定して宥めて欲しかったのかもしれない。
けれど男はいつものように酒を飲ませ、青年の本心を引き出そうとする。 そしてやがて口をついて出たのは。]
(123) 2015/08/08(Sat) 19時半頃
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『………俺を捨てたあいつなんて、とびきり不幸になっちまえばいい。』
[そんな怨嗟の言葉。
思いがけず溢れた言葉に自分で驚く青年を静かに眺め。その言葉を否定せず、また酒を注いだ。 注がれた酒を飲み干して、青年は限界がきたのか、眠ってしまった。 だからいつものようにしたの休憩室に寝かせ、そして朝になった。
自分が口にした言葉を覚えているのかいないのか。 一晩明けた青年は何かすっきりした様子だった。 だから―例え様子がおかしくてもそうしただろうが―男はそのまま青年を見送った。
愛した男の不幸を一瞬でも願った青年がこれからどうするのか知らない。 もし店にまた来て、青年が自分から話し出さない限り、事の顛末を知る機会は来ないだろう。 男にとってはいつものことなのでそれ以上の感慨はない。]
(124) 2015/08/08(Sat) 19時半頃
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[そんな青年の後ろ姿と昨夜の心から不幸を願う怨嗟の言葉をきっかけに、数日前に投げかけられた言葉を思い出す。]
“人間が分からなくならないか”
[その問いに男は答えなかった。 元より人間というものを深く知っているなんて思っていないので分からなくなる以前ではあるのだが。
分かるのか、分からないのか、分かりたいのか、分かれていないのか。
そんなことを考えて、やがてたどり着いた結論は]
…僕はこんなことも諦めているのか。
[分かろうとはしていない、そういうこと。 ただ話し手が話したいことだけを聞く。 そして相手が話すことだけを話させて、そこに疑問や意見は挟まない。 聞いている“だけ”。本当の意味で理解することは、諦めている。 聞き上手、などと言われるスタイルも、ただ聞いているだけだから。]
(125) 2015/08/08(Sat) 19時半頃
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………
[それに気づいてもそれほど心に波風は立たない。 何かが変わったわけではない。諦めていることに気づいた、それだけのこと。
諦めることには慣れている。
だからいつもと変わらず閉店後の後片付けを続けた。**]
(126) 2015/08/08(Sat) 19時半頃
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