254 東京村U
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アタシはじゃあ……紅茶でいいや。
[と、ジリヤに続いて注文を済ませる。 ミルクティーを殆ど考える間もなく定番のように頼んで、ジリヤに再度視線をあわせる……が、視線はジリヤの方からそれてしまう。 入間は時にひとに怯えられることにある程度は慣れていたため、然したる問題には感じなかった。]
……パパの偽物ね。 じゃあそっちの話からしよっか。
(147) 2016/10/03(Mon) 23時半頃
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アタシの家にはいま、アタシの家に勝手に住んでる他人が 二人ほどいるわけ。 二人ともアタシのこと「娘」って言ってる。 てか、父と母だって言ってる。
で、アタシはそいつらの事なんて、 これっっっっっぽっちも知らない。
…………、それだけで。
[キルロイ先生にも言ったが、何か暴力を振るわれるとか、乱暴にされるわけではないのだ。]
怪我するってことは、今のところないよ。 昨日の夜からずっと電話はかかってきてるけどね……。
(148) 2016/10/03(Mon) 23時半頃
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で……心配してもらってるみたいだし。
……フツーに命の危険があるっぽいから、 あなたの言ってた「死んじゃった」って経緯について。 一応聞かせてもらっていい?
(149) 2016/10/03(Mon) 23時半頃
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その話を聞いていると徐々に一二三少年の様子がおかしくなっていき、剃刀を手に取り自傷をしようとしたので、殴って止めました。 まるで正に憑りつかれたかのようなというべき様子で、正気に戻った後は自傷しようとした記憶は残っていなかったようです。 次に、澪音さんに話を聞きました。 親戚とはまだ連絡が取れていないそうです。今晩も一緒にどこかに泊まったほうがいいかもしれませんね。 そこで、もう一つ気になる話を聞きました。両親が居なくなった朝に、喧嘩しない親がいる未来がいい、と『アンケート』に書いたそうです。 聞いたことありませんか?『希望の未来を叶えるアンケート』の噂。
[そこまで話し終えて、大きく息を吐いた。 話しながら、認識している無数の糸の他に、まだ見えない糸や気づいていない糸がこの身体に巻き付いているのではないか、そんな感じがした]
以上です。これが、今日の朝までに俺の周囲で起きた出来事になります。
(150) 2016/10/04(Tue) 00時頃
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もう、クラクラしてきた……。
[木露の体験はそれで終わりではない。 次々と信じがたいような怪異の連続。そして――]
……また、ヤヘイ。
[その名を聞いて、眉間に手を当てる。 グラスへと手を伸ばそうとしたであろう木露を見て、手元のアイスコーヒーを渡した。 それはガムシロップを一つしか入れてなかったから、出目にはちょっと苦い。]
あー……とりあえず、ね。あれだね。 情報が多すぎて、パンクしそうだ。
えーっと……なんだっけ……。
(151) 2016/10/04(Tue) 00時頃
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何かと話に絡む天井手繰りに。 ストーカーに追われる私に。 私を匿って斧を持った男を目撃したキルロイちゃん、そのPCには知らない文章。 アイドルに憑かれた李沢くんに。 両親に成り替わられた入間さんと、連絡がつかなくなった親戚の人。 ドッペルゲンガーを知りたいファンの女の子と、その子そっくりな殺人アイドル。 あとは、あの世から電話がかかってくる先輩と……。 胡散臭い未来の希望を叶えるアンケートと……?
[指を折りながら数えていると、スマートフォンが振動する。不規則に、ぶるり、ぶるりと。 何度も鳴るので、たまらずそれを手に取り、画面を確認する。 その内容を見て、出目は怪訝な顔をした。]
あー…………。
キルロイちゃんさ、今日ニュースになってた『カラストラック』の件だけど。 あれの被害者の一人が、明日、うちで面接する予定だったみたい。 足を折る怪我をして、面接キャンセルだって。いま、社内のLINEで話題になってる。
(152) 2016/10/04(Tue) 00時頃
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[怪我の危険は今のところないと聞いて、ほっと息をつく。 だが、この短い話、不気味な個所がいくつもある]
……これっぽちも知らない。 つまり、全然似てないんですね?
[念押しするように聞き返した]
……なのに、なりすますなんて。 普通……似せてこないかな?
(153) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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(うわっ、きた)
は、はい……あの、まだ整理できてなくて…… それに、ちょっと話しづらいことも多いから。
[エスプレッソをかき混ぜる手がはやくなる]
……マイルドに話すのと、そのまま話すのと、 どっちがいいですか?
[顔をあげて澪音の目をじっと見つめる。 今度は、目を逸らさなかった]
(154) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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そのまま話すと……澪音さんが聞きたくない話、 いっぱい、間にはさまると思います。
[けれど、目の前の少女ならばきっと――]
(155) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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……はー………いやいやいや……。
こんな事、ある?身の回りだけでも十分ありえない事が起こってる。 だけど私達だけがそれを全部体験したっていうのもそれはそれで不自然だし……きっと他の視点でも、他のことは何か起こってるんだ。
たとえばアンケートに答えた他の人。たとえば殺人アイドルが幻覚じゃなかったとして、動機はなんなのか、殺しは初めてなのか。たとえば成り替わられた両親や、行方不明になった親戚に起きたこと。たとえばPCの文章に書かれた二話目と三話目の言葉の意味。たとえば事故の原因になったカラス。たとえば斧男がベッド下にいた理由。
それで……いくつかの話が『ありえないけれど何故か』繋がってそうに見えるわけだ。 アンケートと成り代わりと行方不明の親戚、 ストーカーと斧男、殺人アイドルのドッペルゲンガー……。
[不気味だし、信じがたいし、怖いし、勘弁してほしい。 けれど。]
いけないな。不謹慎だけど……。
ちょっとだけ、楽しいね。
(156) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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うん。うーん。 全く似てない部分はないとはいわないけど、 顔そのものは違うというか…
[おおまかな特徴――たとえば眼鏡をかけているとか、おおざっぱににている部分もあるが、基本的には他人だという、見てきたものの話しをそのまま聞かせた。母と父の特徴なども聞かせたろう。]
ていうか……ちがうのに、 ちがうのに誰もわかってくれない。
[入間は不快感も露わに、ぽつ、と零した。]
(157) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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……マイルドに話されても、きっとわからないから。 とりあえず全部。全部そのまま話してみて。
……聞きたくないもののなかに、 聞きたい話がまざってたら、 どうせ困るしね。
[父や母や従兄の顔を思い浮かべながら、入間は言った。]
(158) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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また一つ、繋がった……。 どうも、噂話がキーになってる気がしますね。 都市伝説が現実化しているのか、それとも現実に怪異が発生していてそれが噂話となっているのか。 悪い冗談、とも言い難いか。これだけ重なっていると。
[アイスコーヒーを受取り、口にする。 コーヒーの苦味が、連続する怪異に酩酊した頭を醒ます。 流れるような手つきで、角砂糖を4つ追加した]
多分、他にも色々な事が他にも起きているんでしょうね。 例えば、二話目と三話目の登場人物がヤヘイと同じく実在するのならば……異世界に迷い込んだり、屋上から落ちたりしているのかもしれない。
[ホラーやオカルト好きにとってはこの状況を楽しいと、待ち望んでいたと思うかも知れない。 ただ、それには条件があって]
そうですね……ただ、そう思えるのも実害がなければ、ですけどね。 斧男とストーカーはどうしましょうね? あれも、古典的な都市伝説ですが。
[照子に現状降り掛かっている実害について、*話を振った*]
(159) 2016/10/04(Tue) 00時半頃
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[澪音から説明された、両親の特徴。 父親の裕輔に関しては、ジリヤがしるものとぴたりと一致している。母親の特徴については、じっとただ聞いているだけだった。
最後に零れた言葉に、ふと、 昼の通話で聞いた澪音の呟きを思い出した。
――知らない街]
(160) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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[『全部そのまま話して』 澪音の口から、そう要望された。 これで、もう、自分は逃げられない。
エスプレッソに一口つけて、息を整えた]
……昨日の深夜でした。 その晩、あたしは"お客様"を2人抱えていました。 "お客様"の1人……Aさんを他の部屋に待たせて、 あたしは先に、Bさんと寝ていました。 0時からAさんの部屋にいく予定だったのに、 つい寝てしまって――
(161) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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[昨晩、体験したドッペルゲンガーについて、 思い出せることを全て語った。 赤羽を殺害する夢。ドッペルさんの噂。 噂通りの鳴り止まない携帯。携帯と呼応するノック。 そして出現した"もう一人の自分"。 金縛り。謎の破裂音。そしてもう一人の死。]
――夢だ、と言われたら、そうかもしれません。 でも、2人が殺されてしまったのは本当です。
あの弾ける音は……きっと、この本が御守りになって、 護ってくれたとしか。
それも、もうほとんどのページがダメになってて……。
(162) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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―週間初潮秋の特大号・李沢志乃、逃れられない業、志半ばで逝った友の影―
(163) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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[ジリヤの話を、黙って聞く。 ジリヤが体験してきた話。片鱗からわかるジリヤの仕事。 黙って聞き続け――その話の最後、テーブルに乗ったのは『東京村』という見た事のない小説だ。そして、その奇妙な落書きだらけの本は、ほとんどのテーブルはダメになっていた。]
……………。
一回。ちょっと整頓しよ。
雪野瀬さん。 アタシ、ぶっちゃけ、あなたのことって パパの浮気相手かなんかだと思ってるけど。 反論は?ない?
違うなら今のうちにいってね。聞くから。
(164) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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『凋落が止まらない――――
仙台の地方グループ『IZM32』から移籍してきた『IKB32』の元メンバー、李沢志乃(21)が瀬戸際に立たされている。
2年前、アイドルのKの自宅で自殺未遂を図った志乃。その代償は大きかった。 人気絶頂の最中、グループの掟である『恋愛禁止』を破ったとされ、グループからは卒業というのは名目上だけの、事実上の解雇。 本人はアイドル業を引退し、結婚をする意思を固めていたが、Kの事務所の副社長が激怒。結婚会見と騙し討ちをする形で志乃を呼び、謝罪会見を強行したのである。』
(165) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 01時頃
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[一通り話し終えたジリヤは、またエスプレッソを1口。]
……浮気とは、ちょっと違います。 あたしを買うお客様の1人、ですね。
(166) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 01時頃
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『結婚を考えていた志乃は大きなショックを受け、引退に踏み切ることもできず。生活は荒れに荒れ、歌など歌える状態ではない状況に。
Kの事務所の副社長はさらに志乃を追い詰め、家族を巻き込み多額の違約金裁判を『IKB32』側に焚き付け、志乃は雲隠れ状態。 仙台に住む家族にも借金の取り立てが来ており、家族は仙台を離れてしまったと関係者は語る。』
(167) 2016/10/04(Tue) 01時頃
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[確かにそこには、買われる側からしてみれば大きな差異があるだろう。入間はジリヤに頷いた。]
たしかに……?雪野瀬さんとしては、ちょっとちがうか。
[小さく嘲って笑ったのも父親に対してだ。]
じゃあ訂正ね。 アタシの家のクソ親父が、買ってた。
で、アタシの家のクソ親父は、 結婚してることも娘が居ることも、あなたに言ってない。
(168) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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『その影には志半ばで逝った親友・藤田サクラコの影がみえる。』
(169) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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― 夜・JR新宿駅西口 ―
[JR新宿駅の西口。ラッシュの最盛こそ過ぎれど、その名残も未だあり、人々が溢れた、人声が満ちた、閑静とは対極にある駅の一端。改札を入る前、広告で四方を埋めた角柱に、青年は背を預けるように立っていた。 青年は、電話をかけていた。 かける方は久し振りだな、なんて、不穏で下らない冗談みた思考を、頭に過ぎらせつつ]
…… あ。 てる? ごめんね、いきなり。 用事だって言ってたのにさ。
[程無くして、電話が繋がる。相手は、メンバーであり旧来の友である、ヴェスパタインだった。本名からの呼び名を始めとして切り出す、それに彼はもう用事が終わった事を口にし、 「……大丈夫か? 何か、あったのか?」 そう、気遣わしげに問いかけてきた。 その静かな調子に、浮かぶ顔に、少し不安が和らぐのを感じた]
(170) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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『李沢志乃は藤田サクラコが四ッ谷のマンションから飛び降りた追悼番組で憔悴した姿で号泣する姿を鮮明に思い出す人も多いだろう。
藤田サクラコが歌うはずであった曲を李沢志乃が歌い、歌番組で藤田サクラコの亡霊が立っていたとか、『たすけて』という声がバックグラウンドに聞こえるなどインターネットでは評判になっている。』
(171) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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[律儀に訂正する澪音に対して、ほんのわずかに顔がほころぶ]
はい……なにも、聞かされていません。 こちらからは、聞けない決まりですし、 そこはお客様次第……って感じですね。
(172) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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『――――しかし、彼女との接点はそれだけではない。
李沢志乃と交際していたアイドルKが、サクラコに曲を提供していたMとお忍びデートの記事が持ち上がっていたのである。
それだけならたんなる偶然で済まされるが、その数週間後にMは大物俳優と結婚。藤田サクラコは大物俳優の子どもを妊娠していたのでは無いかと噂されているのである―――――』
(173) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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『藤田サクラコも大物俳優とMとの結婚に大きなショックを受け、事務所のビルから飛び降り自殺を図ったとされているが遺体の損傷が激しく、司法解剖もされず―――――』
(174) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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おっと、すいません。
(175) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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すいませんね。ペットボトルを捨てるところだったんで。
[週間初潮はペットボトルの中味がかかってもう読めそうにない。]
でも、雑誌読むんでしたらごみ箱を漁らないで買って読んだ方がいいと思いますよ?
[そうサラリーマンに嫌味を言うと、一二三は新宿不動産の中へと*入っていく*]
(176) 2016/10/04(Tue) 01時半頃
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