73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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― 中庭 ― [弾き終わったと言われれば、 短い返事と共に茂みに消えただろう。 何がと問われれば、 居た堪れなく走り逃げただろう。 けれど。]
…………痛く、ない曲。
[距離が有り暗い。 だから気づかれていないのかと、 フィリップは勘違いしながら少し手を降ろす。 曲名は詳しくなかったため、 ぼんやりとしたリクエストを口にする。 具体的にそれがどんな音か、 まったく想像がつかなかったが。]
…………あ……
(86) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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[舞い落ちる黒に、翠を瞬かせた。 とっさに、下ろしかけていた手でそれを受け止める 少しひんやりした皮の黒い手袋 そういえば、夕方もそれを身につけていた気がする。 奏者故に、指に傷がつかぬためだろうか? ……人との関わりの象徴のように思え、 関わることへの怖さが勝り、 使えないで握っていたブランケット。 同様に、ここで受け止め嵌めれば関わることになる、黒い手袋。]
[曲をリクエストしていながら、関わりを恐れている。 ただ、黒く舞い降りるそれ、その先の白い手。 距離がありそれが確かかわからないけれど]
…………ありが……とう
[そう、口にして、そっと指を通した。 指先が刺すような外気から遮断される。 ……………暖かい。]
(87) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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[あまりに濃い薔薇が、少年を狂わせる。 視界は狭く、暗く、紅く。 足元がふらついて、近くのベッドに倒れこむ。 最後に会ったのは図書室。 今は目覚めぬ同室者の一人。 間近に見えるその顔に、少年は手を伸ばす。
頬に手を沿え、 吐息の触れる間近に顔を寄せ。
そしてそのまま、意識を失った――]
(88) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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―図書室―
[人探しを口実にして。図書室の扉を開けた]
べネットくんー? まだ探し物をしていますかー?
……おや、居ない?
[それにしてはと、散在したアルバムに視線を落とす]
(89) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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…ヴェス、さん……
[薔薇の香りは甘く甘く。 抗う意志を溶かして行って。
まだ包帯を巻いたままの指に、彼の傷が紅い染みをつける。 その手を恭しくとって、くちづけを落とした。]
(90) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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──中庭──
[中庭に近づくにつれ、香りは目に見えそうなほど濃密になりゆく。 ロバートが言っていた、倒れる人が出たと言うのもさもありなん。むせ返るほどの香りの中を、泳ぐように薔薇を求める。
中庭の薔薇のことを、最初に知ったのは何年の頃だったろう。その香りが好きで。怪しげな逸話が好きで。花の咲くころには遠回りしてでもその季節を楽しんだ。 月の夜、その下で先輩にいざなわれ、秘密倶楽部の扉をくぐり。 背徳の色を纏いながらも薔薇は美しく、同室者を散歩に誘ったこともあったかもしれない。]
(91) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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[ずっと守られて、何も知らずにいたから、壊し方も抱き方も知らない。 それでもためらいがちに、幾つもの朱紅に彩られた白い肌へと手を伸ばした。**]
(92) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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……いつから、だったんだろうね。
[エリアスに、辛い思いをさせていたのは。 どのくらいの絶望を降り積もらせてしまったのだろう。薔薇の香りをきっかけに、忘れようとモリスに縋るような選択をさせてしまうまで。
誰を求める勇気もなくて、博愛の名の下に、代わりの効く関係を求め続けた、こんな自分はエリアスに相応しいわけもないから。
消えてしまおう。誰かに抱かれる汚い姿を見せつけて。エリアスが早く自分を忘れられるように。]
(93) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/12/27(Tue) 23時頃
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[涙は枯れることなく、ひび割れた蛇口のようにほろほろと溢れ続ける。夜に一滴だけ太陽を落とした空は薄暗く。もう一つの鮮やかな赤を抱えた姿には気づけない。]
……エリアスを救う勇気を頂戴。
[冬と言うのに凛と咲く紅薔薇の一輪を手元に引き寄せ、手が傷つくのも構わず口付けた。]
(94) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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フィリップは、人の気配に身を竦めたが、曲が聞きたくて鮮やかを抱きしめて立ち尽くす
2011/12/27(Tue) 23時頃
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[拾い上げたアルバムの開いていたページに。『冬薔薇』>>2:500の文字を拾い。 噂>>2:269が遠回しに書かれていた]
……これ、は……
[思わず息を止めた]
(95) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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え………っと。
[痛くない曲と聞いて、感じた戸惑い。 自分の音はどこまでも自分に優しい。だから、痛い曲というのがそもそも分からず。 そして、1つ思い当たる可能性。今まで考えてみたこともなかったこと。 自分の音は自分に優しいけれど、他人にとっては……────?]
すみません。自分の音があなたにとって痛くないか、正直自信がありません。 ただ、その、できる限り…、頑張ります。
だから……その、もし、痛かったら、……言って下さい。
[歯切れ悪く、そう告げる。少しでも痛みを齎す可能性があるなら、断った方が良い。 自分の音が受け入れられなければ、結局傷付くのは自分。 分かっていて、それでも弾かないことを選択することはどうしてかできない]
(96) 2011/12/27(Tue) 23時頃
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……お礼を言われるほどのことではありませんから。 その手袋、……捨てるつもりだったんです。 だから、要らなくなったら、捨てて下さい。
[自分と種類は違えど、他人を避けている印象がある少年に向けて、そう付け加える。 自分も他人が一度はめた皮手袋をもう一度はめられるかは自信がない。 だから、慣れない嘘を吐いた。それが互いにとって一番だと思えたから。 指を通す様子を見れば、安心したように息を吐く]
寒いですから、飽きたらいつでも立ち去って下さい。
[そう声をかけて、自分に集中するためにバイオリンを構える。 やがて奏でるのは、星に願いを込める曲。自分の願いは叶わないと知っている。 だから、少年にもしも何かの願いがあるなら。願いがなくとも、今後もしも何か願いができたら。 その願いが叶うようにとの、想いを込めて、音楽室から奏でた]
(97) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[部屋の奥を探してもクラスメイトの姿はなかった。 オスカーは、何か知っているだろうか。 いや、彼の投げた問いかけは――?
少しずつ、ピースが嵌まっていく。 香り立つ冬の薔薇。 狂っていく時間の感覚。
目の覚まさぬノックスとジェフは?
再度作文を読んでも、対処方法も、それからどうなったのかも窺えなかった]
……はははははっ
(98) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[棘で痛んだ指先ごと黒で包んだ。 その手で鮮やかな方を抱えながら窓を見上げる。 静かで人の気配なかった中庭に もうひとつ人の気配があり、そのことが怖かったが。]
………うん…… えっと……さっきの、音も、痛くなかったよ……
[ヴァイオリン弾きの言葉に、少し目を丸くした。 さっきの音はとても痛くなかった。 そのことを口にしながら思う。 あの音を奏でられるのに…… それとも、あれだけを奏でられて、なお こう前置く心のだからなのだろうか?]
(99) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[黒手袋は痛んだ様子はないのに。 少し、戸惑う言葉だったけれど、この手袋を持って、 彼を探す勇気が自分にあるかどうかわからなかった。 だからその言葉に甘えた。 それに……先程見たものが寒さのせいではないのなら……
黒い手袋は完全にフィットはしないが、 それは彼と自分の手の形の違いなのだろう。] [ヴァイオリンを構える姿を見上げる。 その前に告げられた言葉にはゆるく首を振った。
弦の音が優しく奏でる曲は、フィリップも知っていた。 いつの頃だろう?まだ鮮やかな姿も 空高く飛べなかった頃聴いたことがある。 あの頃思っていた願いは、今はなく。 今あるのは…………
鮮やかなほうがフィリップの頬に身を寄せる。 その身体が少し湿る事で、 フィリップは、また自分が涙を零しているのに気づいた]
(100) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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―廊下―
ふぅん、星に願いを、ねー。
[音楽室の前を通ると、聴こえてきたのは、バイオリンの音。 モリスは、一瞬足を止めるも、]
(101) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[窓を開け、外気に交ざる薔薇香を吸い込んだ]
もう溺れたくないと、もう終わりにしたいと願う私を。 逃がさないつもりですか?
再び捕らえようとでも、言いたいのですか??
………良いでしょう。抗ってみせますよ…。
[そのアルバム一冊だけを残し、部屋を片付け。 該当ページに栞を挟み、机の上、目立つ場所に置いた]
(102) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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[誰かのために奏でるのは初めてのこと。 手が震えそうになったのは、外気による寒さのせいではない。 それでも、一度曲を奏でれば、毎日連れ添っているバイオリンの音が狂うことはなく。
ふと、バイオリンを弾きながら、視線を向けるのは中庭で咲き誇る薔薇。 薔薇にも願いはあるのだろうか。ノックスいわくお節介な薔薇>>2:468 そして、気になったのは枯れかけであるということ。 とても、そう見えないが、散る間際に花は美しく咲くとも聞く。
薔薇は好きにはなれない。それは今でも変わらない。 されど、もしも薔薇にも願いがあると言うのであれば。
その願いも、また叶えばいい。 未だ本質からは遠く、薔薇の目的すら知らず、そう願った]
(103) 2011/12/27(Tue) 23時半頃
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エリアスは、遠くで花弁に口付けられる感触を得て。「…?」
2011/12/27(Tue) 23時半頃
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なんか、物悲しい感じっスねぇ。
[モリスはポツリ、と呟き。どことなく自分と重なる気がして気に留めるが、また食堂に向けて歩いていく。]
(104) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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セレストは、人影を探して、どこへ行こうか。
2011/12/28(Wed) 00時頃
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……君が望む「救い」と…… この子の求める「救い」…… 同じだと、いいねぇ……
でも君がそれを望むなら、僕はそれを手伝うよ
(105) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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ありがとうございます。それなら、良かった。
[少年の言葉に瞳を細める。 中庭と音楽室。この距離感はどうあっても縮むことはないから、自分の受け答えは幾分柔らかなものとなる。 一方でふと感じた疑問。もしも、もしも自分の音が誰かを傷付けていたなら……? 緩く首を振る。その疑問の答えはすぐに出た。でも、今は関係ない。
少年との距離が遠いゆえに、少年が何を考えているかまでは分かるわけも無く]
………本当は、もっと。
[一曲を奏で終えた後、少年の瞳に光るものが見えた気がした。 もっとも、鮮やかな姿の影となり、はっきりとは見えない。 きっと見られたくないものだと思ったから、沈黙を破って、口を開く]
(106) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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もっと、違う曲が良かったかもしれませんね。 この曲……幼い頃に、何度も何度も繰り返し弾いたんです。
[相手の反応は見ないようにして、ぽつりぽつりと零す]
どうしても、叶えたい願いがあって。でも、叶わないとも分かっていて。 その度に思いました。 もう1回弾けば、明日弾けば、明後日弾けば、………ずっと弾き続ければ。 いつか叶うかもしれないって。
叶わないと分かっている願いでも、叶うかもしれないって思うことができるだけで、希望が持てたんです。
[矛盾した言葉を紡いでいるのは分かっている。今はもう叶うかもしれないなんて思うこともできないけど。 それは口にしない。純粋に相手のために何かしたいと思って奏でた曲に不吉な話は不要だから、代わりに嘘を吐く]
僕の願いは………叶ったんです。 だから、きっと……あなたにも良いことがあると思います。 僕はそれを願っています。
(107) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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―廊下―
[廊下に出るとヴァイオリンの音がした。 左手の指が疼いた。 弦を押さえることの出来なくなった指が。
音にひかれるように、音楽室へと歩いていった]
(108) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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──食堂──
[誰かがいる場所と考えれば、ここが自然に浮かんだ。音楽室からも綺麗な音色は聞こえたけれど、バイオリンの後輩──確か名前はセシルと言ったか──にこんなこと頼むわけにはいかないから。
寮母さんが飾ったのか、小さなツリーが可愛らしく輝いている。そこだけ平和な光を灯して、けれど薔薇の前ではあまりに弱い。]
(109) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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[誰かの願いが叶うこと、を願う音は優しかった。 ゆっくりと、目に見えないけれど降り積もる。 ……この音を聞いていると錯覚を起こしそうになる。 優しくて暖かいものしかないんじゃないかと。
弦の音が終わりの音を紡ぐ。 フィリップは、凛とした冷たい空気を 一度深く吸って吐き出した。 むせ返るような薔薇の匂いさえ、 その中にあるのは 優しさだけだと錯覚したくなるように。]
…………もっと?
[黒皮で包んだ指先でブランケットをもち 奏者を見上げながらゆるく首をかしげる。 続いた言葉には翠は丸くなり一度首を振った。 こちらに向いていない視線に 届いたかはわからないけれど。 ……ただ、さらに続いた言葉をじっと見上げながら聴く。]
(110) 2011/12/28(Wed) 00時頃
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[叶わない願いが叶った。 それは一体どんな願いだろう? とてもそれを聞く勇気はフィリップにはもてなかったが。 ただ、何度も何度も繰り返す。 叶わないことを明日も明後日も見たとしても。 相手のためについてくれた優しい嘘。 嘘か本当か、考えるより。] [こくり、と一つ頷いて。それから、酷く迷う。]
……………あ、あの…… また……また、聞きに、きても良い?此処から、でいいから。
[関わるのはすごく怖い。 この言葉とて、拒否されたらどうしていいかわからない。 ただ、願うと言う言葉に、躊躇の末、口に出した。 ぎゅっと、黒につつまった手を握りながら。]
……聞いていると、優しくて、暖かいものしか ないんじゃないかって、少し思えるから……
(111) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 00時半頃
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[内向的な自分の性格に反して、明るい曲の持ち合わせはある。 バイオリンを通せば、何だって表現できる。 だからこそ、好んで持ち歩いて、会話をしているのだ。 そういう曲の方が良かったのではないかと、思い悩んでいたから、首を振る気配にホッとする]
ごめんなさい。僕は、あまり……言葉には長けていないから。
[唐突とも言える自分の話の後、相手が頷いてくれる様子に安堵したのは束の間。 迷う様子を見て、そう告げるも、続く言葉には瞬く]
もう少し、暖かい場所でなら。 あるいは……今の場所と互いが逆の場所でなら。
……いつでも、構いません。 もっと、他にも何か、あなたにとって痛くない曲を練習しておきます。
[今度は少年には室内で聞いて欲しいと思ったから、少しの条件をつけて、迷うことなく頷いた]
(112) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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事情はよく分かっていませんけど。 僕の音が、あなたにとって、優しくて、暖かいものに……なれたらいいなと。そうは思います。
あ……
[元々聴覚は優れている。 バイオリンを奏でている時は集中していたから、一度足を止め、そして通り過ぎた足音>>101にこそ気付かなかったけれども。 演奏を終えた後だから、音楽室へ向けて、近付く足音>>108には気付いて、小さく声を上げる]
もしかしたら、ここに誰か来るかもしれません。 窓、閉めた方がいいですか?
[何故中庭にいるのか、結局分からなかったけれど。 中庭にいるのが人目を避けているように思えたから、そう問いかけた]
(113) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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― 鐘楼 ―
[中庭から見えないように壁にもたれかかって、祈りを奏でるバイオリンを聞いていた。星に願ったことはなかった。神に祈ったこともなかった。叶わぬ時が、痛かったから。 離れた場所同士で交わされる会話はどうしても耳にはいってきたけれど、元々口数の多くない二人だから、目を閉じればそれすら音楽のようで、心地よかった]
(114) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 00時半頃
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[謝罪の言葉には、また一つ首を横に振る。 ちゃんと、相手を思っての言葉だと伝わっている。 ……それをフィリップが言語化してはっきり受け取れているわけではないが、 先程の音色ほど雄弁ではないが、 あの音の奏者だとははっきりわかる言葉。 そうでなければ、 きっと口にする勇気はもてなかった。]
…………うん、わかった。
[迷い見せず条件と共に告げられた言葉。 迷いが見えなかったのが嬉しかった。 あの音色の奏者らしい条件に 寒さで強張っているのに、 自然に笑みが浮かんだ。]
…………本当にありがとう……えっと……
[まだ一歩も近づけないままではあるけど、 お礼と……名を呼ぼうとして詰まった。]
(115) 2011/12/28(Wed) 00時半頃
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