43 朱隠し
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[そこは、昨日、話をしていた場所だった。 昨日と同じように、縁台の同じ場所に腰掛けて 隣に座るようにと一平太に勧める]
俺はな、人の子のようなアヤカシだ。
アヤカシでありながら、人と同じ時を生きる。 そして俺の考え方は、人の子に近いらしい。 俺のようなアヤカシは、他には居ない。
よく謂われるんだ。 アヤカシらしくない、と。
だから俺は…… "どちらか"に成りたいと、ずっと願っていた。 半端な自分、ただ1人。孤独だ、と感じていたから。
だから、一平太、お前の話を聞いたとき、 ああ、自分に似ているな、と。 思ったよ。
(87) 2011/02/16(Wed) 23時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 23時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 23時半頃
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[隣の一平太の、隠れていない眼を見詰める]
けれど、お前には、逃げる路があった。 アヤカシに成る、その路が。
俺の欲しいものを、手に入れる可能性が。
羨ましい と、思ったよ。
(88) 2011/02/16(Wed) 23時半頃
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――… なあ、一平太。
俺は、お前の逃げる道を、作るから。
少しの間で良い。 きっと永い時を生きる、瞬くような間だけ。
[手を伸ばす。 隠れた黄色をなぞるように、前髪の上に、そっと風だけが触れて]
(89) 2011/02/16(Wed) 23時半頃
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――… 俺の寂しさを、埋める相手になってはくれないか?
(90) 2011/02/16(Wed) 23時半頃
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[切なげに、赤褐色の眸が揺れた。 静かに、瞼を閉じて。 次に開いたときには、僅かに苦い表情でも、笑って]
この寂しさを満たすため。 アヤカシらしく、強引に攫ってしまおうかと、思わなかったといえば、嘘だ。
けれど、な。 お前の望みを叶えたいとも思ったし、 ああ、お前には良い人だと思われていたいと、打算も認めよう。 これは、人らしさだろうか。
[小さく、首を傾げた]
(91) 2011/02/16(Wed) 23時半頃
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[羨ましい…その言葉が胸を刺す]
そうですね…私だけ逃げてはいけな…
[しかし一平太の言葉は遮られ>>90寂しさを埋める相手にと言われ…]
え…? しかし…私は…私には…
[一平太は迷った、この使命を果たす前に“逃げて”いいのか
自分には他の者にはない力がある…
でも…華月斎殿が望むなら…望まれるまま向こうに行ってしまいたい…]
(92) 2011/02/16(Wed) 23時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 23時半頃
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華月斎殿、あなたは人の子以上にいい人ですよ。 だからこそ、惹かれたのです。
…寂しさを私が埋められるのならば、喜んで。
(93) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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―自宅―
[ふっと目が覚めた。何か夢をみていたようだ]
ともだち……
[額を押さえて呟いた。頭痛はましになっていた。のそりと起き上がり]
…出かけるかな。 外寒いやろなあ。…でも家も寒い。
(94) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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いい の、か?
[ぱちりと、瞬く]
ああ。俺が謂った、謂ったのだが。 その……何だ。
[戸惑い、首の後ろ辺りを掻く]
――… ありがとう。 嬉しい、とても。
[眉尻を下げて浮かべた笑みは、今までのどんな表情よりも……]
(95) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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定吉は、ぼんやりと外を歩いている。
2011/02/17(Thu) 00時頃
定吉は、華月斎に、何となく飴をあげたくなった
2011/02/17(Thu) 00時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時頃
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[くるり。 くるり。] [手の中で廻す、飴の棒。 くるりくるりと舞う紅は、まるでいつかの――]
(96) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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―祭り会場―
あれ?明之進さんや。 おーい。
[綿飴の屋台の前にいる明之進を見つけ、のたのた近づいていく]
もうかりまっか? あ、三つ売れそうなん。 よかったやん?…袋がない?運ぶんなら手伝うで?
[綿飴屋台の主にも声をかけ、事情を聞く。]
(97) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
慶三郎は、ふと、手を止め、
2011/02/17(Thu) 00時半頃
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[定吉の声に気付き、そちらを向く。]
あ…定吉さん。 …お願いしても宜しいですか?
[定吉にそう頼み。店主に代金を払う。]
助かります。約束したものの、運びにくくてどうしたものかと思っておりました。
(98) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
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三つて、運びにくいやんなあ。
わたあめ二つを片手で持ったら、運が悪かったらべたって引っ付くもん。それ剥がしたら、一つは大きくなって、一つは小さくなるいう悲劇が起こりかねへん。
[そんなわけで、両手に一つずつわたあめを持った]
どこまでかな?家?
(99) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
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― 店・自室 ―
[ 祭の最終日を、指折り数える。
2年経ってもまだ小さいままの春松。 きっと兄は以前と同じように頭を撫でてくれる。 それを思うと、心が躍ってしまう。]
にいさん、驚くかなあ。 驚くだろうなあ……。
[ 春松は気付いていない。
もしアヤカシとなった兄が、本当に春松を案じているのなら。 とうに「迎え」に来ていてもおかしくない事に。
行く先にすら、春松の「せかい」は存在しない事に。]
(100) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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……確かに。くっつくのでしたねこれは……。 久々で忘れておりました。
[……確かに三つは運びにくすぎる。やっぱり二つでも良いですか、と店主に謝り二つにして貰う。 松葉杖を握り、供物台がある方へと杖を向け。]
有り難う御座います。では、供物台の方へ…。 先日の、鈴を付けた山の神。またお会いしたのですよ。 なんでも、綿飴が食べたいとかで……。
[そう言いながら、歩き出そうか。]
(101) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
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え、三ついらんかったん?く、くわえるで、俺!
[一つは明之進が持てるかと考えていた飴師は、余計なことを言ったかと。割り箸部分をくわえていく心意気を見せた]
…鈴の、狐面の? …明之進さんは、アヤカシ怖くないん?
(102) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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[ 床と変わらぬ程薄くなった煎餅蒲団に身を横たえ、春松は眠りについた。
目を閉じると、今でも鮮やかに思い浮かぶ兄の笑顔。 柔らかく「春」と呼ぶ声。 やわらかくしあわせな思い出は夢となり、一時少年の心を癒す。]
(103) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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[ 少年が
「春」を自覚する日など、
もう永遠に来ない。]
(104) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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[ 絶望に向かう夜がひとつ、更けてゆく――……**]
(105) 2011/02/17(Thu) 00時半頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時頃
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いや、大丈夫です。 もう何人かいらっしゃるかもと思ったが故ですので…。
[綿飴屋の店主が、やれやれと言う顔をしていそうだが。ともかく。]
……再びお会いしてみると、怖くありませんでした。 なんだか、妙に無邪気な御方で……。
[少し笑みを浮かべ。]
其れに、こちらが「行きたい」と願わなければ、連れて行く気は無いようです。
[恐怖心が薄れたのは藤之助の件のせいもあったが、それは口に出さず。]
(106) 2011/02/17(Thu) 01時頃
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こう見えて歯は丈夫…
あ、大丈夫?んじゃ、二つやね。…無邪気かあ。
[明之進に歩く速度をあわせて、供え物台の方へ]
……行きたい、と思わなければ、連れて行かない?
[思わず繰り返した。連れて行かれそうになった記憶と、一致しなかった為。そう、確かに最初は、相手が怖くて嫌がったけど。…けど??
その後は、どうだった?]
……うーん。俺、あほやから忘れてしもたんかなあ。 [ぼそっと独り言。]
(107) 2011/02/17(Thu) 01時頃
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……そうか。同じ山の神に…連れて行かれたのでしたっけ。
[真実は解らないから、それ以上は言及せず。 やがて、供物台まで辿り着いた。]
有り難うございます、定吉さん。 ここに置いておけば、食べて頂けますかね…。
[あのご先祖様も、綿飴食べるだろうか。などと考えたりしつつ。]
そうそう。この梅の枝…定吉さんですよね? お店の物も凄いですけれど、これも……見て、驚きました。綺麗ですね…。
[梅の枝の飴細工を見ながら、目を細めた。]
(108) 2011/02/17(Thu) 01時頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時頃
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うん、多分やけど。
[明之進に答える。それ以上の言及もなかったので、その話はそこで終わって]
こんくらいお安い御用やで。わたあめ食べたがるん、確かに無邪気な神様かもなあ。
[可笑しそうに笑って、綿飴を供えた]
ん?ああ、それ俺や。 あは、ありがとさん。 神主さんに、なんか作ってほしいて頼まれたんよ。今年初挑戦してみてん。
…アヤカシさんの一人に、すごい気に入ってもらえて、褒められた。
[照れたように、でも嬉しそうに言った]
(109) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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飴師 定吉は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時半頃
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― 祭会場 ― [かの人物に遇ったか如何かは定かでないが。] [あれへ向ける老妖の態度が。 不思議なものとして映っていたであろうことに、恐らくかわりはないのだろう。 ああ。自身でも、不思議なのだから。] [――忘れて居た、筈だったのに。]
(110) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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[華月斎の嬉しそうな顔>>95にこれでよかったのだと思いつつ]
華月斎殿、ついて行く前に一箇所だけ行きたいところがあるのです。
家族の眠る墓に―
(111) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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でもほんま、色々お供えされてるなあ。お団子に、十二支の人形?これかわいい。アヤカシも遊んだりするんかな。
[おてだまになりそうやね、と感想をもらし]
(112) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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[神社と同じ敷地にある寺の脇に一平太の家の墓があった
墓の前で静かに手を合わせる―
役割を全うせずに逃げる自分を許してはもらえぬとは思いつつ
それでも墓参りをせずにはいられなかったのだ]
(113) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時半頃
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[無邪気な神様のくだりに頷く。]
そうだったのですか…。
…ふふ。褒められた時、なんだか妙なと言うか、不思議な気持ちになりませんでした? お供えした物について、神様からご感想を直接頂けるというのが……。
[そして、十二支の人形の話が出ると。]
あ…。俺が作った物が、それです。
[供物についての感想を述べたりしつつ、しばらく*話をしていただろう。*]
(114) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時半頃
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[人として見る最後の祭り…
自分の役割を果たさなかった罪悪感と
重責から開放される安堵感が複雑に絡み合う、しかし]
これは、自ら選んだ道…
[だから、後悔することは*なかった*]
(115) 2011/02/17(Thu) 02時頃
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不思議な気持ちもやけど、めっちゃ嬉しかったね。神様に褒められたなんて光栄やん?自信ついたー。
え、これ明之進さんが作ったん?手先器用やね!
…あ、わかった。明之進さんも褒められたんやな?よう出来てて、かわいいもんなあ。
(116) 2011/02/17(Thu) 02時頃
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