17 吸血鬼の城
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>>21 [ベネットの咄嗟の表情に目を配る。 どうやら何かを隠しているらしいということは容易に推測された。そして、それが自分に知られてはならぬものだということも、なんとなく濃厚に想像がつく。]
ドナルド様は、こちらにいらした時は、ワインをお持ちではありませんでしたけれど。
ああ……それは城にあったコレクションじゃないですか。 [呆れたように溜息をつく。]
まあいいです。 私に権限があるかどうかとはともかくとしても、返せとは言いませんよ。そこまでケチではありませんから。
それとも、グラスでもお持ちいたしましょうか?「景気づけ」がてらに。
[部屋をぐるりと一周見渡し、緩やかな笑みを浮かべる。だがその脳裏には、]
(さしずめ、ワインは「贄」、か。 何か見られたらまずいものを隠している可能性が濃厚、といったところか。)
[疑惑が確信めいたものに変わる。]
(26) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―中庭― [それに気づいた者があれば、 白服の裾が翼の残滓を残し、かろやかに降り立つ瞬間で。
―――降ってきた姿は、見えない。 ただトーニャの紋章には強い反応が示される。
魔性、2人分のもの]
(27) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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[無意識のうちに牙を握りしめた指先から血が流れ ずきずきと痛んだ]
(――こんな小さな傷だって痛いのに、やっぱり、自分でなんて)
[痛がりで臆病な自分には自裁すら出来ないだろう]
……あの、ヘクターを、
[リンダの問い>>19に答えかけるところに、グロリアからの助け舟が入り、気を遣ってくれる婉曲的な言い回しに頷いた]
ヘクター、ゆっくり休めると、……いいな。
[小さく呟き、優しく頭を撫でる手の心地良さに瞳を閉じた]
(28) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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僅かな吸血すら、人の身には過ぎた悦楽だろう?
[去り際にかけたのはそんな一言。 闇色の夜着を纏った城主は、 緩やかな足取りで部屋を出、廊下を進む]
(29) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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―中庭―
[グロリアの婉曲な言い回しに首をかしげたが、その後のトーニャの言葉で悟り、バツの悪そうな表情を浮かべる。]
……そうでしたか。 私も、その、ヘクターさんがゆっくりと休めるようにお祈りしますね。
[と、グロリアに撫でられ目を閉じるトーニャに優しく言った。]
(30) 2010/06/24(Thu) 00時頃
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――中庭――
うあっ……!
[全身の紋様にびりびりと衝撃と熱が奔る。
いきなり身体を襲った強い反応に、肩を抱いた。 ついに魔物が自分の命を奪いに来たのだろうかと、怯えた様子で周囲を見渡す。
黒い瞳は魔物の姿を捜し、不安気に揺れる]
(31) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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─廊下:回想─
…そう、ですわね。
ベネットさま。
───おねえさまが、貴方をお守り下さいますように。
[華奢な銀のナイフから手を放し、心からの微笑みと切なる祈りを送るのです。>>4:272
儚い祈り。
決して叶えられることのない、その祈りを。]
(32) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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─???:いつかの時─
『……マリーねえさま。あっ…、…』
[遠い時。もう戻らない時。]
『ふふ、内緒。内緒…』
[慕わしい優しいひとと、年の離れた兄の姿。 微笑みをかわす様子に、幼い少女は物陰にそうっと隠れました。]
『───…に、なってくれればいいのに。』
(33) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[無邪気な願い。
───けれども、それが決して叶えられぬことなど。 美しい乙女に、命の期限が切られていることなど。
幼い身には、知りようもなかったのです。]
(34) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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あら… し、ろい…
[セシルの影(>>27)が目の隅に止まれば、意識はそちらへ]
トーニャ?
[ほぼ同時に身じろいで怯えた様子の彼女に怪訝な素振りを向けた]
(35) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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>>26 [黒の従者の微笑みに内心ぞくりとしたが、にこりと笑顔で返して、首を横に振る]
いや、やめておきます。 ドナルドが持ち出したのもらったまではいいんですけど……僕、お酒は弱いんですよ。ものすごく。
[コレは、本当。隠さなくてもいいことまで隠したら、どこからかほころびやすくなる。目の前の従者はきっとそういうことになれている。 この城で物事を隠そうとする人間など山ほどいただろうから]
機会を見て返そうとは思っていたんですけど、いろいろ重なったりしてどうものがしてまして。
(36) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 00時半頃
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―中庭―
―――……、
[白い執事は黒服の男を両腕に抱いて、 闇を見る目で人の姿を知るが、墓所へ抜ける道。 躊躇うように、一度足を止め]
[少女の怯えた素振りに、す――とまなざしを向ける]
(37) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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―中庭―
トーニャさん……?
[急に何かに怯えたような様子になったトーニャに、心配そうに声をかける。]
どうしたんですか……?
(38) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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気を付けて! 魔物が、……あいつらが来たんです。
[自分に怪訝な瞳を向けるグロリアの視線に端的に答え、リンダにも警戒を促す]
(39) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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―廊下― [窓辺に身を預け、下を見遣る。 霧が立ち込めていようと、 其れは城主のものなのだから、視界の妨げにはならず]
……随分と大人数で 賑やかな事だ。
[墓を作って遣れと、 其の亡骸を抱えた白薔薇の行く先を見る]
(40) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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>>36 ええ。お返し戴けるならば、それはそれで持って帰っておきますけれども。
その……良いのですかね。かえって私が旦那様に怒られてしまいそうな気がするのですが。けちなことはするな、と。
[ワインボトルを右手で持つ。自らつけた手首の傷痕がじくりと痛み、無意識のうちに笑みが零れた。]
(41) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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――…この宴も、ゲームの一つと思えば良いのに。 そうしたら、勝ちたい、と思えるでしょう?
[人ではないのだと知らしめるような言葉を紡ぐのは ある種の自衛のようなもの。 自分に言い聞かせ相手に言い聞かせ そうすれば違いに諦めもつく。 細まる隻眼の男の笑み>>20に嬉しそうな笑みが浮かんだ]
今は――…貴方を殺したくない。 貴方が触れてくれたから…… あたためてくれようとしたから……
[抱きしめる腕の強さに緩く瞬いた。 触れる箇所からぬくもりが伝う。 弾力のある二つの果実が男の眼下で形を変えて 互いの鼓動が重なってゆく]
(42) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[頬を撫でるドナルドの手に翡翠の眸は軽く伏せられて 亜麻色の睫毛が甘い期待に微かに震える]
これは……、 私がそうしたいから…… 後悔なんて、しない……
[啄むような口接けがくすぐったくもあたたかい]
ん……、今だけで良いから…… 貴方のぬくもりを私にわけて……
[甘く囀り女はその先を男にねだる。 首筋に腕を絡め深く口接けてその身を委ねた**]
(43) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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……
[ひとの血を啜った後とはいえ、中途半端なもの 女の群れに身を投じれば、本能が牙を剥く。 意識を投げる先は、執着している玩具のひとつ]
(44) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[視線を感じたのは、先ほど通ってきた墓地へと抜ける道。 闇の中から向けられる、その眼差しは知っている気がして]
――……。
[瞳を逸らし、逃げ出したいと怖気づく心を奮わせて 確かめようと其方に近付こうとする]
(45) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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>>41 いやあ、飲めない人が無理やり飲むより おいしく飲めるひとが飲んだほうが良いに決まってるじゃないですか。
[笑みを零す従者にもしかしてワインが大好きなのだろうか、と密かに勘違いしつつ、このまま帰らないだろうかと期待する]
(46) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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[>>45 近づく娘を見るは穏やかな眼差し。 それは訪れるのを待っていたかのように]
亡くなられましたよ、 ――…ヘクターの仇でもある方が。
[それは戻ってきてしまった絶望のせいか、 常の白薔薇と変わらぬ抑揚で、娘に語った。 抱えた姿をそっと見せ]
如何様に思われますか?
[明日の天気でも問う様に]
(47) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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―中庭―
――……っ!
[トーニャの声に、咄嗟に辺りを見回すが、霧に阻まれ、その影すら確認できない。]
あ、待ってください!
[先程指差した方向――墓地の方向――へと歩いて行こうとするトーニャを引きとめようと手を伸ばす。]
(48) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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……。
[トーニャの意志は察せずとも、その身体に込めた心の動きを察すれば、彼女に離れず共に墓地へと足を進めた]
あら。
[短い言葉を発したのは、セシルの姿を認めたからではなく、彼が抱えていた躯を見たから]
(49) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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>>46 畏まりました。 では、こちらはワインセラーに戻しましょう……
[と言ってその場を辞そうとした瞬間、背後に黒い霧が現れる。その気配を感じ、後ろを振り返らずに、微かな熱を帯びた声でぽつりと呟く。]
………旦那様。
(50) 2010/06/24(Thu) 00時半頃
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記者 イアンは、そのまま寝台の上で、意識を失った。**
2010/06/24(Thu) 00時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/06/24(Thu) 00時半頃
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私、その人――知っているわ。
[知っているも何もない。散々見てきた筈の相手――なのにも関わらず、そんな事を口にする]
そう……とても腰を低く曲げて――そんなに背丈があった方だったのね。
[誰に聞かせるでもなく、思い出すがまま、口に出していた]
(51) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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[なんとか帰ってくれそうだ、そう思った瞬間。黒の従者の背後に現れる普通ではありえない霧。]
……っ。
[……なんで此処に、こんなタイミングで。]
(52) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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叱って欲しいと、聞こえたが?
[>>41居らぬ間の事を口にして 従者の背後に姿を現すと、両肩から首輪に触れるよう、両手を伸ばす]
ケチなことはするな、だったか。
[冷ややかではなく、寧ろ甘い情事の名残を含むこえ。 唇からは先刻吸った血のにおいが未だ微かに残っている]
ベネット……アドニスラモサ ミッシェルの血縁、だったな。
[深紅の瞳に映し出した男の名を呼ぶ。 記憶の中から探るように]
(53) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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─廊下─
…ね。 どこか、資料の置いてあるところは…あって?
[そんな問いを影に向けてみたのは、ベネットたちと別れてから程なくのこと。 存外あっさりと案内をする様子に気抜けしながら、その後をついて歩いたのです。]
─→書庫─
(54) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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[グロリアの言葉には一度瞬く。 吸血鬼に変じた知人が死んだ、 その反応としては余りにも不自然なそれ]
―――…ご存知もなにも、 ああ……ああ、そうだ。 黒いヴェールの……葬列の乙女も、同様に。 たしか、自ら喉を突いて。
自死など、まこと罪深い……
(55) 2010/06/24(Thu) 01時頃
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