285 【突発誰歓RP】逢魔ヶ時に会いましょう
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[ 当然一等星の灯など マジック・タイムの空の中に 燈っているはずもなかったが ――――、 ]
( ……なんだ? )
[ 地上よりはよほど天に近い、 ガラスの建築物の森。 その遥か高みに 季節外れの蛍が舞うのを見た。>>154 ]
(174) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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[ そこへ向かってみようと歩いたのには ―――― とくに意味はなかった。
…ただ、終わりを見守るのに どこか高いところへ行きたいと思っただけ。 ]
" こんな時だもの。 切り落とした角を探しに行っても … 罰は降って来ないだろう? "
[ 呟く。 そうして誰かが開けたらしい>>1:271 未知の場所への入り口を かつん、と、一音立てて踏み越えた。
( セキュリティ・アラームは 運良く沈黙しているようだった! ) ]
(175) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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[ 普段は案内をする側。 受付嬢の姿がどこにもなくとも それとなく建物の構造を察し、 階上へ上る手段を探して、
>>103最上階へ止まったままの エレベーターがやがて ――――目に留まる。 ]
(176) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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[ さて、どうにかこうにか 禍々しい色をして横たわる空の下へ ややあって再び身体を晒した男は、 暫し、声を出しあぐねて立ち尽くした。
" キミのことはワタシが見つけてみせる "
" 例え千里離れていても "
思い出すのは、かつて口にした言葉たち。 今ばかりは見つけたくなかった、と …苦々しく笑ってみたところで、ようやく ]
(177) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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…夜空を見るにはまだ早いんじゃあないか。
[ 乾いた唇で音を吐き出し、 石色の瞳は黄昏色の空へ。
" 逢魔が時に会いましょう。 "
そんな約束を交わしたわけでもないのに 男は彼女にこう言った。 ]
(178) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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…言っただろ? 星ならワタシが見つけてみせる、と。
[ 幾度となくそうしてきたように 矢張り、冗談めかした言い回しで。 ]**
(179) 2018/10/11(Thu) 11時半頃
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[ 舞い踊る火蛍が葬送の送り火なら、 火を焚き続ける人間が必要なはずだ。
「 送る者がまだいないのなら なってやろうと思ったまでさ。 」
…だから星を探して此処へ来た。 火の元に誰がいるのか ( 誰が火を付けたのか知らないままで。 ) ]
(321) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ いつもどおりに巫山戯た様子で 声を、出せていただろうか。
震えていなかったか。 顔は強張っていなかった?
( …キミがここにいるのは さすがに予想外だったから、 )
きっと、どちらも 彼女には感づかれなかったのだろう。
>>261男はこの時、 自分に芝居の才能が欠片でもあることに 心底、安堵を覚えて ―――― 、
…そして、緩やかに口許を綻ばせた。 ]
(322) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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先に本当にしてしまったのはキミだろ? 今度こそ見つけられないところだった。
[ 今は失われた空色の代わりに 澄んだ碧い色の瞳がそこにある。>>262
並んで歩くことはとんとなくなったけれど、 " また "話せたことを素直に喜べたなら どれだけよかったことだろう。
" …舞台が此処でなければ! "
と、内心で嘆いてみたところで…すでに、遅い。 ]
(323) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ すでに舞台の幕は上がって、 そして閉じようとしている。
だからこそ、 彼女の手にある書類の束すら>>263 平然を装って見ていられた。 ]
……困る人は本当にいると思う?
[ そうして至って 至って淡々と問いを返す。>>266
>>264彼女の生い立ちを聞いて、 最後の蛍が空へ放たれるのを見て、尚。
何処までも平然平静の様子で。 ]
(324) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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ワタシの両親はね、 天使が欲しかったんだ。
それはそうだよねえ。 誰だって綺麗で可愛い子どもが欲しいさ。
でも、生まれたのはワタシ。 天使のなり損ないのワタシだ。
ワタシは、最初から望まれていなかった。 いなくなっても誰も困らなかったさ。
[ 唯、一度。 赤い爪を拳の中へ握り込んで。
地表へ彼女の" 名前 ">>264が落下するのを聞いた。 ]
(325) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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ワタシね、家を逃げ出したんだ。 " 何か "に期待することに疲れてさ。
その癖、ずっと期待していたんだ。 あの家には …両親の中にはまだ、 …ワタシの居場所はあるんじゃないかって。
[ どれだけ他人を助けても、 どれだけ他人の目を借りて 幸せを覗き込んだとしても 何処にも望んでいるものはない。
願い事が叶うことはない。 " 解っているのに見ないフリをしていた。 " ]
(326) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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、、、、 でもね、 …なかった。
誰を助けても、誰を幸せにしても、 ワタシの帰る場所は何処にもない。
[ それは彼女にしてみたら 八つ当たりのようなものだったかもしれない。
これまでのこの男は、 誰に対しても耳に触りのいい言葉ばかり 好き好んで使って来ていた。
ただ、終わりが近付く中、 箍が外れでもしたのか、どうか。 一度転げ出した言葉を止めることが出来なかった。 ]
(327) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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だから、 ――――。
[ けれど、 その一言を口に出すには さすがに躊躇ってしまう。
>>268彼女の言葉を 真っ向から否定することになるから。
" 生きて欲しい "という彼女の願いを 思い切り踏み躙ってしまうことになるから。
…男は迷って。…迷って、迷って。 ]
(328) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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" …ワタシは帰らない。 "
[ それでも、 ――続きを絞り出す。 ]
(329) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ 境を越えて誰かを案内する度に、 誰かと一度ずつ関わる度に、 心動かされなかったと言えば、嘘になる。
一人一人にとっては つまらない一欠片の出会いだろうけれど、 男にとってはかけがえのない、思い出。
結ばれた縁の糸を手繰れば、 きっと誰のことだって思い出せる ほどの。 ]
[ " それだから耐えられない。 "
自分が他人と他人との境目にしか 存在できないことに。
…誰かの" 境 "であることに。 ]
(330) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ 誰かの人生の間。 ホンのひと時の関わり合い。
男と世界の関係性は 言い表してしまえばそれだけでしかない。 ]
" キミの保護者ももう止める。 …と言っても、お役御免になって随分か。 "
[ それでも、道に慣れない彼女に 無理を言って付き合うくらいには 関わり合いを望んでいて。
繋がりが切れた今でさえ、 その 糸 を後生大事に抱えてしまっている。 ]
(331) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ ―――― だからこそ、 男はこう言わなければならなかった。 ]
帰るだけなら道案内は必要ないだろ?
" キミは早く帰るといい。 こちら側の夜は危ないんだ。 "
[ それは彼女がまだ裏の街に慣れていない頃、 帰り道に付き添う時によく使っていた言葉。
>>271彼女の笑顔にはきっと、 上手く微笑みを返せただろう。
( 何せ役者だ。…演技するのは慣れたもの。 ) ]
(332) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ 言い終えると、 背に当たる視線を感じながらも 振り返ることはもう、しなかった。
… 別れ際の挨拶 すら。 ]
(333) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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[ …… …… ……、 やがて男は階下へ降りる段差へ ゆっくりと足をかける。
そこはエレベーターから離れ、 ただ只管下へ下へ続いている非常階段だ。
終わりがやって来るまでに 最後の踊り場を踏めるのかすら怪しいが そんなことはこの際、どうでもよかった。
気がかりなのは、 この世界で顔を合わせた他人のこと。
一人一人の顔を思い浮かべながら、 元の世界へ戻れることを如何ばかりか願うのだった。 ]
(334) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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( 他人の願い事は聞き入れない癖に? )
[ やがて足を動かすのも 独り言を言うのも酷く虚しくなって 立ち止まることもあっただろうが、
その頃には、エレベーターの音も>>314 硝子の壁を登攀する音も>>306 きっと何もかも聞こえない中間階に居たはずだ。 ]**
(335) 2018/10/12(Fri) 01時頃
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