62 あの、夏の日
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― 居酒屋 ― [皆の話を聞きながら、何杯目かのビールを飲んでいた。]
久し振りなんだが、そう思えねーくらい変わんないよな。
[テーブルに肘をつきながら、ふと10年前を思い出して目の前の唐揚げに手を伸ばす。**]
(23) 2011/08/25(Thu) 22時頃
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『ボール!!フォアボール!!ゲームセット!』
[時々思う、あの時、あのボールを投げているのが自分だったら、どうなったんだろうと。 あの夏の日に戻りたいと思う事もあるけれど、それは既に大昔の事で。 エースだった自分が、監督との大喧嘩で退部届を出したのは、最後の公式大会の始まる前だった。]
『お客さん、お店に着いたよ。』
え?あ、どうも。えっと、これ、おつりはいいです。
[タクシーから降りて、居酒屋の看板を見た。]
ここか、10年ぶりだったから、つい来ちゃったけど…。
[扉を開けて、その中へ、待ち合わせで。 と声をかけて。]
(24) 2011/08/25(Thu) 22時頃
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へへ、大事にします。
[小さな鞄からハンカチを取り出すと、紙ナプキンをそっと挟んで再び仕舞った。 ほにゃ、と笑う先輩の顔。それは再び昔の記憶を呼び覚ます。それでも今はどこかが違う、過ぎた歳月を感じずにはいられなかった。]
……軟骨、もっとありますよ。
[途切れた言葉の続きはあえて聞くことは無く、遠くのテーブルからひったくった軟骨から揚げをヨーランダの前に差し出した。自分自身もそれをつまみ、口の中で豪快な音を立てて咀嚼する。]
やっぱり軟骨にはお酒だなぁ。
[お茶のグラスを空にして、再び琥珀の液体のグラスに手を伸ばした。]
(25) 2011/08/25(Thu) 22時頃
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―回想・少し前のテーブルで―
ううん。いいの。 よくできてるから、記念に、ね。
[ヨーランダからイラスト入りの紙ナプキンを受け取りながら>>10、ざっくりと返した。 ナプキンのキャンパスの中では、まんまるな自分と顔文字のカップルが、こちらのことを見返している]
……………………。
[彼女にかけた言葉は、半分はつなぎの返事で3割はウソ。 ……悪くない。 しまう直前に少しだけ見つめた、『落書き』と称された絵に思う。 単なるラフ絵にすぎないものの、彼女が描き出そうとしていたほのぼのとした空気は読み取れる。 今所属しているビジネス書部門では使い道がないけれど、2年前まで在籍していた週刊誌のデスクでなら、挿絵として求められる画風のはずだ。 より安く、けれど信頼できるイラストレーターは、いつだって求められている。 いざ、相談でも持ちかけられた際に、ヨーランダを紹介できれば、あの部門に恩を売ることだってできるはず。 部数減が災いし、飛ばされる形で異動となってしまったけれど……。 もしかしたら、たとえ些細なことであれ、あの場所に返り咲く一助にもなれるかもしれない]
(26) 2011/08/25(Thu) 22時頃
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別に、変じゃないと思うよ。 私もだから。
[これは、メアリーの問いかけ>>12への応え。 ヨーランダに対するのと一緒で5割と3割の不純物入り。 懐かしみながらも、それとはまったく別の視点、今生きる仕事の世界と相手を照らし合わせていたことなんて、決して口にしない。 だから、これもお互いさま。 彼女が視線を落とさせてものが、言葉通りのものだったかどうかは分らなくても、それ以上には触れはしない。 相手の言動に丸呑みして、逐一素直すぎるリアクションを返していた10年前とは、もう違うのだから。 本音を言葉の2割で受けとる癖ができていて、残りの8割をむやみに勘ぐらない程度の処世術も、いつの間にか身に付いている]
それじゃ、後でね。
[部活や受験や友達との些細なやり取りに、衒いなく一途に取り組めていた頃とは、もう違う。 一番変わってしまっているのは、目に見えない、こうゆう部分なのかもしれない。 取り戻せない、という一点では、見た目も心も変わらないのだろうけれど]
―回想・了―
(27) 2011/08/25(Thu) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/25(Thu) 22時頃
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ありがとー。軟骨、美味しいよねー。
[別のテーブルからメアリーが奪ってきた軟骨に遠慮なく手を伸ばす。もしかしたらそれは、ヘクターが食べようとしていたもの>>23かもしれなかったけれど、気にしない]
10年分の、色んなことー……。
[軟骨から揚げをもぐもぐと食べながら、先ほどのメアリーの言葉>>15を呟く。新しい紙ナプキンを抜き出して、さて次は誰を描こうかなんて、ペンをくるくると回す。 ふと、先ほど席を外した人の顔が頭に浮かんだ]
10年分の、色々……聞きたいけどー。 メアリー、ユリシーズ先輩に、聞けるー?
[変わったように見える顔、あまり変わらない顔。みんなの10年が気になるけれど、やっぱり気になる筆頭は変わりっぷりが激しすぎる先輩である。 しかし、聞けるだろうか?少なくとも自分には聞けない]
(28) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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―――久しぶり。
(29) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ここの席、座っていい?
[10年前、委員長と呼ばれた女は空いてる席を見つけると返答を待たずして腰をかける。]
みんな、相変わらず、ってところかしらね。
[仕事上がりの黒いスーツを身にまとい、10年前と変わらぬ雰囲気を漂わせる女性は、ドリンクのメニューをパラパラとめくる。]
(30) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ほぁい、おいひいですへ!
[行儀が悪いのはわかっていても、同意せずにはいられなかった。 アルコールでそれを流しながらヨーランダの言葉に耳を傾けていたが、不意に出てきた先輩の名前に小さく咳き込んだ。]
……ユリシ先輩?
[瞬きの回数が増えるのは緊張しているせいか。]
聞いてみたい、……ですよね。 あはは、10年前の私なら聞けたかもしれないです。
[失敗も恐れずにいた過去の自分が少し眩しい。 ユリシーズの変化には驚いたけれど、またそれも歳月を感じさせられるもので]
(31) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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あたし、ジントニックで。
[メニューを閉じると、近くにいた店員を呼び止め、注文を頼む。
そして、周りの様子をうかがい、息をすっ、と吸い込むと。]
(32) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ちょっとォ、他に注文頼む子いるゥ!?
(33) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ケイトは、大声を出したせいか、咳こんだ。
2011/08/25(Thu) 22時半頃
メアリーは、ケイトの声>>33に目を瞬き、反射的に顔を上げた。
2011/08/25(Thu) 22時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ゴホッゴホッ……ごめんなさい、大丈夫だから。
[心配する周囲に大丈夫だと声をかける。]
それよりも、
(34) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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ねー?気になるよねー? この10年で何があったのかなー……。
[カラカラと芋焼酎のグラスを鳴らしながら、変わりすぎた先輩の顔を思い浮かべる。 体育の授業中、暑さでぶっ倒れて見学を申し付けられ、日陰を求めてたどり着いた体育館裏でサボっていたユリシーズに会ったことを思い出した。 自分は暑さででろんでろんに死に掛けているのに、涼しい顔してるなあ、これがイケメン性能ー?なんて馬鹿なことを考えたりしたものだが]
酔った勢いなら聞けるかなー? 私、芋焼酎のお代わり……ひやっ!?
[空っぽになったグラスに、お代わりを頼もうかと思ったところ、響いたケイトの声>>33 思わずがっしゃんとグラスを倒した。中にはもう、氷しか入っていなかったが]
(35) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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[店員の場所に席だけ確認すると、そちらに向かって歩き出す。 奥の方までいくと、賑やかな声に目を細めて、小さく笑えば]
かわんねーな。どこだかすぐわかるな。
[賑やかな位置まで進めば、そっと覗き込んで、軽く手を上げて声をかける。]
よっ、ちょっと遅れた。
(36) 2011/08/25(Thu) 22時半頃
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みんな好き勝手注文しないでまとめて注文しなさいよね。相変わらずなんだから。
[また、相変わらず、という言葉を使った。 しかし、10年前とは確実に違う――
それは、紛れもない真実であり。]
(37) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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ヨーランダは、ケイトの心配をするどころではなくなってしまい、撒いた氷を一生懸命拾っている。
2011/08/25(Thu) 23時頃
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あ、それもらうわよ。 今日も夏期講習の帰りで喉が渇いてるの。
[ジントニックが来る前に、近くにあった空のグラスにビールを注いだ。
酒も飲むようになったし、仕事も中堅と言われるようになった。
やっぱり、10年前とは違う。飲み干した空のグラスを握る手の、何も着けていない左手の薬指が見え、ケイトはため息をついた。]
(38) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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冷たいよぅ……。
[泣き言を言いながら、撒き散らした氷をせっせとグラスに戻している……つもりだが、実際の動きは非常にとろい。氷の冷たさにびっくりして、拾った氷をまた落としたりしながら、ようやくグラスにすべて戻すと、顔を上げて遅れてきた人物に笑顔を見せた]
あ、テツ先輩だー。 お久しぶりですー。
(39) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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あ、でも意外とフランクに答えてくれるかもですよ? 何しろこういう場に来てくださってるんですし。
[そうだといいな、と考えながらもグラスを呷る。 もう少しアルコールがまわったら尋ねてみようかとぼんやり考えていると、目の前で大きな音>>35がして氷がテーブルに散らばる。]
わ、大丈夫ですか? グラス、割れてません?
[ヨーランダと同じく氷を拾い集めていると 新たに加わった声>>36に気づいて振り返る。]
あ、お久しぶりです!
[拾った氷を手に握ったまま、テッドにそれを振って見せた。]
(40) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2011/08/25(Thu) 23時頃
ヨーランダは、メアリーに、わわ、ごめんねー?ありがとー。
2011/08/25(Thu) 23時頃
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[コリコリと軟骨の唐揚げを摘んでいれば、メアリーに取られてしまった。>>25 好物を取られ、しょんぼりとしながらも、聞こえてきた声>>33に、]
あ、俺ビール。 ついでに軟骨の唐揚げ追加で。
[ひらひらと手を振って注文する。]
(41) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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暴れすぎだろう? 氷撒き散らしてすっかり床が冷たくなってるじゃないか。
[ヨーランダとメアリーの様子に、半ば飽きれながら溜息をついて]
あ、店員さん、俺もとりあえず生と枝豆。
[近くにいた店員に声をかけて、注文をして、辺りを見回した。]
(42) 2011/08/25(Thu) 23時頃
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メアリーは、へクターの唐揚げを取ったことに気がつき、「ごめんなさい」と両手を合わせた
2011/08/25(Thu) 23時半頃
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[グラスを倒した二人の様子に気付けば、注文を聞いている店員に声を掛けた。]
あー、あとおしぼり頼むわ。
つーか、使ったのだけどとりあえずこれでテーブルとか適当に拭いとけ。
[そう言って、自分が使ったおしぼりを二人の方へ投げる。]
(43) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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暴れてなんてないですー。 ちょっとびっくりしちゃったんだもんー。
[しょっぱなからみっともないところを見られてしまった。呆れたような声に一応そんな風に言い訳をして、注文の声が上がるのにはっとする]
あ、いいんちょー。 私も、あのね、お代わりー。 芋焼酎ーロックでー。
(44) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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へクターは、メアリーに気にすんなと手をヒラヒラ振ってみせた。
2011/08/25(Thu) 23時半頃
ヨーランダは、へクターから飛んできたおしぼりを21:なんとかキャッチ 2:顔面でキャッチ
2011/08/25(Thu) 23時半頃
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もう少し落ち着き持ったほうがいいとおもうよ。
[頼んだ生はすぐにきて、それを受け取れば、口にして。 その隙に飛んできたお絞りをヨーランダが顔面でキャッチするのを見て]
……ナイスキャッチ。
[皮肉った。]
(45) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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とと、ありがとうございます!
[元に戻した氷の入ったグラスを横に退けつつ、ヘクターから飛んできたおしぼり>>43をキャッチした。 ヨーランダが顔面キャッチしたことには気がつかないままテーブルを拭きつつ]
あ、ケイト先輩! 白ワインお願いできますか?
[諸先輩に続けと手を挙げて微笑んだ。]
(46) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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わぷっ!?
[おしぼりを受け取ろうと伸ばした手は空を切る。そのかわり、実に見事に顔面で受け止めた。少しお酒で火照った頬に、冷たいおしぼりが気持ちいい、なんて少し考えてから、慌てて顔からおしぼりをはがす]
うー。 落ち着いてますー。もうオトナですもんー。
[ぎろりと全然迫力のない顔でテツを睨んだ。のたのたとおしぼりをたたむと、氷が溶けて濡らしてしまったところを拭き始める]
あの、メアリー、ごめんねー?
[迷惑をかけている後輩には申し訳なさそうな顔をした]
(47) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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―喫煙所― あっは。 並んで説教喰らうことこそあったけど、ね。 [彼女のオセッカイと、自分の意地と。 コミュニケーションはエスカレートしすぎて、時には教員出動の騒ぎに発展したこともあったっけ。] どいつもこいつも、外面しか見てないだけ。 知りたい? あんときの俺がワイシャツ着崩してた理由。
(48) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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[男モノの制服が気に喰わなかった。 シックで過度な派手さはないものの、一番上のボタンまできっちり留めたフリルのブラウスで。片目瞑って、ぺろっと舌出してぶっちゃけてみせたなら、彼女はどんな顔をしただろうか。] ――べつに、ね。 ただ閉じ籠るのを辞めただけよ。**
(49) 2011/08/25(Thu) 23時半頃
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