3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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――――……?
[訝しむ。しかし、去って行くなら、まだ時間はある。 結局、マーゴが戻ってくるまで、その場に居たか。
>>180 薄紫は、校舎に戻ってくるケイトを。 >>#26 濃紺は、北門から帰宅するチャールズを。
それぞれ、映す。]
過去が、変わった、のか?
[小さく呟く。まさか、と。 よもや、チャールズが犯人でないとまでは、莫迦な頭では辿り着かない。
―――……そして、そう、時間にして数十秒か。 おそらくは、生徒会室へと向かうマーゴたちを見送るのに意識が向いた時。サイラスはケイトを……―――。]
(193) 2010/03/07(Sun) 21時頃
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嗚呼、俺たちは、ケイトの方に……―――
[>>182 セシルがケイトの名を呼ぶのに、頷いた。 確かめなくては、本当に過去が変わってしまったかを。 けれど、変わったかもしれないことを、その段階では言えなかった。
―――……もし、変わってしまったなら。 この繋いだ手の意味はどうなる?
そんな、自分勝手な想い故に。]
――――……過去は、変わっていない。 それに、チャールズが、犯人じゃねぇ。
[>>183 開かないの言葉に、訴えるような表情に、呟く。 扉は開かない。開けられない。過去は変わらない。]
(194) 2010/03/07(Sun) 21時頃
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ケイト、お前の目の前にいるんは、チャールズじゃねぇ!!
[過去での言葉は、届かない。 それでも、>>191セシルの声に重ねる。
ふっと、背後に気配。振り返る。]
―――……キャ ロ ル
[無意識に、闇色からセシルを背に庇った。]
― 現在に至る ―
(195) 2010/03/07(Sun) 21時頃
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問題児 ドナルドは、チャールズが犯人ではないと知るも、サイラスの姿は見ていない。
2010/03/07(Sun) 21時半頃
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― 用務室前 ―
キャロル……――――
[>>@64 闇色の視線に囚われて、再度、名を呼んだ。 言葉に微妙に顔がこわばる。
―――……浮気相手に、本命前に浮気を暴露されるのって、こういう感じかねぇ?と、思ったからでは、きっと、ない。多分、ない。
1mmもないかと言われたら、返答に困るが。少しでも場違いにそう思ったならば、それくらいテンパッテいるだけ。]
(198) 2010/03/07(Sun) 21時半頃
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キス、キスねぇ……――――
[優しい、それは、そうだろう。 そこに狂気じみた想いは無かったのだから。
優しく接吻けするのも。 嗚呼、トラウマを抱えるよりも過去には、行為をするのも。 救いを自分に求めて、ただ癒される為だけに伸ばされた手には、等しく……―――。
あんな風に、自分から激しく求めたことは ―――……セシルが初めてで。]
(199) 2010/03/07(Sun) 21時半頃
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[一歩、一歩、近付かれるなら、後退する。 しかし、後ろは扉だ。たかが知れている。
闇から腕がのびた。それはドナルドの何処に触れるか。 逃げはしない。払いもしない。
薄紫が、傍にある から……―――。]
(200) 2010/03/07(Sun) 21時半頃
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[セシルが、単語を形成する2つの音を紡ぐ。 その音を、背後に、生まれる黒い足跡を見る。]
どうして、か。なかなか難しい質問するなぁ。
[伸びる手には抵抗しない。
例えば、あの放課後、乱れたピアノの音を聴かなければ。 何故、そうなのだろうと『知りたい』と思わなければ。 血を啜られても良いと思わなければ。 化学教師のあの眼の意味に気がつかなければ。 自分のことも『知ってもらいたい』と思わなければ。
―――……沢山の「〜れば」。
そのうちの一つでも欠けたなら、今は、ない。 ―――……セシルだからとしか言いようが、ない。 キャロライナが悪いわけでも、ない。]
(206) 2010/03/07(Sun) 22時頃
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― 用務室前 ―
[首に伸びる手。 抵抗しなかったのは、抵抗すれば……―――。 最後まで抗う、約束。抵抗しないことが、抗い。
けれど、セシルの手が、伸びた。]
セ シ ル
[今度は、セシルの名を呼んだ。滲む愛しさ。 隠しきれる筈もなくて……―――。
繰り返される呪詛を聴く。 見上げてくる闇色を見る。]
(212) 2010/03/07(Sun) 22時頃
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多分、な。 優しいだけの俺が欲しいなら、そりゃ俺の全てじゃねぇ。 どうしたって、キャロルだけの俺は、無理だ。
[それは、自分をあげたことには、ならないのでは、と。 優しさも、狂気も……―――矛盾することを全て含めて、傍に居たいのは 濃紺がその先を見る。]
―――……それでも?
[また、闇色に視線を戻して問う。 ―――……それも全て、薄紫を想うが故に。]
(213) 2010/03/07(Sun) 22時頃
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― 用具室前 ―
[それでも、と途中で言葉が切れたのは、>>215セシルの「いやだ」という小さな声が聴こえたからか。
―――……嗚呼、こんな状況でも。 背後では、ケイトが助けを求めているのに。 目の前では、キャロライナが助けを求めているのに。 この上なく幸せそうに、微笑めてしまうのは。
―――……狂気(莫迦)だ。]
キャ ロ ル
[だから、闇に抗った。 少女の名前を呼んで、左手を闇に伸ばす。
左手の濃紺は、闇を裂けるのだろうか。 ―――……屋上で彼女が願った通り、殺そう(壊そう)と。]
(228) 2010/03/07(Sun) 22時半頃
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― 用具室前 ―
[用務室の中の、ケイトを犯す名も姿も知らぬ男と 果たして、自分はどれ程違うのだろうと、ふと思う。
―――……もし、この先何度でも、彼女が闇から生まれるなら。 きっと、自分は殺し(壊し)続けるのだろう。
どこか歪な 誰かを想う感情。
―――……唯、違うのは]
鍵、探してる、間、ねぇだろっ
[狂気の先、相手が零す「いや」の意味の違いか。 闇をキャロルに一度向けた左手は、その反動を利用して、用具室の扉にも向かう。
―――……けれど、おそらく傷一つ付けられず。 過去は変わらぬことを知るか。]
(233) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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― 用具室 ―
―――……っ
[扉より、むしろ壊れたのはドナルドの左手。 中指と、人差し指の先。濃紺の欠片が パラリ パラリ と、まるで涙のように、床に落ちる。キャロライナに対する贖罪のように。]
ケイトっ!!!
[左手を握りしめて、右手で、セシルと共に扉を叩いた。 そして、呼びかける。
―――……チャールズは、この場に居ない。 ―――……変わらない、過去。
背後でまた闇が生まれるのだろうかと、気にしながら。 ただ、呼びかけることしかできない。]
(242) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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[扉を叩いていた右手は、いつしか、セシルの肩に伸びる。
―――……良く似た、薄紫。 引きずられるな、と。
自分は傍に、居る、と。 伝えるように。
そして、終わる。 ――……過去の幻想。]
(245) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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― 現代/北棟東階段 ―
[それは長い夢だったように思う。 ドナルドが纏う制服は、現代のもの――あの蜜だらけのものに戻っていた。けれど、砕けた左手の指先は、そのまま。床に落ちた欠片もそのまま。
過去で逝った、キャロライナも用務員も、きっとこの世界には居ない。]
嗚呼……―――
[>>252 戻ってきたという言葉に、頷く。 欠片が鳴る音に、少しだけ苦笑を浮かべる。]
セシル。ケイトをさがさねぇと。
[気を背けるように、促す。 探して、どうするのか、まだ、見えてはいないけれど。]
(254) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
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― 現代/北棟東階段 ―
まぁ、どうにかなるだろ。
[薄紫が揺れるのに、苦笑いで応える。 右手は、まだ使える。 ―――……繋げる。]
なにが、返せなかったんだ?
[頷く相手に、かつんと響く音を聞きながら、尋ねる。 ピンク色の、片想いのビー玉の件は、ドナルドは知らない。 知れば、ふっと思い出すのは、キャロライナが青いビー玉をくれようとしたことだろうか。]
(258) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
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― 現代/北棟東階段 ―
莫迦だから、かねぇ。
[にぃっと唇の端を持ち上げて、喉を鳴らした。 眉を寄せて逸らすセシルを見る濃紺は、柔らかい。]
嗚呼、ピンクは恋愛だったか? 青は、勉強とか言ってたっけか。
―――……
[けれど。紫水晶の掌にある、存在を見れば、少し濃紺に陰りが入る。小さく、小さく、吐く息。]
(264) 2010/03/08(Mon) 00時頃
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まさか、壁に塗り込まれてるとかは、ねぇだろうよ。 流石に、工事する業者とかが、分かるだろ。
[壁を見据える薄紫に応える。 実際、そうでないという保障はないが……―――。]
くらい、つめたい、ねぇ……―――
[思い出す。キーワード。]
(265) 2010/03/08(Mon) 00時頃
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― 現代/北棟東階段 ―
って聴いたぜ? 俺も、あんまり詳しくしらねぇけど。
[伝統の言葉に、若干首を傾げて言う。 キャロライナに聴いたのは、そこまでで。]
どっちかっつーたら、土の中かねぇ。 壁なら、改修工事やった時に見つかりそうなもんだぜ?
掘り返される危険性が少ないとこつーたら。 あ〜……―――
[一番に思い浮かぶのは、伝説の木。]
いやいやいやいや……――― でもなぁ、まさかなぁ
[相手に合わせるように、眉間に皺を寄せて、ブツブツと呟く。]
(273) 2010/03/08(Mon) 00時半頃
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― 北棟東階段 ―
セシル……―――?
[ドナルドの呟きが止まる。
―――……さみしい
その気持ちが、彼か彼女の代弁かが分からなくて。]
セシ…ル……――――?
[濃紺を見開く。取られた左手。 鉱石と鉱石。それは傷つけ合わないか。 ただ、違う意味で、零れ落ちている、青玉の指先。 その断面に、寄る唇。]
(281) 2010/03/08(Mon) 00時半頃
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莫迦っ、お前、唇が切れて……――――
[そのまま離れて行こうとする肩を、右手で捉えようと。 振り向くなら、どこか泣き出しそうな濃紺が見える筈で。
―――……嗚呼、叶うなら、滲む血に、優しく唇を寄せるか。]
(282) 2010/03/08(Mon) 00時半頃
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