254 東京村U
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はあ、はあっ………
[全力疾走して息が切れている。思わずガードレール沿いにへたり込んだ。それなりの値段した服が所々むしられている。それによく見ると糞も2か所ほどにかかっていた。手の甲は嘴で突かれて出血している]
カラスは知能が高いから他の個体とコミュニケーションを取れたり、共感めいたものまで示せるってのはわかってたが……
にしてもこんな事ってあるか?あの大カラスならともかく、今のは多分全然違う群れだったんだぞ…… そんなの、もう野生の生物の領域を超えてやしないか…?くそっ…
[早く家に帰りたいのはやまやまだったが、この分だと直接アパートに戻るのは少し危険そうだ。メトロで上野までは行けても、そこから自分のアパートまでは結構距離がある]
(298) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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……とは言えさすがにカラス、さすがに夜になれば寝るしかない連中だ。いくらなんでも生物としての生態には逆らえんだろ……
[さりとて、夜まで待ってから帰ったのでは今度は隣室を覗きにくい。何より、明日は面接なのだ。下らない事でコンディションを崩してはならない]
……ひとまず、手当はいるよなあ……
[服も替えた方がいいだろうか。ひとまずメトロに入る。まだ日は高いし予定はない。考えられる場所が欲しかった。]
(299) 2016/10/02(Sun) 22時頃
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─ 新宿不動産 オフィス ─
[キイ、と背もたれに身を預ける。時計を見上げて現在の時刻を確認する。今日は早上がりの日だったが、東蓮寺が休んだことと、また新しく起きた「事件」のせいで、やるべきことが増えてしまった。]
主任、私そろそろ
[主任にそう声をかけてから席をたつ。ああ、と答える三十半ばを過ぎた男の顔はだいぶ疲れていた。はあーと深いため息が吐かれる。]
(300) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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従兄とは――まだ連絡とれてません。 ずっと電話かけてるけど繋がらなくて。 夕方二人でサンマルク出たあとも、 一回、西口で二人で道に迷っちゃって…… 見たことない通りに出たりしてたから、 方向音痴で、最初ははぐれたのかな?って。
どこいったんだろう――
[懐いているのだろう、入間は一度手のひらで顔を覆うようにすると、息を吐いから、ゆるゆると顔をあげた。]
たぶん――こんな時だし。 こっちに無事なら連絡しないようなひとじゃない。 だから、――だから、なんかあったのかも……
[寝不足の入間は、やや青い顔をして首をふった。]
(301) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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[理由は明白だった。上野中下アパートに続いて、新宿不動産所有のマンションでも、事件──あるいは事故が起きたせいだ。そのうえ、急な東蓮寺の欠勤まで相俟って、だいぶ胃に来ているようだった。今日は、しきりに腹のあたりをさすっている。]
真嶋さんのところと、 大丈夫そうなら、 病院にもお見舞いによっていきますね
[住宅の欠陥ではないか。という点への追及はまだなされていないが「まだ」なだけかもしれず、その様子を見るのにも、一度マンションの方に顔を出すつもりでいた。それが終われば今日は直帰予定だ。]
(302) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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あぁ……そっか。次、アンケートのことでしたね。
[入間は次の質問に関してを喋り始めた。]
……電話で何言ったか、あんまり覚えてないや……。
[疲れた表情は自嘲気味だ。 既に言ったことでも許してほしいと言った。]
……アタシ、朝、親が喧嘩してたからイラついてたんです。 理由は、浮気かな? ……どうでもいいけど……どうでもいいのにね。
(303) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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家にいるとムカつくから。すぐ家でました。 歩いてたら、東中野駅の駅前で、 アンケートお願いできませんかって言われて。
八つ当たりのつもりだったんです。 ……勢いだったから、内容は、曖昧なんだけど……
「喧嘩しない親がいる未来がいい」みたいなこと書いて…… ……こんなつもりじゃ、なくて。
別にいなくなってほしいなんて、思ってないのに……。
[顔を俯かせる。ため息をつきながら、泣かないようにしなきゃ、と、思った。今日もこれから忙しく探し回るつもりなのに、化粧が朝から崩れてしまう。]
(304) 2016/10/02(Sun) 22時半頃
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書いたときは、夫婦喧嘩とか恥ずかしいことしてるって、 世間にバラしてやったみたいな感じがして…… ちょっと、……、スッとしたんです。
[入間は、アンケートに関してを答えながら、叱られているような、恥ずべき部分を抉り出されているような、言い訳をしたいような、逃げ出したいような心地になって、]
この話はべつに……なんでもないですよ、キルロイ先生。 アタシが……後悔してるってだけ。
コトダマ?とか言うじゃないですか。 べつに信じてないけど……こんな事になるくらいなら……
[最後の呟く声は、ひどく暗かった。]
……アタシは、喧嘩にうんざりしてただけ……
(305) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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みょんこは、イルマに話の続きを促した。
2016/10/02(Sun) 23時頃
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今日はこのあと――えと…… このカードにかけたら出てくれた人と会うつもり。
[そういって、入間はプラチナ色の会員証をキルロイ先生に渡した。]
雪野瀬さんて人。 ……まー……パパの浮気相手っぽいんだけど。
そのひとも、「にせものの自分」に困ってるんだって。 同じなりすましだったら、協力しあえるかもだし。 被害者同士一緒に警察へいったら、 もしかして、動いてくれたりするかもって思ったんです。
だから、話聞かせて貰いに行ってきます。
(306) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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[そうして入間は、4つの質問に答えた。]
(307) 2016/10/02(Sun) 23時頃
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ジリヤは、イルマミオンについて思いを巡らせている。
2016/10/02(Sun) 23時頃
みょんこは、ジリヤにもあげた飴玉と同じもののうちの一つを開封して口に含んだ。
2016/10/02(Sun) 23時頃
イルマは、ジリヤとの待ち合わせの時間を気にし始めた。
2016/10/02(Sun) 23時頃
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[澪音の話が終わるまで、口を開くこと無く聞いていた。 澪音の仕草を観察するようにしながら。 すべての話を聞き終わった後、ゆっくりと口を開いた]
その知らない人達、の振る舞いからすると周辺まで手が回っている、もしくはグルということになるね。 あるいは、職場までも……。 更に、個人情報まで調べ上げていることから、何者かの手によってなされているなら壮大な話になる。 しかし、そこまでしておいて何故、娘や甥には手を回さなかったのか。 戸籍の乗っ取り何かをするにしても、不可解だ。
(308) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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―新宿周辺―
[ひとまず人が多そうな場所、そして近くにカラスの集まりそうなものがない場所。 考えつつ、ひとまず新宿まで来た。]
……これからどうすっかな。
[不動産屋が昨日アパートに様子を見に来ていたらしいという事は聞いている。もっとも、直接話はできなかったが。]
状況は把握してるんだろうが…どうするかな。
[カラスの件は不動産屋とは直接関係のない事だ。 とは言え、カラスの被害に困っているようなら連絡を、という東蓮寺の言葉もあった]
(309) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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従兄に関しては……そうだね、一晩開けても連絡が来ないとなると何らかのトラブルに巻き込まれた可能性があるね。 とりあえず、今日も合流できないかもしれないという事は頭にいれて動いたほうが良いかもしれない。
[その知らない人たちに捕まったりしたのか。 それとも、別の何かに……。 もう、これ以上奇妙な話が増えても不思議には思わない。 それだけの体験を一日でしてしまった]
(310) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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…連絡だけ入れておくのもいいか。
[確実に大カラスはこちらを尾行しているだろう。となれば、すぐにアパートに戻るのはどのみち憚られた。考えた末、新宿不動産の方に足を運ぶことにした]
(311) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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アンケート……。 喧嘩しない親がいる未来……。
[澪音がなんでもないと言った話。 それが、強く引っかかった。 そんな噂を最近聞かなかっただろうか。 その噂ならば、澪音には手を出さなかった理由が付くのではないか。 ただ、本人が信じていないと言っているし、そうするとまた不可解な問題が発生するため口には出さなかった。 何のためにそのアンケートを取る団体は希望を叶えるのか]
(312) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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……なんで、そんな……。
[誰かが自分たちの情報に関して、事細かに、自分たちのしらないうちに調べ上げ、その積み上げた情報で入間澪音の両親としてふるまっている。父のお金が目当てなのだろうか?派手ないやがらせ?それとも他に何か目的があるのだろうか?]
そう――そうなんですよね。
[キルロイ先生の言葉に頷いた。]
アタシは……乱暴とかは全然、されて、なくて。 ていうか最初から、意味不明だったんですよ。 泥棒とかなら、なんで、親のフリなんてするの? だからアタシ、頭おかしいと思って――
[まるで当然の事実であるかのように、自分を娘と扱う。]
アタシが親じゃないだなんて、見てわかるはず、なのに。
[そしてかけられる言葉は――「どうしちゃったの」というもの。 知らない街、という単語が脳裏に浮かんで、うすら寒い。]
(313) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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ああ、それじゃあ別行動だ。 また、夕方か夜にでも連絡をくれると嬉しい。 今日もホテルに泊まるかどうか考えないといけないからね。 気をつけて行っておいで。
[そう言ってから、澪音側から何か話がなければ会話を打ち切った]
(314) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[キルロイ先生が続けて気になるところに質問をするなり、話を聞いて彼なりの見解を聞かせてくれるのなら、入間はそれを聞いていくつもりだった。だから話を最後まできいてから、渋谷のホテルを出た。]
(315) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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─ 新宿 ─
[オフィスから外にでたところで、ふと風景が昨日に重なった。新宿を歩いていった背姿が思い起こされる。人ごみの中に透けていってしまいそうに頼りなげな。]
…… 強がりさんだったのかしらねぇ
[問題はない。と言っていた言葉の真偽はわからない。重体で眠っているという日菜子しか、もしくは彼女自身にだとて、わからないという可能性はあった。平べたいベージュのパンプスの踵を鳴らして歩く。]
(316) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[人々が行き交うスタジオ前の脇にただずみ、 車をとりに地下駐車場へ向かった本郷の迎えを待っていた]
……ドリベル様。 また、会いたいな。
[こんな気分で別れてしまったのは、ジリヤとしても不本意だった。
ところで、あの時に感じた違和感は、なんだったのだろう。(>>274) なぜだかあの表情が胸に強く残り、ざわめいている]
(317) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[人に紛れながら駅を目指して歩く。その途中で、鈴里はあら?と前方の一点を二度見した。こちら方面に歩きくる緑パーカーが視野に入る>>311。]
山岸さん?
[かつり、とその進行方向の数歩手前で、 鈴里は歩く速度を緩めた。]
(318) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[しきりに携帯を覗いて時間を確認する。 澪音は、もうこちらに向かっているだろうか? 澪音から"なりすまし"についての詳細を聞けば、本郷も動かざるを得ないだろう。シルバーケースが、裏社会の力を使って"入間祐輔の偽物"について洗えば、あの"もう一人のジリヤ"についても芋づる式に、何か掴めるかもしれない。
一抹の希望。ただそれ以上に強く抱いている感情、 それは恐怖だった]
みおんの家族……壊れちゃうよね。 ……あたしの、せいで。
だって、あたしが……お、おとうさんを
(319) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 午後 渋谷→新宿 ―
[入間はジリヤに電話で言われた通りの待ち合わせ場所に向かった。渋谷駅から山手線に乗り新宿へ。 とりあえず新宿駅で待ち合わせて、その後はジリヤがとってくれたホテルへ向かう……という手筈なのだろう。
入間は、朝かけたプラチナカードに書かれていた電話番号へ、再度電話をかけた。]
(320) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[震える手で口をおさる。 今すぐ何もかも忘れて逃げ出したい]
なにされたって、仕方ない そんなこと、わかってる……わかってるよ でも……でも……
(321) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[身体の震えを抑えきれず、膝を抱えてうずくまった。 あたまの片隅に浮かぶのは、父の姿。 優しかったはずの父。目覚めた自分を抱きしめてくれた父。 だが、やがてジリアを忌避するようになり、そして――]
……ごめんなさい、ごめんなさい 汚らわしくって、ごめんなさい
なんでも言うことききますから…… ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
[その呟きは自分でも気づかぬうちに、 ひとりでに口から発せられていた]
(322) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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― 新宿・某スタジオ前 ―
[こちらに向かってくる本郷の黒いセダンが見えた。 反射的に跳ね起き、車道に対して手を挙げた。 逃げ出したい、でも、逃げちゃダメだ。 本郷が傍にいれば、きっとなんとか耐えられる。 そう思った。
――だが黒いセダンは、停まることなく、 そのままジリヤの横を通り過ぎていった。
たしかに本郷の車であるはずなのに]
(323) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[車が横を過ぎ去る瞬間、ジリヤは確かに見た。
運転席でハンドルを握る本郷を。 そして、その隣の助手席に座る1人の人影を。 それは――]
(324) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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[澪音との話が終わった後、スマートフォンが振動した。 ツイッターの通知だ。 一瞬、迷ってからクライアントを立ち上げる]
(325) 2016/10/02(Sun) 23時半頃
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これは、ともだちのともだちから聞いた話なんですけど、ブクロで―― ――サジェという教師がいたのですが、彼女は生徒たちの前で二つに分裂したそうです。 ――自分と同じ顔の人は3人存在していて、その全員と出会うと死―― ――膝に付けてた、絆創膏まで同じでした。 ――双子の姉妹とか居る?って尋ねると、不思議そうにしながら首を横に―― ――バイロケーションって能力を知ってますか?そんな能力を持っていると自称する友人が居たんです。 ――肩を掴んで振り向かせたら、そこにあったのは自分の顔で―― ――目を離せなくなっちゃって。それで口元がこう動いたらしいです。『みいつけた』って。
(326) 2016/10/03(Mon) 00時頃
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