187 【腐女子の】夏にゃこ【新刊です】
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[ふすふすと安らかな寝息を立てて寝ている自分の隣に、なにか熱源が近付いてくるのを感じた。>>10 眠くてぽやんとしていれば、聞こえたのは謝罪の言葉]
……なにがだ?
[顔だけをそちらに向けて、疑問符。 可愛いオツムは、他の猫と色々あったせいで彼とのやり取りを忘れてしまったらしい。
不思議そうな顔をして、また目をつぶり。 ついでにもそもそとすり寄っておいた]
(11) kaisanbutu 2014/07/31(Thu) 13時頃
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[温かくて気持ちがいい。 湯タンポ代わりに歳上を使い、悪びれる様子もなく喉を低く小さく鳴らす。
二度目の謝罪に、薄く目を開けて耳を動かして。 なんでもないらしかったので、寝る体勢。
ふす、と鼻を動かすと彼から漂うのは外の土と草の香りと、それから]
……野良猫くさい。
[苦情めいた言葉を、ぽつり]
(13) kaisanbutu 2014/07/31(Thu) 13時半頃
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君がついてきてほしいなら、行ってやらないこともないかな。
[なんでか上から目線で、ヤニクに返答をして。 眠たげに自分の顔を擦り、ぐっと伸びをした]
ジョー臭い。
[それから、ふすふすと鼻を鳴らして臭いを嗅いでからそんなことを。
出入りの自由な野良猫たちは、大抵いろんな意味で奔放なので少し苦手。 その苦手な臭いに包まれている甘い兄貴分の横腹をつついて、早く風呂へ行けと急かしておいた]
(15) kaisanbutu 2014/07/31(Thu) 17時頃
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[じゃあ、ついていってあげる。なんて。 叱られないから付け上がる黒猫は、キャットウォークでついていく。
風呂場につけば、ヤニクが水に飛び込んだ拍子に毛皮に水がかかった。 しびび、と手を振り、水を落とす]
僕も?仕方ないな。
[濡れて少しスマートになったヤニクに誘いをかけられて、よいしょと風呂の縁に上る。 水に濡れるのは嫌いじゃないし、今日は暖かいから別に入ってもいいんだけども。 飛び込むのは少しだけ怖いから、そうっと滑り降りてくる。
ちなみに、濡れるのは嫌いじゃないけども、ドライヤーというものは見ただけで威嚇してしまう派]
(18) kaisanbutu 2014/07/31(Thu) 20時半頃
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─幼少の話。鈴むんと─
鈴ー。ね、鈴ー。
[まだ幼さを残す声が、幼馴染みの名を呼ぶ。 赤ん坊のころから呼んでた、すーちゃんという子供っぽい呼び名を改めたばかりのころだ。 年のわりに小さい身体をよちよちと動かして、お気に入りのクッションの上から同い年より少し上の彼の前へたどり着く。 仔猫の一週間差は大きい。相手は少しお兄ちゃんに見える]
ね。鈴はいつも夜にどこに行ってるんだい?
[そんなお兄ちゃんな彼の夜遊びが気になって仕方なかった黒ちびは、真ん丸な目をきらきらさせて訊ねた。 自慰さえ覚えてるのか怪しい年頃は、好奇心でいっぱいだ]
僕もついていっちゃ、だめかなあ……?
[ねえねえ、と前肢でてちてちと彼の手に触れて。 おねだり顔で、くりんと小首を傾いだ。
ちなみに、この時代の媚媚な自分の態度を思い返すと、オスカーはものすごい顔になる(という方向で、キャサリンちゃんはオスカーが不意にしかめっ面をする癖があるのを解釈している)*]
(22) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 01時頃
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─オレと僕・ファーストコンタクト─
[ノミだらけのゴミみたいな状態から、洗われて薬飲まされてやっと他猫に会わせられる状態になったころ。 まだきちんと開いてない目を精一杯見開き、ゴマ粒みたいな鼻をすぴすぴと動かすそれは、精々ウサギの子にしか見えなかっただろう。
今まで温かな腕の中でぬくぬくしていたのに、ご挨拶しようねの一言でキャサリンちゃんの手のひらから下ろされて、温もりがなくなりみーみー鳴く。
その横っ腹を大きな手につつかれて、驚いてひっくり返った。 だが、その手に転がされるうちに新しい遊びとでも思ったのか、短い手足をばたつかせてもがいてるとしか思えない応戦をして。 ちいちい鳴いていれば、圧がなくなりきょとんと固まる。]
(28) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 12時頃
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[そんな、物心つく前のファーストコンタクトなど覚えているはずもなく]
オレってさあ、絶対僕のこと嫌いだよね。なんか避けてるってか。
[不機嫌な顔をして、キャサリン[[who]]に愚痴る今現在。 あの時のゴミみたいなものが、こんなに大きくなりました。
接近禁止令からの誤解が解けるのは、さていつのことか**]
(29) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 12時頃
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─染まり始めの鈴むんと─
[>>26額を舐める鈴むんにも、ころころと機嫌よく喉を鳴らす黒のちびにも、邪気はなく。 いまからしてみれば、とんでもなく健全な幼少期。
いつも添い寝してくれているはずなのに、夜中に起きればいない彼の行動が気になっただけなのだけど。 なぜだか、色々と答えはぐらかすような彼にこてんと小首を傾ぐ。 その傾いだうなじを舐められ、きゃっきゃっとはしゃぎ声をあげた]
本当かい?嘘ついて置いていっちゃいやだよ? 約束だからね。
[おっとり頷かれ、今回もいつもと代わりなく自分の要求が受け入れられた。 庭を出るという非日常に、明らかに期待のこもる瞳をして。
その日の夜は、塀に上ったはいいが降りられずぴいぴい騒いだり、魚に興奮して窓を叩いたり ばったり会ったボス猫に驚きのあまり無謀にもフーシャー威嚇したりして、鈴むんの手を盛大に煩わせた*]
(30) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 13時頃
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─現在・風呂場─
[ぱしゃんと水を跳ねさせる足は、シンデレラのように小さいとはいえヤニクお兄ちゃんとなついてた頃よりも少しは大きい。 声だって、仔猫みたいにぴゃんぴゃん鳴いたりなんかしない。
それでも、ヤニクにはいつまでも小さい弟に見えるのだろう。 >>38年下を可愛がる目を向けクスクス笑う彼に、不愉快そうに尻尾を揺らしてしかめっ面。 いつまでも赤ちゃんだと言われてるみたいで、面白くないんだ。
脚だけ濡らして、ぴょいと浴槽の淵に上がり。 挑発的にヤニクを見下ろしながら、しぺしぺと手を毛繕い]
(40) kaisanbutu 2014/08/02(Sat) 17時頃
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─ヤニクとちゃぷちゃぷ─
[毛繕いをする間も、微笑ましい光景を眺める視線は止まずに]
僕はもう子供じゃないんだよ。そんな目をしないでくれよ。
[とうとう口に出して、くしり、顔を洗うけども。 どうせそんなことを言っても、ヤニクはあの優しい困った顔をするだけだろうから。 バスタブの淵に腰掛け、ため息ひとつ]
(44) kaisanbutu 2014/08/02(Sat) 22時頃
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