52 薔薇恋獄
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[聴こえたのは、野久の声だったろうか。 その声に、さっと顔色を青くして、けれど黙っていてくれと鳴瀬に願うは忘れず。 いってこいと言われる前に駆け出していた。
と、落雷の音。その間に聴こえる声は……。]
………っ。
[眉間に皺を寄せて走る。びしょぬれで向かうのは広間だけれど、途中で土橋とすれ違えば耀の無事と、珀が広間から出て行ったこと、大須が消えたことは知れるだろうか。 ほんの少しの間、逡巡して、広間でない方向に向かって走り出した。]
(22) 2011/05/18(Wed) 00時半頃
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ディーンは、慌て過ぎて野久に返事をするのは忘れていたらしい。
2011/05/18(Wed) 00時半頃
ディーンは、走り回っているうちに、珀を見つけたようだ。
2011/05/18(Wed) 00時半頃
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楓馬、なにやってるんだ……。
[見つけた相手を苗字でなく、昔のように名で呼んだのは無意識。 心配しかない表情で、近づいて起こす為に伸ばす手。 一瞬躊躇うのは、己がびしょぬれだからなのだが。 相手もそれなりであったので、結局、床にたてるを止めさせるために、手に手をふれさせようと。]
(30) 2011/05/18(Wed) 01時頃
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ディーンは、珀が、落ち着くまでは傍にいる心算*
2011/05/18(Wed) 01時頃
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― 2階廊下つきあたり ―
ふうっ!?
[呼び名はさらに時を遡る。 舌っ足らずだった頃の呼び名で、己を見上げた後、意識を手放した相手を慌てて抱きとめる。]
……莫迦だな。 何も出来てないことなんて、ないさ。
[はっと、息を吐いて。珀の体重を支えたまま床に座る。 流石に運動部でもなければ、意識の無い同年代男子を運ぶことは難しい。 一番良いのは、人を呼ぶことだと判っていて、先程の珀が耀にしたように、傍に居ることを選ぶ。 少しでも温もりが伝うようにと、いつもはふわふわな筈の濡れた金糸の髪を湛える頭を肩口に抱き寄せた。
と、その時か]
(121) 2011/05/18(Wed) 09時頃
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珀の部屋って、どこでしたっけ。
[ひとまずそこに……と、呟いた辺りで鳴瀬の姿が視界に入る。]
鳴瀬先生?
[弱い筈の視力――中庭の人物が誰か判らなかった程、にも関わらず、誰かを判断して声をかけた。]
(122) 2011/05/18(Wed) 09時頃
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(>>121と>>121の間に挿入お願いします)
浜那須……先輩……。
[現れた先輩の姿を、見上げる紫の眼は、少し揺らめいて。 一度、困ったように眉間に皺寄せて微笑むのだが、彼が珀を運ぼうとするのなら拒むことはない。 両脇を支えて起こす形になるか。]
(123) 2011/05/18(Wed) 09時頃
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俺は、平気ですよ。
……先輩、意外と力持ちですね。 それとも俺が非力なのと、珀が軽すぎるんでしょうか。
[浜那須に覗きこまれれば、そう苦笑して応えた。]
(125) 2011/05/18(Wed) 09時頃
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[浜那須の言葉に、ああ赤毛の1年コンビも鳴瀬の後に居たのか……と思い、つっと眼を眇めた。 けれど、それでも上手く見えなければ、諦めたように近くにピントを合わし直す。]
……そうですね。
[2人からかけられる言葉に、合わせてその一言で答えるものの、少し考え込むような仕草を見せた。 その仕草を解くのは、大須という名前が聴こえて来た時。]
先生、大須は……。
[浜那須の存在があったから皆までは言葉にしない。 ただ、ゆるっと首を一度横に振った。
……多分、此処には彼はもう居ない、と。]
(129) 2011/05/18(Wed) 09時半頃
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[蛍紫は、まだ道が塞がれたことや、電話が通じないことは知らない。ただ、目元に皺を寄せる顧問に、事体の深刻さは通じたらしいとほっとする。 浜那須の反応に、しかし何も言わないままだと、皆ずっと大須を探し続けるのでは、という先を見て、どうしたものか……と考えながら、2人が珀を運ぼうとする様子を見るのだけれど。]
先生、やはり俺が運びます。 耀のところには、珀を運び終えたら行きます。
[鳴瀬が数歩、歩きだせば、途中で交代を申し出る。 例えば幼馴染達が寝不足……などを悟るのに似た感覚で、彼が右足を庇って歩いているのが判ったから。]
(134) 2011/05/18(Wed) 09時半頃
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[鳴瀬の厳しい顔に、一瞬たじろいだ表情を浮かべた。 くっと、表情を改めるのは浜那須の言葉に。 それでも、珀を運ぶを選択しようとすれば、押し付けられる着替え。思い出すのは、鳴瀬も濡れ鼠だったということ。]
……先生、後で一緒に風呂でも入りましょうか。 それが、交換条件、ということで。
[耀が心配でないという訳ではない。 でも、耀の傍には人があるというから珀を選択した。 けれど、今、珀に2人がついてくれるのならば、耀に向かうのは自然なことの筈。 交換条件といったのは、この場にあろうとしたのは、そして結局鳴瀬の言葉通りに動くのは……。]
珀のこと、お願いします。
[2人に礼をしてから、鳴瀬の脇を通る形で階下に向かおうとする。去り際、ぼそりと鳴瀬だけに聴こえるように囁く言の葉。]
力の問題でなくて、先生、足怪我してますよね。 信用してないわけでなくて、心配なんです。
(139) 2011/05/18(Wed) 10時頃
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[気難しい顔で階下に向かおうとすれば、一年コンビとすれ違うことになるだろうか。]
……怪我してるのか?気をつけろよ。
[その段階で初めて怪我に気がつくありさま。 己と鳴瀬を探して作ったとは知らず。]
(140) 2011/05/18(Wed) 10時頃
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― 耀の元へ ―
[部屋に辿り着くと顧問の服を端に置き、服をたたむ間も勿体ないという感じで脱ぎ捨てて着替えを果たす。 髪はびしょぬれまではいかず、けれどしっとりと濡れそぼったまま、向かうのは耀の所。
場所は、誰かに聴いたか(その場合は広間に居たものが濃厚だろうか)、幼馴染アンテナでキャッチしたのか。]
……らん?
[栖津井に挨拶をするのも忘れて、見えた幼馴染の寝入る姿にさっと顔を青くする。 慌てて駆け寄って、ただ寝ているだけど判れば……栖津井からの説明もあっただろうか、ほっと息を吐いて、耀の髪をそっと撫でる。]
(146) 2011/05/18(Wed) 11時頃
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ふうとらんは、俺が護るから……。
[小さく零す言の葉は、栖津井ならば聴こえたかもしれず。 髪から手を離せば、きゅっと耀の手を握って、考えこむ。
――暁様とは、誰か。 怪談が正しいならば、屋敷の息子なのだろうけれど。 自分の眼には、暁様とやらの霊は視えていない。 ならば、 は、誰かを暁様とやらに見間違えたのだろうか。 あの時、中庭にいたのは、誰だ……。
己の視力の悪さを呪いながら、気難しげな顔を晒す。 けれど、誰かに声かけられれば、はっと、申し訳なさそうな顔に転ずるだろう*]
(147) 2011/05/18(Wed) 11時頃
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ディーンは、セシルに話の続きを促した。
2011/05/18(Wed) 18時半頃
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― 栖津井&浜那須部屋 ―
[栖津井の控えめに尋ねる声に、はっと顔をあげる。 申し訳なさそうな顔をして、言葉を選ぶ時間が暫くある。]
……鳴瀬先生にも先程言ったのですが、 合宿中止にしませんか。 雨が小振りになったらで、構いません。
大須が、まだ見つかってないみたいですし、 電話が使えないことは浜那須先輩に聴いたので……。
[道が塞がれたことは、まだ確認できていない。 また、霊という存在を伏せて説明するのは酷く困難で……。 けれど、日頃の言葉少なさを考えれば、ギリギリセーフと云ったところか。]
……あと、先生、雷が落ちる前、中庭にいらっしゃいましたか?
[そして、唐突という感じで尋ねる。 上手く喋れない己の口を呪いながら。]
(221) 2011/05/18(Wed) 19時頃
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― 栖津井&浜那須部屋 ―
是非、お願いします。
[鳴瀬と話すという栖津井に深く頭を垂れる。 あと、鳴瀬のことを思い出せば、あっと付け足す言葉。]
鳴瀬先生とあったら、皆に内緒で右足みてあげてください。 多分、捻るかどうかしてます。 でも、先生、皆に心配させるのは、本意でないでしょうから。
……それと、もし雷が鳴る前に、中庭に居た人が判ったら、 俺に教えて貰えませんか。 ちょっと伝えたいことがあるんです。
(227) 2011/05/18(Wed) 19時半頃
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[当人比、長文を喋った後、はぁっと息を吐いて栖津井の視線を追うように耀を見る。 その閉じられた眦から涙がつたうのが見えれば、冷えた指先でそれを拭って困った顔をする。
3年前、火事があった日。耀の家族の霊を視た。 どうか蘭香を護ってやってくれと云ってきたのは、耀の兄だった。その表情は、護りきれたという喜びと、これから先の成長をみてやれない悲しみが混じっているように、蛍紫には見えた。
けれど、そんな彼らは怨んではないだろうと、伝えれない。 きっと伝えても耀は信じないだろうから。]
(228) 2011/05/18(Wed) 19時半頃
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多分、栖津井先生になら、鳴瀬先生も甘えられると思います。 ……少し、羨ましい。
[全てを受け入れてくれた栖津井に、耀に視線を向けたまま呟く。 羨ましいという感情がどこに向くかは、己にも良く判っていない。]
……お願いします。
[甘えてくれない幼馴染に視線を落したまま、席をはずしてくれる栖津井に再度願った。寝入る耀と2人になると、ぽつりと]
『 さん』 やっぱり俺では、貴方の代わりにはなれないですよ。
[耀の兄の名を呼んだ。]
(232) 2011/05/18(Wed) 20時頃
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ディーンは、耀が兄の名を呼べば、まるで代わりのように、その手を包むように握る。
2011/05/18(Wed) 20時頃
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(たくとさんは)怨んでいないよ。
[相手が起きている時は、見れない涙。 相手が起きている時は、云えない言葉。
握っていない方の手は、幼いころ耀が泣いた時、彼の兄が見せた仕草をまねる。 頭を優しく撫でて、それから眦を拭う、そのあと頬を包んでいただろうか。 遠い記憶をなどるから、それは違ったものかもしれない。 あっていたとしても、彼と違って、酷くたどたどしい。]
(235) 2011/05/18(Wed) 21時頃
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おはよう……という時間でもないか。 調子は、どうだ?
[開く眼に、そっと手を引いた。 いつもの仏頂面に、けれど眉尻は下げた心配の表情。]
(239) 2011/05/18(Wed) 21時半頃
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いや……。
[耀の言葉に、短く一言だけ紡ぐ。
変なことはないと。 わざわざ来たということの否定と。 ごめんねという必要はないことと。]
………。
[安心した笑みを見れば、どうしても言葉が出ない。 だから、ただ困ったように微笑むだけだ。 珀なら上手く言葉を紡げるだろうに……と、気を失ったままで情報が止まっているもう一人の幼馴染を想う。 気を失ったといえば、耀はパニックにならないか、とその話題にも触れられず]
耀、唐突だが、雷が鳴る前、中庭にいたのが誰か判らないか?
[沈黙に耐えかねて、振る話題はそのようなものに。]
(244) 2011/05/18(Wed) 21時半頃
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織部先輩か……。後で話聴いてみるか。
[聴いた名前の片方を呟く。 そして、少し困ったような笑みを深めるのは、耀本人は気がついていないらしい言葉使い。 いつもは云わない言葉。この状況だから、紡ぐ。]
……なぁ、蘭香。 もし、俺か楓馬、どちらか選ばないといけない時がきたら、 お前は俺に遠慮せずに、迷わず楓馬の手を取ればいい。
[いつからだろうか、気がついていたこと。 3という数字は、そういう数字であると。 多分、耀の天秤は珀に傾いていると。 その情の形が、何かは判らないけれど。]
楓馬、多分部屋で寝てるんじゃないか。 お前のこと随分心配していたから、安心させてやるといい。
[気を失っているとは云わなかった。唯寝ていると云う。 そして、珀の気持ちはしらないから、知らずけしかけるような言葉を紡いだ。]
(257) 2011/05/18(Wed) 22時頃
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ディーンは、珀が起きていることは、もちろん知らないわけで。
2011/05/18(Wed) 22時半頃
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……例えば、の話だ。
[きっと耀の浮かべた表情は、望むものではなかったから。 ふっと安心させるように微笑んだ。]
大学も、出来たら一緒に行けるといいな。 後で、楓馬にも云おうと思ってるんだが……。 織部先輩に奨学金のガイドブック貰ったんだ。 部屋は3人で借りれば安上がりだし。
[耀の内心は、判るようで判っていない。 いつも紡ぐ言の葉は、きっと際で届かない。
戻るという耀の背を見送れば、ふぅっと息を吐いた。]
(273) 2011/05/18(Wed) 22時半頃
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しのぶれど 色に出にけり 我が恋は 物や思ふと 人のとふまで……か。
[耀の想いが恋とは、鈍い蛍紫は思っていない。 男同士で恋愛というものがあるとは知っているが、幼馴染同士が……とは結びつけることは、今のところなく。 唯、薔薇煉獄という舞台故に、その唄が零れ出た。 どちらかといえば、あの女の霊を想って。]
あ、しまったな……。 鳴瀬先生、風呂に入らずそのままってことはないだろうか。
[百人一首を紡いだところで、顧問のことを思い出す。 あの人の事だから、生徒の前に入れない!とか言いそうだから、一緒にと云ってしまったけれど。 あれから時間が経っていれば、その約束が逆効果になっていそうだと思う。]
……部屋、あけて出て行っていいものだろうか。
[暇を告げようとしたところで、部屋の主が居ないことに気が付き、少しの間逡巡するのだった*]
(286) 2011/05/18(Wed) 23時頃
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― 自室 ―
[結局、部屋に備え付けてあった、メモに耀が目覚めたことと、席を外すことを書き置きして、自室へと戻った。]
鳴瀬先生っ!?
[転がっている姿を見て、寝ているのではなく倒れたのかと慌てた。近づけば、多分寝息が聴こえてくるから、安堵する。]
……服も、もしかしたら洗ってくれたのだろうか。
[脱ぎ散らかした己の服がないことに気がついて、少し困った顔をした。そのまま、鳴瀬の顔を覗きこんで、手を伸ばすのは、先程ふれた柔らかな髪に。]
………。
[多分、魔が差したのだ。 彼が身じろぎ一つでもすれば、我に返っただろう。 でも、しなければ……
いつか放課後、眼を奪われたその箇所(口唇)に、刹那唇を落とす。]
(308) 2011/05/18(Wed) 23時半頃
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[接吻けたか、そうでないか。 どちらにしても、その動作の後、呆ける。]
……俺、今、何を
[ぼそっと呟く。頭を振った。 まだ薄く香る薔薇の香りにでも酔ったのだろうか。
と、茫然としていた所に響くノック音。 悪いことをした自覚があるので、びくっと揺れる肩。]
はい?
[返事が裏返った。]
(325) 2011/05/18(Wed) 23時半頃
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俺が居なくなった?
[嗚呼、野久先輩が呼びに来てくれたあたりのことだろうか。 と思いながら、後ろめたさも手伝って飛び起きるようにして扉に向かう。]
……良いですよ、でも先生寝てるので、静かに、で。
[見えた人の言葉に手招くのは、さっきの今で2人きりは相手が寝ていても心臓に悪いから。]
先輩、熱あるんですか? そんな顔色してますけど。
[部屋に通しながら、首を傾げる。 もし、『見え過ぎるから』日頃あまりかけない眼鏡をかけていたら、その瞬間に想いの残滓を見つけることができたかもしれないが、動揺も手伝って今は彼がキーであることは判らない。]
(340) 2011/05/19(Thu) 00時頃
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[鳴瀬が身じろげば、密やかにびくびくしつつ。 しかし、それも蓮端の中庭に居たという言葉を聴くまでのこと。]
……先輩、中庭に居たんですか。 それって、雷が鳴る前?
[酷く険しい顔をして問いながら、後手にショルダーバックを引き寄せ、眼鏡ケースを探った。]
(354) 2011/05/19(Thu) 00時頃
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[時期を聴けば、尚、難しい顔をして眼鏡をかけた。 見えすぎる視界に、くっと眉間に皺を寄せる。]
……先輩、暁という名に何か覚えとか 引っかかりあったりしませんか?
[それでも、流石に想いまでは捉えきれない。 だから問う。そして注意をつけたす。]
覚えなくても、気をつけて下さい。
[彼女がああなったきっかけの可能性があればこそ。]
(366) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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ディーンは、突然に起きた鳴瀬にびくっと反応した。
2011/05/19(Thu) 00時半頃
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[起きたらしい鳴瀬の声に、びくっとしつつ。 眼鏡越しに紫の眼が、じぃっと蓮端を見詰める。]
本当に、気をつけて下さい。
[自分には、払う力はないから。 何かあっても、彼女に呼びかけることしかできない ……とは、言葉にしないのだけれど。]
……というか、本当に先輩大丈夫ですか?
[ぼぅっとしている様子に、思わず熱を確かめる為に、額に手を伸ばした。]
(377) 2011/05/19(Thu) 00時半頃
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先生、風呂、先に入ったらいかがですか。 風邪引きますよ?
[こう、まともに、鳴瀬の方を見れない訳で。 一緒にと約束したのは自分の方なのに、ごろごろする人を横目に、ぼそっとそう提案してみたり。]
先輩、やっぱり熱っぽいですよ。 栖津井先生の所行きましょう。
[やっぱり熱っぽい蓮端には、そんな提案を。 鳴瀬と蓮端が話ださない限りは、蓮端をとりあえず栖津井の元へ送り届けるつもりで。 そうなったら、ついでに、置き手紙はしてきたけれど、直接部屋をあけた詫びをする心算*]
(382) 2011/05/19(Thu) 01時頃
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― 回想 ―
[蓮端の熱を計れば、やはり熱っぽく。 そのことを尋ねてきた鳴瀬にも、伝える意味で声にだしたけれど。]
……っ……。
[鳴瀬に睨まれて、その言葉に思わず「なにもしてませんっ」と、嘘を言い掛けて飲みこむ。 言葉が接吻けしたこと、と限らないと、繋がったことに、我ながらあっぱれを出したい。 眼鏡をつけて見れば、いつも以上にはっきりと見える顔。鼓動が五月蠅かった。]
鳴瀬先生、話があるなら後にしましょう。後に。 それより、蓮端先輩を送らないとっ!
[叱られてしゅんとしている人を引きずってでも連れて行こうとした瞬間。 現れる栖津井の存在に、安堵したような、そうでないような。]
(471) 2011/05/19(Thu) 09時頃
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