290 ある冬の終わり、微睡みの世界にて
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─ どこか ─
[スーツの男の答えはなんだったろうか。 いや、そんなことはどうだっていいことだった。 言葉を得たならばスーツの男にも桜にも用はなく、ただ漫然と目的もなくぶらりと足を延ばすだけ、隣にはだれかいただろうか。]
春……なのか?
[それにしては季節感がおかしい様な気もする。 おかしいのはそれだけじゃない、ビルも見える、公園や学校のようなものもある。だけど人の気配が薄い。まるで誰もいない街のような。だけどゴーストタウンのそれとは違う気配。 だというのに、なんとなく懐かしいような、それでいてまるで知らない街。]
……桜か。 変な場所だな。
[ただ、どこを歩いても桜の花びらだけが舞っていて、少しだけ心が穏やかな気分だった。]
(1) 2019/02/06(Wed) 00時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/06(Wed) 00時頃
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[───まどろみの街。
心が穏やかっていうのはどうにも落ち着かない。 そんな矛盾、あるいは二律背反。 何故って、この後どうなるか知っているから。 こういう時は大抵ろくでもない“次”があることを。 嵐の前の静けさというやつ。
あの日だってそう。 何もない平穏な一日。 そう信じて疑わなかった。
その日その平穏の中で世界が“おぞましい”ものだと知った。]
(8) 2019/02/06(Wed) 09時半頃
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───やめろ
[ほら、何気なく歩いてただけだっていうのに。 視界に写るのはかつて見た風景、もう思い出すこともなかった安アパート。]
……やめろ
[秘めた想いなどない、隠したい弱さも絶望もない。 それはとうに通り越した、すでに乗り越えたもの。 穏やかだったはず心が騒つく、予感が形となって心に刺さり込む───これは、痛みか。 気づけば後一歩でドアノブに手が届く距離。]
(11) 2019/02/06(Wed) 13時頃
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[───ガチャリ 手がドアノブを回した。 意識が飛び飛びになっているのか、いつドアの前に立ったのかも、いつドアノブへと手を伸ばしたのかわからない。気がつけばドアがゆっくりと開かれる。]
やめろ
[自分の声がどこか遠くに聞こえる。]
やめろ
(12) 2019/02/06(Wed) 13時頃
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[安アパートの六畳一間。 大学を卒業し、OL一年目を忙しく過ごしているはずの姉さんの部屋。田舎を離れ都会の大学へと進んだ姉と会うのは2年ぶりのことだった。
『春から俺もそっちの大学へ行く』
送ったメールの返信は素っ気なく「そう」の一言。 昔からあまり口数の多くなかった姉の、その中でも一層言葉少なかった。 だからどうしても気になって合格発表の帰りに姉の部屋を訪れた。]
(13) 2019/02/06(Wed) 13時頃
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[鍵は掛かっていなかった。 ドアを開けると部屋の奥から風が吹いた。奥のベランダが開いているせいだった。]
……姉さん
[畳の上に敷かれた布団。その上に腕をだらりと下げてどこともつかない場所を見つめたままぺたりと座る姉の姿。声を掛けても反応のない人形のような姉。
───嗚呼。
視界がぼやけて滲み、やがて“それ”は砕けて散った。 風に乗って桜の花びらが吹き抜けていく。]
(14) 2019/02/06(Wed) 13時頃
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[後に残ったのは空っぽの部屋。 生活感はなく誰かがいた形跡はない。 締め切られたベランダからは真っ青な空が見えている。]
……悪趣味だな。
[辰巳が言っていたのはこれか。 もう思い出すこともなかった苦い記憶。 世界がおぞましく暗く感じられるようになった瞬間の記憶。]
こんなものを見せて何のつもりだ。
[怒りも憤りもなく、あの時の無力感だけが身をつつんでいた。]
(15) 2019/02/06(Wed) 13時頃
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[アパートを離れあてもなく足を動かした。 桜が舞う春の陽気の中で顔を撫でる風が少しだけ冷たい。
やがて見つけた小さな公園。 その中の小さな二人掛けのベンチの真ん中に腰を降ろす。
カチリと安物のライターの石を鳴らす。 二度三度繰り返して漸く煙草に火が着いた。]
夢ん中でも味はするんだな。
[久しぶりに咥えた本物の煙草。 小煩い事務員に言われて最近は過熱式ばかりだったから。]
で、一体どうしろってんだ。
[思い出す、姉の顔を。 もう十年近く会っていない。]
(22) 2019/02/06(Wed) 22時頃
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[───ザザ…ザザ…… 視界が揺れ、頭の中にノイズのような何か不快な音が響く。]
またか……。
[誰も居なかったはずの公園に見える二人の姿。 小学生ぐらいの男の子と少し大きい女の子。 二人ともグローブを着けてキャッチボール。
男の子がボール投げる。 女の子がボール受けとめる。
端から見ても女の子の運動神経はよくない。 それでも弟の投げるボールを必死に拾う。]
いつも……あんたが相手をしていたな。
[忙しく仕事に追われる良心に代わっていつも弟の面倒を見ていた。]
(23) 2019/02/06(Wed) 22時半頃
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[───姉ちゃん!ちゃんとキャッチしろよ! 何度もボールを捕り損ねる姉に男の子は不満をぶつける。
───ごめんね、次はちゃんと捕るよ。 笑顔を絶やさない女の子は元気に男の子へ答える。
弟と姉、まるで二人だけが家族だった。]
これがどうしたって? 今更こんなもの……。
[思い出に浸れとでもいうのか? それとも姉に会うことをやめたのを責めているのか? ───誰が?───誰を───?責める?]
(26) 2019/02/06(Wed) 22時半頃
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[目を閉じて一秒かそれとも数十分か。 再び瞼を開いたとき景色に色が戻り頭のノイズも消えていた。]
何なんだここは。
[ペっと煙草を地面に吐いて足で踏みつける。 グリグリとなんども踏みつぶすように。 何がこんなにも苛つかせるのか。 遠い過去を掘り起こした”何者”か、それともこんなものを思い起こした自分自身にだろうか。]
(27) 2019/02/06(Wed) 22時半頃
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いっそ燃やしてやろうか。
[あの大きな桜の木を。 あれがこんなものを見せているというなら、いっそ。]
(28) 2019/02/06(Wed) 22時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/07(Thu) 01時頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/07(Thu) 12時半頃
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[物騒なことを口にしてようやく人の気配に気づいた。 夢の中だからか、それとも苛立ちのせいか、それは珍しいことではあった。]
よぅ、よく会うな。
[肩を出したラフな格好も、この町の季節感であればおかしくもない。]
……”視た”のか?
[何を? 辰巳とかいう男の説明通りであればおそらく”視て”てはいないはずだ、少なくとも自分と同じものは。 で、あればこの女の表情は別の何かを”視た”のだろう。]
辛気臭いツラだな。
[それはもしかしたらお互い様だったかもしれない。]
(39) 2019/02/07(Thu) 20時頃
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うるせぇよ。 元からこういう顔なんだよ。
[明るい表情をしていない自覚はある。もちろん努めて明るくしようなんてことを考えたこともないが。]
んなこと聞いてどうすんだよ。 そっちは”さとみ”だったよな。
[客と店の女。それこそ本名なんて本当は教えないところだろう。ただシチュエーションがシチュエーションだった。かたや店の客、かたや店を知らない者。それで仕方なく本名を教えた。事故のようなものだ。]
フミノリだ。 文学のブンに香典のデンだ。
[隠すような名でもなし。そもそも店の女の子に偽名を使う必要はなかった。実際、さとみの店でも”藤枝”の名を知ってる子は何人もいる。特に意味なんかない、たまたま”タバサ”には成り行きとか癖とかでそう名乗っただけ。 大体───名前なんか識別できればなんでもいい。]
(43) 2019/02/07(Thu) 22時頃
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どんなのを想像してたんだよ、まったく。
[ふ、と少し気の抜けた笑い。 少しばかり嫌なものを視たせいだろうか”現実”で見知ったさとみと話をしていると少し気がまぎれる気がした。]
本当はフカザワでもねぇよ。 やる、捨てるなよ。
[手品のようにいつのまにか人差し指と薬指に挟まれた黒い名刺。 それをさとみに向けて差し出す。]
(46) 2019/02/07(Thu) 22時半頃
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オフィス エフ 所長 藤枝 文典
(47) 2019/02/07(Thu) 22時半頃
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フジエダだ。 こっちが本名だけど、別にフカザワでもいい。
[”フジエダ フミノリ”のイニシャルが両方F、だから「オフィス エフ」。 偽名のフカザワはエフに合わせて適当につけた。 偽名を使ったのと同じように本名を教えたことにも意味はない。 ただ、なんとなく。ただそんな気分だっただけ。]
さとみ、か。 いい名前だな。
[その名の響きは割と好みの音だった。]
(48) 2019/02/07(Thu) 23時頃
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フツーだな。 でも俺は好きだぜ、さとみって響き。
[別に世辞のつもりもない。 思ったままに口にした、それも自分にはそれも珍しいことだが。 珍しいついでにもう一つ思ったことを口にしてみようか。]
いい笑顔だ。 ”タバサ”のときよりも今のほうがずっといい。 店の外でも男が放っておかないだろ?
[───嗚呼、やっぱりそう。 客に向ける愛想笑いや、犬のことで見せた悲痛な表情や、さっきのような重い顔よりもずっといい。 いい名前だと言われて、それだけで喜ぶさとみ。それは余りにも普通の女の子の姿で、やはりこの娘は夜の街には似合わない。]
(51) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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[現実感のあるさとみとの会話。 どことなく安心する。 こうして誰かと話していれば忘れられるからか。 どこかに置きざりにした昔のことを、思い出すことをやめた誰かのことを。 そんなことを意識などしていなかったが。]*
(52) 2019/02/07(Thu) 23時半頃
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色男……?
[フっと思わず鼻で笑ってしまった。 そんな風に言われたことなんてないに等しい。 あってもそれこそ飲み屋の姉ちゃんの世辞ぐらいなもので、タバサ…いやさとみであれば世辞のつもりではないのだろうけど。]
まあ、でもさとみはそうだろう。 フリーっていうのは意外だったな。 彼氏が5人ぐらいいても驚かねぇよ。
[これは世辞というかただの冗談。 そんなに彼氏がいたらさすがに驚くし、それなら夜の街がもっと似合う女になってただろう。]
(56) 2019/02/08(Fri) 00時頃
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………さとみ。
[───店をやめろ。 そう言いかけて寸でのところで言葉を飲み込む。
一体、今何を口にしようとした。
さとみとはただの客と店の女。 精々がただの顔見知り、互いに名前を知っているだけ。 こんな場所で出会ったからか、そこに縁でも感じたか? だが、それで何を言おうというのか、そんなことを言ってどうしようというのか。 逡巡のうちに、知らず、さとみから視線を外していた。]*
(57) 2019/02/08(Fri) 00時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2019/02/08(Fri) 00時半頃
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は……?
(63) 2019/02/08(Fri) 10時頃
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[ククっと押し殺したように喉を鳴らして笑う。 押し殺しきれず口の端が上がるのがわかる。 勘違いの方向が実に面白かったので揶揄い半分に乗っかることにした。]
そうだよ。 お前みたいな女は好きだぜ。 いいオンナだ。
[確かにモテるのだろう 整った顔、束ねられた長い髪、白い肩、ホットパンツから伸びる細い脚、外見は申し分ない。 加えてさっきの笑顔があれば大抵の男は簡単に落ちるだろう。]
お前はどうなんだ? 俺のこといいなって思ってるんだろ? それぐらいわかるぜ。
[断定。 犬の一件やさっきまでの反応を見れば夜の街でバイトをしていても中身はまだまだ初心。恩も感じているだろう、自分の味方だという感覚が残っているなら恐らく好意を抱かれているのは間違いないだろう。 だからこそ───危うい。]*
(64) 2019/02/08(Fri) 10時頃
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揶揄ってるように見えるか?
[一歩詰める。 その躊躇いこそさとみが“ここ”にいる理由だろうか。 歯切れの悪さは、こちらに対してどうこうということではなく、さとみ自身の中に理由がありそうだ]
他に気になる男でもいるのか? いるなら早めにそう言えよ。
[また一歩詰める。 彼氏はいないと言ったが、それが好きな男がいないということにはならない。辰巳の話によればここにいるということは、秘めた何かがある。さとみの場合はそれが戸惑いを生んでいるのかもしれない。]
(72) 2019/02/08(Fri) 21時半頃
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俺のこと? ……聞いてどうする。
[選択肢は三つ。 適当なことを口にして嘘をつくか、誤魔化すか、素直に話すか。 或いは、この女をモノにするだけならそんな問いは無視して強引に迫るだけで事足りるかもしれない。]
俺の重荷は俺だけのものだ。 お前には関係ねぇし、肩代わりもできねぇ。
[当たり前のこと。 だが、さとみは他人が背負う重みを何故だが自分のものの様に考えてしまうきらいがある。 だから、話をすることに躊躇があったが。]
……俺には姉がいた。 5つ上の、腹違いの姉だ。
[話を始めたのは、その目が余りにも真剣だったから。]*
(86) 2019/02/09(Sat) 01時半頃
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───俺には姉がいた。 子供に興味のない両親は家に寄り付かず、俺と姉、二人だけが家族だった。だが、大学へ進んだ姉は夜の街で働くようになり、クズみたいな男に引っかかって身を崩した。元々夜の街なんか向いていない人だったし、だから簡単に騙された。そうなったらあとは落ちるだけ、風俗嬢に身を落とし薬に溺れて心を病んだ。気づいた時には俺のこともわからないぐらいになっていたさ。 今も姉は療養施設にいるがもう十年近く会っていない。
(88) 2019/02/09(Sat) 06時半頃
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俺はそれがきっかけで街の裏側で生きる様になった。 今でこそ小さな事務所を構えているが、初めは姉の治療費なんかを作るために、汚いことも危ないことも、金になるならそれこそ何でもやった。 だが姉の症状は一向に回復しなかった。いつしか俺は姉に会うこともなくなり、数ヶ月に一度送られてくる報告はいつも同じ内容。 そんなことにもすっかり慣れてしまった。
(89) 2019/02/09(Sat) 06時半頃
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別に大したことじゃない。 街に行けばいくらでも転がってる話。
[“まどろみの”で姉の姿を幻視したのは、姉からも遠ざかった自分への罪悪感だろうか。それともかつての姉と二人、家族だった頃への未練か。]
……それだけだ。 [大した話ではない。特別隠す様な事ではないし、特別言い触らすような話でもない。探せばその辺にいくらでも転がってるような話。 だが、姉の話を誰かにしたのはこれが初めてだった。]*
(90) 2019/02/09(Sat) 06時半頃
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馬鹿言うな。 俺は正直者だぜ、嘘なんかつかねぇよ。
[まるで嘘つきのパラドックス。 感情を露わにするさとみの腕を掴んでグイと抱き寄せると自分の胸にその顔を埋めさせる。 拘束する力は強く、それでいて柔らかに。]
泣き顔は好きじゃない。 しばらくこうしてろ。
[さとみの体温が伝わってくる。]
(93) 2019/02/09(Sat) 08時半頃
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……いいじゃんねぇの、忘れなくたって。
[黙ったままさとみの身体を抱いていたが、しばらくして口を開いた。]
本当は忘れたくねぇんだろ? そいつのことが好きだったこと。 助けられて嬉しかったことも。 失って哀しかったことも。
[消化できなかった想いは心の内側で燻り続け大きな傷となって残り、いつしかその痛みが全身を苛んでもう忘れたいと願うけど。]
お前にとって全部大切なもんなんじゃねぇのか?
[きっとそれは忘れられないのではなく、忘れたくないのじゃないだろうかと思う。]
(94) 2019/02/09(Sat) 08時半頃
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