199 Halloween † rose
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……ッ、ふぁ、ヤ、ぁ……ッ! グレッ、グ……ゥ、ぁ ウん、ッ……!
[>>5揺さぶられ、突き上げられるたびに、喉奥からは甘い声が押し出された。]
ぁ、ヒゃ……ァ、ん!
[一際強い刺激を受け、背に回していた指が、何かに濡れてずるりと滑る。 縋り直そうと伸ばした指先には、汗とは違う、赤い体液が付着していて]
……、……ぁ、ふ……ゥ ん……、ッ
[グレッグの背を傷付けてしまったとか、痛くないかとか、詫びは今は出てこなかった。 それよりも強く、指を濡らした深紅に惹かれ、ぺろぺろと何度も舐める。]
うん、舐める…… くれ……ッ、ひゃア、アッ!
[その最中、奥を剔られ、うっすらと赤みを帯びた唾液が口端から垂れ落ちた。]
(9) nordwolf 2014/10/31(Fri) 04時頃
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[>>6揺れる尾は、休むことなくグレッグの脚を撫でるが、時折びくりと逆毛立った。
顔に落ちた汗を拭われ、長い前髪を払われれば、グレッグの貌が今まで以上によく見えた。 真っ直ぐな眼差しに溶かされてしまいそう……いや、もうとっくに、金色の瞳は熱に揺れて、蕩けている。 見つめられているだけで、こんなにも、気持ちが高ぶってしまう。]
……な、んだ……? ッぁ…… 、…………。
[耳に届いたそれは、ループしたものではなくて、確かに重ねられた、二度目の言葉。
返事のかわりに、一際強く抱きついて、脚を背に絡め、肩口に深く顔を埋めた。]
(10) nordwolf 2014/10/31(Fri) 04時頃
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[>>7陽光差し込む窓の外からは「Trick or Treat♪」の声が今日も聞こえてくる。 けれど今は、そんな楽しい歌声も、耳に遠い。 ただグレッグの声だけを、黒い耳は拾おうとする。]
……ッあ、ァァ…… グレ、 ッ……グ、もぅ
おれ、ッ…… ひァ……ぅ、んッ!
[張り詰めていた雄から精を放ち、腹を汚したのは、深いところに熱を感じたのとほぼ同時だった。 重ねられた唇から伝わる想いに、じわりと、目頭が熱くなったような気がした。]
(11) nordwolf 2014/10/31(Fri) 04時頃
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─ それから ─
[グレッグの背中に盛大な爪痕をつけてしまっていたことにちゃんと気付いたのは、一頻り情を交わして、気怠い身をグレッグに寄せ、心地良い余韻に浸っていた時のこと。]
あ、っ……。
グレッグ、ごめ……ん。
[背中にはしる、血の滲んだ蚯蚓腫れを見て、耳と眉がしょんぼりと垂れた。]
やっぱ、痛いか……?
[様子を窺いつつ、蚯蚓腫れの周囲を指先で軽く撫で、付着していた血を少し拭い]
……んにゃ、ぅ……
[それから、ゆっくりと蚯蚓腫れに舌を這わせる。 下等妖魔に、傷を治癒させるほどの魔力はないが、せめて、痛みくらい和らげることは出来るだろうか。*]
(25) nordwolf 2014/10/31(Fri) 18時半頃
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……ぁ、ごめっ……。 滲みたか?
[>>28背中に滲んだグレッグの血を、ぴちゃぴちゃと舐め取っていると、不意の声を漏らされて、一瞬慌てて行為を止めた。 やはり痛かったろうかと、不安げに耳をしょげさせ、グレッグの表情を盗み見る。]
……グレッグ……?
[>>29あれ、もしかして……。
口元が隠されてしまっていては、はっきりとした表情は読み取れない。 けれどもしかして、さっきの声は痛みの所為だけではなかったらしいと気が付けば、魔の本性がちらりと覗いてしまうのは、仕方のないこと。]
(40) nordwolf 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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………ゥな〜〜ァ、ォ……。
ん、ふ……っ。
[そこからは、傷を舐め癒すというよりは、寧ろ煽り立てるかのように。
いつの間にか事件が解決したことも知らぬまま、さてあとどれくらい、ベッドの上にいることになるのだろう。*]
(41) nordwolf 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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えっ……あ、うん!
おれもお腹空いた!
[>>43濃密な行為の名残は、まだ身体の芯で燻っている。 口吻ひとつで、また熱を抱きそうなそれを、食欲を優先させることで一時誤魔化すことに成功した。 実際、かなり腹は減っている。
まだこれから、いくらでも、愛し合う時間はあるのだから。 まずは目先の腹を満たすため、グレッグとともに、漸く今日初めてホテルから出た。]
(51) nordwolf 2014/10/31(Fri) 23時半頃
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─ そして街へ ─
なー、グレッグは何食べたい? おれ露蝶の作るおかゆがいいなー、あとクキー。
[そんな提案をしつつ、手を繋いで大通を駆けるのだが]
あっ、Trick or Treat〜♪ ……あれ?
[何故だろう、見かける人々に声をかけても、今日は無視されるばかりだし、こちらにお菓子をねだってくる子もひとりもいない。]
うん、なんか……ヘンだよな?
[今思えば、ホテルから出る時も、フロントにいた人達がまったくこちらを見ていなかった。]
グレッグ、おれらどうしちゃったんだろう……?
[もしかして、存在までループから外れてしまったのだろうか。 不安から、耳と尻尾は元気をなくし、これだけは消させまいと、グレッグの手を握る力を強めた。]
(52) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時頃
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幽霊モドキ?
[>>58実は初耳だった。 何のことかと耳と首を傾げれば、説明はもらえたろうか。]
……そうなのか……。
[そしたら、ずっとこのままになってしまうのだろうかという不安が、胸を過ぎった。 けれど、グレッグと強く手を握っていれば、何でだか、大丈夫なような気がして、また露蝶の店へ向けて走り出した
の
だが]
(64) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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…………あっ。
[その途中、ニコラエとドナルドを見つけ、グレッグと同時に足を止めた。 自分達同様、ループから外れている彼らなら、もしかしたら存在に気付いてくれるのでは……そう、思いもしたのだが。
とてもじゃないが、声をかけられる雰囲気ではなかった。]
うん。
そうだね。
[そうだ、何も見なかった。 真顔で棒読みしたところで、不意に周囲の雰囲気が変化した。]
(65) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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[思いっきり指差して、転げる勢いで笑ったのは、言うまでもない。*]
(66) nordwolf 2014/11/01(Sat) 00時半頃
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─ 街を駆けながら ─
[ドナルド達を散々指差し笑っていたら、傍にいた小さな少女に「Trick or Treat?」と声をかけられた。]
……ぅにゃ?
「あなた達、とつぜんここに現れたの。 ねぇ、どんな魔法を使ったの?」
魔法?
[ちょっと目を丸くした。 けれどすぐに微笑んで、少女の頭に手を伸ばす。]
それは内緒。 種を教えたら、魔法が解けちゃう。
魔法が解けたら、楽しい時間が終わっちゃうからね。
(114) nordwolf 2014/11/01(Sat) 21時半頃
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[だから種明かしの代わりにお菓子をあげよう。 でもカボチャバケツの中にあるのは、蜘蛛のゼリー1個だけ。 だから、グレッグを見て、ちょっとだけ耳を揺らして]
いいよな?
[グレッグとの繋がりを失いたくない。 そんな思いで、ずっと大切にしてきた蜘蛛ゼリーだけれど。 きっともう、その役目は終えたはずだから。]
ハッピーハロウィン♪ きみと、きみの大好きな人が、ずっと一緒にいられますように。
(115) nordwolf 2014/11/01(Sat) 21時半頃
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さっ、グレッグ行こう! 早くしないと、露蝶のお菓子がなくなっちゃうかもしれない!
[それに、お腹の虫も鳴いている。 昨日までとは違うお祭りの中、昨日と変わらぬ、きっとこれからも変わらず大切な人の手を握り、また笑いながら走り出した**]
(116) nordwolf 2014/11/01(Sat) 22時頃
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─ 1,November ホテル ─
[柱時計が、時が進んだことを報せる。 その頃、クシャミは……ミーは、まだ夢の中にいた。
ハロウィンの、楽しい夢。 ミケと遊び、露蝶の店でお菓子をねだって。 シーシャにクビを宣告されて縋ったり、ニコラエに赤い長靴を貰ったり。 そして、グレッグと一緒に……]
……………。
[街に響く鐘の音を拾ったか、黒い耳がぴくりと振れた。]
ぅ、にゃ……。
[昨夜の名残をまだ色濃く残したまま、気怠げに瞼をひらいたのは、そのすぐ後くらい。]
グレッグ……。
(137) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[はたして、今が”朝”と呼んでいい時間なのかは分からないが]
……おはよ、グレッグ……。
[まずは、目覚めのキスをねだる。
シーシャの聲>>*10が届いたのは、それから程なくのことか。]
(138) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[寝惚け眼がぱちりと開き、耳と尻尾がしゃんと伸びる。]
(140) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[長いキスが終わると、じっと、グレッグに真剣な眼差しを向けた。]
グレッグ……おれ。
ボスに……シーシャに、会ってきたい。 おまえと一緒に行くんだって、ちゃんと、会って伝えて……。
それから、他にも沢山、言わなきゃいけないこと、あるから。
(141) nordwolf 2014/11/02(Sun) 01時半頃
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[契約が解けたらどうなるのか。 最低限分かっているのは、もう自由に魔界へ行けなくなること。 昼間は人の姿になれず、魔力も殆ど無くなってしまうこと。 ほかは……多分、悪魔次第。]
うん。
おれ必ず、グレッグのところに帰ってくる。 約束だ。
[>>142けじめをつけに向かう為、強く合わさっていた視線を切る。 あとは振り向くことも止まることもなく、部屋を出て、シーシャのもとへ走り出した。*]
(143) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時頃
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─ どこかの屋根の上 ─
[”まだ”契約の切られていない今は、人々の目を盗んで、屋根から屋根に飛び移ってゆくことも容易い。
その間、眼下に広がる街並みに、何度足を止めたろう。 また、ここに戻ってこられることもあるのだろうか。 その時、この街はどんな風景を見せてくれるのだろうか。 それとも………]
あっ。
[露蝶の店も見えた。 街を離れる前に、もう一度、月餅が食べたい。 グレッグのところへ帰ったら、寄れるかどうか頼んでみよう。]
(144) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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───あ、ボス。
[そして、行く先の屋根のひとつに、悪魔の姿を見つければ、一際大きく屋根を蹴り、黒い翼でふわりと身を浮かび上がらせ、ゆっくり、畏まるように、悪魔の元へ舞い降りた。]
(145) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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……はい。
[悪魔の前に跪き、契約解除の言を、厳かに受け止める。]
おれはこの先、グレッグと一緒に、生きたい。 ……です。
[目前に現された黒い箱は、ずっとずっと以前、一度だけ見た記憶がある。 けれどそれが何なのかは、はっきりと覚えている。
顔の前で、シーシャの人差し指が揺れる。]
(149) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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ありがとう、ボス。
41年間、おれ、とっても楽しかったよ。 おれ、ボスのこと、忘れないから。
[想いを伝え終えると、深く頭を下げたまま、金色の瞳を閉ざした。]
(150) nordwolf 2014/11/02(Sun) 02時半頃
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うん、わかったよ、ボス。
[>>151それが、ボスからの最後の命令ならば。
きちんと守ると伝えるように、指先に撫でられた黒い耳がぴくりと揺れた。
そこで一旦、意識は途切れ…………]
(181) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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……ミァ?
[カボチャバケツの中に入れられた、体毛の湿った小さな黒猫は、不思議そうに悪魔を見上げて首を傾げた。
最後の命令の通りか、使い魔として、シーシャの傍にいた時の記憶は、完全に消え落ちている。]
(182) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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─ ホテルの一室 ─
[トカゲ急便に運ばれながら、小さな黒猫は、タオルに包まりウトウトと眠りにおちていた。 なんの夢だかは分からない、けれど、きっと楽しい夢を見ていた。]
…………?
[誰かに、呼ばれたような気がした。 誰だかは分からないけど、とてもとても、大好きな声だった。
金眼をぱちりと開くと、かさこそと身動いで、バケツの縁から顔を覗かす。]
(183) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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ミー……。
[明るい鳴き声とともに、小さな耳を動かすと、触れた鈴が、よく似た明るい音を鳴らした。*]
(184) nordwolf 2014/11/02(Sun) 17時半頃
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─ 海の見える街 ─
[黒猫は、今日も窓辺で海を眺めていた。 船が見えると、長い黒尾をゆらゆら揺らし、汽笛が響くと、尖った耳をぴくんと立てた。
あの日から、黒猫はちょっと大きくなった。 けれど変わらず、悪戯好きで甘えん坊で、猫のくせに中華菓子が大好きだった。]
……ミャ!
[そして、聞き慣れた足音が聞こえてくると、いつも一目散に扉の前まで迎えに出た。]
ミャーオ、ミャーオ!
[ぱりぱりと、いつもズボンの裾を引っ掻いては、抱っこをねだる。]
(197) nordwolf 2014/11/02(Sun) 21時半頃
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[黒猫の背中には、ちょっとだけ、他より長い毛が生えていた。 黒に混ざった黒が、なんとなく浮かび上がるのは、グレッグのもとで更に二十年近くが過ぎた頃。 その頃には、先代「ミー」は、もうこの世にはいなかったろうか。]
ミーャ。
[大切にされていた黒猫は、足腰こそ弱ったが、毛艶も爪も、とても綺麗なままだった。 けれど、その背中の毛の一部に、ちらほらと白いものが混ざりはじめた。
何かに似た白い毛は、年々、少しずつ増えていった。]
(198) nordwolf 2014/11/02(Sun) 21時半頃
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─ 2X年目の春 ─
[窓から差し込む柔らかな日差しを浴びながら、黒猫は、いつものようにカボチャバケツの中で眠っていた。 中に敷かれているタオルはもうボロボロだし、取っ手のリボンは色褪せている。 錆びた鈴は、もう何年も前から音色を無くしていたけれど、それでもまだバケツに結ばれたままだった。]
…………。
[いつの頃からだろう。 黒猫が、日々の大半を眠って過ごすようになったのは。 何か夢を見ているのか時折、耳や尻尾がぴくりと揺れた。
そして。 どんなに深く眠っていても、大好きな足音が近付いてくると、ゆらりと金色の瞳を開いた。 もう、駆け寄って飛びつくほどの体力はないけれど。 ゆっくりと歩み寄っては、ぱりぱりとズボンの裾に爪を立てた。]
(208) nordwolf 2014/11/02(Sun) 22時頃
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