276 ─五月、薔薇の木の下で。
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……へぐしっ。
[しばらく、変わらない月を眺めていたが。 気だるさに負けて寝そべって、何も羽織らずにいなかったせいで夜風に冷えた。]
寒い……
[むくりと体を起こすと、名残惜しそうに手を離す。 ケヴィンは眠っているようだ。疲れたのだろうか。]
……先輩、外で寝てると風邪引きますよ。
[服を整えながらケヴィンに声をかけたが、体を揺さぶってもなかなか起きない。仕方ないなと、乱れた服を苦労して着せている。万が一見られたら大変だし、お腹が冷える。]
(12) 2018/05/23(Wed) 00時半頃
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毛布……予備、どこにあったかな。
[疲れからの眠りだと予想しているので、普通のそれとは違うとはまだ気付かない。運ぶのは無理そうな体格差なので、とりあえず毛布持ってこようかと考える。
仮の毛布として、自分の上着をケヴィンにかけて、薔薇の木の下から抜け出した。
よたよたと、覚束ないながら歩き出す。 足がもたつく理由には赤面するも、今は毛布、と自分を叱咤。
内に燻る赤色は、先ほど甘美さを与えられたおかげか、今はまだ鳴りを潜めていて。]
(14) 2018/05/23(Wed) 01時頃
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ヴェルツ先輩……と、ピスティオ?
[中庭を歩いていくと、先の所の一人が二人に増えている。
声はやや、かすれ気味だったか。*]
(16) 2018/05/23(Wed) 01時頃
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ロビンは、イアンの書類作りには定評があると思っている。
2018/05/23(Wed) 08時半頃
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ケヴィン先輩?
……疲れたのか、眠ってしまわれ、て
[若干の間があったのは、その名前でさっきまでの行為を思い出して羞恥を覚えたから。しかし、ピスティオの顔を見た途端、言葉は途中で切れた。>>32
──キスしたい。
そんな衝動が浮かんでしまったことに、ぎくりと肩を竦めて。]
……い、
(33) 2018/05/23(Wed) 09時半頃
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今の僕に、あまり近づくな…… お前を、傷つけるかもしれない……
[どこの厨二病患者だ、とつっこまれそうなことを呟き、顔を逸らした。
ほんのりと頬が赤い。 薔薇の匂いは、周囲の花に紛れているが、本物の花からだけではなく。**]
(34) 2018/05/23(Wed) 09時半頃
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話、かな。色々。
[さらりと答えた。>>43 何をしていたのかは薔薇の下の秘密だ。
だけど、伸ばされる手に冷静さは崩れて。>>45]
こ、ばっ……!
[この馬鹿、と言いたかった。 薔薇の香が、ふわりと流れる。]
(47) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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あ……
[皆が眠る。>>39 その意味は、薔薇に囚われた者にとっては本来とは違う意味に取れた。
甘い香が囁く。 口づけて、舌を絡ませ、眠らせてしまえと。
でも、口づければそれで終わる気がしない。 それだけじゃ、全然足りない。
こちらからも手を伸ばして、 伸ばされた手を掴んで体を引き寄せ──]
(48) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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ゴッ
[ピスティオの額に自分の額を突き合わせた。 目から火花が出そうだった。]
いっ……
いた………
[頭を押さえてうずくまり。 ぜえはあ、と肩で息をする。 痛かったが、薔薇の香がちょっとは紛れた気がした。*]
(49) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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お前……
[バカロビン、にはじとっとした目になるが、正気を失っていたので不問とする。>>58
問いかけには、少し間を置いて。>>59]
いや。 薔薇引っこ抜いても、終わらないって。 そう、言っていたから。
だから、やめとけ、っていう。
[ピスティオを見つめて。]
(71) 2018/05/23(Wed) 22時半頃
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眠り……寝てみるか……試しに。 ……睡眠薬?体を弱らせる? いっそ壁に頭ぶつけようか僕……
[確実な方法の一つにわざと触れずにいたが、物は試しという。
そんなときだった、不穏を知らせる「声」が聞こえたのは。]
(73) 2018/05/23(Wed) 22時半頃
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……あんまり必死だったから。 ヴェルツ先輩じゃない。 他の人だけど、必死に訴えてたんだ。 それと……先輩方の人柄かな。 それなりに、一緒に生活してきたろ。
大体、原因取り除いたってそれが逆に作用したらどうする? たとえば、家の土台が悪いとわかったけど、かといって引っこ抜いたら崩れる……みたいなさ。
[そう、答えたけど。表情は段々と焦るものになり。>>77>>78]
……ピスティオ、ちょっと来て。 オスカー先輩がやばいみたい、なんだ。
[自殺するかも、なんて聞かされた日には。]
(81) 2018/05/23(Wed) 23時頃
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ロビンは、イアンのことも心配であり。
2018/05/23(Wed) 23時頃
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じゃあイアン先輩と話してみればいいだろっ! 人間は会話できるだろ!
他の人にも相談しろ、引っこ抜くのは最終手段にしとけ、この暴走機関車!
[珍しく焦りまくり、うっかりと訴えた人の名前を滑らせた。>>84 こんなに声を荒げたのはいつぶりか。]
ああそう、僕エスパーになったんだよなぜか知らんけど! うだうだ言ってたらもう絵のモデルになんないからな!
[まくし立て……]
(88) 2018/05/23(Wed) 23時頃
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…………。
[そして事態が治まったことを赤い香の声で知る。]
…………。
[気まずい気分だけど、結果オーライだ。 でも、どうしようか、固まっている。]
(90) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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……はあ。
[ため息をついた。 あっさりと手放される、友人との繋がり。 胸に重いものが沈む。
……何度も描いてくれたこと、本当は、かなり嬉しかったんだと、自覚して、
──やっぱり自分は、友人との距離感が下手で。]
(100) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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……もういいや。
[感情の乗らない声。
去るピスティオの手を取って。そこに唇を落とそうと。 暴れられてもいい、どこでもいいからと口づける。
薔薇の毒は、呪われた者の唇が触れた肌から感染する。 相手の唇だけは避けた。]
(101) 2018/05/23(Wed) 23時半頃
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[手を離せば、するりと抜けていく。]
…………。
[何も言わず、背を向けた。]
(108) 2018/05/24(Thu) 00時頃
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