105 Ww―Chu・Ni/Subjection―wW
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― 道端 ―
雨、降るか……。
[空を見上げて、小さく溜息を零す。 まっすぐ家に帰るには少し遅い時間だが、 まだ少年は帰宅していなかった。
携帯電話は、鳴っていない]
……まだ、別に良いよな。
[帰らなくても。 少なくとも、自分から日のある内に帰る気はしない。 そう思いながら、習慣のようにメール画面を開いた]
いつも思ってたんだけどさ。 天国のドメインって、絶対“jp”じゃないよな。 そうだよな、日本にある天国とかありえないし。
(2) 2012/11/06(Tue) 02時半頃
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[いつものアドレスに、少しだけ手を加える。 そうして然して期待せずに――いや、心の底では 期待していたのだが――送信ボタンを押す。
だが、いつもの着信音は流れなかった]
……接触障害か?
[いつもなら即座に折り返し、 宛先のアドレスが存在しない事を告げるメールが 返送されて来るのだが。
どのくらいの時間だろう、しばらく携帯の ディスプレイを凝視しているとぽたりと、雫がかかった]
はは、何期待してんだよ、俺。
[そう自嘲の声を漏らした、その時]
(3) 2012/11/06(Tue) 02時半頃
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― 着信 ―
grant_your_desire@lost_heaven.ne.hv
(4) 2012/11/06(Tue) 02時半頃
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……マジ、……――?
[思わず、そう呟いて*いた*]
(5) 2012/11/06(Tue) 02時半頃
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― 翌日・登校中 ―
[その日の登校は、携帯電話とお友達だった。 自然、歩みはゆっくりになる。 指が何度か動いては、clearボタンを連打する]
嗚呼、くっそ、何書きゃ良いのか思い着かねーし。
[がしがし、と後頭部を書く。 深く息を吐いて、一旦携帯を閉じた]
(16) 2012/11/06(Tue) 20時半頃
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……悩んでないで何かやってみるか。
[悩んだ結果試したものが空振りでは滑稽だ。 ぱちりともう一度携帯を開くと文章を打ち始めた]
何か当たり障りなさそうで、 効果がはっきり確かめられそうな事。
[周囲を見渡す。 目の前を黒い子猫が横切って行った。 その行く先は赤信号の道路]
あ……。
[目の前で、子猫の小さな体が走ってきた車の バンパーに弾き飛ばされて哀れな断末魔が響いた]
(19) 2012/11/06(Tue) 21時頃
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[弾き飛ばされた子猫の方へ、駆け寄る]
ぅ、わ……。
[ぴくりとも動かない。 黒い体は明らかにあらぬ方へと歪んでいた。 まだ暖かいそれに触れると、呼吸はなく。 指先に赤い血がべとりと付着する]
まて、よ。
[開いたままの携帯に、文章を打ち込んでいく]
(20) 2012/11/06(Tue) 21時頃
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― メール送信 ―
宛先:grant_your_desire@lost_heaven.ne.hv
本文:
この黒猫の怪我を治してくれ。 今、すぐに。 俺の目の前で。
(21) 2012/11/06(Tue) 21時頃
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シメオンは、送信ボタンを押し、しばし固唾を呑んで子猫を見守っていた。
2012/11/06(Tue) 21時頃
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[目の前で、眠りから覚めるように子猫が イエローアンバーの眼を開いた]
……お、まえ。
[恐る恐る、手を差し出す。 先程の体の歪みはもう、そこにはなかった]
『ニャァ――』
(24) 2012/11/06(Tue) 21時頃
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マジ、かよ……マジでかよ……。
[子猫がとことこと寄ってきて左手を、舐めた]
ぃ、て……っ……。
[不意に、左手に痛みが走る。 じわりと、包帯に微かな紅が滲んでいた。 俄かに眼を見開く]
何で今更。 開くような傷じゃ、……。
[なかったはずなのに。 血の滲む包帯が巻かれた手の中で、着信音が鳴った]
(25) 2012/11/06(Tue) 21時半頃
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― 着信メール ―
差出人:grant_your_desire@lost_heaven.ne.hv
本文:
Your desire granted.
(26) 2012/11/06(Tue) 21時半頃
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なるほど、ね……。
[ハァ、と息を吐いて額を抑える]
よく解んねぇけど。 リスクのないリターンってわけじゃない、って事だな。
[傷を開く事で誰に何のメリットがあるのか知らないが。 いや、抑止力という事だろうか]
濫用は、避けろっていう事かね。
[立ち上がる。 誰か見ていた者はいないか辺りを見渡し、 そそくさとその場から立ち去ろうとしたが]
(27) 2012/11/06(Tue) 21時半頃
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『ニャゥン』
追いて来んなって、おい。
[追い払えど追い払えど、子猫が後を着いて来る。 こちらが速足になれば子猫も速足に]
来んなってば……! 学校に猫は駄目だっつーの。 お前に使う願い事はもうないんだよっ。
[校門の脇の路地で、子猫と睨み合いになってしまった]
(30) 2012/11/06(Tue) 21時半頃
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[子猫にしー、しー、とジェスチャーをしながら、 登校中の生徒達に気付かれやしないかと ちらちらと視線を上げていたら]
あ……高崎センパイ。
[しっかり目が合ってしまったような気がした]
ど、ども……。
[何か、違和感を感じながら。 >>31背後に隠れた姿は此処からは見えたかどうか]
(36) 2012/11/06(Tue) 22時頃
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シメオンは、少しだけ不思議そうに、目を擦った。
2012/11/06(Tue) 22時頃
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[センパイ、その呼び方覚えてたんですね、 とツッコミを入れる前に小さな“何か”に気を取られる。 学生服とは結びつかないこの薄青は何だろう? と思って目を瞬かせる。 そうして、子猫の事に気付かれてしまうと まいったなという表情で頬を掻いた]
ええ、何か懐かれちゃったみたいで。 ずっと着いて来るんですよ……。 学校の中まで着いて来られちゃ困るし。
……って、センパイ、それ……――。
[今度こそ、ミニチュアのような大きさの 人型を認めて恐る恐る彼の首元を指差した]
(38) 2012/11/06(Tue) 22時頃
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[昨日、彼の首元を吹き抜けていった風を思い起こす]
どうしよう。 ねえ、センパイ。 何か、俺も見えるようになっちゃったみたい。
[昨日から妖精がそこにいたと言われれば、 今ならば信じてしまいそうな気がする。 何せ、昨夜から今朝にかけて変な事続きだったから。 昨夜を境に自分が“あちら側”の人間に なってしまったと言われても、信じそうだ]
(41) 2012/11/06(Tue) 22時頃
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あ、どうも……。
[止まった自転車の生徒は上級生らしい。 転校したてで生徒会員だとは露知らず]
高崎センパイのお知り合いですか。 えーと、こいつは……。
拾ったわけじゃ、ないんですけど。 実はですね……今日、こいつが車に跳ねられそうになってて。 それを助けた、って言うんでしょうかね。 ちょっとばかし説明し難いんですけど。
……で、どうやって引っぺがすか困ってたんです。 教室まで着いて来られたらまずいし。
(44) 2012/11/06(Tue) 22時頃
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[自転車の上級生は安藤というらしい。 >>45、向けられた笑みに少年もまたはは、と額に手を当て]
なるほど、“俺も”そっちの世界の仲間入り。 って事ですか。
じゃあ、俺の“オトモダチ”はこいつって事ですかね。
[子猫を示して、そう言う。 >>42、聞き覚えのある声が聞こえると]
嗚呼、田原さん……おはよー、ございます。 何かあったというか、何と言うか。
[かくかくしかじか、猫が着いて来て困っているのだと 簡潔に>>44の旨を説明する]
(47) 2012/11/06(Tue) 22時半頃
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[だるい、と答える田原に気遣いの視線を投げる]
この季節、風邪の予兆かもしれないから 油断は禁物っすよ?
[妖精が見える様子の安藤に、 一瞬視線を留めたように見える田原。 また、片方だけの眼が丸くなる。 が、田原が妖精よりも子猫の方に気を向けたのに、 思い違いかと小さく首を振った]
猫は黒猫で、普通の野良猫……だけど。
[“奴ら”>>50って? 思考処理速度が追い着かなくなってきていた]
(52) 2012/11/06(Tue) 22時半頃
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そうなんだ、じゃあ高崎センパイも最近なんだ?
[日が浅いというのにはふぅん、と首を傾げ。 子猫を抱き上げて、田原へと差し出す。 抱き上げている分には大人しく逃げる気配もない]
野良の癖に随分慣れてんなぁ、お前。
[妖精の声が聞こえると、視線がそちらへ釘付けになった]
……何か、大変そう、っすね。
[妖精というのはこう、ひらりふわり優雅に 飛ぶものではないかとテンプレの妖精像を思い浮かべる]
(56) 2012/11/06(Tue) 23時頃
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……もしかして、田原さんも“見えて”んの? てか、やっぱこういうとこでも冷静なのね。
[>>57の呟きを耳が拾う。 ちら、と周囲を見渡す。 遠巻きに生徒達がひそひそとこちらを奇異な目で 見はするものの妖精に気付いたという風ではない。
注目を集めているのは主に挙動不審状態の 高崎なのだろうが、見える見えないという話を している自分達もひっくるめて“変な人”だった]
(60) 2012/11/06(Tue) 23時頃
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最近、ねぇ。
[ふむ、と少し思案する]
……立て続けにこういうのが“見える”人が 増えるっていうのはどういう事なんでしょうね。
[有り触れた物語ならばこれはフラグである]
何かが起こる予兆……、とか?
(64) 2012/11/06(Tue) 23時頃
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校門を?
[>>67>>68の言葉には小さく首を傾げた。 安藤の言っている単語は概ね意味は理解できたが]
ふぅん、此処ってそういう場所なんですね。 にしても。
[ポケットの中の携帯を握る]
不可思議は節操なく起こるかもしれませんね。 理屈云々で解決できるものでなしに。 そもそも、俺達にこの手のものが“見える”事から まず説明がつきませんからね。
[そうして、校内の方からやってきた飛鳥>>69に]
おはよ、飛鳥さん。 ……猫耳?
(77) 2012/11/07(Wed) 00時頃
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[子猫を連れてきた事が学内に広まりつつあるとは知らず、 まさか未来予知でもしたのかと一瞬身構えた]
何処から出てきたの、猫耳って。 猫ならいるけど。
[と、田原の腕の中にいる子猫を見やる。 その時、一瞬赤い光が見えた気がして目を細めた]
何か、登校する前にどっと疲れた気がする。 ていうか、いきなり何か色々変な事が起きて 何が何やら、って感じ。
まあ……何もなければ良いんだけど。
[何かあってもどうにかできるし、と内心で付け加える]
(79) 2012/11/07(Wed) 00時頃
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[そうして、飛鳥もまた妖精に気付いた事を知る]
……何なんだ、これ。 類は友を呼ぶ……? 今いるだけで5人も……いや、5人しか、って言うべき?
俺達が特殊なのか、周りが変なのか。 段々、解らなくなってきた……。
[更に、飛鳥の目が昨日と違う事に目を留める]
飛鳥さんも、何か、雰囲気変わった……?
(83) 2012/11/07(Wed) 00時半頃
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いや、猫耳付けてくる方がないでしょ。
[と>>82にツッコミを入れた。
が、さらりと続いた>>85と>>86の様子に硬直した]
(87) 2012/11/07(Wed) 00時半頃
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シメオンは、イアンの連れている妖精を心配そうに覗き込んだ。
2012/11/07(Wed) 00時半頃
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やっぱり、そういうモンですかね。
[一所に集まる事に意味がある。 うむ、漫画や映画の登場人物だって自然に集まるものだ]
だとすれば、このガッコ、いよいよもって何かありますね。 高等部だけでこれだけの特異者が現れておいて、 何もないだなんて方が有り得ないでしょうね。
セオリー通りなら、俺達がまず何か異変に 直面する事になるんでしょうけど。
(91) 2012/11/07(Wed) 00時半頃
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シメオンは、ラルフ>>90の最後の言葉にもツッコミを入れるべきかと悶々と頭を抱えた。
2012/11/07(Wed) 00時半頃
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[天使 vs(?) 妖精のやり取りを聞きながら]
強すぎる光は人を畏れさせる事もある、か。
[しかし、元の調子に戻った飛鳥の口から出た言葉に]
いや、ちょっと待って飛鳥さん。 猫耳付けて学校来たら即座に変人扱いでしょ! というか、何でその主張そんなに力強いの。
[畳み掛けるような口撃に両手と首を振り、 じりじりと逃げるように校内へとすり足で。
このどさくさで子猫も自分を追いかけるのを 忘れてくれたら良いな、とか何とか思いながら]
(94) 2012/11/07(Wed) 01時頃
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田原さん、ナイス!
[猫耳がないという的確な呟きに最大の賛辞を送った]
(98) 2012/11/07(Wed) 01時頃
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[外しておいた方が良い、という安藤の言葉にも頷きつつ]
……というわけで、猫耳はやっぱり無理だよ、飛鳥さん。 そうだな……強いて言うなら。
来年の文化祭の催しで猫耳喫茶でも提案するしか ないんじゃないかな。
[来年同じクラスになるかどうかは、解らない。 一先ず猫耳は免れたようでほっと一息*吐いた*]
(101) 2012/11/07(Wed) 01時頃
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