人狼議事


194 花籠遊里

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視点:


ヴェスパタイン5人が投票した。
ヘクター1人が投票した。

ヴェスパタインは村人の手により処刑された。


時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?


全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!


天のお告げ (村建て人)

毎夜、毎宵、催される優美な宴。

花は咲き、
蝶は舞い、

月は輝き、
魚は踊り、
鏡は煌き、
焔は揺れ、
樹は唄い、

陽は傾き、
虹は瞬き、
煙は運び、
羽は渡り、

今日もまた変わらず朝が来る。

(#0) 2014/09/23(Tue) 02時頃


天のお告げ (村建て人)

蝶が減り、花が減り。
そしてまた花は増え、蝶もやってくる。

悲劇と喜劇の繰り返す如く。
朝と夜の繰り返す如く。

宵がやってくればまた
新たな花と新たな蝶は

閉じ込められた、籠の中。

(#1) 2014/09/23(Tue) 02時頃


天のお告げ (村建て人)

蒸気、煙突、窪んだ煉瓦。
じわりと淀んだ空気の滲む、息を潜めた霧の街。

月暈、馬車、蝶々の羽音。
闇の帳のそのまた向こう、誘われたのか偶々か。

…―――離れいくのは運命か。

(#2) 2014/09/23(Tue) 02時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

おうや、おうや、イラッシャイ。

夜に潜む享楽の園、花籠遊里とは此処の事。
刹那の夢と、切なの蜜を、味わう為の暗い場所。

襤褸の花々の掻き集め。
屑の蝶々の羽休め。

現心に格子を見上げ。

(0) あんび 2014/09/23(Tue) 02時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
 
         ───さあさ、夢からオカエリなさい。
 
 
 

(1) あんび 2014/09/23(Tue) 02時頃

天のお告げ (村建て人)

男は唄でも歌うかのように別れを告げた。
そしてまた揺り椅子へと向かい、新たな花が芽吹くのを待つ。


「嗚呼、聞こえる。 やつの足音が聞こえる……。」


そう言っては、この館にまた   を招き入れるのだ―――

(#3) 2014/09/23(Tue) 02時頃


天のお告げ (村建て人)

――― 花籠遊里 ―――

::: cast :::

Nanashi --- あんび

藤之助 --- sinonome
亀吉 --- minamiki
櫻子 --- anbito
丁助 --- lalan
朧 --- オレット

Sheesha May --- tyugakusei
Trail=Pettinger --- grampus
Hector Étoiles d'argent --- momoten
Nicholas Belle --- mikenek
(Franck) ---

(#4) 2014/09/23(Tue) 02時半頃


天のお告げ (村建て人)






                                       --- and you *
 

(#5) 2014/09/23(Tue) 02時半頃


【人】 墓荒らし ヘクター

― 帰国 ―

[結局、彼の涙を見ずに羅針盤代わりの徽章を置いて国を出た。
彼是残してきてしまった気がするが、所詮、花街の一時の夢。

その癖、夢から抜け出て、現実になることを待っている。
中々皮肉にして滑稽なこと。

しかし、逃げたのではない。
夢から覚めたのだと思う。

花籠で死にゆく櫻に、お前は花では無いと告げるためか。
墓守を廃業せよと申し付けるためか。

彼が花籠に納まっていた経緯を詳しくは知らないが、
余り褒める事のできぬ親御だったのだろう。
だが、己は見ず知らずの女に感謝をしている節がある。

彼を根を蔓延らせる樹でなく、
二本の足を持つ人に生んでくれたこと。]

(2) momoten 2014/09/23(Tue) 21時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


[多くの男が彼の傍を過ぎて行ったように、
同じ事をして見せた男は、夢の覚めた先で彼を待っていた。

面倒で、甘からず、泣かない櫻の子を。*]

(3) momoten 2014/09/23(Tue) 21時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 某国大使館 ―

 『―――まさか、
  徽章一つであれほど雷が落ちるとは思わなかったな。』

[呟いた言葉は祖国の言葉、母国の言葉。
花街で覚えた異邦の言葉と違って、語尾も揺れない。
だが、露骨な辟易を滲ませ、広い執務机に向かう男が一人。

エクトゥール・エトワル・ダルジャン参事官。
若くしてキャリアの道を進む新星。
花街を過ごす夜と一線を画する悪辣なる男。

ひらひらと花の合間を飛ぶ蝶でなく、本来海を跨ぐ人。
男の勤めは昼と夜とで表裏如く異なり、二面の顔を持つ。
そんな男が億劫そうな声を上げ、綴っているのは始末書である。]

(4) momoten 2014/09/23(Tue) 21時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[地位を示し、国権たる徽章を失くしたと告げれば、大使の呆然を買った。何処にやったと問われ、花に貸したと答えたら、きつく灸を饐えられた。

金で出来た徽章では在るが、そのものの価値よりも宿る意味が大きい。他国の花街で換金され地下に流れるなど、許せぬことだったのだろう。ご丁寧なことに、アレには個々の――即ち、己の名も刻まれている。

しかし、己は始末書を書きながら何処か楽観していた。
あの櫻が一時の銭金の為に、自身の預けた徽章を売り払うとはこれっぽっちも考えては居なかった。
それは余りにも櫻を侮りすぎている。

きっと彼のプライドが許さない。]

 『……さて、俺も働かねばな。
  あいつばかりに、賭させるのでは廃ると言うものか。』

[独り言を呟いて、書き上げた始末書を机に放り、
代わりにレターセットへと手を伸ばした。*]

(5) momoten 2014/09/23(Tue) 21時頃

【人】 許婚 ニコラス

ー数ヵ月後ー

[僕は白のタキシードに身を包んでいた。

手を取る相手も純白のウェディングドレスを身に纏っていて。周りからは花と祝いの言葉が降り注いでいた。

にっこりと笑ってみせる僕の姿はいかにも
『しあわせ』そうだったろう。

けれども二人の式に参列した誰もが本当は知っている。
花嫁は没落しかけていた由緒正しい旧家の令嬢で、姓を売ることで家を持ち直したのだと。
花婿の親の成金は財産の次は地位を欲し、家柄を金で買ったのだと。

格のあるこの家と婚姻関係になるからと商売を贔屓し援助してくれる人間もたくさんいて、それで僕の家の商売は更に大きくなった。

もうどうあっても逃れ得ないのだ。

身を包む純白は陰惨な暗い地下牢でそうであったのと同じように、囚われ人であることの確かな証であった。]

(6) mikenek 2014/09/23(Tue) 21時半頃

村の更新日が延長されました。


村の更新日が延長されました。


【人】 許婚 ニコラス

ーさらにそのまた後ー

[巷ではある一冊の恋愛小説が出版され人気を博していた。様々な語に訳され隣国でも評判らしい。

主人公は遊郭で生まれ育った遊女で、ありとあらゆる不幸を体験した後に想い人と無事添い遂げて終わる幸福な物語。

作者曰く、最初は悲劇にしようと思っていたのだけれど気が変わったのだとか。

そんな作者の名前はNicholas Belle。
ペンネームでなら旧姓が使えるだなんて言ってたそうな。]

(7) mikenek 2014/09/23(Tue) 22時頃

【人】 看板娘 櫻子

── 一輪の『花』の終わり ──

[東雲は宵闇の髪をゆらりと揺らし、最後の刻を伝えにやって参りました。
 今日舞う紙吹雪は、何時もよりも多い気が致します>>4:85

 そして口に出されるでしょう。


 「櫻の季節は終わったよ。」


 ───と。]

(8) anbito 2014/09/23(Tue) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

[昨夜がなければ、花主さまの足元に縋り付いていた事でしょう。
 そんなかみなんていらないから、此処にずっと置いてくださいと
 願い乞うたかもしれません。

 僕は『花』であり、『花』でしかなく。
 『花』として生きて、『花』として死ぬのだと。
 それが、僕を生んでくれたおかあさんの望みで
 僕に赦された『生きていくこと』だと、思っていたのです。


 喉に甘露のように流し込まれた『毒』>>4:118
 奪うでも交わるでもない、接吻けに溶かされたもの>>4:119


 一度芽吹いた呪詛の芽が、秋の花を咲かせようと
 ゆっくりゆっくりと、育っていきました。]

(9) anbito 2014/09/23(Tue) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 …───お世話になりました。

[『花(ぼく)』は終わりを迎えました。

 撒き散らされた紙幣を一枚一枚と集め
 裏に刻まれた読めぬ文字を大切に抱きしめて

 深々と、射干玉の髪を床につけ。
 花籠の主が消えるまで、頭を下げていたのでございます*]

(10) anbito 2014/09/23(Tue) 23時頃

【人】 営利政府 トレイル

― 何処かの町にて ―

 ねェ、亀吉。

[夕暮れ時。窓から踊るは汐風混じりの生温いもの。
秋を知らせに蟋蟀は鳴き、小さく見える蒼い海のその先は、夕闇に徐々に侵食されて行く。

籠から抜け、歩を惑わせ、籠に戻り掛けた二人は何の縁か優美な花の――否、人感情を持った人の手引により咲く籠から脚を出し。
そうして二人、逃避行を続けていたのならば、何時の日か見えぬ影に怯える事にさえ慣れ、「共に死ねるならどんな形でも」、なんて楽観視すら携えちいさな町へ腰を据えることもあっただろうか。

そうして紺瑠璃に捉えるは淡藤。揺蕩う髪先はゆらりと夕陽に仄かに煌き、そうして今日も綺麗に咲く月。綺麗な銀月。
少しだけ揶揄うように、然し月に微睡み甘える様に、その肩に擦り寄ったならば。彼はどんな表情を浮かべただろうか。]

(11) grampus 2014/09/24(Wed) 00時頃

【人】 営利政府 トレイル


 キミ、…何だっけ、アレ。
 白くて綺麗な服を着る気はないかい。

[その肩口に頭を預け。ただ紡いだ。そろそろ蟋蟀に混じって腹の虫も鳴く頃だろうか。然し二人共に添えた為か、鼻孔につく彼の香の為か、ふやけた脳はぼんやりとぬるい思考を巡らす。

白い服と言えば、彼は地下牢の出来事を思い出気を悪くしてしまうだろうかと、気付いた事は言の葉を紡いだ後。
ふやけた脳はしんと静まり、冷えた芯がじわじわ冷水を滲ませて行く。]

 し、ろい服と言っても、あれだ。違う、もっと綺麗な…
 否キミの”あの姿”が綺麗でないと言ってるわけでは無くて、

 …――もっと別な、幸せの象徴と云うか。

[しどろもどろに曖昧に口を続けては殊更引っ張り出される悪飾りの言葉にら更に惑い。それでも其れを堂々と伝えるのは小っ恥ずかしくもむずかゆいと歯奥を噛み締め。

軈てはその肩口に、顔を埋めては八当たりを兼ねた手繋ぎでも、してみせたことだろう。]


(12) grampus 2014/09/24(Wed) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

── 一人の『櫻』の始まり ──

[朝陽が昇る頃にございます。
 僕はこの廓を出る前に、数人にご挨拶に向かいました。
 一人は霧雨の夜に泣いておられた朧月へ。
 最後になる挨拶と、頼み事をしに行ったのでございます。

 僕が『人』になることを聴けば
 彼はどんな顔をしたでしょう。
 寂しそうな面持ちであったと思うのは
 そう思って欲しいと、僕も寂しいからなのかも知れません。]

(13) anbito 2014/09/24(Wed) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[丁助さんにもお顔を見せたことでしょう。
 僕は僕の年季を終えて、『人』となるのだと知れば
 いつもの笑顔は、どんなふうに変わったでしょう。

 不器用な、丁助さん。
 あの日>>0:156>>0:157追いかけてきてくださった丁助さん。
 僕は訊けなかったことを訊こうとして。]

(14) anbito 2014/09/24(Wed) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[僕は彼にそっと告げました。
 丁助さんも、朧さんも。
 何も謂わず消えてしまった藤之助さんも。
 小さな梅の花を残していった亀吉さんも。

 此処にある『花』も
 此処にくる『蝶』も

 此処を統べる『主』も

 みんなのしあわせを、切に願って。
 花籠を後にしたのでございます*]

(15) anbito 2014/09/24(Wed) 00時半頃

【人】 懐刀 朧

―とある始まりの日―


 ………そうか。寂しく、なるな。


[向かい合った月は櫻………いや、射干玉色の青年をしばし見つめて微笑もうと努力する。>>13
しかしどうしても、寂しそうな色を沈める事は出来なかった。
……上手く隠せたとしても見抜かれていたのだろうが。

この『人』は本当に、僅かな物までも見抜けるものを持っていた。
それに助けられた事も少なくは無い。]

(16) オレット 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

─何処かの町にて─

[灼熱の桔梗が空を茜色に染める頃。
窓辺から囀る蟋蟀の音色。
夜を裂くような琴の旋律ではなくささやかなものなれど、趣の感じられる鈴の音に地平線の彼方に夢を見る。*]

(17) minamiki 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

─回想・花籠物語─

[何の因果だろうか。
扉の奥から漏れる光の先、伸ばされた手に掴まれる腕。
捉えられたまま腕を引くその人に連れられたのは籠の外。

意識はうつらうつらとしておりあまりはっきりと記憶には残っていない。

けれど、ぐるぐると同じ花道を辿る時。鼻腔を掠めた藤の香りに]

とうの、すけ…さん?

[紡ぐ音は途切れて揺れる。

草花を掻き分けるようにして進んだ道。
幾ばくか話をしただろうか。
沈黙を守っていただろうか。

やがて見えてきた物語の出口に、一先ず筆を置く*]

(18) minamiki 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

─何処かの町にて─

[綴るは下ろしたての新しい紙面。
夕焼けの空が凪いだ海に浮かんでは赤く赤く染めていく。

それはいつか鉢の中に泳ぐ水魚を染めた斜陽と同じ色合い。
異なるのは水面下に根を下ろした花は、何処かに留まることなく、ゆぅらゆぅら揺れては浮かぶ。

その身に触れるのは水草ではなく─…]

──…どうかしましたか、
…トレイル。

[翅を捥がれて落ちた人の名を、ぎこちない響きで紡いでいく。]

(19) minamiki 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

[口元に描くは弧。月だと喩えられていたものより幾分か緩み切ったものは緊張感の欠片で唯々好い人の髪を梳こうと指先を伸ばし─蟋蟀の鳴き声が止む]

しろ、…ですか?

[唐突に告げられた言葉に男は首を傾げてみせただろう。
言い淀む理由も分からず男はただ彼の挙動を見守り、やがて小さな吐息の後笑みを浮かべる]

……しあわせのかたち、ですか。

[何やら慌てた様子の彼とは裏腹に男は、目蓋を軽く閉じ──]

………今度、見に行きましょうか。

[“連れて行ってくれるでしょう?”もう幾度目かのお強請りを口する。

そして男は重なる手のひらから指を覗かせ相手の指へと、一本、二本と絡めていっただろう。]

(20) minamiki 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

…今宵も月は昇るのでしょうか。

[地平線に沈み行く夕陽を見ながら男は紡ぐ。
そして、やがては花籠に溢れていた花の貌を思い出しては]

……、

[“貴方は今幸せですか?”
聲にならない言葉を梔子に乗せて青年は堕ちる斜陽を眺めていた]

(21) minamiki 2014/09/24(Wed) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

──【『しあわせ』への一頁】──

[優しい朧月との別れ>>16
 確かな泡沫の泡をひとつ浮かべ>>*7
 美しい所作にて送られる言の葉に、僕が心からの笑みでお返しして。

 あれからどのくらいの月日がたったことでしょう。

 『外』を知らぬ花は、残されたたった一つの手がかりが
 海を越えた場所なのだと謂うことを知りました。
 本当にとてもとても、遠く。
 その遠い海を越えるのに、幾らかの時を要してしまったのでございます。]

(22) anbito 2014/09/24(Wed) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

[餞別代りにと残されたお金は、
 あの御方の残したものだと思うと、使うことが出来ませんでした。
 時が来るまで手をつけず保管しておりました。
 そのお金は今、封筒に入れて懐の内へとしまってあります。


 ───大切な、徽章(やくそく)と共に。


 海と空を織り交ぜたような着物に身を包み
 束ねぬ射干玉の髪をそよがせて

 僕は今、『約束の地』に辿り着いたのでありました。]

(23) anbito 2014/09/24(Wed) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 え、っと… あ、あの……

[やってきた場所は、それこそ世界さえ変わったかのようでありました。
 僕一人だけが物語から抜け出してきたような。
 或いは、僕一人だけが物語の中へと迷い込んだような。
 言葉もまるで違い、意思の疎通だって難しい。
 そんな場所で、それでも僕はあの御方だけを
 ひたすらに探しておりました。]

 この、この御方をどなたか知りませんか?

[徽章を見せては裏返し、徽章を見せては裏返し。
 読めぬそれがきっとあの方の名前なのだろうと信じては
 ただただ、歩き回っておりました。

 ふと、怖い顔をなさった方が僕の腕を掴みます。
 僕の痩躯で逃げ出すことなど出来もしません。
 ただなすがままに、僕は連れ去られてしまいました。]

(24) anbito 2014/09/24(Wed) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

── 隣国、留置所 ──

 ………───。

[木格子の折を抜けたはずであると謂うのに
 僕が連れてこられた場所は、鉄で出来た格子の中でありました。
 なにがどうなっているのかは判りません。
 ですから僕は、ただ檻の中で大人しく座っておりました。

 あの約束もまた、泡沫の『夢物語』だったのでしょうか。
 『花』でない僕には、逢うことさえ赦されないのでしょうか。


 ───たいせつな徽章(やくそく)も奪われてしまいました。


 返してくださいと、何度も縋りつきましたが
 聞き入れてなどくれませんでした。]

(25) anbito 2014/09/24(Wed) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 ───お逢い…、…したい…です。

[やがて大使館には警察からの連絡が入ることでしょう。

 「エクトゥール・エトワル・ダルジャン参事官の徽章が見つかった。
  どうやら異国の者に盗まれていたらしい。
  罪人を捕まえて留置所に拘束している。」

 …───と*]

(26) anbito 2014/09/24(Wed) 02時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

anbito 2014/09/24(Wed) 02時半頃


【人】 呉服問屋 藤之助

ーそしてとある満月の夜ー

[今日は満月、花見習いの禿が紫と自分を呼ぶ声がするも、自分が誰かと月を見るのを避けるのを知っている先輩娼はそれを制する
しかし今日は、いつもより少しだけ体調が良くて
空に掛かる月が泣きたくなる位に綺麗で
その月があの日、『藤』であった頃見たものによく似ていたから]

今日は私も、月を見ながら涼みましょうかね。

[そう、気紛れを起こしたのだ
すっかりあの頃に比べればみすぼらしくなった姿、立ち上がれば少しふら付きそうになるも、手摺りに手を置き一歩一歩と足を進め
街灯明かりが宵闇照らし、少しだけ月を見えづらくした縁側へと

そこに座れば先輩娼は珍しいと笑み零しながら隣へと誘う
座ればそうそう、と世間話を始めるのに相槌をうっていれば――]

(27) sinonome 2014/09/24(Wed) 02時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

["知っている?花籠の主の手足となった元花の話を"と
かつての鳥籠の名を聞けば少しだけ身体が揺れるも平生装い続きを促す
話を聞いていくうちに、元々病的に白くなっていた顔は蒼白になったろうか]

朧、どうして。

[呟く声は小さく。何故年季の明けたであろう彼が、この下町を彷徨い歩くのだろうと
揺れる瞳は動揺を隠しきれず、ふらふら幽鬼の様に表通りへと無意識に足は向く
そして丁度、娼館の出口へと。敷居を跨げば視界に翻るは紺色の羽織。煌びやかで派手な山吹色のものではない、鳶色の着物をまとった美しい月を見て

息を、飲んだ]

(28) sinonome 2014/09/24(Wed) 02時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

anbito 2014/09/24(Wed) 02時半頃


丁助は、櫻子に、ちょこれーとこすもすってたべられる?(よだれじゅる

lalan 2014/09/24(Wed) 16時頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[彼の手を取り、攫って仕舞った方が良かったのかもしれない。

案外、堪え性のない男がそんな風に考えたのは、
一度や二度では足りず、異国の秋はすっかりと深まっていた。
風は鼻頭を掠めて冷たく抜けて、季節は冬が間近まで迫る。

それでも、決して一時の気の迷いでなく、
あの臆病な彼に踏み出す一歩を強いたのは、
梢に留まった数多の蝶と別のものになる為だ。

彼に己の死体は埋めさせない。
残したたった一つの約束は遺品などではなかった。]

(29) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[花の都と名高い異国の街は霧の街と違う華やかさがあった。
気候が違うのか建築様式も何処か異なり、
大通りには賑やかな店が軒を連ねている。

鮮やかな彩の花がバケツ一杯に活けられて。
ショーウィンドウに宝石のようなチョコレートが飾られ。
二階建ての真っ赤なバスが行きかう籠の外の世界。

見るものすべてが彼を出迎えるのに、
海の向こうまで呼んだ張本人は、見当たらない。
逢いたくないと思う時は、顔を見せるのに、
彼が探し出すと見つからぬ不条理。]

(30) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[例え、国内と言えど、外交庁幹部の名前など早々知れ渡っているものではない。ただ、彼が行き交う人々に見せる徽章は誉れと和平の象徴。
金に輝く徽章を見せびらかして歩く彼が不審視されるまで、時はそう掛からなかった。

『これを何処で手に入れた』『異邦人か、何処からきた』
『何故、お前がこのような物を持っている』

警察が彼に浴びせる早口など、到底聞き分けられないものだ。
異邦人から徽章を毟り取り、出所怪しい身分証をジロジロと不躾に眺めた挙句、折角海まで渡ってきた彼の苦労を鑑みず、怒号と共に牢へと放り込んだ。

冷たい鉄製の檻の中、彼はまた幽閉の身の上に。
その上、此度は大層待遇が悪く、留置所の空気は淀んでいた。

彼の身分を改めた訳では無いが、花の都の警察は、九割九部九厘、彼を罪人であると見做したらしい。

花主が揃えたのだろう旅券は公的な検問を抜ける細工が仕掛けられていた。言葉も地理も、何もかも分からぬ彼が一人で異国の地を踏めるまでは采配してくれたようだ。

―――だが、その旅券が致命的なものとなった。]

(31) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 留置所 ―

[不法入国すれすれの渡海に、盗品の所持。
挙句、彼には盗品を使った強請りの疑惑までかけられている。

金目当てに高官に近づく輩など掃いて捨てるほどいるのだ。]

 『しかし、こんな美人が詐欺なんて世も末ですねぇ』
 『外見に騙されたんだろうナァ、牢を覗いたか?華のかんばせとはああいうことだぜ。』
 『刑務所に送られたら、さぞかし苦労するんでしょうなぁ』

[彼の牢を見張る凡夫達は、珍しい虜囚に興味津々で、
何処か下卑た色の滲む雑談を交わしている。
美しいものには目がないと謳われる国民性か、
華として人を惹き続ける生き方をしてきた彼に興味を持たぬはずがなかった。]

 『あれだけの上玉、掃き溜めに鶴だろうナァ』
 『……そうですよね、でも。どうせ、刑務所に行くのなら…』
 『………、』
 

(32) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼が憂いている傍で、ほんの少し空気が変わった。

じめじめとした牢獄が、不意に木格子の地下牢と重なる。
彼がそれを察するよりも早く、カシャン、と鍵が上がった。


   彼に希望を与える微かな音。
     直後、絶望を与える確かな光景。

         警官服に身を包んだ男が二人、
           好奇と僅かな欲に浮いた眼を持つ男が二人。]

(33) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼に危機感を与えるには十分な状況。
花として買われるのではなく、花として散らされようとする。

                        彼は生まれながらの花。

入り口を塞がれ、男達の腕が彼に伸びる。
彼に慰めを求めてきた腕では無い。
罪人を罰すると云う名目で、向かう折檻。

                       彼は苦難に咲く可憐な花。

抵抗など、屈強な男達二人に抑え込まれ、
手錠が細い手首を背中で戒めた。
粗末なベッドに投げ出された痩躯を押さえつける腕が重い。

金子の為でも、慰めの為でもなく、
 ただ、欲のために。彼は穢されようとしていた。]

(34) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[その事実が彼にどれ程の絶望を与えただろうか。
黴臭い枕に顔を押し付けられ、襟ぐりを引かれて背中が剥き出しになる。

荒い息遣いと、遠すぎる蝶の影。
海を越えて、蝶を追いかけ、しあわせを夢見て。

それなのに、待ち受けていたのがこんな結末だと、
三文小説すらも描かないような幕切れ。]

(35) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[ 花は所詮、花にしかなれぬのか。 



枕に閉ざされた視界と、這い寄る体温。

諦めて仕舞え、諦めて仕舞え。
所詮花は摘まれるもの。と、彼の幸せを拒む。]

(36) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター











[――――しかし、伸びてきた腕は何時まで経っても、
彼の白皙に触れることはなかった。

代わりにバタバタと騒々しい音が立ち回り、刹那落ちる沈黙。
次に彼に触れた指は仄かに温かい武骨な指だった。

彼にしてみれば、とうとう年貢の納め時かもしれない。
頬に触れた指先は、そのまま慰めるように緩く撫ぜ。

浅く、されど、確かに、安堵の呼気を吐き出した。*]

(37) momoten 2014/09/24(Wed) 21時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

― 宵闇の誘い ―

[櫻の枝が折れ。
まだ朧月は雲隠れ。
藤は風にしな垂れて。
魚は空へ泳ぐ頃。

――男は宵闇揺らし、一冊の本を捲る>>7]

下らない御伽噺だねえ。
こんな幸せ、あるとでも思うかい?

[慈悲もなく投げてよこす。
硬い表紙は地に伏せる。
焔燻る、花の足元へ。]

(38) あんび 2014/09/24(Wed) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

丁。
私のことが怖いかい?

“丁”
早く此処から抜け出したいかい?

“ちょう”
私を置いて、飛んでなどいかないでおくれ。

(39) あんび 2014/09/24(Wed) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[男の唇は歪な弧。
三日月の如く美しくもなく、
さりとて醜いと詰る事も出来ぬ、
朝でも昼でも夜でもない、宵闇。]

お前に善い話をしてやろう。

稼ぎが欲しいのなら、私が買い付けてやる。
誰よりも高く、誰よりも高くね。

その代わり、私を満足させてごらん?

(40) あんび 2014/09/24(Wed) 22時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
 
…―――その身を繋ぐ鎖を
私が買ってやろうと言っているんだ。



さあお選び。

その本のような御伽噺を夢見て、蝶に抱かれ続けるか?
数度の地獄で、鎖を断ち切るか?

決めるのはお前だよ。


[男は揺り籠に揺れながら、嗤う*]

(41) あんび 2014/09/24(Wed) 22時頃

【人】 看板娘 櫻子

[冷たい冷たい、牢の中でありました。
 それは秋風が冬を呼んできていたからでしょうか>>29
 それとも、わからぬ言葉の所為でしょうか>>31
 徽章は毟り取られ、何とか用意した旅券を何度も見られては
 苗字も何もない僕をあやふやにしか証明できない身分証を睨み
 加減もない乱暴なまま、放り込まれた所為でしょうか。

 外は、あんなにも華やかだったのです>>30
 鮮やかな色彩は、霧の街にはない色で
 僕が世話した中庭よりもずっと、ずっと輝いて見えました。
 硝子の向こうに、ちょこれーとだってあったのです。

 なのに、今はまた牢の中。
 花籠よりも淀み、寒い、鉄の格子の中で
 僕は小さくなっておりました。]

(42) anbito 2014/09/24(Wed) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

[逢いたくて、逢えなくて。
 逢えなくて、逢いたくて。

 薄櫻色の唇は言の葉を紡ごうとして───…

 カシャンと鳴る音は>>33
 『しあわせ』な幻想を見せるのです。]

(43) anbito 2014/09/24(Wed) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ───やっ、やだぁ!!  厭だっ!!!!!

[『今までしてきたこと』と何が違うのでしょう?
 僕が『花』であることと何が違うのでしょう?

 それは夢ではありません>>34

 ただ組み敷かれ、ただ腕に枷を嵌められ
 か細い叫び声は黴の臭いに殺され
 重い指先は容易に皮膚に圧迫の花弁を残しました。

 着物が引き剥がされて露になるのは、滑らかな白でしょう。
 その首筋から香るのは、淫靡な櫻の馨でしょう。
 はらりと伸びる射干玉の枝葉は、艶やかな絹糸なのでしょう。

 そうして、殿方を誘うためだけに作られた『造形(はな)』なのです。

 所詮僕は、散らされ行く『花』でしか───…]

(44) anbito 2014/09/24(Wed) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

[ぎゅうと目を瞑っておりました。
 唇を硬く閉ざしておりました。
 何をされても、声ひとつ上げまいと。

 けれど、次の瞬間触れた指は───…

 ゆるやかに撫でられる頬と、浅い呼気。
 僕の身体は震えていました。
 怖くて怖くて、仕方がなかったなんて
 数多く櫻の春を売ってきた僕に、謂える権利なんてありません。
 だから僕は、後ろを振り返ってこう謂うのです。]

(45) anbito 2014/09/24(Wed) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ば、…か。
 …お名前を、教えてくれないままだったから
 叫ぶことも… 出来なかったじゃ、ないですか…っ。

 海を渡って、来たのです。
 あなたさまに逢うために、来たのです。

 あなたさまの、こと



 ───なんと、お呼びすれば いいのですか?



[精一杯、強がって*]

(46) anbito 2014/09/24(Wed) 23時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 少し前 ―

[今日も彼は来なかった。


秋風はそろそろ冷たく、落ち葉を回す。

さて、次の出向までは洋々過ごせる身の上が、
毎日大使館に出向いてデスクワークに向かうのは、
出世を求める訳でも、勤勉な性根であるからでもなかった。


――――単に待ち人がいたのだ。]

(47) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[出国の段にて多少の不安要素はあったが、
案外、恩の押し売りと、花への寵愛だけは欠かさぬ花主のこと。
確固とした杞憂を抱くほど、彼の手腕を侮っていなかった。

―――が、やはり、待たせる者と待つ者では時の流れが違う。
普段の彼は待つ者で、己は待たせる者だった。
逆しまの状況は、もしや初めてのことかもしれない。]

 ―――…港ねぇ、

[船を見ようと来ぬものは来ぬ。
そんな事は分かりきっていたが、待つのは如何にも不得意だ。
三十余年生きた男は今更己の悪癖を自覚し、息を漏らした。]

(48) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[慌てた様子で秘書官が飛び込んできたのは、丁度その時。
別珍に包まれた徽章の光は、花の香りよりも強く己を惹く。


 約束は叶えられた。
  彼は反故することなく赤誠を示した。


事情を取り留めなく説明しだした秘書に構わず大股踏み出し、
すれ違い様に煌く徽章を奪った。五指で掴んだ約束の果て。

漸く明けた櫻の季節に、荒ぶ木枯らしなど、障害にもならない。]

(49) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 地下牢 ―

[異邦人とは本来奇異に映る。言葉が通じず、造形も違う。
畏怖すら抱く花の美貌が、花の都を無事抜けて、
のこのことやってくると考え居たのは己の迂闊だった。

彼は一歩、足を踏み出すだけで櫻香を撒く。
良く笑い、良く喋り、櫻の香で人を惹く。


警察に殴りこんだ外交庁幹部は、有無を言わさず押し通る。
足を止めず、要人を引き取りに来たと告げれば、
意外な――彼がずっと訴えてきた――真実に驚く詰署員等。
呆然とする彼らから止める者など出なかった。

薄暗い地下に降り、花に群がる羽虫を鋭い眼光で殺す。
彼が花をやめたその時、彼らは踏鞴を踏んで逃げ出した。

陵辱の憂き目を見ることなく、人になった彼に視線を滑らせ。
乱れた黒髪と、ほんの少しの加圧に色付いた背中を見た。]

(50) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[花の彼なら誰にでもくれてやろう。
花束と括り、花瓶に活けて、愛でもしよう。

だが、今の彼は、譲る気になれない。]

 ―――…再会早々罵倒するんじゃねぇよ、可愛げのねぇ。
 お前さんが暢気に渡海しているからだろうよ。

[皮肉めいて絞った声は、僅かに上がっていた息を誤魔化した。
伸ばした指は、彼の頬から眦を慰めるように往復し。]

(51) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[そこで、ふと口角を持ち上げ、彼の面差しと対峙した。
恐怖をご自慢の掘った穴に埋めて隠し、気丈に振舞う彼。
隠しきれていないように見えるのは、きっとそれが人の証だ。]

 別に構やしねぇよ、呼ばすとも俺が行けば良いだけの話。
 花に通うは蝶の特権――…ああ、もうどちらも違ったな。

[相変わらずの揶揄語り。
フェイスラインを辿る指先が、彼の小さい顎を捕らえ。]

 物知らずなお前さんじゃあ、舌が回んねぇと思うが。
 いや、どうせ、呂律も回らん時じゃねぇと呼びそうにねぇか。

[笑みを噛み殺しながら、彼の顎を引き、自身の首を傾けた。
空の左手を黒髪に差し、緩く梳きながら、静かに寄せる顔。

今度は、眼を閉じろなどと無粋を語ることもなかった。]

(52) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター




 ―――…『エクトゥール』だ。 閨ではそう呼びな、櫻子。



[重ねた唇から、そっと、人の蜜を彼だけに注いだ。*]

(53) momoten 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 懐刀 朧

[名を。月花の名を呼ばれたような気がして足を止める。
娼館が並ぶ花の小路。
花籠のように洋風の館もあれば、昔ながらの立派な宿まで規模も見た目も様々。
今宵よあちらこちらで『泡沫の夢』が広がっている事だろう。

……なぜ、こんな場所を枯れた花がさ迷い歩くのか。
ただ、なくしものを探すためだけに夜を歩き夜を生きる。
自由の身、だからこそ。

歩みが止まったのは丁度一つの娼館の前。
ここへと売られた者は、心身共にボロボロになるまで客を取らされるという。
噂をしていたのは花見習いである蕾だったか。
こんな場所に、もしも己の求める色があったとしたら。
嫌な想像に眉間に皺を全力で寄せ、重い息をはきながらも再度入り口に目をやった時だったか。]

(54) オレット 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 懐刀 朧



[どうしても忘れなれなかった。
どうしても捨てきれなかった藤色の花が、入り口に立っているように見えた。>>28
……音もなくただ空気を微かに震わせ、口の形だけで名を呼ぼうとする。
夢幻でも構わないと、吸い込まれるかのように足は勝手に動く。動く。
一歩、二歩、三歩。己の手を伸ばしても僅かに届くか届かないくらいの距離まで詰め。
淡い、悲しみと喜びの混ざりあった色を浮かべ手を伸ばそうとした。]

(55) オレット 2014/09/25(Thu) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

―花籠を去り行く櫻へ―

[微笑みと共に告げられる声色は、何時もの彼のようだった。>>14>>15>>*6

留まり移ろう蝶を受け入れる、櫻。
蝶を嫌悪することなく、花籠らしくなく咲いている笑顔。

櫻を見送る己の顔は、複雑さを眉根に、それでも笑顔。

彼は証明してくれた。
花籠をこうして、晴れやかに飛び立つ花も――花でなくなることも、出来るのだと。

羨望と期待は、胸に入り混じる。]

(56) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 半の目 丁助

[桜色を失くし揺れる黒髪を、後は静かに見送るばかり。

『しあわせになってください』と。

彼の思惑は何処にか。
今を否定する響きは、耳朶を揺らし、焔を揺らし。*]

(57) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 半の目 丁助

―それから―

[幾度の月と日が巡る頃か。
花籠に咲く色は再び鮮やかに、何事も無かったかのごとく生けられた彩に、今宵もとりどりの蝶が蜜を求め。

変化は多く。
それでも慣れてしまえば、再び何も代わり映えの無い毎日。

確実に指先に溶けない紙束の雪を拾い集め。]

(58) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 半の目 丁助

[未来への道標。
拾い上げたのは、戯れに呼ばれた花籠の奥での事。>>38]

 さて、丁はその問いへの答えは持ちません。

[ひたりと侵食するような声色を、上辺の笑みにすり抜けさせた。]

(59) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 半の目 丁助

 花主様を怖がるなど、有り得ると?

[答えをはぐらかし]

 花籠を抜け出すべくもがいた所で、丁は花に御座います。

[本心を濁して]

 飛ぶ事など、蝶でなくては叶いません。

[焔色の造花は、言葉を裏に取る。>>39]

(60) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 半の目 丁助

[じりじりと、胸に燻るのは。
何時に見た花の所為か、蝶の所為か。

嗤う夜色に近付く沈丁花。

主の傍らに膝を付き。]

(61) lalan 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

―ある、下らぬ物語のために―

[掻き集めた蝶の生まれも育ちも知らぬこと。
海を渡りてくる一通。
それは下らぬ物語のためのもの。]

フン。


―――反吐が出るねえ。


[あの男は意地でも迎えには来まい。
追いかけて来いと、逃げる蝶。]

(62) あんび 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

まあ。
隣国との“友好”でも築いておこうか。

恩を売るのは悪くない。

[適当な姓、適当な身分。
海さえ渡れれば十分だろうと。
手をつけた旅券を、櫻に持たせ**]

(63) あんび 2014/09/25(Thu) 01時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[月には見られたくないと、何時も客に強請った
こんなはしたなく男に抱かれ婀娜の様に媚び善がり狂う様を彼と同じ名を持つ空照らす灯に見られたくなかった
こんなことをしても本質的に汚れてしまったことには変わりないのに]

……おぼろ

[小さく小さく、呟く言葉は震えているだろう
今の自分は花の頃と随分様変わりした
琴を爪弾く爪は欠け、肌の白さは病的なほど
あの頃より褪せた藤色の髪止めと着物は風に煽られ、その風はつむじとなって2人の間を駆け抜ける

嗚呼近づいてくる、美しい月が>>55

一歩 長い焦茶の髪は月光を背に煌めき

二歩 揺れる着物は落ち着いた色合いで、彼に似合っていて

三歩 僅か薫る煙草の香りはあの頃と変わらない

そこで立ち止まる朧月は、手を伸ばせば届くだろうか届かぬだろうかという距離に]

(64) sinonome 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[あいたかった
あいたくなかった

その姿をもういちど、たった一目でいい、みたかった
こんなみすぼらしい己の姿を見られたくなかった

彼の顔に浮かぶ色は、淡く美しい色
その顔に嫌悪が無かったことが、泣きたい位に嬉しいのに
薄汚れたこの身が恨めしい
最後に覚えてもらえるならば、美しいままでいたかったと
そんな決意が彼が告げる己の花としての名で、崩れていく]

(65) sinonome 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[本当ならどうしてこんな場所へ
早くお帰り下さい
藤之助は死んだのです

幾らでも言い様があったろう。もうこの場へ立ち入らぬ様にと、去ってと告げるのが最上だとわかっていたのに
浅ましい己の心は歓喜していた。忘れないでいてくれたことを

唇から言葉は漏れず。思わずその伸ばそうとした手に己が手を重ねようとするのを必死で押し留め

ああでも]

(66) sinonome 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

―― 地下牢 ――

[震える権利など無いはずなのに、身体はずっと震えていました。
 気丈に居ようとすればするほど
 僕の身体は落ち着きを忘れたように

 あゝ、それをも溶かしていくのは
 彼の指先だけなのでありましょう。

 数多くの櫻を買った蝶は、可笑しなことだと蔑むでしょうか。
 数多くの春を買った人は、可笑しなことだと嗤うでしょうか。

 そんなもの『夢物語』だと。
 指を差して、せせら笑うのでしょうか。

 誰が何を謂おうと構わないなんて。]

(67) anbito 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[皮肉を彩るくせに、指先がこんなにも優しいこと。
 絞る声に紛れて、上がる吐息をお隠しになられていること。
 持ち上げた口角が、何を想っていらっしゃるかも。

 今この射干玉に映る、秋色のすべて
 僕が知っていれば、それだけで。


 ───『しあわせ』なのです。


 それは『花』であった名残。
 何度も謂ったでしょう?

 甘く愛されるほど、咲き誇るのだと。]

(68) anbito 2014/09/25(Thu) 01時半頃

懐刀 朧は、メモを貼った。

オレット 2014/09/25(Thu) 01時半頃


【人】 看板娘 櫻子

[接吻けが、甘い毒を流し込んでゆかれます。
 唇が触れて、蜜のようにとろりと囁かれてゆかれます。
 指先が僕の顎を引き、もう片方は髪を梳き。

 重なりは、名を告げに離れるでしょう。

 そんなの、赦してなんてやらないのです。
 人に人の蜜を注げばどうなるか。

 胸元に手を添えましょう、彼の心音が届くように。
 服をきゅうと掴みましょう、もう二度と離さないように。
 そっと眸を閉じましょう、恥ずかしさを隠すため。
 自ら唇をもう一度、あの時のように重ねましょう。

 まだ、まだ涙なんて見せません。

 大きな射干玉に、滲んだ海を湛えたままで。
 頬染めて、はにかんでみせるのです。]

(69) anbito 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 
 ───えくとぅー、る …さま。

 寂しくなんて、ありませんでした。



[だって、あなたさまに逢うために
 僕は、───(生まれて)来たのだから**]

(70) anbito 2014/09/25(Thu) 01時半頃

【人】 懐刀 朧

 ……泣く程俺の顔を見たく無かったのか?


[未だ触れていいのか、手を伸ばしてもいいのか迷う部分はあれど。
零れ落ちる雫を拭うくらいは許して欲しいと、頬に手を添える。>>66
……嗚呼、最後に見た時よりも少し痩せ顔色も悪い。
一体彼はこれまでに、どれだけの苦労をしてきたのだろうか。

そして、そんな藤之助にしてやれる事の少なさよ。
残された物が伝える言葉の通りに、一瞬たりとも藤色を忘れる事は無く。
願わくば、もう一度だけでも会いたいと彷徨い続けたが、いざ彼の前に立つと自分の無力さが浮き彫りになる。]


 俺は。もう一度お前の顔が見れて嬉しかった


[それでも。
月花の枯草はようやく満たされたような気がした。
二度と埋まる事はないだろうと思っていた、何かが。]

(71) オレット 2014/09/25(Thu) 02時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

……っ、ちが……

[逆だと。泣きたい位に嬉しかったのだと紡ごうとした言の葉は頬に手を添えられ>>71空に溶ける

温かい手に頬触れられれば溢れる涙は止められぬ。その手を濡らし零れ落ちた雫は心に沁みゆく様に1つ2つ、頑なな花弁を剥がしてゆく

あいたかった。ずっとずっとあなただけに
その手に触れたかった、貴方の笑顔が見たかった
声が聞きたかった

再会までに何度季節が過ぎ去っただろう。
彼のかんばせは花であった頃より深みが出てどこか安心感を抱かせる

その彼の口から告げられた言葉に黒瞳は朧月をかくと捉え]

朧、おぼろ。
私は、わたしはただ、あなたと

[手に手をとって籠の外に逃げ出した鶴と亀の様にともにいきたかったのだと
嗚咽と共に零れ落ちた願いは、果たして聞こえたかどうか]

(72) sinonome 2014/09/25(Thu) 02時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

おうや、おうや。
お前は嘘をつくのが下手だね。

それとも。
お前をそんなに見ていないとでも。

[男は愉快そうに揺り椅子を揺らす。
唄うように、されど冷たい視線ひとつ。
じっとりと絡みつくよな、吐息混ぜ。

笑みひとつですり抜けるを、赦しはしない>>59]

(73) あんび 2014/09/25(Thu) 03時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

はぐらかし、濁し、隠し、笑い。
丁のふりをし、蝶たらんとす。

焔のようにくゆる花よ。

[そっと、その髪に触れようか。
酷く甘く、酷く優しく。
酷く冷たい指先で。]


お前は一体、“何者”なんだろうねえ?


[蝶でもなく、丁でもなく。
花でもなく、人でもない。

“それ”をこの手に絡めとった。]

(74) あんび 2014/09/25(Thu) 03時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

あんび 2014/09/25(Thu) 03時頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

anbito 2014/09/25(Thu) 03時半頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[健気を抱えて海を越え、
考えたこともなかった世界に足を踏み出した彼。

やはり外の世界は怖いところだと怯えさせただろうか。
花が一輪で生きていくには果てしない世界。
けれど、二人で生きていくなら、きっとそう悪いものじゃない。]

 ――…櫻子、

[重ねた唇から注ぐ蜜は、彼の名前を象り。

控えめな指先が服に皺を刻み、
妙に甘やかな羞恥に彩られる彼に目元を緩めた。

彼が瞼を下ろしてくれて助かった。
己は今、大分緩い顔をしている自覚がある。]

(75) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ―――…良いさ、これから俺が教えてやらぁよ。

 どんだけ喧しく泣いて喚いても、もう、置いてったりしねぇ。
 
[彼は一度捨てられ、花となり。
今度は花籠を出でて、二度目の花となる。

悪辣で、傲慢で、身勝手で、我侭な、
けれども、唯一人を待っていた男の。


男は、恋に落ちる音を聞きながら、
物語の終わりに、美しい花御前《はなよめ》を手に入れた。*]

(76) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― La Vie en cerisier ―

[彼を引き取った男が連れ帰ったのは、
小さいながら郊外より花の都見下ろす屋敷であった。
古い建物に関わらず、余り生活感がしないのは、
つい最近、手に入れたものであるから。

山賊か海賊か強盗宜しく、
諸所の手続き済ませたがる警察を振り切り、
彼を肩に担いで戦利品めいて攫った先。

玄関潜って、足は一直線に自室へ向かう。
屋敷自体は差して広くは無いが、中庭も抱えており、
彼に宛がわれていた個人部屋と比べれば雲泥の差。

しかし、手入れをする召使はまだ揃えておらず、
男の不精の片鱗覗かせ、薄い埃が積もる場所も。]

(77) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ―――…さて。
 うんと寂しい想いでもさしてやるんだったか。
 しかし、その前にお前さんにゃ、褒美をやらねぇとならんな。

[寝る部屋、と主張するが如く、広い寝台を収めた自室。
己の上背を納めても余る広大なシーツの海へ、
軽い彼をぽすんと放り、早速と言った調子で声を掛けた。]

 ……良く来た。櫻子。
 もう、花籠へやる心算はねぇが、閉じ込める気もねぇ。
 お前さんは何処へでも好きな場所へいける。
 だが、帰る場所は此処にしろ。此処以外は許しゃしねぇ。

 俺は強欲だが分別はある男だ。
 俺のものは俺のもの、余所のものは余所のもの。

(78) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[堅苦しく喉を詰めるネクタイのノットに指を掛け、
布擦れの音を聞かせながら、傍に捨てた。
シーツの海に溺れる彼をサルベージする振りをして、
そっと寝台に片手を突き、顔貌を覗きこむ。]

 そして、お前さんは俺のものになった。

 呼べや、櫻子。ベッドで呼ばせたことはねぇ名だ。
 お前さんにこの先の分も、全てくれてやる。

[彼へと己の名を強請り、低く笑気を零しながら。
機嫌良さ気な身は、先ずは頬へと、淡くキスを捺して見せた。*]

(79) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

momoten 2014/09/25(Thu) 22時半頃


【人】 看板娘 櫻子

── 郊外のお屋敷 ──

[甘やかな接吻けを、唇を触れ合わせてから
 檻から連れ出された僕は、華やかな街を過ぎていきます。
 鮮やかな街並みにはまるで子供のような声をあげておりました。
 そうでもしないと、気が付いてしまいそうだったのです。
 僕の鼓動はずっとずっと、早鐘を打ち続けておりました。

 たどり着くのは、しらないおうち。
 都見下ろせるその家につれられて、鼓動は更に煩さを増すのです。

 これから、どうなるのでしょう?

 ──愚問です。
 欲しい答えは決まっているのですから。]

(80) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 わっ  あ!

[放られた体は、場に似合わぬ素っ頓狂な声をあげたことでしょう。
 あまり触れることのなかった、ベッドというものの上で
 小さな痩躯はぽよんと跳ねました。]

 その、それは…

[彼は僕に、花籠に帰す気はないと仰いました。
 けれど、鎖で繋ぐこともないと申します。
 帰るべきはここだと。
 そう、おっしゃられました。
 捨てられて、今まで。
 帰る場所なんてありませんでした。
 花籠だけがすべてで、そこからは出ることさえ望まなかった身です。]

 僕の……お、うち…?

[そう思っていいのでしょうか、と。
 射干玉が問うように彼の瞳を見上げた時にございます。]

(81) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 あっ、あのっ!!
 お仕事は、い、いいのですかっ

[ネクタイに手をかけるお顔が、僕を見下ろしている表情。
 惹かれない筈がありません。
 僕の鼓動は高く、また煩く鳴り始めました。]

 こん、な お時間ですしっ!

[聞きなれない衣擦れの音が、声を上ずらせます。
 唇が触れた頬が薄い櫻に色付きました。
 視線はふわふわと彷徨います。
 良さそうな機嫌は崩れてしまうでしょうか?

 それでも、落ち着いていられないのです。]

(82) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃

【人】 半の目 丁助

 貴方様の眸は僕を見ていると?

[そうではないでしょう?
僕の名は、貴方が嫌がる響きを模した。]

 僕は、僕ですよ、花主様。

[名を模しただけの、中身はきっと貴方様を裏切った花には程遠い。>>73>>74]

(83) lalan 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 懐刀 朧

[いくら拭っても止まる事をしらぬ雫を、それでも指で拭い。

一目見れるだけで良かった。
帰ってくれ、顔など見たくもないと罵られるのも覚悟していた。
それなのに、どうして彼は泣いているのか。

再び顔を合わせるのに、少なくとも季節は一巡りしている。
……そこから、数えるのをやめてしまったのだが。
墨色の髪と己のこげ茶を見る限り、それ以上の時が流れていたのだろう。
忘れるつもりは無かった。忘れられるとも思って居ない。
あんなに、心の中に深くふかく……]

(84) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 懐刀 朧

[―――……感情のままに藤色の手を強く引く。>>72
零れ落ちた一滴は、朧月の水面を確かに揺らし。
それは強い波となり、朧を突き動かす衝動となる。
抱きしめた藤之助は記憶の中の彼よりやはり細い気がして。
壊してしまわないように、手折らぬように、砕かぬように熱を移そうとする。]


 藤之助、


[どう、伝えればいいのか。いや、伝えていいのかすら分からずに。
ただ墨色の髪を撫でる事しかできない。]

(85) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼が掌から零れ落としてしまった沢山のもの。
幼心や好奇心は、これから己の庭で育てられる。
彼は自身を捻くれていると思っているが、到底同意できない。]

 お前さんだけの家じゃねぇよ。
 主人は俺さね、掃除や炊事でもしてりゃ暇も潰せるだろう。
 
 そうして、俺を待ちゃあ良い。
 もう、俺は蝶でも蛾でもねぇ。
 ―――…ちゃんと帰ってきてやるからよ。

[本当は、彼が家に明りを灯していてくれたなら、
それ以上望むことは何も無かったけれど、
愚直に告げるほど己は素直に出来てない。

今か今かと、必ず帰る己を、彼が待っていてくれるなら、
それで良い等、誰に注いだ毒より確実に己を侵す。]

(86) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 懐刀 朧

 (俺に、ついて来てくれないか。)

[一生と言わずとも良い。
あの時のように、傍に居て笑ってくれているだけでいいからと。

言葉が、どうしても出てこない。]

(87) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 仕事は終わった。
 もう数刻経ちゃ陽も落ちる。
 
 夜まで待て? 冗談じゃねぇよ、何夜越えたと思ってんだ。

[低く笑った男が、何処から夜を数え始めたのか彼は知らない。
櫻が花弁を散らし、人に変わるまで、もう散々待った。

鼻先を頬に摺り寄せ、距離を詰め、空の右手が首筋に触れる。
武骨な感触を肌理に添わせ、衣の袷に指を掛けた。]

 眼ぇ、見ろよ。
 もう、隠し事なんざさせやしねぇ。

[言葉尻に足すのは、眦に捺したリップノイズ。
物慣れぬ生娘のような彼に興は挫けず、寧ろ笑みが深まった。]

 恥らえよ、特別だ。
 抵抗して良いぜ、お前さんを金で買わない初めての男だ。

(88) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[差し出した舌で頬を嬲り、足を左右に開かせるよう膝を進めた。

強引ではあるが決して無理強いでない所作は、
今まで彼に見せてきたような、花にする手順ではなかった。
僅か和装を乱せば五指は平たい胸を這い、鼓動を手繰る。]

 ―――…櫻子、

[元より低い声が、彼の傍で空気を揺らす。
ゆっくりと摘み上げた乳嘴を柔らかく親指の腹で擦り、
硬い皮膚の感触が、心音を引き上げるように懐いた。]

 ………愛いやつよな。

[毒でも蜜でもなく、真情からこんな言葉を吐き出すような男だと、自分でも知らなかった。*]

(89) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

私の瞳はいつでも。
お前だけを見ているのにね?

[嘘が嘘を塗り潰す。
色は宵闇、赤褐色。]

寂しいことだよ。

[くすくすと、媚つく嘘に笑う。]

(90) あんび 2014/09/26(Fri) 00時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[強く引かれた手>>85、それに目を丸くするも長年酷使された体は踏ん張ることもできず彼の胸元に飛びこむように身体は傾ぐ
壊れ物を扱う様に抱きしめられればどきり、と鼓動が跳ねる。記憶の中の彼より、幾分か胸元は厚くなっているのは職業柄であろうか、それとも自分が弱り、衰えてしまっているからだろうか

自分の名が呼ばれる、それだけで赤くなる頬に動揺が抑えきれない。昔みたいに気持ちを隠すことがどうしてできないのか。
別れてから長すぎる年月は、心の奥底に沈めた思いを風化させるどころかより濃く熱く焦げつくように燃え広がってこの胸を掻き毟る
髪撫でるその手が、温かすぎてもう

欲しかったその優しい手がいまここにある
逢いたかった人に抱きしめられ、こうして名を囁かれ。ああもう私は、一生分の運を使い果たしてしまったのだろう。そう思ってしまう位にしあわせ、というのだろうか]

(91) sinonome 2014/09/26(Fri) 00時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

――浚って。連れて行って……
一生でなくてもいい。貴方の刻が欲しい

[手に手をとって去って行った鶴と亀
あの時、言えなかった言葉
あの2人の様には難しいとは分かっている
迷惑だろう事は分かっている

それでも、願うだけなら――許してくれないだろうか
貴方が、好きだから]

(92) sinonome 2014/09/26(Fri) 00時半頃

【人】 半の目 丁助

 甘いご冗談がお好きですか?

[嘘と嘘で躍らせる。
揺らいだ焔は宵闇色の掌の上だというのに。]

 ええ、寂しいですね……?

[負けず嫌いの子供が如く、引けぬ笑みはそのままに。]

(93) lalan 2014/09/26(Fri) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[新しい場所で、僕の色んなものが育っていきます。
 それは僕だけでじゃなく。
 きっと、二人で。]

 しゅっじ  んっ

[その言葉に、一気に耳が熱くなりました。
 おうちに対しての意味だったのかもしれませんが
 自意識の過剰な僕は、別の意味へとそれを変換してしまったのです。]

(94) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ……待、ちますっ。
 お洗濯も、お食事も、お風呂もご用意しますから。

 …──寂しがらせないで、くださいね?

[言の葉が一つ一つ、素直に溢れて行きます。
 僕はきっと、堪えず灯をともしてこのおうちで帰りを待つでしょう。
 だから、寂しくなどさせないでください。
 本当はあなたさまに逢えるまで、寂しくて泣いてしまいそうだったのだから。]

(95) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 そんっ な… 、ぁ

[幾千とは謂わずとも、何度も夜を越えてきました。
 それを主張する声に返せたのは、微かに詰まるような声です。
 彼の鼻が頬へと擦れば、香るのは変わらない櫻香。
 首筋に触れた指先に、過敏なくらい体が強張ります。
 指が肌をなで、着物の袷を解こうとするならば
 弱々しくも頭を振るのです。
 否定ではなく、射干玉がベッドに広がって行くでしょう。]

 っ……は、ず かし

[唇が鳴らす音は、肌理を愛でられた証。
 書斎で落とされた額への接吻けが甦るようでありました。]

 ばか……っ!
 ていこ、なん…てっ

[出来ないとわかっている癖に。
 本当に、酷い御方です。]

(96) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ん、っ

[足を開かせるよう動く膝に、僕の甘い声が溢れます。
 頬が唾液を乾かして、なのに一層仄かな色を灯しておりました。

 丘などない胸に指先が滑ります。
 その指には鼓動も何もかも、伝わってしまっているのでしょう。
 緊張で少し湿った体はすでに熱く、肌を上気させております。
 呼ばれたりなどすれば、どきんと鳴ったのも用意にわかることでしょう。]

 え、く  ぅ …さま ぁ、っ!

[まだ慣れぬ名前を小さくにだけ口にしますが
 指が胸にある小さな飾りを愛撫すれば、それも甘き声にて掻き消されてしまいました。
 低い声が届けば、ふるりと体が震えます。
 あゝ、なんて甘い睦言を囁く御方なのでしょう。]

(97) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 や、優しく…… して、くださいませ。
 ……はじめて  ……なのです。

[既に快楽に潤んだ射干玉が、彼を見上げて小さくおねだりをいたします。]


 だい、すきな… 殿方と…
 寄り添うのは…──
 
 

(98) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 懐刀 朧

[息が、詰まる。
湧き上ってくるのは、彼の言葉通りに攫ってしまいたいという欲。
しかしそれを溢れさせまいと待ったをかけるのは、他でもない『朧』だった。>>92
きっと、今、手を取り走りだしてしまったなら。
今以上に今まで以上に苦しい思いをさせてしまうかもしれない。
『俺』の我が儘だけで、そんな思いはさせたくは無い。絶対にだ。

しかし。しかし、このまま手を離せ別れてしまえば。藤之助が今以上にボロボロになってしまうのでは無いか。
今度こそ完全に『失って』しまうのではないか。
……這いあがってきたのは恐怖と、それから。]


 いいのか藤之助。
 ……お前の、手をひいても。忘れなくても。
 お前を好いているが故に、私欲の為に藤之助を貰い受けると聞いても尚。
 お前はそれを望むのか?


[何かを誤魔化すかのように、藤之助の耳元で囁き朧の顔を覗けぬように隠してしまう。
あの晩以上に酷い顔をしているであろう表情を、見せないように。]

(99) オレット 2014/09/26(Fri) 01時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[忘れてと、別れの前日願った言葉
嘘だ、嘘だ嘘だった
忘れないでほしかった。心の一片でも占領できたらと。綺麗な頃の自分のままでなんて醜い願いを抱いて、本当の願いを言えなかった、あの秋の日の夕暮れ。空に滲んでいたのは白い月

そして今――自分の肩越し、隠される朧月夜>>99
囁き落とされれば頬全体に朱が奔り、耳まで染め上げられたのははたして気付かれたか、どうか

記憶より少し伸びた焦げ茶の髪に両手を伸ばし優しく梳いて。何度も、何度も
秋風とともに薫るのは花としての香りではなく、優しいいつもの、煙草の]

忘れないで。

――私は、私もお慕いしています
ずっと貴方が好きだった……

[ほろり、とまた1つ涙が零れ落ち、それは彼の纏う紺の羽織りに染みを作る
立場とか、この身の下賤さとか
そんなものをなにもかも忘れる位に
ただ、その腕の檻に抱かれて、そこで咲きたいと願うのだ]

(100) sinonome 2014/09/26(Fri) 01時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[だから]

……貴方を望んで、いいですか?

(101) sinonome 2014/09/26(Fri) 01時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

甘かろうが。
蛇はなんでも、丸呑みするんだよ。

[甘さも苦さも要らぬほど。
掌の焔を弄ぶ。]

お前はいつだって、誰を見てもいないね。

[笑みに向けるは、氷の微笑。]

(102) あんび 2014/09/26(Fri) 01時半頃

【人】 懐刀 朧

[花同士の恋など、あってはならない。
そう聞かされていたのか、教えこまれていたのか。

藤之助の言葉は予想外だった。
友である事で隣には立てても、執着と背中合わせのそれをひた隠しにしてきた。
まさか、同じ思いでいてくれたとは思わずに、藤之助を抱く手に力が入る。>>100

始まりはいつだったかはもう思い出せない。
どこか幼子のように嬉しそうに笑う顔も、花としての雰囲気も、
仕草も声も瞳の色も髪の色も。
全て、すべて気がついたら好きになっていた。
あってはならないと沈めていた心が、浮かび上がっていく。
………もう『朧』の静止の声は聞こえない。]

(103) オレット 2014/09/26(Fri) 02時頃

【人】 懐刀 朧

 無論だ。
 寧ろ、俺の一生をくれてやるから、俺以外を望まないでくれ。
 ……とまで言ったら、流石に横暴か。
 


[隠しきれない『しあわせ』の色が声に滲み出す。
問題が無いわけではない。
しかし昔とは立場も違えば、朧の身を絡める鎖も籠も牢も無い。
『たいせつなもの』をすくい上げられるならば、俺はどんな問題でも乗り越えよう。]


 次の新月の晩。花でも枯れ草でもない、ただ一人の男が。
 必ずお前を浚いに来ると『約束』しよう。


[耳まで赤く染まった愛い人の頭を撫で、幸せそうに笑い。
ようやく彼を、解放した。]

(104) オレット 2014/09/26(Fri) 02時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

[友という霞で包んでひた隠しにしてきた心
力を込めて抱かれれば>>103、より彼の胸元に寄り添うようになり。熱が身体を支配する

髪撫でる手はいつしかその背に回され、離したくないとしがみ付く幼子の様に――別れ惜しみ縋る恋人の様に抱きついて
柔らかな秋の月明かりに淡く焦茶の髪が光の輪を作り、秋風に舞う様子を視界の端に捕えながら零れる吐息は安堵と歓びに溢れていた

凛とした佇まいの中に感じる海の様な穏やかさ
ふとした瞬間に紡がれる優しさに
もう何時になるか分からない位ずっと昔に恋していた]

(105) sinonome 2014/09/26(Fri) 02時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

横暴じゃないです。
私の一生、貰って下さい。

[貴方じゃないといやだ、と
彼の声に滲む温かさ、それに応える様に自分の声に滲むは愛しさだったろう
問題も何もかも呑み込んで、浚いにきてくれるのならば、一時別れる切なさも悲しさも胸切られる思いも呑み込んで]

霞は、お待ちしてます、ずっと

[頭撫でる手に擽ったそうにしつつも、幸せそうに笑う姿を見れば同時に彼には赤く染まった頬が見られてしまったろう
花である前親から贈られた己が名告げながら解放される際の寂寥感を押し込めて、彼に微笑む姿はかつての鏡花と言われた物よりもっと柔らかく

それは彼にしか見せぬ、心からの笑みだった]

(106) sinonome 2014/09/26(Fri) 02時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

―在る日の花籠―

なんだい、朧。

[枯れ花の声。
男は揺り椅子に身を置いたまま。]

お前の我儘を、私は幾つ聞けばいいのかな?

[厭味たらしく笑みを湛え。
暫くは黙って話を聞こう。
聞き終えたなら重い腰を持ち上げて。]

(107) あんび 2014/09/26(Fri) 08時半頃

【人】 半の目 丁助

[蛇、と称する悪食に、冷えた微笑を突き付けられ。
皹が、ぴりと走った。>>102]

(108) lalan 2014/09/26(Fri) 14時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
 
思い出すね、初めての日の事を。
 
 
 

(109) あんび 2014/09/26(Fri) 15時半頃

【人】 半の目 丁助

 
 
[あの日も、息を切らして同じように謝罪した。]
 
 

(110) lalan 2014/09/26(Fri) 18時半頃

【人】 半の目 丁助

[未知に翻弄される恐怖に涙を零し。
教えられる感触に善がって。

初めては、ひたすらに、与えられるものに縋り付く様な夜だった。]

(111) lalan 2014/09/26(Fri) 18時半頃

丁助は、櫻子を思う存分もふった

lalan 2014/09/26(Fri) 20時頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[己の一言に頬を桜色に染める様は中々如何して。
あんなに可愛げなく、凛と咲いていた花の癖。

触れるたび、語りかけるたび、彼が隠していた内側を理解する。

ついつい笑みを噛み殺し、胸を擽る快諾に吐息が弾む。
淡い体温が彼の肌に染み、唇で追いかけ接吻を降らせた。]

 しかし、お前さんは案外、強情で寂しがりじゃあないかい。
 牆壁を立てて、花籠に篭城して、顔を見せれば逃げちまう。
 そんな男から寂寥を溶かせ?

 ―――…生涯の大業になりそうだ。

[面倒くさそうな口振りを作って見せるが、
彼の素直に引き摺られ、形ばかりも煩わしさを醸せない。]

(112) momoten 2014/09/26(Fri) 20時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼が身じろぐ度に黒髪が揺れ、夜を模して拡がり行く。
夜に融けてしまいそうな櫻を捕らえ、首筋に顔を埋めた。
顎の付け根を強く吸い上げ、散らす花弁。
血脈を辿り、露わになる鎖骨に浅く歯を立て、甘く紙散らす。]

 抵抗しないのかい?
 ……なら、美食を邪魔されねぇってことか。

 ―――…甘ぇな、お前さんは。

[彼の性格か、彼の味か。
詰る声すら糖度が絡み、喉が焼ける心地。
だが、悪くない。いや、癖になりそうだ。

じりじりと指の腹で尖りを潰し、凝った末端を愛撫。
時折、惨く引っ張り、直ぐに爪先で掻いて慰める。
じわりと膝の皿で彼の股間を押し上げれば、高い声を聞いた。]

(113) momoten 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[そうして、双眸を細め、匂い立つ色香に瞳の奥が焦げていく。]

 ……お前さんに眩むとは、俺も随分末期よな。

[花としての色では無いと知りつつも、
首裏に欲が這いまわる心地を往なせず、慣れない。
己はいつもその前に奪って、身の充足を得ていた。

けれど、此度ばかりはそうもいかない。

臆病で、意地っ張りで、何かと喧しい―――、
可愛い櫻が愛着を求めているのだ。

否など、どの口が唱えられようか。
花落ちるより、花に落ちるとは、真に度し難い。] 

(114) momoten 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[指先を胸より退かせ、脇を滑らせ、腰に至る。
彼の強請る声色にずくりと疼く下肢を抑え、
白く長い両の足を開かせ、下着を容易く払った。

同時に彼の腰を持ち上げるよう手繰り、和装の下衣がはらりと捲くれ、彼の屹立が視界の内。
更に覗かせた舌先が彼の菊座の内へと侵攻。

傲岸で悪辣なはずの男は、彼の身体を労わり、熱い軟体で窄まりに触れ。ぴちゃりと鳴る水音は酷く生々しく。
手ずから準備などしたことの無い男は丁寧に、丹念に、体液を彼の縁へ注いで、また滑らかに掘削。
彼の呼吸の合間を狙い、秘所が拓く度に浅い内壁を舌が巡る。]

 ―――…熱ぃ、挿れたら融けちまいそうだな。
 お前さんの中に、全部。

[更に身を引き寄せ、彼の背中へ己の滾る熱を押し付けた。
彼の内を犯したがる欲は着衣越しに脈を刻み、
それでも、果てない熱を堪え、彼を慈しみ愛でる。

花を扱うより柔らかな手順。
彼は、恐らく今後、二度は逢わない、そういった特別な人。*]

(115) momoten 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
[謝罪は、あの日へと還る。]
 
 

(116) あんび 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

―“丁”―

[花らしく、美しく咲き誇る花。
今目の前に咲く花と、似ても似つかぬ花。
余りにも美しく。
その蜜に惹かれたのは、蝶ではなく。]

――花籠を統べる、“私”。

[男はあの手この手を尽くした。
蝶の指名を幾度も防ぎ、
買い付けた金を与えず隠し、
三日に一度は“仕置き”と称し、
宵が褪めるまで狂楽に耽った。]

(117) あんび 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[やがて、花は一匹の蝶を求めはじめる。
蝶は足繁く通い、花を愛でた。

咲いた花の色香。
惑わされ、狂っていたのは男一人。

蝶と手を取り逃げる丁。

下らぬ夢物語など成就はさせぬ。

男は刃を付きたてた。
一面染まるは、沈丁花。

――否、狂い咲いたのは死人花。]

(118) あんび 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
 
 「もうし、わけ……ご、ざ、ませ……」


 

(119) あんび 2014/09/26(Fri) 20時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 あなたさまは『櫻』を買わなかったのだから。
 知らなくて、当然です。

 ですから──…

[強情が顔を見せては、強がりを申します。
 今となっては簡単なこと。
 一枚の隔たりは壊して欲しい硝子戸。
 逃げるのは追いかけてきて欲しいから。
 避けていたのはこれ以上惹かれぬ為。
 すべて、判りやすいほどの裏返しでございます。]

 ……───もう、離さないでくださいね?

[揶揄には揶揄を、本音には本音を。
 ですから素直におねだりを返したのでございます。
 「生涯を共に」なんて、そんな意味を込めて。]

(120) anbito 2014/09/26(Fri) 21時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[肌に降るのは櫻吹雪でありましょう。
 一つ一つ、それが彼の所有の証のように色付きます。
 その度に洩れ出そうになる声を噛み
 代わりのように、体が微弱に震えるのです。]

 あっ、 まぃ のは…ぁっ
 …あなた…さま、で … ──んっ!

[蕩けるような嬌声を織り交ぜて、必死で紡ぐのは
 抵抗できぬ声が綴る、せめてもの抵抗でありました。

 僕だけが甘いのではありません。

 胸の小さな果実に掛けられる愛撫は
 こんなにも意地悪に、こんなにも優しく。
 与えられるものが甘いからこそ、
 僕は甘く咲き乱れるのです。
 膝に押された部分は既に熱くなっていたことでしょう。]

(121) anbito 2014/09/26(Fri) 21時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 ひ、ぁっ──!

[細まる眸を見上げていた筈であるのに
 気付けば僕の足は開かれ、下着さえ奪われて
 ちいさな、それでも性を象徴するものが
 しとどに濡れていたことでしょう。
 羞恥に顔が朱へと染まります。
 何度として経験してきたはずだと謂うのに
 ひとつひとつが、恥ずかしくてたまらないのです。]

 んっ…く ぁっ、あ、 やぁっ

[彼の舌が、蕾を押し開くように蠢きます。
 いやだいやだと首を振りますが、抵抗などではないことを
 彼も、僕も判っているのでございます。
 その場所で繋がることを、愛されることを知っています。
 生々しい水音が、余計にそれを知らしめて
 蠢く舌を襞が締め付けておりました。]

(122) anbito 2014/09/26(Fri) 21時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 っ …、 ……!

[丁寧すぎるほどの愛撫に、身も心も蕩けている頃
 熱いほどの吐息混ざる声が耳に届きました。

 同時、背に感じるものはなんでしょう?

 彼が求めてくれている証。
 衣を隔てても分かるほどの脈動に
 僕は一度息を飲み込んでしまいました。]

(123) anbito 2014/09/26(Fri) 21時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 と、かして …さしあげ、たいです。
 ……ちょこれーと、みたいに。

[きっと融かされてしまうのは、僕なのだと判りながら。
 それでも紡いだのは、そんな言葉でありました。
 遠まわし、遠まわしなおねだりです。

 挿れてください、なんて興が醒めてしまうことは謂えません。
 繋がりたい、なんて恥ずかしくて謂えそうもありません。
 早く、なんてまるで余裕がないようで。
 来てください、なんて余裕もありません。

 『蝶』へと強請るのとは確実に違います。
 羞恥と、それにより膨らむ甘さが櫻の香となって彼を包みます。

 切なげな射干玉の眸を向けましょう。
 だって彼は、廻り合えた、特別な御方なのですから。]

(124) anbito 2014/09/26(Fri) 21時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ―――…、……おぅ。

[彼の甘えた声が愛いなんて言ってやらない。
彼に惹かれているとも、見せたくない。

しかし、相手は賢しい手練だ。
語尾の微かな揺れに混ざる希求すら、きっと彼に伝わる。
寂寥感を満たし、隣に並び、同じものを見て、心を添え、
―――二人で生きることに、応と返したのだから。]

(125) momoten 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[れろりと柔らかな舌が形を変え、浅い場所から攻め立てゆく。
窄まりが竦む度に口付けを与えて慰め、
襞を軟体で掻き、唇が自然と円弧を形作る。]

 ――…見えるかい、櫻子。
 一丁前に、すっかり感じてるじゃねぇか。

[戯れに五指で彼の屹立を撫で、雫をささやかに払うと、
彼の薄い腹へ、パタリと淫液が散った。
武骨な指間でねち、と捏ねる糸を見せ、
性器と繋がる卑猥な光景で彼の恥辱を煽る。

己の舌で、指先で、彼が啼くのは酷く心地が良かった。
満ちるほどに飢えていた数多の夜と一線を画し、
着実に腹の底へ溜まっていく。

うつくしい櫻の一片が、何枚も、何枚も。ひらひらと。]

(126) momoten 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[淫蕩な身体は熱く、己の身にも伝播した。
たっぷりと濡らした内壁を挫くように、舌を尖らせ、
蠢く柔襞を擦り立てて、彼の身体を拓いていく。
軟体を伸ばし、粘膜を啄ばみ、蜜を啜る。
飲み込んだ分は、きっちりと後ほど返せば良い。
たっぷりと、彼の中に。

ハ、と零した吐息が窄まりを嬲り、痙攣を誘う。
途端、己の左胸の辺りに加圧を覚え、少しだけ片眉を顰めた。

こんな感覚を、己は知らない。
覚悟はしていたが、この蜜だか毒だか知れないものは良く回る。

軟体を蛇行させながら、絡みつく内襞を刺激し、
彼を浸食していた軟体は緩やかな後退を選んだ。
見下ろした彼に、我慢できないなど言いたくない。
奪いたいと言うには、ぬるま湯に浸りすぎて、
欲しいと紡ぐには、柄でもない。

だから、口から付いて出たのは飾り気の無い一言。]

(127) momoten 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ―――…好きだ、櫻子。

[らしくないと己を窘める前に、彼の膝を大きく開かせた。
答えなど聞いてやらない、呼べば良いのだ。

彼にだけ与えた、己の名を。
本音を紡ぐ、蝶ではない男の名を。]

(128) momoten 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[眼差しを邂逅させた途端、下肢に凄まじい圧迫感を与えた。

強大な質量が彼の華奢な身体を軋ませ、めり込んでいく。
時間を掛けて、己の熱量を彼に教え、腰を揺すると、己の腰に焼けるような熱が拡がった。]

 ―――ッ、
 狭ぇな、あんまり熱烈に歓迎するんじゃねぇよ。

[片眉を揺らしながらも、己の楔は歓喜に震え、
彼の中で最終的な成長を遂げ、空隙をみちりと埋め尽くした。

足を抱えなおし、熱くなった己の身体を更に押し付け、
彼を掻き抱くように上体を倒してゆく。]

 ………好きよう、溶かせよ。
 ――――…全部、お前さんにくれてやらぁ。

[彼の両脚の間で揺れる屹立に指を添え、
緩く扱く律動に合わせて、ズン、と深く彼を突き上げた。
粘膜に接吻捺すような一打、熱を払う瞬きに合わせ、音もなく、満足そうな笑みを見せた。*]

(129) momoten 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 半の目 丁助

 花主さ、ま……

[お前は誰も見ていない、と告げた宵闇の声。

繕った仮面の奥で、本心を隠し、傷付かぬようにと笑むばかりで。
そんな己に、誰を愛することが出来ようか。

何を好きになっても、何を嫌いに思っても、苦手に思っても構わない。
感情を否定しない己こそが、嫌われぬようもがくばかりの哀れな枯れ花なのだと。

花籠の外にさえ出ることが出来れば、何もかもを零からやり直せると。

信じていたかったのは、甘すぎた子供のような理想。]

(130) lalan 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 半の目 丁助

 花主、様……ッ。

[本当は理解していた。

理解して、見ない振りをしていた。

花に求めるものが"男を受け入れ悦ぶ事"だったと。
其れを求めてしまうほど、自らが逃れられぬほどに、低俗な花らしくあったこと。

同じ花である者たちを眺め、彼らのような強さに嫉妬していたこと。

"ちょう"のように、生きてみたかったこと。]

(131) lalan 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 半の目 丁助

 花、主、さま。

[造花の振りをして居たかった。

そうでなくては、寂しくて。

"誰に言われず、誰に愛でられず、誰の目にも留まらず"

花は、潰れてしまいそうだったから。]

(132) lalan 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 半の目 丁助

 ――…。

[闇に誘われるのは、歪な劣情。
嫌がらせをして縫い止めた、独り善がりの錆びた楔。

飛べぬ沈丁花は蒲公英を夢見、白い蝶と交わしたたった一つの約束は、遥か彼方。*]

(133) lalan 2014/09/26(Fri) 22時半頃

【人】 看板娘 櫻子

──【『夢物語』への一頁】──

[不器用な焔花との別れ>>56>>57
 返る祈りを背に聞きながら>>*7
 揺れる焔に見送られ、僕が射干玉の髪を翻して。

 あれからどのくらいの月日がたったことでしょう。

 『外』を知らぬ花は、残されたたった一つの手がかりが
 海を越えた場所なのだと謂うことを知りました。
 本当にとてもとても、遠く。
 その遠い海を越えることは、終ぞ叶わなかったのでございます。]

(134) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 ん、…ふぁっ

         …あんッ、ん!

[『花』をやめた僕が咲くのは花籠ではありません。
 『人』を捉え『人』とも扱わぬ、地獄の奥底でありました。
 今は夜でしょうか、それとも朝でしょうか。
 窓さえない此処では時間の流れなど判りません。

 櫻樹の枝であった白く細い腕には、無数の痕が残ります。
 今日もまたひとつ、その痕は増えたのでございます。

 おかげで、あの御方に出逢うことが出来るのです。

 ほら、四角く切り取ったあの窓の向こうから
 あの方が気だるそうに、やってくるのです。]

(135) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 あぁっ、やッ…も、っと!

         奥、…まで、衝いて ッ、ぇ!

[乱暴に穿たれる体はすべて、彼だけのものです。
 僕はもう、こうして何度彼に抱かれ続けているでしょう。

 何度も閨を添い遂げております。
 何人もの彼と快楽をむさぼっております。

 そして今日もまた、今日もまた。
 容赦なく身体を何度も重ねるのです。]

(136) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

[僕は彼に逢うために、海を越えようとしておりました。
 船を出してくださいませんかと
 港でずっと、希っておりました。
 やがて一人の殿方が、乗せてあげると謂ってくださったのです。
 僕は何も疑わず、その御方について行きました。


 世間を知らなさ過ぎたのです。


 辿り着いたのは船ではなく、窓もない部屋。
 無理やりに、腕には注射の針が刺されました。
 身体を廻るのは、再会の運命などではなく麻薬。
 徽章(やくそく)は、金目のものと判断され
 懐にしまっていたお金も、何もかも共に奪われてしまいました。

 ──僕は死んでしまうんだと、そう思っておりました。]

(137) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 く、んんッ、もぅ …だめっ!

         で、る …イっちゃ、 ッあ──!!

[はしたない言の葉が堕ちてゆきます。
 あばらまで浮き出た僕の痩躯が、弓のように撓り。
 幾度出したかもわからない精を出しつくし
 床を微かな白濁で汚しておりました。

 震える指先を伸ばしても
 あの御方は、霞んでいってしまわれます。

 僕を置いて、遠い海の向こうへ。

 僕を置いて。]

(138) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
[最期に、懸命に呼ぼうと唇を動かしましたが

 僕は彼の名前を、知りませんでした**]
 
 

(139) anbito 2014/09/26(Fri) 23時頃

【人】 懐刀 朧

―新月の晩―
[月に一度の暗いくらい闇が花街を覆う日。
息を切らし紺色とこげ茶を揺らし何処かへと向かう男が一人。

目的は一つ。
まだ次に腰を落ち着ける場所の宛なんて決まっては居ないが、雪山にかかる月を見にいければと。>>3:*59
覚えていないかもしれない口約束を果たそうと、走る、走る。
待ってくれると『約束』してくれた花を……いや、愛しい人を、月明かりが無くなる晩に、人目についてもいい、指をさされてもいいから
正面から攫ってしまおうと向かうは一つの娼館。
彼は、霞は何処に居ただろうか。彼の姿を見つければ、ふわりと笑ってこう告げる。]


 霞、お前の一生を朧では無くただの『佐吉(おとこ)』が貰い受けにきた。


[娼館の主も、先輩娼にも文句どころか一言発するのさえ許さずに彼を抱き上げ、荷物があるならそれを奪うように手に取り。]


 ただ俺の傍で笑って過ごしてくれれば、いい。
 俺の時間が欲しければ、全て霞にくれてやる。

(140) オレット 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 花蝶の夢 ―

[厭だ、と声が聞こえた。>>4:71

確かな拒絶は、胸に降り積もり、心を冷やしていく。
寄り添えとは思わなかった、理解されたいとも。

ただ、一時。海を渡る際に、抗えぬ本心に従っただけ。

けれど、それも。
蝶の、或いは夜蛾の、或いは毒虫の夢想だったようだ。

強く握り締めた徽章が、共有しようとした約束が、
己の強靭な心が、脆くも砕けてしまいそうだった。


所詮、花は花でしかなく、蝶は蝶でしかない。
どちらも人から酷く遠い、幸いなど夢物語。]

(141) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 
 
[その夜、己は購った花を抱いた。]
 
 

(142) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[手荒く扱うのは花として、虐げるは蝶として。
厭だ、厭だと膨れる彼の本心など理解もせず、
剥いた背中に罰として爪を立てた。

もう彼は花でないと花主は言う。
だが、違う。花とは金に縛られる者のことではない。
花とは、咲くことしか出来ぬ者のことを言うのだ。

花を買うには花籠を、花を飼うには植鉢を。

強姦めいて貫き散らした櫻の花。
櫻は散ったか、未だ咲くか。

――――いよいよ、この手で散らそうか。]

(143) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[中に幾度も精を放ち、身体の奥底から悪辣で汚した。
酷使した秘所は紅く熟れて、創を負っているかもしれない。

しかし、そんなことは如何でも良かった。
抱き潰して意識も虚ろな彼の黒髪を掴み、
己の逸物を彼の乱れ髪で拭った。

彼が身体を捩る度、下の窄まりから精液がゴプリと零れる。
粘性の白濁は濃く、毛先から爪先まで欲に塗れた花。

それでも何故か満たされないのは、いつものこと。
いつも以上の茫漠を抱えている事実からは眼を逸らした。]

(144) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 知っているかい、櫻子よ。
 お前さんは今宵で御役御免だ。

 お前さんは捨てられたのよ、
 あの花主にも。この花籠にもな。

[襤褸のように扱い、牀榻に捨てる彼の体躯。
本当は彼に預けようとした徽章が、己の証を手の中で転がし、
そっと、彼の顎を掬う。もう咲くことしか出来ない花を掬う。]

(145) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ―――…拾ってやるよ、感謝しな。
 お前さんは誰かを慰められりゃそれで満足だろう。
 俺がお前さんのちっぽけな価値を認めてやらぁ。


 ………煩わしさなんてな、慣れてるよ。

[彼を傷つけ、根を刻み、切花へと変えていく。
返し刃で抉られた心は血を噴出すが、彼も己も泣けはしない。
何処まで行っても交じり合わぬ蝶と花の末路。

鋭い徽章の切っ先を、彼の耳に宛がい、力に任せて貫いた。
吹き出る血は、涙の代わりであれば良い。
痺れを伴う指先は、歓喜に震えるものだと誤魔化した。


                           彼は手に入れた。
                     もう、それで良いじゃないか。
                  これ以上の形などありはしない。]

(146) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター


[彼は花、己は蝶。夜の全ては夢物語。

狂おしい涙も、甘い口付けもなく、彼は男に手折られた。]
 

(147) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[男は花を海の向こう側へと連れ去った。
居場所を失った花は摘まれた悪辣に抗う術を持たない。

古びた屋敷の庭は荒れ果てて、雑草ばかりが背を伸ばしている。
土いじりな得意な花に庭師の真似事などさせはしなかった。
墓守の真似も、もうさせない。

首に輪を掛けて、地下に繋いだ花は、
色ばかりを増すのに、何故か死体のように思えた。



櫻の下に埋まった、亡骸のように思えた。]

(148) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[張型にたっぷりと塗した蜜は、彼の身体を火照らせるもの。
帰宅まで飢えていろと言わんばかりに、
嵌めた貞操帯が彼の飢餓を一層深いものへと変えていく。
唯一人の主人の帰りを、渇望させるように。

三日と空かず彼を抱く主は、今宵も地下へ続く階段を下る。
終わりの無い淫欲の中、飼われる花は、
今宵も男により花弁を開くことになる。

終わりは知らない。或いはもう終わってしまった。
出口も行き先もない、長い長い夢のようだ。

何処かで間違えたとは思わない。
櫻は余り笑わなくなってしまったが、
翅を休めるだけなら贅沢は言わない。

ギィ、と重厚な扉が開き、一糸纏わぬ花に向けて、
せめて悪どい笑みを作って、苦いものを飲み干した。]

(149) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター



 ただいま、―――…俺の花。


[慾と悦に塗れた一時が始まるはずなのに、
自分の声は自棄に冷えて聞こえた。
気のせいだと、自身に言い訳をする回数は増え続けているが、
最早、そんなことにも気がつけない。

男はそろりと、青白くなった櫻花に手を伸ばす。
今宵も彼の耳朶で、己の本当の徽章《おもい》が輝いていた。]

(150) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[さぁ、明けない夜が始まる。
すれ違ってしまった想いも、教えられなかった名も、
全てを隠して、永く、闇い、夜の始まり。


今宵も光を恋うて、夜蛾が――――、

                        * 櫻の梢に留まった。 *]

(151) momoten 2014/09/26(Fri) 23時半頃

【人】 呉服問屋 藤之助

ー新月の晩ー
[月明かりもない、星の輝きすら鈍いこの日
誘蛾灯の様に娼館の灯は蝶『きゃく』を引き寄せる
珍しく入口に立つ紫を、先輩娼や禿の子らはどうしたんだろうと顔を見合せながら眺めていた

そして聞こえる、足音>>140]

……あ。

[おぼろ、と彼を呼ぶ。ふわりと笑みを零すのを見ればしあわせすぎて、胸が苦しくなって
涙腺緩むのを耐えながら、彼に向け浮かべるのは柔らかな笑み

ふわりと身体が宙へと舞ったか、と思えば彼の腕の中。手荷物は小さな風呂敷1つだけ
彼の胸元体預け、伸ばされた手は首へと回される]

佐吉

[唇紡ぐは彼の名前。彼が紡ぐも自分の名前
それがたまらなく嬉しくて。もういちど、声に出さず名を紡いだ後に]

(152) sinonome 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

貰って下さい。貴方の傍でないと笑えない。
一生お傍に置いて下さい……だから

一緒に月を、見ましょう。

[愛している思い、その言葉に全てを込めて
花開くは彼の傍とばかりに、頬に一筋伝うは嬉し涙だった]

(153) sinonome 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ────…、ふふっ。

[僕は珍しいものを見た気がします>>125
 表情から窺ったのではなく、揺れた言の葉に。
 そして、口ほどにものを謂う視線からでございます。

 僕が思うよりも、もしかしたらずっと
 僕のことを想ってくださっているのでしょうか。

 そんな、自惚れを胸に微笑み返したのでございます。]

(154) anbito 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ばっ、ばか  ──あっ!

[舌先が舐めるような場所ではない部分を攻め立てていきます>>126
 その上感じている、などと触られてしまうそこは
 身体につりあう程度の小振りなものでありました。
 糸が伝うのを目の当たりにして視線を逸らしたのは
 羞恥と、それから──…

 『蝶』として『花』を抱いた御方には
 満足できるものではないような、気がしてしまったのです。

 いままで一度として、そんなことは考えたこともありません。
 誰かと自分を比べるなんて、初めての感情に
 戸惑いが視線を彷徨わせたのでございます。]

(155) anbito 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

[優しい愛撫は執拗に続きます。
 手順の全てに、胸が締め付けられるようでありました。
 嬌声を堪えるのに唇をきゅっと噛んでおりました。

 見えたのは、片眉を顰めるお顔です>>127

 とたん鼓動は、切ない音色を奏でました。
 徽章(やくそく)を頂いた日に鳴り響いたものと
 同じ音色を聞いていました。

 腕を、伸ばします。
 触れること、きっと赦して下さるでしょう。
 細い身体を持ち上げて、接吻けを落とそうとする刹那。]

(156) anbito 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

 っ ……──ン、ぁ!!

[何よりも甘い囁きが舞い降りました>>128
 まるで蝶がひらひらと、花に寄りそうような声で。

 「僕も、だいすきです。」

 そう紡ぐことは叶わず。
 接吻けをすることも出来ぬままに、蕾を押し開く大きな熱。
 感じた事のない感覚が身も心も襲いくるのです。

 痛みを感じるのは身体ではなく心。
 喜びに耐え切れず、切なさが増してしまうのです。

 熱を感じるのは心でなく身体。
 肉塊に穿たれ揺さぶられ、悦に熟れた身体が応えます。]

(157) anbito 2014/09/27(Sat) 00時頃

【人】 看板娘 櫻子

 さ、まっ ──えく、…ぅる  さまあっ!

[呂律の廻らぬ舌先が、確かに彼の名を呼びました。
 唯一、僕にだけ許された名前を呼びました。
 堪えることなくしがみ付いた指先が、その背に爪痕を残します。


 溢れくる想いに、はじめて涙が落ちました。


 生涯、お慕い申しておりますと。
 だいすきですと。
 逢いたかったと、寂しかったと。
 射干玉が見詰め、囁くのでございます*]

(158) anbito 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 営利政府 トレイル


[ぎこちなく紡がれる己が名>>19には、小さく笑みでも零して見せただろうか。彼には見えぬように、ただ空気だけを震わせ。
その唇から名の唄が聴こえたこと。唯そのことに、誰と分け合うでも無いよろこびを独り占め、微かに通る漣に耳を委ねる。]

 …勿論、

[軈て答えられた事には、白に何の反応さえ見せなかったことには安堵に肩の力でも抜いてみせたのだったか。横目に見えた伏せた瞳は惑いの色さえ伺えずに、お強請りの後押しをするかのような指先>>21には、又ひとつ透明な笑声を手向け。]

    キミとなら、何処へでも。

      ーーー何処にでも。

    …共に。

[かの悲劇の物語を真似た人らだと背を指差嗤われようとも、ただ彼に寄り添い、その身が朽ちる迄。自ら堕とした月を拾い上げたその責は、しあわせの白を以って応えよう。ーーと。

陽は沈み、また宵闇は来たる。
何度でも、何度でも。朽ちても来たるその闇を何を譬喩しよう。
絶望と縁取られた其れさえ、今や希望の誘導者と僅かな感謝の意さえ抱きながら、ただ身を隠し始める陽と、顔を出した薄月に視線を移しては、ひとつ。ふたつ。瞬き。]

(159) grampus 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 営利政府 トレイル


 …今夜も、月は綺麗だろうね。

    そうしてきっと、明日も。


[ーーさあ来てくれないか、やさしい夜よ。来て。愛にあふれ、黒く塗られた眉を持った夜よ。自分の月を届けておくれ*]


(160) grampus 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 懐刀 朧

 …泣くな、笑ってくれ霞。
 お前に泣かれると、その、どうしていいのか分からなくなる……

[片手で抱き上げたまま一度器用に荷物を降ろし、一滴の雫を拭おうと手を伸ばせば。
ぱちり、と確かに視線が合っただろう。
照れを隠すように視線は彷徨い、耳はほんの少し朱色に染まる。
誤魔化すかのように言葉を伝えようと口を開く前に、娼館の主に呆れたような声を出されて。

居心地が悪くなった男はもう一度小さな風呂敷を手に、そのまま娼館を出る。
……敷居を跨ぐ直前、一度館の主を睨み付け。
今度こそ足は館を街を背にして歩く。
下ろせと言われたなら望み通りにそうしただろうし、何も言われなければそのままで。]

(161) オレット 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 懐刀 朧

 ―――月を、見に行こう。寒い場所は嫌いか?霞。
 当分は何も心配する事はない。
 のんびり、静かな所でまずは休もう。時間なんていくらでもあるのだから。


[愛しい人を抱く手に少し力を入れると、僅かに身体が強張る。
街が遠ざかれば自然と足は止まる。

今度こそ本当に、霞も佐吉も自由なのだと街明かりをみながら実感する。
自然な動作でなんともないように、しかし丁寧すぎるくらいに唇を合わせて霞から視線を外す。]


 それ、と。今後我慢はできないと、思ってくれ。


[執着にも似た、『朧』が『藤之助』に抱いてはいけなかった物。
『佐吉』が『霞』へ抱くのなら、障害の無いもの。
……そう、霧雨の夜に手放しきれなかった物に名前を付けるのなら]

(162) オレット 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

 
 
飛んでなど、いかないでおくれ?
 
 

(163) あんび 2014/09/27(Sat) 00時半頃

【人】 露店巡り シーシャ

[今日も また 。
視線を伏せた先に有るのは汚泥にまみれた排水溝。立ち込める物は煙では無く、何処かから舞い込む汚い屑。ボンヤリとした蜃気楼の中に浮かぶは–––––––––

揺ら揺ら踊る、焔か。


いつまで経っても蒲公英は種を運ばない。お行儀良く鎮座している、意味も無いというものだ。そもそも、どうして男が待つ必要があった。脚の片方の腱が切れたから。鍵の掛かった手錠があるから。

ガン。
男は狂ったように、石で固められた壁に手錠を打ち付けた。何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
手首に風が通る。赤い線がつ、と腕を伝う。
それでも、何度も。
最初に翅を手に入れる前と同じ事を繰り返す。思う事は同じ。
「どうせ死ぬなら、やってみたいことがある」
以前、そうして男は逃げ出した。この薄汚い箱の中から。

煙草が燃えるのは一瞬で、すぐに灰にはなるものの、焔の種さえ欠かさなければ、シケても吹いても燃え続ける。
燃えて、燃え尽きたその灰は、冷たい夜風に乗って静かに籠へと降り注ぐ。
目の前には、花籠へと続く長い一本道。
途中で絶えるか、それとも。*]

(164) tyugakusei 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

[斜陽が落ちれば浮かぶは満ちた月。
鈴虫が奏でる柔らかな音色と共に預けた背はあの日を思わせる闇色。

囁きは甘い蜜のように芳しい香りを漂わせては、足の爪先から脳の芯までを痺れさせていく。

肉の皮一枚を隔てたそこが溶けるように同じ温もりになれば、青年は唇を緩める。

揺れる空気の中穏やかな時間はゆっくりと陰を落とし、二人を包む茜色は紺色へと姿を移ろわせる。]

…月は満ち欠けを繰り返すのだとか。

[月が綺麗だと口にする彼にそっと青年は、捻くれた言葉を繰り出す。
悪戯めいた笑いは、咽喉を小さく震わせただろう。]

…でも不思議だ。
貴方といるといつまでも時が止まったように。
それこそ、月の光を浴びて若返ったような…、そんな錯覚を覚えてしまうくらい、一向に欠けることが無いのです。

[蔵書にも台本にも記載されていない台詞を、二枚目でも三枚目でもない役者は唄う。]

(165) minamiki 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 座敷守 亀吉

……おかしいなぁ。

満ち足りすぎて、少し…怖い、なんて、……、

…それでも、貴方との幸せを望むのだから、手に負えない。

[諦めたように呟いた言葉は陽が落ちた小部屋にて小さく響いていく。
やがて、月が姿を現し星々が煌めくまで視線を空へと向けて青年は笑う。]

……ええ、きっと。
明日も、明後日も。

*月は綺麗なまま夜に咲くのでしょうね*

(166) minamiki 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[やらしい顔で笑った彼に文句はつけない。
どうせ、彼に見透かされている。

取り繕い、隠すのは、今だけやめておく。
無粋だからじゃない、―――余裕が足りてないからだ。]

 堪えた甲斐もあったってもんだな。
 良い顔だ、寝所に鏡置こうぜ。
 お前さんに見せてやるよ、―――…教えてやるよ。

[彼が己に抱かれてどんな顔をしているか。
揶揄ではなく、本音からふざけた言葉を吐き出して笑う。
逸れてしまった彼の気を惹くように。
罵声でも悪態でも、彼の声が聞きたかった。

余りに稚いと脳裏に巡ったが、無視をした。
もう、彼に何も隠さないと決めたのだ。]

(167) momoten 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[伸びてくる両腕に身を寄せる事を、花の頃は忌避していた。
彼を買う数多のように、慰められるだけの男になりたくなかった。
言えば、きっと笑気を誘うので言わないが、
彼の抱擁に応える今は、考える以上に特別な意味を持つ。

貫いた痩躯を抉るように腰を突き出して、愉悦を追う。
強引に腰を使い、圧倒的な質量で追い詰め、
奥底ばかりを亀頭懐かせ、柔く解いた。

重ね合わせた脈動は、お互いの心音として交じり合い、
触れた場所から境界線を見失って、融けていく。
確かに彼の寵愛するショコラよりも、甘い。]

(168) momoten 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ―――…櫻子。いつか、俺が。
 お前さんの寂しさとやらを、埋められたなら名を教えてくれや。

 捨てたなんて言わせねぇ、失くしたとも。
 ……お前さんの全部を、俺に寄越せや。

[彼が苦労の果てに多く捨ててきたもの。
一朝一夕では理解出来ない悲しみを、己は生涯掛けて知る。

彼が庭に埋めてしまった心の欠片を野蛮な男は掘り起こし、
一つずつ彼に持たせていく。土いじりなど趣味で無いのに。

背に立つ爪に唆され、彼の屹立を追い上げると共に、
二度、三度と深い場所を激しく突き上げた。
彼の薄い腹に波を立たせ、離さぬように強く擁した。]

(169) momoten 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ――――……ッ、

[どこにも行くな、と囁いた擦れ声は、呻き声に紛れた。
同時に、迸る熱が彼の奥で弾け、奔流が爛れるような熱を撒く。
飛沫は浸潤と犯し、息を乱して重ねる肌。

視界に納まる輝石の雫が、酷く尊いものに思えた。
黒髪を掻き抱いて、引き寄せ、キスで噛み付く。

誰にも渡さない、誰にも見せない、誰も知らない、
己のだけの雫は、己の腹ではなく、胸を満たしてくれた。]

(170) momoten 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 
[恋に落ち、涙が落ち。
 彼と己は、想いで心と身体を埋めていく。

    きっと、この生温い感覚の名を、
            ―――――― しあわせ と、呼ぶのだ。*]
 

(171) momoten 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

ごめんなさい、佐吉。
でも止まらないんです、嬉しくて。

[涙拭う指腹、それを追えば視線が合って>>161
朱色に染まる彼の耳と同じ位に此方の頬にも紅は宿る
負担をかけてしまうかもしれないけれど、その腕に抱かれるのは心地良いと、首に腕まわし身体預けたままに娼館を出る
月明かりもない暗い夜でも、これから歩むであろう未知の先は星の明かりに彩られているのではないか
そんな事を考えながら彼の胸元から聞こえる鼓動の子守歌に瞳は柔らかく細められる]

(172) sinonome 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 呉服問屋 藤之助

私の故郷は雪山の麓ですから。
寒さは大丈夫です。それにほらこんなにも――温かい。

[貴方がいるから、と
僅かに身体が強張るのを感じれば、大丈夫だというかの様に首にまわした掌で髪を梳き

抱かれたままに彼の目線よりやや下の方、街明かりを眺めれば、それは壮大な誘蛾灯に見えた
でも己が背にも彼の背にも翅はあらず、さりとてもう蜜湛えた蕾もあらず
1人の人間として共に、歩んでいくのだと実感して]

[やがて重なる唇は、今まで経験したどんなものより甘く、優しく愛しかった]

我慢なんてしないでください。私もしません。
ねぇ、佐吉さん。

[勿忘草の花言葉。真実の友情というオブラートに隠していた私を忘れないでという恋心、それらは今、誠の愛へと花開いて

だから笑み浮かべ告げるのだ]

(173) sinonome 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

――  花蝶の幻 ――

[所詮は蝶と花、それ以上にも以下にもなれず
 呼ばれ、覚悟していた通りに


 ───僕はあの晩、彼に抱かれました>>142


 背には爪を立てられ、何度も腹を満たされて。
 擦れる場所は熟れて切れ、白濁の中に朱を混ぜても。
 厭だと叫んでも、首を振っても涙など流れませんでした。

 枯れた可愛げのない『櫻』にございます。]

(174) anbito 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

[射干玉の髪は精液に犯されました。
 痛みに体を捩れば、涙の代わりに白が溢れます。

 そうして容赦なく捨てられた身に降り注ぐのは
 僕が捨てられたということと>>145

 ……咲かせて、下さるの、ですか?

[傷付いた『櫻』を拾う>>146
 そんな言葉にございます。]

(175) anbito 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

[抗いもせず、『櫻』は海の向こうへと連れ去られ
 地下にて、その『せい』を許される存在となりました。
 頭の上には荒れ果てた庭があることも知らず。
 まるで、僕自身が埋められた亡骸のようでした。

 体を火照らせるものがあるのに
 嵌められたそれは、熱を放つことを許しません。
 帰りを待てと躾けられているかのごとく。
 ただただ、薄汚い欲ばかりが募るのです。

 地下へと響く足音は、待ちわびた唯一つだけのもの。

 光の消えた眸を向けて、僕はこう返すのです。]

(176) anbito 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 おかえりなさいませ、───…僕の『蝶』。
 
 

(177) anbito 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

[声はもう掠れて、潰れています。
 それでも僕は返すのです。

 耳に飾る徽章(そくばく)を光らせて。
 僕は久しぶりに、ふっと微笑みました。

 これが施されたときに、震えていた指先なんて知りません。
 判りません、判らないのです。

 判っては、ならないのです。]

(178) anbito 2014/09/27(Sat) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 堪えて、おられたのですか?

[寝床に鏡を置くなんて、酷く悪趣味なことを謂う御方へ>>167
 一言お尋ねして、彼の謂う『やらしい顔』で微笑んでおりました。

 あの花籠での一連を思い返します。

 避けていたのは、お互いでした。
 僕は彼が現れ揶揄を撒き散らせば、避け。
 彼は僕を買うことをせず、避け。

 なのに奥底に芽生えた呪詛は
 ずっとあなたさまへと芽吹こうとしていたなんて。

 ならば、あなたさまも
 もしかしたら、同じように───…]

(179) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 鏡に、映さず…
 …いまっ 教えて、くださ── ぁっ!

[僕は一体どんな顔をしているでしょう。
 何処かの地下に埋められた亡骸のようではないはずです。

 大きな質量が、僕の中を穿ちます。
 感じたことのない圧迫感に、繋がる部分は擦れますが
 丁寧な愛撫のおかげで柔らかく
 埋まる全てを──或いは、この御方全てを
 包み込むようにして締め付けていることでしょう。

 奥を打つ先端、根元まできゅうと絡みつき。
 体温も心も融けきって。
 甘くて、とろりと蕩けてしまいます。]

(180) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

[僕が失くしてきたものを。
 彼が拾ってきてくれるのです。
 僕が埋めて隠したものを
 彼が掘り返してくれるのです。

 一朝一夕では理解出来ない、と。
 あのお優しい言葉を聞いたときからずっとずっと。
 僕は、あなたさまをお慕い申しておりました。

 ですが、名前を知りたいと仰る御方に
 本当のことは、まだまだ教えてあげません。

 掘り返してくれるのを。
 寂しさを全部受け止めてくれたのなら。

 その時に初めて、教えましょう。]

(181) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 [「どこにも行くな」>>170

 そんな風に聴こえた呻き声は、きっと幻聴などではありません。
 ですから僕は細い腕で彼を抱きしめ
 全てを受け止めて見せるのです。]

(182) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 えくとぅ、る、さま ぁ ───…っ!!

[接吻けに、ぱたぱたと涙は止まることを忘れ。
 それでも哀しくなどないのです。
 ただ、嬉しくて仕方がないのです。

 迸る熱を体の中に、そして胸に受け止めて。
 肌を重ねて、接吻けましょう。]

(183) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
[涙が落ち、恋に落ち。
 僕と彼は、想いで愛と未来を育てていきましょう。

    きっと、この蕩けそうな甘さのことを、
          ──────『しあわせ』と、呼ぶのです。*]
 

(184) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

──えとわーるだるじゃん──

[僕は、あの日のように植物図鑑を捲っておりました。
 空は宵闇の色をしております。
 そろそろ、僕のご主人さまがお仕事を終えて帰って来る頃です。]

 ……───。

[指でそっと撫でる頁には、白い花が咲いておりました。
 『初恋』なんて意味を持つ
 可愛らしい、可憐で、似ても似つかないお花でしたが
 僕はそこに印刷された文字を撫でては
 ふっと、幸せそうに微笑むのです。]

 えとわーるだるじゃん。

[不慣れな言の葉ではありますが
 愛しいその名前を紡いだら、丁度玄関のベルがなりました。]

(185) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 はあい、おかえりなさいっ!

[僕は、本に急いで栞を挟みます。
 そしてぱたぱたと、出迎えに向かうのです。

 本を置いた場所からは、中庭の櫻が見えておりました。

 花が咲き、散る頃には
 僕の名前を教えてあげようと思います。]

(186) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 櫻の、子とかいて『おうじ』です。


[はじめから、ちゃんと知っていてくれたのですよ───って**]

(187) anbito 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 営利政府 トレイル






     ―――愛してるよ、亀吉。

[翅の捥がれた蝶は人と成り
花開いた末に人と成った花に、永久に …うたう。]


(188) grampus 2014/09/27(Sat) 02時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― そして ―

[悲しみを埋めた果てに、彼は名を教えてくれるらしい。
命題と言うには聊か、大袈裟だがそんな生き方もそう悪くない。
ポッと明りの灯る家に帰ること。
異国の著書を二人で読み耽ること。
斜めに植えられた桜で花見をすること。

己の名を呼ばれること。


そんな、彼の名を、己はきっと知っている。
そう、彼の名は、


           * しあわせ と、言う。*
                                      ]
 

(189) momoten 2014/09/27(Sat) 02時頃

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