226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/13(Sat) 02時頃
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[諦観しきっている癖に行動的な メルヤは、実は徘徊している時にクリーニングに出されている白衣を拝借していた。
鍵の掛けた振りをしている手錠と足枷を投げつけ、夜に忍ぶように部屋を出る。
部屋には鍵を掛けてきたので、余程の警戒がされてない限りは部屋を開けて所在を確かめるような真似はされないだろう。
慌ただしい病棟内を、筋弛緩剤も切れているため、二階の窓から覗く。運ばれてきた顔を眇める。
――予感は、的中していた。
運ばれる部屋を探るべく、ひょいっと二階に下りる。巡回中の看護師の振りをして、追っていった]
(+0) 2015/06/13(Sat) 02時頃
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[仄暗く遠目ではあるが、その体格と髪だけで誰か判別がつく。伊達にずっと見てきたわけではないのだ。
運ばれてきた青年と、少女の部屋を確認する。
手にしていたノートを破って、書いている館内見取り図に、それぞれに名前を書き込んだ。
途中で似たような白衣を着た相手とすれ違えば、同僚を把握しきっていないのだろう。お疲れ、と言ってその場をしのげた。]
(+1) 2015/06/13(Sat) 02時頃
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(……あいつ見なかったことにしてやろうか) [仄暗い考えが僅かに過ぎったが、ナナオの明るい笑顔の残像が浮かぶ。 二階の倉庫を見つけ、懐中電灯でノートに同じ見取り図を手書きで複写する。 ナナオとケイト用にと館内見取り図を手書きで複写していたが、ナナオは拘束されているため、無理に動かない方が良い気がした。 悩んだ挙げ句に彼女には、メッセージを残して置くことにした。
どれぐらい。二階の倉庫で潜んでいただろう。 運び込まれる慌ただしい喧騒の気配が止むと、そっとメルヤは抜け出した。
ケイトとタルトに渡すつもりの館内見取り図に、メッセージを添える。 ……もう一人の分には、ケイトとナナオの部屋だけを示した館内見取り図を作製した。]
(+2) 2015/06/13(Sat) 02時半頃
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[手錠と足枷を外したのは、1日振りだが開放感があった。 念のためスリッパを脱いで、音もなく仄暗い廊下を進む。
ケイトの部屋を開かずに、ドアの隙間から差し込んだ病棟内の見取り図。 メルヤとナナオとタルトとトレイルの部屋の場所を記した。
”例の件よろしくね”そう一言メッセージを残して次は、近いナナオのところへと向かった。]
(+3) 2015/06/13(Sat) 02時半頃
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―深夜未明:ナナオの病室― [ナナオの部屋は重厚な扉であったため、差し込む隙間が無かった。 仕方がないので、そっと扉を開く。ナナオはまだよく眠っているようだった。
少し躊躇われたが、詩が書かれているサイドテーブルにメッセージカードをそっと置く。 ”タルトとトレイルが運ばれた”
味も素っ気もない一文だが、何か一言を書くのは躊躇われた]
[残りはタルトと、トレイルだが。この二人に関してはまだ中で処置をしている可能性を考慮した。
ケイトの頼み事通り、タルトの様子は後ほどすぐに見ようと思い、一旦自室へと戻った。
幾人かすれ違ったがやはり怪しまれない。消灯時間で、廊下が仄暗いせいもあっただろう。 白衣は意外と便利アイテムのようだ。]
(+4) 2015/06/13(Sat) 02時半頃
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(……疲れた)
[トレイルが、近い内に運ばれる予感はあった。その為の暗躍だったがタルトがそんなに病気を悪化しているとは思わなかった。
タルトの病気を省みれば、隔離はむしろ悪手ではないだろうか。そう、思った矢先だった。]
[ ピシリ ]
――嫌な高音質な音が、内側から響いた。
(+5) 2015/06/13(Sat) 03時頃
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[ ピシリ ピシリ ピシリ ピシリ ピシリ ピシリ ]
――ッ!!!?
[皮膚を貫き、神経に直通するような激痛が襲う。 鱗が生える時の痛みと名状しがたい生理的な気分の悪さは何時までも慣れない。
メルヤは咄嗟に、一階の使われていない空き部屋に潜り込んでその場に忍んだ。
ピシリ ピシリ
歯を食い縛り耐える。目の前の視界が、薄暗い白の病室が色を変える。]
(+6) 2015/06/13(Sat) 03時頃
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[目の前に立っていたのは元気そうなタルトと、どこか不遜そうな顔つきのトレイルだった。
鱗の突出後の幻覚は特に重症だった。
メル兄やん、と笑顔で近寄るタルトには、少女が抱える病気の気配など何もない。 現実感を伴う幻覚は、まだほとんど落としていない頃のトレイルをのぞかせた。
紫の花が、彼に近くでそっと咲いており、その瞳はどこか愛しげだった。
過呼吸にならないように、息を整える。幻覚は振り払おうとしても、鱗の生えた後では難しい。視界の端まで、聴覚の奥までが支配されている。]
『メルやん♪』
[愉快な声が耳に入り、メルヤの心がかすかに震えた。 視線を反らしても、タルトがトレイルがいる。ピエロの男が、立っていた。その姿は血まみれで、息を呑んだ。
(まって。ぼくは、こんな姿の彼を――見たことは)
あっただろうか。わからない。もしくは血糊でふざけていた時か。中庭の木から逆さ吊りで頭から落ちた時にこんな風だったような気がしないでもない。 鉄錆びの匂いが――幻は嗅覚まで支配している――その説を、打ち消した。]
(+7) 2015/06/13(Sat) 03時頃
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『あーあ。大事な帽子が木の上ダヨ♪』
[ピエロの男が見上げたのは、木の上だった。帽子。この時、彼は帽子を木の上に置き去りにしたまま治療のために部屋に運ばれた。
――…自分がその時、どうしたか。
思いだして、ぞくりと背筋が粟立った。 気づけば病院で一番高い木の上にいた。
いつの間にか手には、道化師の帽子。そうだ、あの時。周りの制止を振り切って木に登って――帽子を掴んで自分は落ちたのだ。
追体験をするように。彼は”幻”の中で中庭の木から落ちた。あの時は、大人達が、マットだか。シーツだかを用意して軽傷で済んだが。
背筋に脂汗が、滲む。
(+8) 2015/06/13(Sat) 03時頃
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[落下していく体を幻だと、現実に戻ろうと叱咤しても無駄だった。大人達の存在は感じ取れない]
(――あああ゛あ゛あ゛ッ!!)
[メルヤは”幻”の中で高い木から落下した。地面に強打したような衝撃を味わう。
傍目に見れば彼は座り込んだまま、唐突に血を吐いたように見えるだろう。生々しい幻は生身を傷付け、幾つかの鱗を剥ぎ取った。
背中から落ちる中で少しでも衝撃を和らげようと枝を何度も何度も掴んだのが功を奏したのか。 肋骨だろうか。骨が幾つか砕ける音がしたが命に別状は無さそうだった。内臓は、やられる程ではなかったようだ。]
( ああ。 こんなにも 痛い 思いを してたんだ、ね――。)
[衝撃のせいか。”幻”は霧散していた。 空室で、手の包帯はすり切れて、背中の包帯と口から血を滲ませながら意識を手放した**]
(+9) 2015/06/13(Sat) 03時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/13(Sat) 03時頃
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―眠りの奥―
――…どこかで、子どもの泣き声がする。
静かに。ただ静かに。小さく丸まって泣いている子ども。昨日からやたらと煩いその声はどこか聞き覚えのあるようで、無いような声。
メルヤはその泣き声のもとに行き着いた。
それは幼いメルヤ自身だった。七年前の僕が、泣いている。あの声は、自分の内側から聞こえていたようだ。 うんざりとした調子で、中庭の木に背を凭れ掛ける。夢か幻か知らないけれど、どうして何時もこの年齢なのか。
――”終わりのはじまりだからだよ”
子どもには随分と可愛げのない泣き方をしている、幼いメルヤの声が、響く。 ひどく寒い。まるで、冬の夜空の下にいるかのようだった。
幻覚症状の仕組みが解明されているかどうかはわからない。深層心理と記憶に働きかけているのはメルヤもうっすらわかっていた。 頻繁にピエロの男が出るのが、顕著な証だ。憂いも躊躇いもなく慕った唯一の、人。 幻であれ、会えたことに喜びを感じなかったと言えば嘘になる。
(+14) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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―夢の奥―
受け入れるわけにはいかなくても、目を、心を奪われるわけにはいかなくても視界の隅で見てしまうのだ。
他にも共に過ごしてきた、連れて行かれて二度と会えないひと達の姿を何度も何度も幻視する。 寒い。吐く息が白い。粉雪が舞っている。小さな体が白く染めようとしている。 「昨日は納得したじゃないか。往生際が悪いよ、戻ろう。」幼い自分に語りかける。
――”……ほんとうに、イヤな大人になったね”
夢でも自分に言われるのは、奇妙な気分だった。自分自身を責めているような、錯誤をしそうだ。
――”昨日と今日では……ちがうんだよ”
(+15) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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―夢と幻の境―
何が? 何も変わらない。 タルトが運ばれたことは少し意外だったけれど、ナナオもいるからきっとどうにかなる。トレイルが長くないことはわかりきっていた。 「何も変わらないのに、駄々こねないでよ」
――”……ぼくはここからうごけない、うごかないよ”
我ながら可愛げのない子どもだ、と思う。 冷たい地面が足元から冷気を漂わせる。無理やりにでも連れて行かなければいけない。何故だか、そうしなければならない気がして、蹲っている幼い自分へと手を伸ばし――。
その体がすり抜けた。 幼い自分が顔をあげた。どこか憐れむような、恨むような目で大人になった自分を睨む。その生意気な瞳からは、音もなく涙がこぼれ落ちる。
――”もう……いない。……………いないんだ。”
途切れ途切れの涙声を最後に意識が緩やかに浮上した。 七年前の幼いメルヤは、そこに蹲ったままだった――。
(+16) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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―早朝:空室―
[目が醒めた時に、全身を強打したような激痛がメルヤを襲った。 触感がある時点で予想していたことだが、幻の中で怪我を負えば、そのまま怪我をするらしい。
油断した。変幻しつつある幻覚症状に、咄嗟の対処など不可能だった。
幸いにして、見つからなかったようだった。手の包帯はすり切れて背中も酷い怪我を負っているようだった。手にしていたノートが無事なことにほっと安堵する]
(+17) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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[メルヤは懐から、シーシャに貰った鎮痛剤を取り出し、用量分だけ飲み干す。水はないが、この際仕方ない。早く効いてくれることを祈るばかりだ。
一度自室に戻って、包帯を巻き直そう。全身の痛みに耐え、壁に這うように立ち上がる。
ひやり。寒気が走った。怪我のせいなのか、全身が身震いをするように、寒い。
まるで。冬の夜空の下に投げ出されているような感覚にメルヤは戦慄した*]
(+18) 2015/06/13(Sat) 14時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/13(Sat) 15時半頃
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―自室―
[慎重に自室に戻ったメルヤは寝台の上に腰を下ろした。強めの鎮痛剤が効いているのか、どうにか動けるようだ。
全身の震えは止まらない。薄着で雪の中を投げ出されているような感覚がする。 怪我のせいだろう。メルヤはそう思い込んだ。
かじかんでいるような手で、血がこびり付いた包帯を剥ぎ取る。包帯には幾つか鱗が付いていが、固い鱗のおかげで余り血は出ていないような気がする。 背中の怪我の度合いは、軽傷ではないだろう。
治療を受けてから動いた方がいいだろうと冷静に判断を下した。 メッセージと地図をケイトとナナオに残している。タルトがいつ目覚めるかわからないが、満身創痍で会えばあの病を悪化させかねない。 筋弛緩剤を投与されるのは嫌だったが仕方ない。
タルトとトレイルのとこに地図を届けよう、とこれからの計画を練った。]
(……あれ?)
[些細な違和感が、小さな針のように突き刺さる。チクチク、と。小さな痛みがあったが、強打した背中と擦りむけた手の方が痛かったからメルヤは明確には気づかなかった]
(+22) 2015/06/13(Sat) 16時半頃
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[包帯を巻き直す。血の付いた白衣と包帯をベッドの下に隠して、鍵を掛けずに手錠と足枷を付けている”振り”をした。
治療を受けて、タルトの部屋に行き、起きていなければ地図を置いていく。その後はトレイルのところに、地図を持って行こう。
ふと。ノートに手を伸ばす。シーシャから貰ったノートを、治療を受けるまでに読んでおこうと思った。
寒さに身を置くような体の震えは、止まらなかった*]
(+23) 2015/06/13(Sat) 16時半頃
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[治療を受けるまでの間、シーシャから貰ったノートを開いた。
そこに綴られているのは、彼が思っていたような絵本ではなく日記だった。]
(+24) 2015/06/13(Sat) 19時頃
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― 無色に彩られた日記>>2:131>>23 ―
[メルヤはシーシャの絵本のひとつだと思っていたものは、日記だった。 他愛のない日常を綴った日記。誰の日記かもわからない。 シーシャの日記であるならば、何故これをメルヤに渡したのだろうか。
彼が処分しようとしたのは、何故だろうか。思い至ったのは、日常のことが描かれたのは”私”という一人称であるということだった。 薄々と気づいていた。シーシャと”私”の存在が、輪郭となる。シーシャが処分しようとしていたのも、そのせいだろうか?
ぼんやりとノートを捲る。半分以上を過ぎた辺りから何も書かれなくなった。 ところどころ、院内見取り図――1階と2階と各個室の場所のみだが――を記して数人分用意した無地のところが、破られている。
最後の頁にいきあたり、ノートが閉じられた。
一瞬、文字の羅列を目にしてメルヤは裏表紙を捲る。]
(+25) 2015/06/13(Sat) 19時頃
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[鳶色の双眸が、文字を追う。指が、文字をなぞった。
『誰が忘れてしまっても 私だけは忘れない。』
届かなかった言葉《おもい》の欠片。触れたのは、確かな慈しみ。 シーシャはこれを読んだのだろうか。この想いは伝わったのだろうか。わからない。 文字を追う指先が震えていた。肌寒さを覚えている。
この想いを、届けなければといった、情感が不思議なほど、働かない。
心に、響いていないかのように。]
(+26) 2015/06/13(Sat) 19時頃
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[ふと。――…目を閉じると、季節にそぐわぬ真冬の情景が浮かんだ。 細雪が降り落ちる、冬の夜空の下。中庭の樹の近くに蹲る子どもが泣いている。凍えて、寒くて、寂しくて泣いている。
”それは、届けなきゃ。伝えなきゃ…いけない。いけないのに、わからないの?”
幼い自分が、断罪するような声が内側から響く。]
(+27) 2015/06/13(Sat) 19時頃
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[些細な違和感の正体に気づき、メルヤは自らを抱き込むように両腕をまわした。 体は、凍えたように冷えている。]
[深層心理の奥。 最期にして最初の残酷な白の世界に置き去りにした、幼い自分は――。
おのれ自身の心の一部だった。
《幻》に囚われ切り離された心は 雪がちらつく真冬の空で丸くなって――凍えている。]
道理で。 ……今日はほとんど幻見ないと思った。
[ぽつり。呟く声音は無機質なものだった。
ドアが開かれる。 巡回の看護師が現れるのを、感情のない瞳が捉えた*]
(+28) 2015/06/13(Sat) 19時頃
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―自室― [>>+30の声にぱちり、と弾かれたように顔を向ける。]
あ。ケイト。
[血のついた包帯でも見られたのか。怪我のことに勘付かれて、ばつが悪い顔をした。]
ちょっと…ね。
目? 目がどうかしたのかい?
[不思議そうに問い掛ける。メルヤの様子は普段と変わらない。 ノートを持つ手が、かすかに震えている。]
(+31) 2015/06/13(Sat) 22時頃
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[幻覚症状で中庭の一番大きな木から落ちたが、打ち付けたのは背中だった。 メルヤが普段鍛えていたおかげか、運動神経の良さが幸いしたか、枝に何度も当たり、体勢を変えようとしたりしたのが功を奏したようだ 手がすり切れたのは、器用な作業が出来そうにない痛手だが、動く分には支障は無さそうだった。 普段から包帯をしているため、部屋を訪れなければ勘付かれなかったかもしれない。普段より幾分、動きは鈍い。]
ケイト…ナナオとトレイルはどうだった?
[幻覚による怪我の原因ではない。 かじかむような手を抑えこむ。ケイトがメルヤに近づいたら勘付いたかもしれない
季節はずれの冬の冷気のような空気が、メルヤの体に纏っているのを*]
(+32) 2015/06/13(Sat) 22時頃
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…怪我のことなら気にしないで、大した怪我じゃないし。
[問い掛けを飲み込んだような気配に、苦く笑う。 ケイトと話している時の、メルヤは普段と打って変わらない。 かすかな変化は、表面上には現れる程ではなく、あくまでも心の”一部”だった。]
手、と。背中もちょっとね。
[そう、誤魔化していた口振りが>>+34で、トーンを落とす。]
(+35) 2015/06/13(Sat) 22時頃
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――…寒くて仕方ないよ?
(+36) 2015/06/13(Sat) 22時頃
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幻覚の類だから、どうしようもない。 ケイト、冷えるから。余り近づかない方がいいよ。 [心配そうな瞳の奥を覗けば>>+34 必要以上にどうということない振りをする。
シーシャに貰った鎮痛剤が役立っているのだろう。立ち上がれる。]
他のみんなのとこ行こうか? タルトとトレイルには地図渡してないしね。
[そう口にして、廊下の方へと誘ってみせた*]
(+37) 2015/06/13(Sat) 22時頃
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…ほとんど怪我は包帯で隠れてると思うけど それどころじゃ、ないからね。治療は後で受けるよ
[>>+39クレイジーとまで言われてやや、眉を顰めた。 タルトのことも、トレイルのことも気掛かりだった。自然にそう思う。
――幼い少年だった自分の聲は、メルヤ自身にかすかに聞こえるのみ。]
治療なんて。後でいいよ。 軽業使わずに歩けば、いいし。鎮痛剤はあるから、さ
[冷たかっただろうか。思案げに、ケイトを見る。]
(+42) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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ケイトが寒いと感じるのは…もしかしたら僕の体のまとわりつく冷気、かな? 冬の夜にろくに着込みもせずにいるような、感覚。
[ケイトの気遣うような、紫の双眸を見つめる。 困ったような鳶色の瞳を、ぶつけた。]
寒いけど、僕が着込んでも仕方ないし…その内、終わるよ。
僕も、ナナオのとこに行こうかな。 タルトのとこに地図とメッセージ置いていくよ。
[そう告げて移動を提案した*]
(+43) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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そっか。でも、そろそろ。ナナオ達の様子見に行きたいから 治療は後回しで…大丈夫、これぐらいは。
[不可解そうなケイトの瞳に、淡く>>+44微笑む。 声もなく告げる、言葉は伝わるかどうかは定かではない。]
(僕は僕よりも……みんなが大事なんだよ?)
[おのれの諦めよりも誰かの望みの方が大事だったように。 痛みは、シーシャの鎮痛剤が余程強力なのか。歩くのに支障はなかった。 笑うことも出来る。むしろ、寒さの方が問題だとも言える。]
……わかった。治療するよ。
[溜め息をひとつ零したのは、メルヤ自身に向けてだった。]
(+47) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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幻覚だから…対処しようがないよ。 その内、収まるから。
[鳶色の双眸を閉じる。 いつまでも。いつまでも。動かずに、冬の夜空で丸くなっている姿が見える。
あの、幼い自分の姿をしたものが《幻》に取り込まれて、引き戻す手段はメルヤには思い至らない。]
(+48) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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[タルトの部屋へといく道中。廊下の道すがら、>>+46に顔を向ける。 少し間を取っているのは、冷気で彼女の体を冷やさないためだった。]
考えらえることは…単に、症状が悪化したひとが重複した 隔離区域の場所が空いたから、入れることにした。
その他…かな。
[つらつら、と並べてみせた。]
……ケイト、これからどうしたい?
[不意の問い掛けは、世間話の延長のようなものだった。]
(+49) 2015/06/13(Sat) 23時頃
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[身震いを起こし、腕を組みたくなったが念のため鍵を掛けずに手錠を付けている。 吐く息が白いような、錯覚さえ感じる。]
僕もそんなひどくないと思うんだけどね? それを言うなら、トレイルだって害を与えるものじゃない。 タルトに至っては隔離した方がまずいんじゃないのかな…
[本調子なら脱走ぐらい出来るかもしれない。などと埒もないことを考える。 そんな真似が、メルヤに出来る筈もない。]
そうだね。空室が多いのも気に掛かる。 おかげで身を隠すにはいいけどね。
[少し悪戯めいた瞳を、輝かせる。]
(+52) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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そうだね。ナナオとトレイルを会わせてあげたい。 僕も同じだよ。
[肯定を示すように首肯する。 どちらの未来か。訊ねたメルヤに深い意味はなかった。 遠い未来の話をすれば、メルヤは一度目を閉じる。何か紡ごうとして、再び閉じられた。]
…僕は目の前のことでいっぱいかな*
(+53) 2015/06/13(Sat) 23時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/13(Sat) 23時半頃
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医者が何考えてるかわからないね …こんな怪我するつもりじゃなかったんだけどな。
[>>+55真冬の空にいるような、感覚は戻らない。 きっと、あの心がどうにかならない限りこの冷気は抜けない。]
やんちゃ出来るのが僕ぐらいだからね。 これぐらいするさ。
[見取り図の書いたノートを持ったまま、ケイトに向けて笑う。]
(+59) 2015/06/14(Sun) 00時頃
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そうだね。仲間だ。
[彼女の声はいつだって感情溢れている。 ケイトの声を聞き、身も凍るような寒さが少し和らいだような気がした。]
幸せ、か。 素敵だと思うよ。
僕も、ケイトとキルロイに幸せになって貰いたいな
[ふわりと微笑む、メルヤは心底願っているようだった。 不敵な笑うケイトは、病をも克服していくかのようだ。
強い彼女を、見つめる。]
…一回ナナオの様子を見てみようか?
(+60) 2015/06/14(Sun) 00時頃
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[タルトの部屋を通る前に、ナナオの部屋の方が近い。 そう口にして、ナナオの部屋の重々しい扉を、開く。
背の傷口がじくりと痛み、顔を歪ませた。]
ナナオ…起きてる?
[小さく声を掛けた。]
(+61) 2015/06/14(Sun) 00時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 00時頃
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―少し前:廊下―
僕の心配、か。うん、ごめんね。ケイト [困ったように、眉を下げる。 実際にメルヤは困惑していたので、嘘ではない。
――…ぼくの、しあわせ?
酷く遠いもののように思うのは何故だろうか。 どこかで こどもが
泣いている。]
(+66) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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―少し前:廊下―
……ありがとう。わかった、ナナオの方はまかせて
[>>+63>>+64には感謝の意を示し、見送った。 車椅子が、遠ざかる。眺めた後に、ナナオの部屋の重厚な扉を開く。
>>+54の歌が、耳に届いただろうか*]
(+67) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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―ナナオの部屋― ――……ナナオ。
[昨日元気にしていたナナオは、どこか憔悴しているようだった。 かじかむ手を、押さえる。]
……それを外したら君は。
[儚げな笑みを浮かべる。>>+65を見つめる。 昨夜の幻の怪我があるが、一度外したものでもある。僅かに逡巡し、問い掛ける。]
(+71) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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……トレイルは、もうすぐ。ケイトが此処に連れてくると思う。 タルトはまだ、起きてないみたいだった。
もし起きたら連れてくるよ。約束してもいい。
それでも、拘束を外して欲しいと望むなら……
[誰かの望みを、”家族”の望みを断れるメルヤではない。
彼の心の一部は、凍り付いた真冬に置き去りにされているのもある。 普段通りならば、拒否を示しただろう。
問い掛けながら、ピッキングに使っていたピンセットを探る。]
(+72) 2015/06/14(Sun) 00時半頃
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タルトは今は眠ってる。小さい体に…睡眠薬が多かったのか、わからないけどちゃんと呼吸はしてたよ。
[>>+73の声が震えるのを耳にして、安心させるように穏やかな声と笑みを浮かべる。 このやり方はどうにもトレイルに似てしまった感があるが。
”今”のメルヤは気にしなかった。]
ケイトも、ナナオも、強いね。 恋する乙女は、無敵だ。
[少しだけ茶化したような、声を出す。]
ケイトに頼んでる。きっと、彼女なら連れて来てくれるよ。 正直言うと僕はまだ、トレイルがどんな状態か知らないんだ。
でも。予測は、つく。 ……ナナオ。少し僕の話を聞いて貰えるかい?
[僅か距離を取ったのは、体が硬質化しているケイトでさえも冷気を覚えたからだ。 心の一部が冬の夜空に投げ出されたまま。体の震えを悟られないように、ゆっくりとした声で語りかける]
(+76) 2015/06/14(Sun) 01時頃
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トレイルのことが、好きなら…少しでも、一秒でも生きることを、選んだ方が喜ぶかもしれない。 あいつはね。あれで、寂しがり屋だよ、多分ね。 本当はみんなに覚えていて貰いたかったんだ。
自分はさっさと綺麗に消えて、ね。
[どこか。遠いところで話しているような気分だった。 それでも、メルヤは必死に、穏やかな笑顔を浮かべる。
どこか空虚なものを、ナナオに悟られないように。]
(+77) 2015/06/14(Sun) 01時頃
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…それでこそ、ナナオだよ。
[>>+81頷く姿や、震える声を聞く。 メルヤは恋を知らないが、恋愛相談では上級者と言って良い。
本当に、彼のことが好きなのだろう。命を張ってでも、一目会いたいと思う程に。 寒気が増してきた。遠く遠く、子どもの声がする。ナナオに意識を向けるべく鳶色の双眸を真っ直ぐに見つめた。]
[>>+80ノックの音がきこえたのはその直後だったろうか。 メルヤは扉を開き、ケイトと連れて来られた風情のトレイルを交互に見る。 開け放しにして、一度ナナオに近寄り、小声で告げる。]
「僕は嘘が下手だからね、無いかもしれない。…だけど、あるかもしれない。 君の心が、彼に届くことを願ってるよ」
[そう告げて、メルヤはナナオから離れる。かすかに全身纏う冷気に気づかれたかどうかは、わからない。]
(+82) 2015/06/14(Sun) 01時半頃
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[>>+75の方を伺う。茫洋とした瞳はどこも映していないよう。
体の内側から軋む、寒々しい体に纏う気配は雪山の遭難者のように今はメルヤの体に熱を放ちはじめた。熱気と寒気が、メルヤから放たれる。]
やあ。トレイル。昨日振り。 ……目も見えてないのかな? 随分、早く広まったんだね。
[メルヤが彼に話しかけるにしては、至極穏やかで冷静だった。 冷静過ぎると言っても良いだろう。
付き合いが長い者には奇異に思えただろうが。最早何も残っていないような態のトレイルには届かなかっただろうか。]
僕は君に、言って置こうと思うことがあるんだ。 [メルヤはトレイルに近寄り、彼に聞こえるように耳をそばだてた]
(+84) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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君が大事だったのは、薄紫だけだったの?
(+85) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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[トレイルを見る目にも、触れる手つきにも。 怒りも悲しみも何も込めていない。
かつて胸の内にあるものを、”ナナオ”のために吐露しているに過ぎなかった。]
他の何も誰のこともどうでも良いなら、はじめからそうしていれば良かったんだよ。 適当に構った挙げ句に本心はどうとも思ってないなんて、溜まったものじゃないからね
どこまで進行したか知らないけど 臓器移植の話を知ってる?
心臓を移植した人が、全く知らない相手の記憶を鮮明に追体験するんだって。
心は、そこにだけあるんじゃないよ。 全身にあるんだよ。
(+86) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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出なければ……。
[そこでひとつ区切る。トレイルにだけ、聞こえるように、声を潜めた]
”ぼく”はこうは、ならなかっただろうね。
[あの冬の日に君が見つけなければ、凍死していただろう。 だから、幼い自分が、七年前の幼いメルヤが蹲って泣いている。ピエロの彼が亡くなったと聞いて。
どこかで、メルヤは彼ならば愉快に生きていると心のどこかで思っていたようで。
支えを失った心が泣いている。あの冬の夜空の下の《幻》の中で――誰も来ないと嘆いているのだ。]
(+87) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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……さて。ナナオ、僕にはもう頑張ってってしか言えないけど。 もしタルトが起きたら連れて来る。
[トレイルにだけ聞こえるように潜めた声は、身近にいたケイトに聞こえたかどうかはわからない。 どちらでも今のメルヤは気にならなかった。]
ケイト? 車椅子どうしたの?
持って来ようか?
[そう、ケイトに話を振った*]
(+88) 2015/06/14(Sun) 02時頃
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ケイト、重労働させてごめん。 僕が行けば良かったかもしれないね。
そうだね。ちょっと…冷たくなってるかもしれないけど
[>>+90手を差し出した。ナナオとトレイルを二人にさせようという思いは、同じだろう。]
じゃあ、ゆっくり歩いて行こうか。 トレイルの部屋なら知ってるしね。
……じゃあ、ナナオ。 辛いかもしれないけど、ちゃんと見て、ちゃんと伝えるんだよ。
[そう。告げて、ケイトが手に取ればケイトと共にナナオの部屋を後にした*]
(+97) 2015/06/14(Sun) 02時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 02時半頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 03時半頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 13時半頃
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―廊下―
(……寒くて、何か眠くなってきたな)
[吐く息は白くなるまで幻覚は影響を与えるだろうか。 怪我を負わせる程だから、有り得る。冷静に解析しようとしていた。
ケイトは余り冷たくないと言っていたが、本当だろうか。訝しむ。 トレイルとナナオの部屋はどれぐらいの距離だったろうか。
視界の隅で風花が舞う。]
ケイト。やっぱり治療は後回しでいいかな? 今の状態だと、幻覚が悪化して拘束されるかもしれないし…
[奇妙な違和感は拭えない。 寒気も止まらないのに、大した危機感が生じない。その理由には確信を得ていた*]
(+108) 2015/06/14(Sun) 13時半頃
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ありがと。…多分だけど、そろそろ寒さも止むと思うから。
[ぽつり、呟く。鳶色の瞳を閉じれば、変わらず幼い自分が蹲っている。 変化しているのは、中庭の樹に、幼い子どもに、白い雪が積もりだしてきたことだろうか。 あの夜の次の朝がどうだったか。記憶にはない。
丸一日寝ていたような気がする。]
[>>+110の思慮が含まれた追求を、メルヤは受け止める。 ただ、静かに受け止める。
鳶色の双眸には、困ったような色しか浮かばない。]
(+111) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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……そうだね。ちょっとおかしいかもしれない。 [ケイトは勘付いたのは、当然の帰結だったかもしれない。 もう少し慎重にすべきだったのだろう。鋭い指摘をされても、思考は至って冷静だった。]
淡泊なように見えたかい? けっこう、厳しいこと言ってたと思うんだけど
そう見えたとしたら、体調の悪さじゃないかな。
[彼女がどこまで不可思議に思っているかも知らず。 メルヤは誤魔化すように、呟く。
幻覚と言えど現実感が伴えば、如実に弊害を与える。 今のメルヤは怪我を負って、冬の夜空に投げ出されているようなものだった。 不調は嘘ではない。
ただ、本来ならば当に倒れてもおかしくないような状況で、普段よりも鈍いと言えどからだを動かせるのは、剥離しかけているのだろう。
――《幻》に飲まれている部分と、今のメルヤの繋がりが切れかかっていた。 彼は気づいていた。どうしようともせず、ただ幼い自身の終わりを見つめているだけ]
(+112) 2015/06/14(Sun) 14時半頃
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[そっと手を握る彼女が>>+113どう想ったかはメルヤには計り知れない。
その深い思慮は、凍死で自らが死ぬのではないかという懸念を浮かび上がらせただろうか。]
僕は死なないよ。この幻ではね。
[幻覚に触覚まで現れたのは、つい最近のことだ。 現実主義で現実を受け入れるメルヤが、幻覚に苛まされるのは滑稽な話だ。 幻覚症状の仕組みは、メルヤにはわからない。 ただ、ケイトが推察しているような思い込みなど、都合の良い幻など彼は彼自身に許さなかった。
節々の冷えが、少しおさまっていた。]
着いたね。部屋の主はいないけど、邪魔するよ。
[一言断り、トレイルの部屋へと入り込む。 車椅子を見つければ、ケイトを促しただろう。]
(+117) 2015/06/14(Sun) 16時頃
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……そうだね。 でも、ここまで悪いと隠しようもないから。
[嘯いて、ケイトの方を見つめる。 静かな鳶色の双眸は、普段と変わらない。奇妙なぐらい、いつも通りだった。]
普段の僕、か。 ……ケイトから見たら僕はそんなに普段通りに見えないかな?
思い遣りとかじゃないよ。お互い踏み込んで踏み込まないだけ。
なかった、だけ、かな――?
[トレイルのこと好きじゃない。という言葉には返さなかった。
どんな返答をしても、今のメルヤ自身では、不自然に彩られる]
(+118) 2015/06/14(Sun) 16時頃
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[どこかで聴いたフレーズが、耳朶に伝ったのはその時だったろうか。>>+115
凍えかけている心が、軋みをあげている。少しだけ起きて貰えないだろうか。この聡い彼女を、誤魔化すために。
ふっと、寒気が急速に増していた。 浮かべたのは何の澱みもなく柵もない、純真なほどの表情で。]
僕の瞳にはいつだって、花は咲いていたよ。 トレイルの、彼の瞳にはいつだって紫苑の花が咲いていたように。
[幼気でさえあるような声音で、零すのは本音。 目を閉じれば、ほら。浮かび上がる]
(+119) 2015/06/14(Sun) 16時頃
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[――はらはらと落ちゆく風花が、僕の瞳に浮かんでいた。]
(+120) 2015/06/14(Sun) 16時頃
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[>>+115熱の篭もった、紫の双眸。その瞳を見れば憐れむような、訝しむような視線を見返す。]
ケイトは、よく見てる。でも見過ぎてて勘違いしてるよ? 僕はトレイルがいつか”落とす”ことは覚悟していたし、何より特別になりたいだなんて思ったことなかった。
本当にね。そんな望みは抱いてなかったよ。
[――そうでなければ 目を閉じる。浮かぶ冬の情景に取り残された子どもが、いる。]
(+121) 2015/06/14(Sun) 16時頃
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[>>+122痛みに歪んだ顔を見る。]
大丈夫? ケイト 車椅子も無しに…動いたのは酷使し過ぎじゃないかい?
[ケイトが巡らせているか、メルヤにわかる筈もなく。 ただ労りの声を掛けた。]
[>>+123呆れたような視線をぶつけられれば、やや怯むように距離を取る。 ”呼んで”しまったためか、また寒々しさを覚えたせいもあった。]
(+126) 2015/06/14(Sun) 16時半頃
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(けど。君に対してはいつもと変わらない筈なんだよ。ケイト。)
[おそらく、トレイルに対しての態度が奇怪なせいか、彼女にも普段通りに接していないように思われたのだろうか。 事実は、わからない。受け取り手が、すべてなのかもしれない。]
そうだね。……寒いよ。
[もう少しだけ。引きづる出すように。 瞳を閉じれば浮かび上がる。冬の夜空に丸くなった子どもに触れる。すり抜けて、メルヤの元には戻らない幼い自分。]
僕は手品師紛いで道化師じゃないんだけど 昨日は人間らしいと言って、今日はマリオ・ネットかい?
[メルヤは取り繕っていない。奇妙なぐらいに何時も通りにしか、振る舞えない。 心が、揺さぶられないからだ。
”家族”に対する思慮、心配、悲哀。そういった類のものじゃない。あの幼い子どもに象られた子どもは、置き去りにされているごく”一部の心”は――人に影響されないものだ。]
(+127) 2015/06/14(Sun) 16時半頃
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特別というよりも……。
[言葉を、留めてくれたのは助かった。 その答は凍ってかじかんでいる、心に置いてしまっていることだ。
いくら呼び掛けても振り向こうともしない。人間は、自分のことすら儘ならないものなのだろう、と気付く。]
……言って置くけど僕は君より年上なんだよ? せめて”可哀想”な人にして欲しいな。
[否定も肯定もしなかった。 例え的外れであっても、”今さら”だ。
トレイルに、彼に。特別になりたいとか。思ったことなどなかったのは確かだ。 関係性に名が、付くことの方を厭うた。
積もり積もった腐れ縁と、呼ぶには他にも先に患者が会っているのに比喩としてはおかしいけれど。どこかで互いに。奇妙に縁が絡んでしまったと思っていたかもしれない。
今となっては、わからない――。]
(+128) 2015/06/14(Sun) 16時半頃
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おたんこなすはいいね。
[余りいじめないでやってよ。などと言葉は喉奥へと引っ込めた。 おそらくそれは、本当ならば口にする筈がない。]
そうだけどね。…あまり関節を酷使するのは良くないよ。 あと、冷やすのもかな。
[どうやら、近くの相手にまで影響があるらしい。 おそらく体に障る凍える雪の寒さが、固い透明な鱗から発しているのだろう。]
[>>+130の豊かな情感を秘めた瞳が、告げたいことがうっすらとわかるような気がした。 メルヤが剥離しつつある”心”の一部は、彼女達に奇異に映るのだろうか。]
(+133) 2015/06/14(Sun) 20時頃
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そうだね。ケイト
[身震いを起こす。季節にそぐわず、手がかじかんでいるようだ。 細かい作業が出来そうに無いが、少しやりたいことがある。]
[真冬の空で蹲る。あの幼い自分自身は、自分のいうことな聞きやしない――。]
…そっか。そんなに違うんなら。 何とかした方が、いいのかな?
君の想像力は豊かだね。
[少しの悪戯めいた笑みを含めたのは、誤魔化しだったのか。的が当たっていたためか。]
(+134) 2015/06/14(Sun) 20時頃
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女性から見れば男なんて子どもだってことだろうね。 仕方無いか。
[ケイトに、これ以上の深入りをさせるつもりは無かった。 メルヤにとってケイトの存在が軽いのではなく、少しでも傷付かないために。
薄々と勘付いているが、こんな奇怪な現象の深層になど辿り着かなければいいとメルヤは思う。]
……僕は。 少しトレイルの部屋で休むよ。
ちょっと体力的に限界がね。
[勝手知ったる何とやら、と言った風情でトレイルの寝台に腰を下ろす。
トレイル達の部屋とメルヤの部屋は少し遠い。筋弛緩剤を投与されていないが体は凍え、治療もろくに受けていない傷がどうなっているかは知れない。
少し、休みたいな。――そう、再び告げて、ベッドに横になる]
(+135) 2015/06/14(Sun) 20時頃
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ケイト。 無理、し過ぎないように……ね。
[歩行練習をすると、勝ち気な瞳。告げた言葉は、どこまでもケイトを案じるものだ 彼女は部屋を辞去しただろうか?
その言葉の直後に。横になって意識を手放した、メルヤにはわからなかった*]
(+136) 2015/06/14(Sun) 20時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 20時頃
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―夢と幻と現の境―
Thou'lt come no more; 《もうおまえは戻っては来ない》
Never, never, never, never, never. 《二度と、二度と、二度と、二度と、二度と》
意識を手放せば此処に訪れるであろうと思っていた情景とは違った。
ありふれた日常の中。”連れて行かれた”みんなの幸せそうな光景。いつも幻に見る人達。 内に秘めた悲哀。慟哭。未練。特別な相手の傷跡になりたくなかった人が、時折。ほんの時折、僕にだけ遺していったもの。
悲しかったのだろう。辛かったのだろう。同調程度で共感ではなくとも、最後の心を零したことで少しでも救われたならと、祈っていた。
誰の特別になるでもなく、誰かの特別になるでもなく――。
その立ち位置を自ら望んだ。気付いていても気付かぬ振り。不干渉。誰にも踏み込まず踏み込ませない。
(+142) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―夢と幻と現の境―
伝えたい。 伝えたくない。 だけどどこかに遺して置きたい。 その想いを伝えるのに、僕は打って付けの人材だったのだろう。
けれども、僕もひとりの人間で。 僕にだけ打ち明けたひと達。その全てを抱え込む。
日に幾度も記憶を鮮明に蘇らせ、潰されそうになるような気持ちに駆られることもあった。
(+143) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―夢と幻と現の境―
想いは、重みだ。重く圧し掛かるものを、捨てきれず。そっと僕にだけ遺していったものを、誰かに伝えることはその想いを踏みにじるも同然であったため口には出来ない。
彼女の、彼の、運命に人知れず憂いを憶えれば胸に遺った想いがまた蘇る。 そうして僕は思い出す。
他には誰もいない食堂の斜め向かい。夜の中庭。静寂が支配する、部屋の中。 僕は何も言わなかった。ただそこに居た。そこに彼がいたのは、何故だったのだろう。
気付いていたのだろうね。君は。どんな時でも突っ伏して顔を隠していた僕に、時折気紛れに頭を撫でる。
声をあげて泣くことこそ、無かった。顔をあげないまま、ただ静かに涙する。
どちらも言葉は交わさなかったように思う。
(+144) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―夢と幻と現の境―
まるで映写機のフィルムをまわすように、突然目の前の光景が変わった。
――中庭の樹の下で、幼い子どもが蹲って泣いている。 思えばこの頃から泣き方は変わっていないのだろう。我ながら可愛げがない。
「いい加減寒いから……こっちに来てくれないかな?」
頭の上にまで雪を積もってきている。幼い自分自身に声を掛ける。現実に厚着をしても、幼い自分がここで蹲ったままでは何の意味も成さないだろう。
――”……ネイサン”
自分の存在などまるっきり入ってないかのように、慕っていたピエロの彼の名を呼ぶ。その死を知った衝撃で、《幻》に囚われてしまった。弱さに付け込まれた。 そうは知っても、そこまでわかっても。自分の心を持て余す。いつも、どうやって宥めていただろうか。
「彼は死んだんだよ。でも、僕は生きている。どうしようもないことに。……そこで泣いていたって」
ぽつり。蹲ったままの筈の幼い自分の聲は、内側から響くように明瞭にきこえる。
(+145) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―夢と幻と現の境―
”ぼくが、ワガママいってるんじゃない。”僕”がぼくを受け入れてくれないから、ここにいるのに”
突き付けられた真実に、視界が歪んだ。《幻》に取り込まれたと思い込もうとしていたその心は、違う。 幻覚症状が内に広がりそれを利用して、置き去りにした。――深層意識の無意識で必要のない”心”を殺すため。
おそるおそる。触れた子どもは冷え切っていた。触れた先から溢れ出たのは、切り捨てようとした心の部分の激情。
おのれ自身への呻き、悲しみ、嘆きの心を、殺すべく貫いたのだ。
その奥にはおのれが抱くかすかな切なさ。空っぽだった望みを置く場所。僅かな未練。幼い自分が象徴しているのは、そういった自らへの感情。
(……ああ)
道理で、と思う。道理で思い通りにならない。おのれの感情ほど儘ならないものはない。 小さく小さく蹲ったままの子どもが、かすかに名を呼ぶ。
その名を耳にして、ひどく冷ややかなものに支配された。
(+146) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―夢と幻と現の境―
僕は”きみ(ココロ)”よりも誰かの望みの方が大事だ。
中庭に、池があったなら放り込んだだろう。 無感情に。自らを労るような想いはすべて、この幼い姿をした自分の中だから。
容赦もなく、投げ捨てただろう。
――でもそのことで。 誰かが傷付くのを見るのは嫌だな、という躊躇いが生じる。
言葉通り
文字通り 自らに対する心はそこにしか無いから
――僕のことなど、どうでも良かった。
(+147) 2015/06/14(Sun) 22時頃
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―トレイルの部屋―
[寝起きはやはり最悪だった。真冬の夜に置き去りにしてきたままだから、凍えるような体温も戻らない。 ふるり。体を震わせれば頭を振った。
おのれ自身の心ほど、儘ならないものはない。殺そうとして、でも死にたくない。剥離しかけているのか背反している。]
タルト…の、様子を見に行かなきゃ。
[節々が痛い。寒気というには生易しい凍えそうな冷気を感じる。ろくに治療を受けていない背と、擦りむけた手。 メルヤはおのれの怪我を確かめながらも、脳裏の奥に追いやった。
トレイルの部屋で、手品に使えそうなものを物色する。花を毟るわけにはさすがにいかないだろう。ティッシュで小さな花を作るのせいぜいだった。 ノートの切れ端を使っての紙吹雪も白一色ではやや味気ないが材料不足だ]
(+148) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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[手にしていたノートの、使われていないページで封筒を作る。その中にメルヤとナナオの部屋の場所を記した1階の見取り図を入れる。
ふと。裏表紙を捲る。
『誰が忘れてしまっても 私だけは忘れない。』
これは自分が持つべきものではなかった、気がする。あの日、シーシャはゴミと言っていたから処分するつもりだったのだろう。
今頃、彼はどうしているのか。思いも寄らない。
ただ。溢れるような繊細な想いが、胸を打つ。寒々しさが増したのは、何故だったのかはわからないままだった*]
(+149) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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[『部屋から出れば、きっと会えるよ』――そうしたメッセージと共に、仕掛けの封筒を作った。
もうひとつ思い至って、仕掛けの入った封筒を作る。使うかどうかは、後で判断すればいい。 メッセージカードにはたった一言だけ添えて。
二通の封筒を持ち歩く。
起き上がろうとし、金属質な鎖の音がして――手錠と足枷の存在を想いだした。
タルトに見せるものでもない。そう思い、トレイルの部屋に投げ捨てた
節々の痛みに顔を歪める。シーシャに貰った鎮痛剤を無造作に3錠ほど取り出し早朝と同じように水も無く飲み干す。
がリッ。間違えて錠剤を噛んだ時、苦味が口の中に広がった*]
(+150) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 23時頃
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―トレイルの部屋→タルトの部屋―
タルト、起きてるかい?
[数度のノックをする。 その後すぐに、タルトの部屋に仕掛けのしてある手紙を持ってきた。
開くと紙が膨らんで。ぽんっと警戒な音とともに紙吹雪とティッシュで作った白く小さな花が舞う。 (>>+150)メッセージ付きの見取り図を入れたものだ。
彼女はまだ眠っていただろうか?
起きていたなら、言葉を交わしただろう*]
(+153) 2015/06/14(Sun) 23時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/06/14(Sun) 23時半頃
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―どこかの空室―
[タルトはどうやらまだ眠っているようだった。 痛みも寒さも臨界点をとうに超えている。
病の症状すらも利用し、おのれの心を殺そうとして。でも殺しきれない。 結果自らを痛めつけている状態になっている。]
……しぶといな。
[低く呟く声音は、冷酷さを帯びていた。
早朝から怪我をしてから動きすぎた。 部屋に戻る気力が、残っていない。
どことも知れぬ空室に背を凭れる。ずるり。這うように、尻餅をついた。
次に目を閉じれば、どうなっているのだろうか。幻に取り込まれて凍死という場合もあったが、強烈な眠気には抗えなかった。]
(+154) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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(――…せめて(>>3:299) 君が零した最後の望みを叶えるよ。
初めまして は 口にしない。
落としたところ。上手に立ち回れなくて、ほとんどのもの”落とした”ところを見らない。 最後まで、見届けるよ。
心を、殺してでも。君の望みに添いたかった。)
[届けなかった二通目の封筒>>+150。中には素っ気無いメッセージ。]
(+155) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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[君の手はいつだって――暖かいよ]
(+156) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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[救いのない、救われようがない、この箱庭で。 何の衒いもなく慕って懐いたのはピエロの彼だったけれど。
あの真冬の空の下。風花が舞い、白に埋もれて消えてしまいたかった僕を
救ったのは、君だった。
気紛れでも、繕いでも、身勝手でも、どうとでも良かった。 どうでも良かった。 どんな風に思われていようが、どうでも良かった。
だって。 君は、知らない。]
(+157) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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[――…報われない幸せを、知らない。]
(+158) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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[そっと、目蓋を閉じる。 微睡みはここ数日にはない、温もりに浸されるような心地よさがあった。
その顔は静かな笑みを口元に浮かべていた。手には終ぞ届けなかった手紙。
――返事などいらない、手紙だけ。
言いたいことは山のようにあるけど、意識が薄く朧気で。 次に目蓋がひらくかどうかも、希薄で。
もしも。次に目が醒めることが出来たなら。
こんな想いも消えてしまうのだろうか――?*]
(+159) 2015/06/14(Sun) 23時半頃
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