158 雪の夜に
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[呼びかける囁きの中も、 女は眠る老人の傍らにあった。 2通の封書は胸に収めて、 何も出来ないというのに離れがたいのは感傷だ。
やがて訪れた彼が――、 赤を纏う青年が苦い笑みを零していくのに、 それでも包んでいた手を離せぬまま]
……、
[この状況では、医者が来るにも時間がかかるだろう。 この人は再び目を覚ましてくれるのか、そんなことに怯えていた]
(69) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 01時半頃
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[囁きに答えを返すのに間の開いた。
青年の願いを受け入れるのなら、 この町を再び離れねばらならないだろう。
離れがたい想いは、重ねた手の温もりと共に。 人狼の青年がこの航行にいなければ、 この町に戻る事もなかったというのに。
けれどその情がこの町へ災いを呼び込んだ。 人狼が身を守る為に、人を襲うを見ぬふりをして庇いだてた。 人々が無実の罪で投獄されたのも、牙に身を裂かれたのも、 ――いまや老いた彼をこんな目に遭わせているのも、 己が何もしなかったからだ]
(70) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 19時半頃
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[正しいことだと思ってはいなかった。 正しさに裁かれるのだとしたら、けれど何故。
あの子は人を喰わねば生きられない生き物として、 産まれついたのだろう。
答えのないだろう問いの狭間で身動きがとれなくなる]
(71) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 19時半頃
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[眠る老人の傍ら、 女は己宛ての封書の一通を開く。 >>5+18 懐かしい筆跡と、懐かしい絵姿。 震える指がその文字をなぞる。
“幸せに”
それは決して辿り着けぬ岸辺だ。
己はまた同じことを繰り返すだろう。 人の正義にも獣の正義にも、染まることの出来ぬまま、 寄るべなく魂を彷徨わせ、きっと死ぬときは一人きり。
それは受け入れるべき罰のようなものだと思っていた]
(72) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 19時半頃
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[その鉛筆描きの絵姿に視線を落とす、 少女の頃のアンジェリカがそこにいた。 穢れを苦悩を知らぬままにあどけなく微笑んでいる、 もう、こんな笑顔は忘れてしまった]
ねえ、 こんな私でも、
――…あなたの元に帰っても、いい?
[変わり果てた全てが、それを許さないとしても]
いつか、終わりの時が来たら、 この頃に還ることが出来ると、……信じても、いい?
[戻らぬ時が刻まれた彼の乾いた手に、 その頬になぞるように触れて、そっと口唇を落とす。
そして、青年の囁きに音なく答えた]
(73) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 19時半頃
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[そして 女はその部屋から去っていく。 宿に戻れば使用人に言いつけて、 老人を診療所へと運ぶように命じた。 ――間に合うかは、わからない。
老人のポケットに、ひとつメモ書きを忍ばせた。 彼がそれを読むことが無くても、構わない。
「いつか、あの頃の貴方の元に帰ります」
記された署名は *アンジェリカ・ローズ*]
(74) sen-jyu 2014/01/01(Wed) 19時半頃
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[診療所に訪れたのは、 その日からしばらくしてのこと。
――彼の死を聞いて、 再び滲むものを押し込む。 あまやかな希望は端から抱いていなかった、 諦めることには慣れていた、
だから涙を押さえ込むのは、 難しいことではないはずだったのに、 頬を伝う雫は黒いレースのチーフに染み込んだ]
(86) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 00時半頃
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[人狼の被害者、 船乗りの青年と女と様態はどのようなものだったか。 人狼に肩入れしているのに、人間の身を案じる。 それは、自覚のある矛盾だ。
どちらにも、なれない。 陸にも海にも居場所の無い。
女にとっては同類を見つけたような、 己を憐れむにも似たそんな心地だったのだ。 けれど、彼の青年はそうではなかった。 ――自分とは違うはずだった、というのに]
(87) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 00時半頃
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[女は彼の――名も知らぬままだった、 あの青年の部屋の前にいる。
もしも望みが絶たれてしまったのならば、 誘う手を差し伸べることは出来る。
波の彼方にも、 希望などなかったとしても*]
(88) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 00時半頃
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[かつりと半歩後ずさる踵が音を立てる。
>>95 手という機能を失った青年が、 犬のように食事を取る姿がそこにあった、 それもまた、己が何もしなかったことの結果だ。
ゆっくりと瞬いた双眸は、 向けられた問いかけと薄い笑みに、 ゆるやかに首を振った]
……いいえ、そうね。 強いて言えば、あなたへのお見舞いかしら。
[花の一輪もないけれど、と零す空白を落として]
(104) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 21時頃
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あなた、これからどうするの?
(105) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 21時頃
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[言葉はさらりと繋がった。 しかし、それは欺瞞のようなものだろう。
あるいはそこに、情のようなものがあったとしても、 自身の情はすべからく偽りに過ぎない、と女は思う。 ――真実、情けのあるのであれば、 こんな風になる前にどうにかすべきであったし]
……当てが無ければ、 私の元にいらっしゃい。
[こうして片手を差し伸べながら、 もう片方の手であの人狼の少女を匿っているのだから。
女の顔には、何か痛みを堪えるような微笑が過ぎった*]
(106) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 21時頃
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私はあなたの為に、 こんなことを言っているのではないの。 私自身の為に、あなたに手を差し伸べている。
……許されたいと、 思っているわけではないわ。 償いですら、ない。
私はとても身勝手な、裏切り者なのよ。
[自分自身は同じことを、 また繰り返すとわかっている。 人にも獣にも寄せきれぬ心が、またきっと]
(113) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 22時半頃
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だから、
いつかあなたが、 私を止めてくれないかしら。
私自身はそれを望んでいるかすら、もうわからないのだけれど。
[何も出来ない、 その言葉にゆるく首を振る。 触れた指には布の巻かれて温度は伝わらない。]
……パピヨン・ローズ。 あの船でこの町に人狼を連れてきたのは、私よ。
[いまだ語らぬままである女自身のこと、 その片鱗を口にした*]
(114) sen-jyu 2014/01/02(Thu) 22時半頃
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[無気力にこちらを見やる青年の、 額に手を伸ばす、名を鸚鵡返しに繰り返されれば、 まるでよくできた、とでもいうかのようにそっと撫で。
生に疲れたような、 そんな青年の姿に眉を潜めたのは、 罪悪感か憐憫か、いずれ自身が抱くには、 不相応な感情に相違ない。
長く時を同じくはしない。 何か予期するような青年の言葉]
あなたの思うままで、構わないわ。 ……それまで、聞かせられなかった話を聞いて頂戴ね。
[青年の髪を梳くように撫でやっていた指は離れた]
(135) sen-jyu 2014/01/03(Fri) 01時頃
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[そしていつか、 その身を休めた後に再び望むことを見出してくれればいいと、 願うこともまた欺瞞なのだろう。そんな想いは音には乗せない。
ただ生の終わりを待つだけの己と、 同じ者に成り果ててはほしくない。
それもまた矛盾に満ちた女の真実のひとつだった。 そしてそれを語り尽くした時が、青年との別れの時だろう]
(136) sen-jyu 2014/01/03(Fri) 01時頃
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[――船での日、届かぬ岸辺の夢を見る。 波間のむこう、ちらつく雪が白く染まる町を霞ませる。 町を離れ行く女はあの日と同じ光景を見つめていた。
あの日のように泣いてはいない。 ただ風が頬をうつに任せたまま、そっと雪に手を伸ばした。 何をつかめるはずもなかったのに]
……、
[それはあわく幻のようにとけ消えて、 手の中に水の滴を残しただけだった*]
(137) sen-jyu 2014/01/03(Fri) 01時頃
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