17 吸血鬼の城
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>>129 [好奇心のままに書棚を眺める彼女を、見守る]
――必要な知識ですから。
[書棚の本は実用書ばかり、 部屋が僧房とは異なるのは 神学に関連するような書物の一冊もないこと]
……本よりも、音楽が。
[その手に翡翠が留まるを見れば、ぽつり零れて ――そのままでと言われた指先は、言葉のとおりに]
(138) 2010/06/23(Wed) 02時半頃
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>>140 [読もうといいながら、何も手にしない。 歩み寄る彼女へ向ける眼差しはけれど柔らかく]
――ありがとうございます、、 もっとも、私の音楽は、既にその本質を失って……
――――ッ お嬢様……
[淡雪は直にふれれば、より、つめたく。 その指先が脈をなぞれば、ゆっくりと陶酔めいた熱が這い上がってきて――吐息にその熱を逃がす]
(148) 2010/06/23(Wed) 02時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 02時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 02時半頃
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[心狂わす甘い声―― 食事の時に似ている けれど 何かが違う]
そのようなこと、あろうはずが……
[翡翠が滲む、それは捕食者の色に似て、 言葉は否定したのに躯は――恐らくは逃げたがっている]
―――……、 この身を流れるものでしたら、幾らでも……
[柔らかな身体の、冷たいこと。 跳ね上がった鼓動は、触れ合えば伝わるだろう。 絡めとられたのは、指先だけではなくて ――覗く翡翠の双眸から、目が反らせない]
(158) 2010/06/23(Wed) 03時頃
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>>161 [問いかけの意味もわからずに頷いてしまう。 熱を持つ体とは裏腹に、冷たい汗を背に感じる]
―――………血では、ない、
ならば……
[早鐘の打つ中、思考が巡る―― 血ではない、ならば、求められる己は命の終焉を示すわけではなくて]
ならば、それは――
[冷たい体が熱を滲ませる、 淡雪は解けてしまうのではないか、場違いな幻想。 天国の青は滲んで、歪む――背が、壁に当たった]
(164) 2010/06/23(Wed) 03時半頃
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――……なさず、とも……お傍に、
[口唇がかすれる音を紡ぐ。 けれど、その言葉は偽りに近く なぜなら白薔薇の名持つ青年の望み―― その本質は、]
………ああ、
[零れたため息も、青の眸も、ただ哀しげに]
[望まない] [けれど、その言葉を紡げない、欺瞞] [翡翠の眼差しが首筋へと移る]
―――……お嬢様、
[一度だけ微笑んで目蓋を閉ざす ――それはこの先、永久に失われる白薔薇の微笑み]
(169) 2010/06/23(Wed) 03時半頃
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[告げられた言葉――
ただ―――為に存在する己に、応えられようはずもなく、 けれどその無為の年月の中の心の慰め、 それはまさしく1厘の薔薇たる彼女であったから。
絡んだままの指先が解けるのなら、 その柔らかな冷たい身体を抱きしめる]
――――ッ
[痛みも何も感じないまま、 その牙は己が皮膚の下に埋め込まれて、 やがて哀しい程の悦びが躯を満たした]
(175) 2010/06/23(Wed) 04時頃
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――…ぁ、 ……、
[沈みかけた体、喘ぐ呼吸のまま、 ただ目蓋を閉ざして――彼女の身を遠ざけるように、 その腕を解き放てば、髪も乱れるままに首を振る]
――……ぅ っく、
[一度途絶える意識、人としての死が訪れる、 けれど循環する血はそのまま己を眠らせてはくれない]
ぁ、ああ…… ぁ
[ずるりと沈みこんだ体の中で、胎動する魔性。 その腕は自分自身を抱きしめて、造り返られてゆく自身に耐えて、やがて眠るような静寂が訪れる。――香り漂う、薔薇の香気]
(176) 2010/06/23(Wed) 04時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 04時半頃
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[名を呼ぶ声に、
それは100年の眠りから覚めたかのように、 ゆっくりと重たげに目蓋を開く 常と変わらぬ天の色]
[けれど高い天より堕ちるほど、闇はより深く濃い] [白薔薇をセラフと呼んだのは、誰だったか]
……いかがなさいました、お嬢様。 私は、今、とても気分が良いのですよ――
[―――――そして、白薔薇は嫣然と微笑う**]
(180) 2010/06/23(Wed) 04時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 05時頃
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[言葉を聞く眼差しは、どこか気だるげに]
――…お可愛らしいことを仰られる。
[冷たく柔らかな唇が重ねられれば、 舌に残る血の甘さに、うっとりと笑んで。
残るそれをも味わおうと、女の紅い口唇を一度舐めた**]
(183) 2010/06/23(Wed) 05時半頃
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>>185 [隣室の声も、ノックの音も聞こえていた、 けれど話しかける声に、漸く億劫そうに女に寄せた血の如く唇を離す。笑う黒薔薇へ返すものは、薄い笑み]
――よいのですよ、黒薔薇。 お仕事を一人でこなすのは大変でしょうし……、
あなたにそのように呼ばれては、 無用な警戒を招いてしまいます。
[首が枷をしゃらりとならし、 けれどそれに触れてももはや冷たさは感じない。]
(197) 2010/06/23(Wed) 12時頃
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―執事控室:白の部屋― [黒薔薇が去れば、白薔薇は立ち上がる。 女の前でも気にはせず、血塗れた装いを影に変えさせる。 白手袋まで常のまま、肌の冷たさは容易には伝わらない]
ああ……
[わずかな渇き、官能を宿すため息 その血への焦がれは今はむしろ心地いい]
――……少し、躯を動かしてまいりますね、お嬢様。
[流し見るような一瞥を寄せて、 白い燕尾の裾は羽のような残像と薔薇の香を残し、去る]
(198) 2010/06/23(Wed) 12時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 13時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 13時半頃
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>>199>>200 [その者が何を言っているのは、ほとんど聞いてはいない。 ただ鼓動の強く波打つをその耳は拾う]
――……いい、音ですね。
[呟いて、しばしその後を追えば――甘い香り 廊下に残る血の痕は、ああ、かつての友のもの。 触れた温度を思い出せば、途端、渇望が湧き上がり]
[薔薇の香は甘く漂いはじめる]
ええ、本当に良い香り。 ――ああ、けれど黒薔薇……
[指先がす――と、その首に伸ばされようとして、留まる。 熱を滲ませた眼差しは、眸の――己とは対照的な氷れる青を見る]
あなたは「いけない」のでしたね。
(204) 2010/06/23(Wed) 13時半頃
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[くすり、と笑みを残せば―― 白薔薇が次に向かうのは、この甘い血を存分に喰らった者の元]
(205) 2010/06/23(Wed) 13時半頃
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―テラス― [同属の気配、ましてや 懐かしい血の匂いを漂わすそれは見つけるのは容易い]
――…そのように、 身を乗り出されては、落ちますよ?
[纏うは濃密な薔薇の香り、 それ以外はなんら変わらない。 ただ青い双眸だけが、昂まる渇望に濡れて輝きを増している]
(207) 2010/06/23(Wed) 14時頃
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>>208 [魔性はゆるりと音のない足取りで近づいて]
――……おや、 その口ぶり、
人を勝手に 庇って おいて…… 自分だけは、死にたい のですか?
[すぅ――と、目を細める] [かつての望みなどもう残ってもいないのに、 揺らいだ感情の残滓だけが、淫靡な薔薇の香を強くする]
(210) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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[人には聞こえぬその聲に、返す口唇が音を紡ぐ]
あなたが私を―― 私の名を、 ……惜しむ由縁などないでしょう?
[甘くどこか切なげにも響く、幻奏]
嗚呼――、 いいえ、でも感謝しているのですよ。 “薬”の処方にも、お礼をしなければなりませんね。
[>>211 身を寄せれば、指先はつ――っと首筋に伸ばされて]
(213) 2010/06/23(Wed) 14時半頃
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>>214 [その沈む水の色を誘惑するのは、血の悦びだけではなくて。 白薔薇の双眸は、重たげな睫毛を震わせて―― 先の記憶を呼び覚ますように、熱い吐息を首筋へ]
血ではなくてもあるいは、
―――赤と 白と――
[首筋をなぞった指先は、一度下肢へと下りる]
……どちらがよろしい? 処方していただいた時は、両方 していただきましたけれど。
[捕食者となった白薔薇の片手は、優雅に男の身を抱いて。 問うてはみたけれど、首筋から漂う血の、懐かしい匂い――]
(215) 2010/06/23(Wed) 15時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 15時頃
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>>216
薬?――いいえ、ただの戯びです。
[震える身には哂う、 戯れのように指先は下肢をなぞって]
――もう少し、嬉しそうになさっては? あんなに夢中になって、私を貪っていらしたくせに。
[かろやかに跳躍すれば、男を抱えたその身は柵の上、 紅の月へ、男の首を捧げるサロメのように指を絡める]
目は閉じないで――…
[白薔薇の乙女がごとき微笑] [けれど一度首筋を舐め上げるつめたい舌の、淫ら]
(217) 2010/06/23(Wed) 15時半頃
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[問い詰めるような言葉に、唇は一度離れて]
だとしたら? うれしいのでしょう? どうしてそんな顔をなさるのですか?
――…なんて、救いがたいのでしょうね
[そしてその首に牙を埋め込めば、甘い芳香。 男の身にもたらされる吸血の快楽、
二つの影はぐらりとゆれて、紅の月下の夜を、落ちていく――]
[白薔薇は知っている] [己の身がいともたやすく重力に抗えることを]
(219) 2010/06/23(Wed) 15時半頃
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[男の小さな悲鳴を聞けば、 血を滲ませた口唇が微笑み、吸い上げる血の一滴が零れた]
―――…ふふ
[落下の感覚がふわり留まる、 白い燕尾の裾を羽のごとくひるがえして降り立つ、枯れ果てた庭園の中。抱いた男の首筋を、一度舐めれば噛み傷は消える]
[壊さぬように――と加減して与えられた魔性の血、 懐かしい匂いの血と共に、その魔性の血で喉を潤せば――]
[己が裡でまた、闇の薔薇がまたひとつ花開く]
――白も、施してさしあげましょうね?
[乱れた髪もそのままに赤く滲む口唇を舐める。 漂う淫靡なる芳香、快楽に浸された男に触れようと、 白薔薇はその手袋を外した**]
(223) 2010/06/23(Wed) 16時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 16時頃
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>>224 [手袋をはめなおしたその指先を添えて、 白薔薇はいずこかに、口唇で刻印を落とす]
……ええ、感謝しているのですよ、本当に。
[快楽の余韻を消せば、浮かんだ微笑は清廉なもの。 かつてのフロレスクの余韻を気まぐれに、滲ませて。
しかしただ終焉を待ち望んだ絶望は、 いまや白薔薇のものではなく――男の裡に]
あなたにミセリコルディアが訪れますように――
[慈悲の刻印を刻めば、 艶やかな芳香と共に男を残して城内へと去った**]
(234) 2010/06/23(Wed) 19時頃
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[何処へ、と足を定めかけて、 血の跡の片付けられた廊下の余韻にふと思い出す]
ああ…… ふふっ
[>>230 擽るような言葉を投げかければ、 狂おしく鳴り響いた黒薔薇の鼓動。 あの胸の奥、どんな醜く薄暗い感情が渦巻いているのか。
それが向けられることに、愉悦を感じる。 邪気のない微笑を浮かべれば、 常と変わらぬ様子のまま、薔薇の香の紛れる広間へと足を運ぶ**]
(238) 2010/06/23(Wed) 19時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 19時半頃
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―廊下―
―――…かしこまりました、旦那様。
[主が言葉に愉しげに微笑えば、 城に慣れたその身は、――影に“獲物”の行方を問う]
さて、どちらに―――?
(254) 2010/06/23(Wed) 21時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[常の如く、昇る足は2階まで―― ガラス戸の風に揺れるテラスへと出れば。
――紅の月下、
その身は鮮やかに跳躍、あるいは飛翔する。 白い手袋の手が黒壇を掴めば
その最上階の窓は影によって開かれる]
(258) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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―最上階・窓辺―
……おや、
[白薔薇は黒壇の枠におさまったまま、 同属と“獲物”の2人の姿を見やる―――]
先を越されてしまいましたか、残念。
[薔薇が芳香はその身より、 狩が対象――贄の少女を見やるは常と変わらぬ白薔薇]
(262) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[>>265 窓辺より、薔薇は囁く]
――……ああ、 旦那様ならお留守でいらっしゃいますよ?
どの途、毒華が血など、 旦那様のお口には、合いませんでしょうから――
ですから、――ですからあなたは…… 我らに獲物として賜れたのですよ?
[あとずさる少女に微笑みかける。 しかし薔薇はいまだその場を動く、気配は見せず。]
(267) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[>>268 贄の少女へくすりと笑う]
――さあ、 何故存じ上げているのでしょうね?
施した者でもなければ、知りようがないものを。
[>>274 サイラスの言葉が聞こえる]
いらないのなら、 ―――いただきますよ?
それは“獲物”として賜られたものなのですから。
[薔薇の香はつよく]
(276) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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[薔薇は窓辺から動かない。 ――先に捕まえたものが、獲物を屠る権利がある
それが道理]
(282) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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―――……ッ、はは、 あはは
[白薔薇は笑う、 それは慟哭するかのように、笑って]
ああ、また、…―――い。
[呟けば、ゆるゆると首を振る]
(298) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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―――……ああ、
[厭わしき血の匂い、本能的に感じている。 それが自らに滅びをもたらすものであると――
けれど、それが、欲しくて。
一度伸びかけた手は、落ちる]
(318) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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