278 5発言を目指して最初からクライマックス村
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[それは、誰の望みだったのか。 ドルイドメルヤだろうか。それとも、兄のイスルギだろうか。 他の散っていった仲間たちか、今ここに立つ同胞か。 あるいは己自身か、世界のすべてか。
その真実《コタエ》を知る者はいないが、誰一人知る必要もない。 ただ唯一、ここに極光《アウローラ》の輝士が生まれたという揺るぎもない事実だけが、まざまざと"在る"。]
臆面もなく恥ずかしいことを言いますね、「先生」。
ご安心を。 疑ったことなど、ただの一度もありません。
[残されたドルイドの杖は光を纏い、その光が眩い刀身となって剣の様を成していた。 どれほど銀河鼠が無体を働こうとも、観測された事実は雨を降らす――]
(4) 2018/06/15(Fri) 17時頃
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まったく……わかっていないな。
[握りを確かめるように、剣を空中で薙ぐ。 フォン……と柔らかな音に反して、裂けた大気が衝撃の刃となって飛び交った。]
入稿済み《インサツチュウ》? 終わっていないものは、いくらでも止めようがあるんだよ、ホレーショー。 雨でインクは流れ、印刷機は壊れ、朽ちゆく。
一方私たちの未来は、預言者《アーサー》の観測済みだ。
[雨は希望で、水ではない。 誰の額も濡らさないが、書き記された歴史書《クロニクル》のインクだけを流していく。]
これから描くなどというのは、修羅場《デッド・ライン》に追われる愚行だよ。
(17) 2018/06/15(Fri) 23時頃
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[戸惑うチアキの姿に、口元と吐息で笑ってみせる。 この距離ではフローラの防護壁も間に合わない。けれど、討ち負ける気もない。 この光が――メルヤの力がこの身にある以上、裏切者《ライアー》如きに斃れる未来は見えなかった。]
伏線というのは、気付かれずに張って初めて活きるものだ。
[運命というストーリーは複雑に絡みあい、故に物語として鮮やかに輝きはじめる。 なれば、今立ち上がった輝士は必然。ここで輝くが運命《サダメ》。 九龍が飛びかかり襲おうとも、構える剣に迷いはない。 止水の一文字のまま、ぴくりともしない。そこには、師と、仲間と、かつての同胞がいたからに他ならない。]
(18) 2018/06/15(Fri) 23時頃
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[予測《ストーリー》に違わず、師の手によって九龍は染まり標となる。 フローラの力も背後に感じれば、すべては順風の中にあると感じられた。
あとは、己がこの剣を持て、語り手《ライター》の筆を折るだけだ。 ペンよりも剣が勝つその瞬間のために、この刃を振るうだけだ。 いつかは負けた技量かもしれない。ペンは剣よりも強いのが通例だ。 けれど、常識《ベタ》だけ並べても、終幕《クライマックス》は味気ないだろう?]
悪足掻きかどうかは、受けてから言ってくれよ!
[跳躍。全身の力を込めた一撃が、光を束ねた刀身に振りかかる。 互いのすべてを込めた剣戟は膨大なエネルギーを産み、またしても視界を白色に染め上げ――]
(22) 2018/06/15(Fri) 23時頃
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[パキン、とペンの折れる音。 チアキの力の敗北を示唆する音の後、光の海が落ち着く頃に、モスキートは、フローラは、アーサーは、カランカランと高い音が数度響くのを聞いただろう。
すべてが終わった後に残ったのは、いつもパラチーノの力を制御していた、反重力増幅コイルだけ*]
(23) 2018/06/15(Fri) 23時半頃
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