207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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[道化は血のついたカトラスと、真っ新なサーベルの両方を床に打ち捨ててしまうと、ギリアンに駆け寄る。]
ミナカッ! ギリーはどうなんだ!?助かるのか!?
[道化のその顔は確かに悲痛に歪められていた。 恐らく道化が今まで誰にも見せたことのないような表情だった。]
(1) 2014/12/13(Sat) 01時頃
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……そうか。
[ギリアンが医務室に運ばれるのに付き添ってきた道化。 子を見守る親のような視線をギリアンに注いでいた道化は、>>23ジェレミーの言葉にそちらの方を向く。]
私は、お前のことを信じているよ。 だから昨晩の命令を忠実に守ってくれないか。
[航海士に無理をさせるな。それが昨晩道化の命じたこと。 ギリアンの倒れたいま、今度はジェレミーに彼を守らせるつもりなのか。
医務室を出る彼を見送る道化は、ジェレミーの言葉が「信じている」ではなく「信じたい」であることを確りと耳に留めていた。]
(34) 2014/12/13(Sat) 09時半頃
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…もしも私が若い時に子供を持っていたら、もしかしたらグレッグくらいの子供はいたかもしれないな。
[>>33セシルが入ってくると、道化はそちらの方を見ずに眠るギリアンの頬を撫でながら呟く。]
子を思う親の気持ちは分かるつもりだ。 だからホレーショーは今頃私のことを……
[道化の言葉は続かない。]
(36) 2014/12/13(Sat) 10時頃
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14で海賊になった。 18の時にはもう既に船長にまで登り詰めていた。
[道化は静かに過去を語る。それは先代の年老いた航海士ぐらいしか知らなかったであろう話。]
もう30年も海賊をやってきたんだ。 そんな男が子供を可愛がるのは想像できないか。 …私もだよ。
[ふっと道化は自嘲するような笑みを漏らした。 それから彼の報告を聞く段になってやっと彼の方を向いた。>>38]
そうか、風が吹くといいな……。 惨劇の終わる頃には。
[それから、道化はまたギリアンの方に視線を落とした。]
(39) 2014/12/13(Sat) 10時半頃
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[セシルが医務室を退出した後。 道化は自分の左手に違和感を覚えて手袋を外す。]
なっ……!?
[道化は自分の左手の薬指を見て驚愕に…いや、恐怖に目を見開いた。 そこには外して宝物庫にしまっておいたはずの黒指輪が嵌っていた。]
お前の呪いだというのか…っ!
[黒指輪はてらりと光りを照り返した。*]
(40) 2014/12/13(Sat) 11時頃
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ギリー。起きたのか。
[愛しい子の目が開いたのを見て道化は柔らかく微笑む。>>44手袋を元の通り嵌め直し。]
そうだな、死に損なった。 だから生きろ。私はお前のことも大事だ。
[道化のそれは命令ではなく願い。]
もう起きても大丈夫なのか? そうか、なら私は席を外そう。 お前はもう少しここで休んで居なさい。
[他の船員ならば絶対に聞いたことのないような優しい声音で言いつけると、道化は部屋を後にした。*]
(48) 2014/12/13(Sat) 12時頃
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ー船長室ー
[もしも手元にあるのなら道化はグラスを傾けてアルコールでも味わっていたかもしれない。 そういう気分だった。
あるいは熱い紅茶にマドレーヌを浸すのでもいい。 幼い頃によくそうしていたように……。]
(62) 2014/12/13(Sat) 14時頃
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なんだ。悪い報告かな。
[道化はがちゃりと自ら自室の戸を開け船大工と向き合う。>>73道化は船大工からの報告が悪いものであろうことに確信を持っていた。]
その手に持っているもの。 ギリーの所に持っていってくれるのかな。 どうも。
[それから、道化は船大工の手の中にあるものが解毒剤であろうと見当をつけ言った。 道化には先ほどのような取り乱していた時の面影はもうない。いつもの闇纏う絶望の道化の顔をしていた。]
(75) 2014/12/13(Sat) 15時半頃
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[欠伸をするフランクの声>>80が届いた。]
まさか今まで寝ていたのに生き残っていたのか…。 えらく幸運な男だ。
[流石の道化もこれには苦笑い。**]
(86) 2014/12/13(Sat) 16時頃
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……ふむ、それは確かに悪い報告だな。 料理長が死んでしまうとは。
[道化は内心彼の料理が気に入っていたのだろう、 船大工の報告を聞いてそう言った。>>107]
人狼がヴェラだと分かったのは死体からか。 そうか、人狼は死ぬと元の姿に戻るのか……?
[船大工から詳しい状況を聞いた道化は顎を撫でる。 お気に入りどうのという言葉には特に答えずそのまま去ろうとする船大工を見送ろうとした…が、去り際の言葉に道化は微かに目を見開く。]
まだ……残っている……
[どうしてそれを知っているのか。 尋ねる前に船大工は医務室へと姿を消していた。]
(116) 2014/12/13(Sat) 19時半頃
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私の部屋は広いと言っても、
[>>103ホレーショーが部屋に押し入って来た時、道化は爪に丹念に鑢をかけていた。その指に黒指輪が光る。]
一騎討ちの場としては些か手狭だ。
[手袋を嵌めると、船長室に戻る前に回収していたカトラスとサーベルとを手に取り立ち上がった。]
待っていたぞ、ホレーショー。 邪魔の入らない場所へ行こう。 …下へ。
[全ての始まった場所、牢の前を道化は決闘の場として指定した。道化のその声はどこか穏やかだった。
だが道化には敢えて殺されてやるつもりなど微塵もない。護るべき仔の為にも。 道化はホレーショーの殺意を真っ直ぐに受け止め見つめ返した。*]
(128) 2014/12/13(Sat) 21時頃
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ー牢前ー
[牢前にたどり着くと、道化はサーベルを抜き、カトラスを抜き鞘を放り捨てた。 言い訳も前口上も要らない。ただ道化は冷たい眼光で対峙すべき敵を見据えるのみ。]
では……いくぞッ!
[血のように紅い道化の唇が決闘の開始を告げた 。 道化の足が血に塗れた床を蹴り、その身体がバネのように跳ねた。未だ衰えるには程遠い道化の身体はあっという間に二人の間の距離を詰め、サーベルとカトラスとでホレーショーの両側から剣戟を繰り出そうとする。]
(160) 2014/12/13(Sat) 22時半頃
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ふ…っ!
[>>167頭上から振る獅子のサーベルを右手のサーベルで跳ね返す。 更に低く低く身体を屈め、後ろに飛び退った彼の懐に飛び込もうとする。
超攻撃的。道化の戦闘スタイルを一言で表すならこうだ。 とにかく次から次へとその自慢の速度で攻撃を繰り出し相手に考えさせる隙を与えない。
それは今回も同じだ。 相手が後方へと下がったのなら、道化はそれ以上の速度で迫り、左手のカトラスで素早く一閃を繰り出すッ!
銀が宙を切る。それは相手の命を刈る為に舞われた軽業師の踊り。]
(172) 2014/12/13(Sat) 23時頃
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はっ!
[カトラスを押し返す力を感じ道化は愉快そうな笑いを漏らす。>>179 体格ではあちらの方が勝っている。 こちらは両手で二本の刀を操っている。 いくら技量があろうと当然力比べでは道化の方が不利だ。
道化はそのことを素早く判断するとむしろ刀が押されるのに任せ、横に跳んだ。 床を蹴る音と共に、道化が一寸前までいた場所を獅子の力強い蹴りが空振る。
道化の白い頬にも汗が伝い化粧を溶かし始める。
横に飛び着地した足をそのまま前に向かって蹴る。 休む暇は与えさせない。 道化は死神じみた笑みを浮かべるとサーベルを横に薙いだ。]
(189) 2014/12/13(Sat) 23時半頃
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[床に転がったホレーショーを道化はやはり機敏に追い、その身体を足で踏みつけにした。>>196 道化の尖った靴はホレーショーの胸を押し潰す。]
Pas mal. 悪くなかったぞ。
[にいと口許を歪めるとカトラスを振り上げる。 グレッグの命を刈り取ったように、 無慈悲にその刃を振り下ろすために。
いや、むしろグレッグを殺した時よりも 道化に迷いは無かった。 あの時…グレッグの首を切り落とそうとする道化にいくらかの躊躇があったことを知るのは道化自身だけだ。]
(212) 2014/12/14(Sun) 00時頃
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[くん、とホレーショーの匂いを嗅いで何かを感じ取っていた道化は、投げつけられた小瓶をはっと振り上げたカトラスで反射的に叩き切る。>>217]
……ッ!
[切られた小瓶から散った液体が僅かに道化の顔にかかる。 その液体は何か害を及ぼすような物ではなかったようだが「化粧が落ちる」と道化の思考に一瞬の隙が生まれる。
一拍遅れて道化は右手のサーベルの方をホレーショーに振り下ろそうとする――]
(222) 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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[獅子の雄叫び。 道化もまたそれに怯むことなく刃を振り下ろす。
交差するサーベル。 飛び散る血飛沫。
血を流したのは――*]
(225) 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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