199 Halloween † rose
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ー 4回目のハロウィン ー
[茶が出るわけでも、菓子が出るわけでもない。 元々この店には食物の類なんて置いてないし、半透明の彼も今は不必要だろう。 ただ煙だけが店内に満ちていく。
匿ってやると。なにやら妙な提案をし始めた、とても金持ちそうには見えない彼を上から下までじっくり見た後、]
…お前の国は悪趣味だから、 遠慮する。
[火葬は勘弁願いたい。が、]
まあ、考えてはおく。
[次の行き先は決まっていない。 どうせ冗談だろうが、まあ乗ってやらんこともない。
そろそろ国を変えるのも楽しそうだと、わずか口角を上げた。]
(@0) 2014/10/28(Tue) 12時頃
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[の、だが。]
(@1) 2014/10/28(Tue) 12時頃
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………は?
[店外。窓の外。細い道の向こう。立ち尽くす一人。その足元にうずくまる一人。 なにやら見覚えのある、その姿。
もう少し冷静でいられたのなら、彼らの姿が透けていることも気付けただろう。 だが、そうはいかない。それは無理と言うものだ。 連中も相当だが、ナニをシているか一瞬で理解できた自分も腹立たしい。
あまりの衝撃にむせ返れば、枯れた筈の涙も出るというもの。 アケノシンとの会話をぶった切り、体を丸めて咳き込んでいる。
さて、眼帯の取れた赤毛と目はあったかどうか。**]
(@2) 2014/10/28(Tue) 12時頃
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[それが、単に子供の悪戯現場や酔っ払いの喚く姿であったのなら、外に出て行って怒鳴り散らすぐらいはしただろう。 だがそうではない。そうではないのだ。
なにやら名前を呼ばれた気もするが、此方はそれどころでは無い。 >>@2妙な入り込み方をした煙を吐き出そうと、カウンター裏、身体を折り曲げ暫く苦しんでいたか。
復活するのは、まだ少し先。**]
(@3) 2014/10/28(Tue) 19時半頃
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…無視しろ。 俺も何も見なかった事にする。
[まだ少しせき込みながらも、涙目でカウンター裏から顔を覗かせる。何もなかった事にするつもりだ。 明らかに目があったし、あちらも名前を呼んでいた。が、何も無かった。 無かったし、見てない。 店内に漂う別の空白に、そう声をかけて。
しかし、まさか。 まさか、外の二つの空白がそのまま乗り込んでこようとは。]
(@5) 2014/10/28(Tue) 21時半頃
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今日は閉店だ。 さっさと帰れ。
[看板はCLOSE。にもかかわらず、窓をすり抜け侵入してきた変態共にそう言い放つと、背を向ける。 …とはいってもそこに居るので、本当に背を向けただけ。
ついでに透けて居る事と、物体をすり抜けて居る事を確認して、]
………ハァ、
[深い深いため息をついた。
謝罪の言葉も聞いてはいるのが返事はせず、クソジジイめと、心の中で罵った。 心の中で。 口には出して居ない。]
(@6) 2014/10/28(Tue) 21時半頃
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…家でヤれ。
[本当に、それに尽きる。 一言だけ絞り出し再びため息。幸せが逃げると言われてもそんな事知った事では無く、むしろこの店にお前が居る事の方が色んな物が逃げて行くと、強くそう思った。 当人は前と変わらぬ澄まし顔をしているのも、また腹が立つ。
増えたユウレイモドキ。屋外及び、店の前でのアレ。その後のこの態度。]
ドナルド、 お前も、そう言う仲ならちゃんと教育しとけ。
[先生だろ。と。]
(@7) 2014/10/28(Tue) 22時頃
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尾? ………尾ォ?
[振りかえって、まじまじと見つめる。 赤毛の彼の、腰のあたりを重点的に。
おや、何かふっさりした物が、]
――洒落たアクセサリーだ。
[確かに、尾でも生えたら。と言った。 だが、まさか本当に生えるとは。
先の不機嫌は何処へやら。カウンターから出て来ると、男の背後に回り込んで興味深そうに観察しているだろう。]
興味深い。 切り取って、ホルマリン漬けにでもするか。
[勿論冗談だ。半分は。]
(@8) 2014/10/28(Tue) 22時頃
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勿論、レポートも提出して貰う。
[そののオマケに実物付けてくれりゃ、100点満点だろう。 ぶら下がっているだけでは無く、どうやらきっちり動くタイプらしい。 器用に動くソレを眺めて、冗談だと肩を竦めた。 だったのだが。]
ほお?皮ァ剥ぐのか。
得意だ。
[出来れば毛皮も欲しいのだが、どうしてもというのなら譲ってやってもいい。 確か下の倉庫に色々とそろって居た筈と、その物騒な道具の種類を指折り数えて。
勿論冗談だ。半分だけは。]
(@11) 2014/10/28(Tue) 23時頃
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…別に、病気じゃ無い。 放っておけば一日二日で収まるだろうし、 切除の必要も特にない。
そうだな、…軽い炎症と思えばいい。
[炎症で済ませられる物では、無いのだが。 しかし、尾とは。 もう少し大人しめなのもが出ると想像していたのだが、こうもパーフェクトな尾が出るとは。]
…出来れば、先端だけでも切り取らせてほしいね。
[幽霊状態なので、かなわぬのは承知。残念すぎた。]
(@12) 2014/10/28(Tue) 23時頃
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…おう。 さっさとどっか行け。
[散歩をして来ると。やっと席を外す変態ジジイにそう言い放ち、吸血鬼に対する敬意などまるでない。消えた。 シッシッと手で追いやれば、やっと平穏が訪れた気がする。]
(@13) 2014/10/28(Tue) 23時頃
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[そんなに尾の切除は嫌か。 元々無い物なのだから、切り取ってしまったって問題なかろうに。 だが本人が嫌がっているのなら手出しはせず、それでも残念そうな顔はしていた。 痛いのが嫌なら麻酔を打ってやるし、傷口の治療もきちんとしてやると言うのに。]
――ああ、まあ、俺は、 色々と、な。
…薬の副作用で妙な物が見える。
[コツコツと、人差し指で己のこめかみを叩いて。]
尻からは生えなかったが、 中に尾が出来てな。
[己のこれは霊視とは訳が違う。 魔の者の中にも霊視が可能な物は居ただろう。が、自分は後天的な物だ。
脳の中に余分な物が出来た。 身体の腐敗を止める為、長年に渡って様々な薬を投与した結果、どうやら何か妙な成分が蓄積したらしい。何処かに切除不可な尾が生えているのだ。]
(@15) 2014/10/29(Wed) 00時頃
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…まあ、別に困っちゃいない。 死人の恨み言も、それなりに楽しい。
[二度目の生はやはり皆羨む。 妬み声を嘲笑うのも、長い人生では娯楽の一つ。]
(@16) 2014/10/29(Wed) 00時頃
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[二つの空白が居なくなれば煙草に火を付け、再び薬混じりの煙を立ち上らせ始めただろう。 そして向き直るは残ったもう一つの空白。]
…――で、だ。 それはそうとお前、
言ったよな。深入りするなって。
[もう、深入り>>@3:28どころではない気もする。 正体についての確認は、あのジジイならさっさと話して居そうだなと思いスルーなのだが。]
(@17) 2014/10/29(Wed) 00時頃
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…なあ、化物を想うってのは、 どんな気分なんだ。
[店先でのアレは兎も角として、先程からの二人を見ていれば想い合って居る事等一目瞭然。 何時からとか、非常食かとかそう言う事はこの際捨て置こう。
そして、自分がいまいち理解出来ずに居る感情の一つを、問う。]
何も感じ無いのか。 俺たちは異物だぞ。 それをお前、好きなんて。
[自身もニコラエと同類だと軽く仄めかしながら言葉を続け、 ドナルドへ向けているようで、向けて居ない。 もっと広く、ヒトと言う存在へ向けて。]
…怖くないのか。
[異なる物が。]
(@18) 2014/10/29(Wed) 00時頃
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[その後はドナルドといくつか話をしただろう。 雑談も普段よりは多めに交わし、深く聞かれる事があれば答えて行く。 だが己の種族に関しては話しても、最後まで「出て行く」計画は彼にも話さぬまま。
…ただ、あの質問に関しては、 彼の回答に満足や納得が行っても、行かなかったとしても 「そうか」と一言ポツリ零すだけ。 100年も死体をやっていれば、人であった頃の、ヒトの考え方なんて忘れてしまう。し、そもそも自分はあまり、昔の事は覚えていない。
散歩に行った者達が帰ってこれば、後は各員の好きにさせただろう。 店に一晩留まると言うのなら、それも止めず。]
(@21) 2014/10/29(Wed) 01時頃
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[ヒトに混じって、ヒトの真似をして生活するうち、ヒトの習慣が染み付いてしまった。
進められれば食事を取り、夜になれば眠る。 目覚めるのは好きでは無く、出来ればずっと横になって眠欲を貪って居たい。 夢は見ないが、まどろみは好きだ。 暖かな日差しも好きだ。 店の外から、おはようと言い合うヒトの声が好きだ。 ヒトの笑う声が好きだ。 ヒトが、好きだ。 短命で、弱く、愚かな存在の彼等が、好きで、恋しく、愛おしくてたまらない。
だが同時に酷く恐ろしい。
特定のニンゲンに執着する事もされる事も、今まで無かった訳じゃない。 だが全て、身を守るためだと尤もらしい言い訳を並べて逃げ回っていた。
そして今回も、当然逃げるつもりで。]
(@22) 2014/10/29(Wed) 01時頃
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―5回目のハロウィン―
[さて、店に居たのは己のみか。それとも誰か、別の者もいただろうか。 外の騒ぎはそれなりに聞こえていたが、ジェレミーが最後の仕上げにかかったのだろうと特に気には止めぬまま。 彼と自分では境遇も種も違うのだが、民衆の前に姿を現した馬鹿な奴と、僅か自分に重ねて笑う。
続くハロウィンを名残惜しく感じるものの、永遠に続く訳じゃない。 気付いている者が居るならいずれ終わりは来るし、少しだが自分もその手伝いをした。 今日の祭は狼騒動で休みらしい。 静かなのはいいが、少し寂しく感じる。
終わってほしいのか続いて欲しいのか。 肩入れの陣営は未だ分からぬまま。
倉庫の奥から引っ張り出して来たのは、古い古いトランクケース。 乱雑に店中の、山のような荷物を詰め込んでもまだ余るそれは、随分長い間使い続け、逃亡の友としてきた物。**]
(@23) 2014/10/29(Wed) 01時頃
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―昨晩:4回目のハロウィン―
[紡がれた言葉に返すのは一言だけ。>>@21 赤毛の彼が語るのは子供の好むお伽噺のような、青い青い綺麗事。 だが、なんとなく、そう言う答えが返って来るんじゃないかと。そう言う気はしていた。
繋がりを感じ始めたのは正体を明かしてからだったけれど、リーもアケノシンも、最初から自分を見てくれていた気がする。 化物だと知った今も尚、以前と同じ接し方で。 どこか救いのような物を感じていたのは、気のせいじゃない。
もう一人きり、寂しい思いはしなくていいのだと。 受け入れ、更に手を伸ばしてくれようとする姿を思い浮かべながら。]
[そう言えばこの男も、以前と同じ接し方をしてくれているのだなと気付き、心の内、礼を述べた。 口には出さなかったのだが。]
(@30) 2014/10/29(Wed) 20時半頃
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[年上の怪物に説教(のようなもの)を垂れる姿はやけに板についていて、 どうやら、教師と言う物が相当天職だったらしい。 しかし久しぶりに《らしい》顔で笑った男を見ると、ふと笑みを零した。
尾へのクレームについては、場所も構わず盛る奴には兎の尾がお似合いだと。 どうやら次回はそれらしい。 薬の成分と彼の体質を照らし合わせて、単品での発生に成功すれば尾の生える薬として売り出すか。 何の尾が生えるかは知らんが。
薬屋に帰って来た一人の空白と、そのまま帰って来なかった空白。 彼はその後を追いかけて、急いで立ち去った。]
(@31) 2014/10/29(Wed) 20時半頃
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そうか。
…逃げずに居てくれて、嬉しかった。
[薬屋に一人で帰ってきた空白には、そう、伝えて。 与えられた謝罪と、薬と煙草の香りで満ちた狭い店内。 その中に微か混じる、生者と砂糖菓子の香りと、一つの救いに、静かに目を閉じただろう。*]
(@32) 2014/10/29(Wed) 20時半頃
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―現在:5回目のハロウィン―
[調合した錠剤、粉末。棚の薬瓶。 薬草。箱や瓶の中でうごめくナマモノ。 乳鉢。曲がりくねったガラスの管。 古い古い紙の束。魔女の家から失敬した道具の数々。 埃っぽいキャビネット。倉庫に転がしてあった冷蔵庫。 その全てを放り入れても、トランクケース>>@23にはまだ余裕がある。
ケースを閉じ片手でぶら下げてもそれは軽いまま。 遠い昔の商人は珍しく高価な品だと言っていたがそんな事どうでもよく、どんな奴の作品かも特に気にしない。
日の高い時間帯にもかかわらず窓から覗いた空は随分暗く、魔女の術とはこうも面倒な物だったかと改めて知る。 続くハロウィン。華やかな祭にはしゃいだのはたった一日だったなと、今更思い出して。]
(@33) 2014/10/29(Wed) 20時半頃
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[小さな店内は空っぽで、残っているのはボロの棚とボロのカウンター。壊れかけの貧相な椅子。 《OPEN》《CLOSE》のリバーシブルの板を思い出したようにトランクに放り込んだ頃。
突然響いた大声>>12に肩が跳ねた。 急に何をと顔を出すより先、去って行く足音がする。
人には危険すぎる。外に出るな。 引きとめようと。言い逃げの背を追いかける様に扉を開けば、いつの間にか南瓜が増えていて。]
…。
[咥えた手紙>>14を開いてしまえば、追う足も声も、その場に縫いとめられたまま。 二つ目の救済の言の葉に、唇を噛んだ。**]
(@34) 2014/10/29(Wed) 20時半頃
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[ずっと、好意は薄々感じていた。 ただそれに明確な言葉は無く、ごくたま、微かに向けられる感情も知らない振りをしていればよかった。
と、言うのに。]
(@39) 2014/10/30(Thu) 00時頃
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[心の何処かでずっと待ち望んでいた、受け入れてくれる人。
気付いた時には、続くハロウィンにそんな人間が増えて居た。 でもその重要さには気付けなかったし、自分が求めて居た事にも辿りつけ無かった。 だが今なら分かる。 分かるし、自分を押し殺すのはそろそろ疲れた。
ドナルドの奴中々教えるのが上手い。なんせ、俺が100年たっても分からなかった事を、たった数分で解いて見せたのだから。 短命の種は回り道をしない。限られた時間を真っ直ぐに、自分に正直に生きて行く。 かつては自分も、そうだった筈なのだが。
こんな自分でもいいと、愛し、共に行くことを望んでくれる存在。 ただ、ずっと望んでいた癖に一度に二人にも好意を向けられて居るとなると、自分も少々困ってしまうのだが。
それでも、 それでもキリシマと言う自分を愛して、手を差し伸べてくれた彼を、放って置く事はできなくて。 責任ぐらいは、やはり取らなければいけない。]
(@40) 2014/10/30(Thu) 00時頃
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[手紙を運んだカボチャはそのまま。 路地に踏み出せば、再開したのが微か祭の音が聞こえて来る。 トランクケースは店内に置き去りで、手紙をポケットにねじ込むとゆっくりと明るい人並みの方へ。
ハロウィンはまだ続いている。]
(@41) 2014/10/30(Thu) 00時頃
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[彼と二人で居ると、時間はゆるやかに流れる。
確か彼からは、明確な愛の囁きは貰って居ない。 ただ、注がれる視線や溢れる言葉の端々に好きだと。そう乗せ、贈られているのは痛いほど感じていて。
その優しさに満たされ甘えて、負の感情さえもさらけ出し沈み込み、包まれてしまいそうな自分が居た。 偶に子供のようにはしゃいだと思えば、次の瞬間には大人の、静かな顔をする。 異国の立ち振る舞いにも何処か惹かれて居るのは確かで。火葬はやはり恐ろしいものの、彼の居る国なら考えを改め移り住んでもいいかもしれないと、わりと本気でそう考えていた。
色々な事を考える癖に押し殺して口に出さず、抱え込んで不安に思う時もある。 放っておくのはいささか心配で、 この手が触れる事が叶ったのなら、あの夜に抱きとめ一夜を過ごして居たのかも知れない。
きっとあの、砂糖菓子と同じ甘さであろう口付けと共に。]
(@46) 2014/10/30(Thu) 01時頃
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[ジェレミー曰く、店の南瓜に描いたは俺の顔らしい。
お前には俺があんな顔に見えるのかと、とっ捕まえて問い詰める機会はずっと失ったままだ。
あまり他人に見せる事の無い、人らしい感情を次々と引き出され参る事もある。が、迷惑では無く、むしろそれで良いのだと感じさせる明るさがあった。彼のそれはある意味魔法のようだと思う。 突っ走りがちで騒がしく、常に動きまわっていないと息が止まるのではと感じる。 自分と正反対とも思える彼に、呆れかえる事も少なくない。
世話を焼いてやらなければとついつい多めに手を出して。人間と言うより動物のようだと、いつか考えて居た事を思い出した。
ずっと過ごしたこの街を離れてまで、俺と共に歩んでくれるのかと。 連れ出すのは些か気が引けるが、本人がいいと言うのなら構わないのだろう。きっと。]
(@47) 2014/10/30(Thu) 01時頃
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[ただ、彼となら、 何処までも自分で居られる気がした。
人間のフリをしたキリシマでは無く、ただのキリシマとして。]
(@48) 2014/10/30(Thu) 01時頃
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≪…―――≫
[魔物の赤い声はやはり出ず、 代わりに出たのは、]
リー、
[代わりに出たのは人の声。 微かなその声は祭の喧騒に紛れ、静かに溶けた。**]
(@49) 2014/10/30(Thu) 01時頃
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