249 Digital Devil Survivor
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[オルトロスに飛び乗って数分、子供は既に家についていた。 けれど、鍵を持っていなかったので玄関前で待ちぼうけをくらっていたのだが。
それは、良くないけれど、まだいい。
何故、悪魔と思しき青年の膝を枕にしてくぅくぅと眠っているのか。 悪魔の方に害意は今の処ないようだが、ピクシーのような可愛い悪魔ではない。 見たことがないタイプだが、危険な部類だと勘が告げる。 子供を引き離そうとして、 その顔を正面から見た時一瞬呼吸が止まった。]
……っ!?
[攻撃をしかけようとした手が力を失う。 その特徴的な口は、十年前湖の上でその身を焔と祟りに預けた知り合いに、良く似ていた。]
(163) ハチドリ 2016/06/29(Wed) 22時半頃
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[緊迫した空気を感じ取ったのか、目を擦りながら子供が起きる。 何が起こっているのかと、呆然とする母とつい先ほど仲魔になった悪魔を数度見比べて、きゅ、と小さな手で悪魔の服の裾を掴んだ。]
「母様。私の初めての仲魔で、くちさけって言います。 くちさけ、私の母様。とても強いサマナーなんですよ。」
[何処か誇らしげにそう言った後、母親の方を見る。 その視線は何処か揺れていた。 勝手に契約してしまったことを怒っていないか、 契約を破棄させられないか、そんな不安がその瞳から見て取れた。]
(164) ハチドリ 2016/06/29(Wed) 22時半頃
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…………。 仲魔とは、貴方の戦友<<ともだち>>。 貴方が選び、彼が選んだの、なら何も、言いません。 大切に、なさい。
娘の事、お願い、ね?
[子供にサマナーとしての教えを諭した後、 最後は娘の傍に立つ悪魔に向けて。 その瞳は雫こそ零さないものの、確かに潤んでいた。
その後、食事を大量に作る羽目になったのはまた別の話。**]
(165) ハチドリ 2016/06/29(Wed) 22時半頃
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─ 御渡市の何処か ─
[ 封鎖の名残と爪痕がどれほど癒えた時期だろう 湖の畔の工房は、すっかり廃墟と化していた
かつて、幾人もの職人が音匣(オルゴール)を作り 小さいながらも活気に満ちていた光景は見る影もなく 崩れた建物は塵芥に塗れ資材や工具すらも最早、ゴミ
いつからか? そこに誰かの影を見たという噂が流れ始める
廃墟の探検に訪れたこどもたちから広まり 廃墟マニアや心霊マニアまで それを見ようと畔に来る始末
そして、見たという者は一様にこう告げる 淡いブルーのエプロンドレスを着た女の子であると ]
(166) Arianrhod 2016/06/29(Wed) 22時半頃
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[ 金色の髪を靡かせて、ふわりとスカートを翻し 手には「黒猫のぬいぐるみ」をぎゅっと抱きしめて 少女は訪れる者へ貴婦人めいたお辞儀をすると ]
あたしは、アリス…
[ 砂糖菓子もかくやの甘い笑みを浮かべ ]
(167) Arianrhod 2016/06/29(Wed) 22時半頃
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[ それに昰と答えれば、二度と帰れないと 実しやかに囁かれる様になっていた
しかし、否と答えたらどうなるか? それでも無事に無傷でも済まないという
砂糖菓子の笑顔は忽ち曇り 少女はその腕を引っ張ると ── 街中へ連れて行く
そして、涙をぽろりと零してから ]
(168) Arianrhod 2016/06/29(Wed) 23時頃
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[ そんなトドメを刺すという
嘘か本当かは、出会った者しか分からない 帰れない者には語れない
恐ろしい噂が、今日も密かに流れてる** ]
(169) Arianrhod 2016/06/29(Wed) 23時頃
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[御渡市の結界が解かれたのは、須佐之男が真月の元を離れて戻ってからしばらくしての事だったかもしれない。マガツヒを凝集した八十禍津日神は御渡の湖に沈み、多くの人々が肉体ごと魂を喰われた後。元凶たるアマツミカボシが既に消滅した御渡の地で、残った悪魔もあるものはヤタガラスに討伐され、あるものは自ら魔界に戻っていった。
元凶が望んだ外つ国の介入も天津神の滅亡もついに起こらず、御渡の惨劇は大きすぎる犠牲の後に終焉した。]
(#0) 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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確かに、 普通の人間だったら君の魂だけでも 堪えるのかもしれないねえ。
それ以上があるのかは分からないけれど。
…まあ、また見つからなければ、 泣きつきに来てもいいんだよ。 話くらいは、聞いてあげよう。
[その時僕は、 何処にいるのかはわからないけれども、 そもそも、まだ僕が僕であるか。 輪廻から外れない、輪に囚われたままかというのは 脇に置いといて、だ。
茶化た響きは、空空と謳う。
硝子の器と、銀の匙がかち合う端音に、>>158 こちらまで、風鈴の音色めいた涼やかさを覚えた。]
(170) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[くつくつ、]
[彼が、彼である証拠のような喉鳴りの声もこれで暫くは聞納めかなと思うと、名残惜しいものは、ないと言えば、うん、嘘だ。
久方ぶりの記念すべき再会は、 そうして、祝すべき友人となった彼との再会は、 人にとっても短ければ僕の、そして彼らのようなものには更に、短いもので────、]
( けれど、同時に、 彼は人という存在を取り戻す権利がある。 そして、悩める子羊を助けたいと思うように、 未練を、そして決意を下した友人の力になりたい、 そう思うのは、“人として”当然の感情だろう? )
(171) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[だから。] [その決断には、間髪を挟むことも、ない。] [その代わり、ひとつを最後に問うことにしたのだ。]
( うまく分離できれば、彼は、 消えずに済むかもしれない。
けれど、失敗どころか、 分離方法を謝れば、「どうなるか保証はない。」
そんな賭けを分かった上で、自分の興味を優先する問いを投げかけるのは、少々以上の罪に問われてもしかなかったかもしれないけれど、)
[真に悪たる悪人は、錬金術士足りえない。だから、如何しても、──その、正義の悪魔さんに聞いてみたかったのだ。]
(172) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[やがて報道では、御渡の封鎖の原因にはそれらしい理由が付けられるのだろう。
真月はヤタガラスから出頭のうえ、状況の説明が求められるかもしれない。他の生き残った者達も、多くはヤタガラスの監視を受ける事になるかもしれない。それもいずれは収まるのだろう。
けれど御渡に残った者にとって、本当の痛みはこれから起こるのだろう。人も神々も、街そのものが深く傷ついた。その痛みをどうすればいいのだろう。
またどこかで僅かな悪意が生まれるかもしれない。
またいつか争いが起きるかもしれない。
その時はまた、彼らのような別の誰かが戦うのだろう。
人がずっとそうしてきたように。人として生きるために。**]
(#1) 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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(答えの返事は、)
…… 良かったよ。
( ふ、 )
[酷く、安堵したかのように崩された相好は、 けれど直ぐに道化を帯びて、『知ってたけどね!』と、菫色の天秤はかくも、雨時の紫陽花色の天硝子に傘を被されたかのように見えなくなり、色彩をがらりと変えるのだ。]
[屈託なく笑う彼の隙間に 物珍しい寂寞のいろはもしも覗こうものならば、 寂しい?なんて。
にこやかを気取った揶揄もできたのだろうけれど、]
(173) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[促すは、実に、 終わりのように静謐に。 一点で留まる黒の双眸を見つめ返す 蝋燭を吹き消したかのような哀愁は、ほんの一秒。 すぐにまた、硝子は煙に曇り始めて──。
台座に嵌められ、 タイを飾っていた手持ち最後の『赤い石』を 結び目を解くように、握って、彼のもとへ翳した。]
──── 目を瞑ってくれるかい。
(174) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[促すは、実に、 終わりのように静謐に。 一点で留まる黒の双眸を見つめ返す 蝋燭を吹き消したかのような哀愁は、ほんの一秒。 すぐにまた、硝子は煙に曇り始めて──。
台座に嵌められ、 タイを飾っていた手持ち最後の『赤い石』を 結び目を解くように、握って、彼のもとへ翳した。]
──── 目を瞑ってくれるかい。
(所謂、 アニマとアニムスの分離のようなものだ。 結合が出来れば、原理としては解体もできる。 けれども、それをより確実にする為に──。)
(175) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[frugativi et appellavi]
( 何某かの言葉に口を動かせば、 店内を埋め尽くすような紫光が破裂した。 )
[彼の悪魔の魂を『盗み』、ヘルメスの力を借りて『魂の導き手』として赤い石の方へと引き寄せる。上手く往けば、それと結びついて“肉体生成”が行われたかもしれないが、]
[────禁忌にも近い行いが出来るかは、次瞬。]*
(176) 雨京 2016/06/29(Wed) 23時半頃
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[すやすやと穏やかな寝息が耳に届く。 契約したばかりの新米サマナーは、怪異の膝の上に頭を乗せてすっかり眠り込んでいる。]
……、…。
[玄関の鍵が閉まっていたから。 「母様を待つ」のだと座り込んだ子供の隣。 大人しく並んで座っていたのがすぐにこんな事になってしまった。
眠る子供の頭に黒手袋の右手を伸ばして。 髪に触れる直前に迷うように引っ込める。
出会ったばかりの怪異を信頼して無防備に眠る子供の扱いに困って、無表情のままその動作を7回くらい繰り返した後。]
(177) simotuki 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[物凄い勢いで近づく別の悪魔の気配>>163に、怪異は子供を見下ろしていた瞳を上げる。]
…………ナんだ?
[――ひたり、と。 怪異の顔を見て突然動きを止めた女に、怪異もまた右手にいつの間にか手にした真っ黒な刃を突き出すのを止めた。
色の薄いどこか獣を思わせる瞳は、じっと灰青を見詰めていたが。 膝の上の子供がモソモソ動き出す気配に右手を下ろせば、その手にあった黒い刃は溶けるように影へと消えていった。]
(178) simotuki 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[目を覚ました子供は事情>>164に「とても強いサマナーの母親」と紹介されて、改めて女を見た。]
ソう、オレは怪異くちさけと云う。
アンタはサマナーの母親で。 ソれで……。
["何か"を思い出そうとするように僅かに目を細める。 その僅かな引っ掛かりも、女の声>>165に霧散して。]
……仲魔になった以上。 サマナーを守るのは『仕事』ダからな。
[任されたというように、すぐ傍に立つ子供の頭にぽんっと軽く手を置いた。]
(179) simotuki 2016/06/30(Thu) 00時頃
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ソれより何か食べるものないカ? くれる約束ダろう?
[そして、子供に家に向かう道中にした約束の食事を求めて。 家も案内するという子供に手を引かれかけて、足を止める。]
……ソうだ、今気付いた。
アンタ達の目。 『月』に似ているんだ。 満月なんテ、あんまり好きじゃないケど、オレは。
[振り向いた怪異は女へと、"いつかのように"僅か笑みを見せた。]
(180) simotuki 2016/06/30(Thu) 00時頃
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─ After Story ─
[あれから、歳月が、幾許か過ぎた。]
[相変わらず人間にとっては早く、 人為らざる存在にとっては、遅い。 付喪神にとっては、…さあ、どうかなあ。]
( ん? じゃあ、僕にとっては、って? そうだなあ、普通かなあ。 )
[嘗て、辿った足跡を廻るように異国の、 僕にとっては故郷の土を踏み帰ったのは、 荒れ果てた街が復興してからのことだった。]
(181) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[最後見た、瓦礫と廃屋。 血と肉溜まりで塗れていた御渡の地はすっかり、 そう、すっかり様変わりしていたものだ。 (僕は何も変わっては、居ないのに。)]
── やあ、 10年で本当に此処まで立て直したんだ。 科学のチカラって、すごいねえ。相変わらず。
[腕を広げながらも上機嫌で、ヒュウ、っと 口笛を高鳴らせたなら静寂の湖が風に揺れた。
>>119運ばれてきたのは、小波だけではない。 何処からか、レクイエムにも似た儚い笛の音の残滓が空に融け、漣、かき消えて往く。]
(182) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[すれ違う、月を想わせる女性は、 “あの時”よりも大人びた顔立ちをしていた。
ふと、その横にいる 満月のような金の瞳とかち合ったものだから、 10年前と変わらない微笑みを返しておこう。]
(183) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[そのまま、通り過ぎて行き、 聳え立つ赤白の塔の袂で額に添えて仰ぎ見る。 明星は幸か不幸か、残念ながら輝いてはいない。 やや、3色目の錆色が目立つ。それだけだ。
焼け焦げた炭花もすっかり植え替えられてしまった 遊歩道を辿ってゆけば、ふと、うら若いカップルのお話が耳を過ぎて行く。]
「ねえ、こんな話知ってる? 口裂けならぬ、口裂け男。」
「──ああ、“くちさけ”だろ?」
[きゃあきゃあ騒ぐ男女、いやいや微笑ましいねえ。 何処となく、口元にガーゼを貼った彼を思い出しながらも、そのまま道は商店街を通り過ぎ、やがては大半がシャッターの閉まった繁華街へと入る。昼空には、電光形はまだ早いか。]
(184) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[── 音匣、のあった場所の前で漸く足を止めた。]
[けれど、それも移ろいゆく陽炎のように。 玉響にも満たない時間を超えたのなら、また、ふたたび、短い距離を歩く。
すぐに最果て。 街の奥地まで辿り着いたところで、『生命の水』の看板があったところを、さっきよりも長く──、眇め、眺めてから、]
(185) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[これまた、 かつてと変わらないロイヤルブルーを翻す。]
(そのまま、向かうさきは ────渡背の山。)*
(186) 雨京 2016/06/30(Thu) 00時頃
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……こういう時、なんて言ったらかっこよく 決まるのかな?ま、いいか。とりあえず…… おやすみなさい
[赤い石の煌めきを目に留める。それが握りしめられ 翳された先は、当然、自分。 金糸の下の菫の揺らぎが無くなったのを見れば、 そっと、瞼を閉じた。 普段とはまるで大違いだ、まるで判決を待つようだ。
似たようなものか。 自分に待ち受けるのは、どんな判決なのだろう?]
(187) belphe 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[消滅するのかもしれない。 だが、何とかなるだろう、とも思った。 相手が他ならぬ、この男だからかもしれない。
瞼を閉じていても、視界を支配する光。 耳を疑いたくもなった。 肉体生成なんて──お前。それは。>>175>>176
しかし咎める暇もなかった。
聞こえなくなっていた“泥方ナツメ”としての声。 その言葉を、恐らく最後になるその言葉を しっかりと耳に入れようとして────。]
(188) belphe 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[菫に紫陽花、露草、竜胆。 花の色は移りにけりないたづらに。 されど季節は再び巡る。 今年は去ったあの花も、翌年にはまた開くもの。
御渡から禍事は去っても、神も妖も生きている。 社へ菓子を供えてくれる人の子が、 初めて小さな命を連れ添って来たのはもう幾らか前。 そして、それが何処か懐かしい仲魔を伴うようになったのは 極々最近の事であった。
羊羹が供えられたのは、最初はきっと偶然]
……累のくれた羊羹の味、とても、とても、甘かった。
[懐かしさにぽつりと零したその言葉があったからか。 羊羹はいつしか定番のお供え物と化すらしいのだが。 実際のところは真月の母子と 悪魔ばかりが知っているのに違いない*]
(189) namba 2016/06/30(Thu) 00時頃
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[変化は案外、呆気ないものだ。 数度瞬きをして、眩すぎる光の名残に顰めたまま、 自らの身体を確認した。
肌の色からは、すっかりと闇が抜けきっていた。 しかし闇は、その“居場所を変えただけ。”
──まるで人間のように見えるのに、なぁ。]
(190) belphe 2016/06/30(Thu) 00時頃
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