3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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>>633 ――……先生?
[そして、その人の身体が魂が抜けたかのように落ちそうになるのを、そのまま抱きとめた。
謝罪は何に向けてだったのか。 そして、落ちる意識は、やはり血を抜いたせいだったのか。 いずれにせよ、放っておけるわけはなく、その身体を抱き上げる。]
すいやせん……。
[衝動はしばし収まる。だけど、 意識を失った身体を顔、ぎゅっと一旦身を寄せて、……その唇に口付けを……しようとして、触れる直前で、止めた。]
――……
[穢してしまった。と思った。 その腕のハンカチが含む赤に。
また心の中で謝罪した。]
(642) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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用務員 バーナバスは、理事長の孫 グロリアをそっと抱き上げて、教室を出る。
2010/02/28(Sun) 01時半頃
用務員 バーナバスは、理事長の孫 グロリアは、目を覚まさなかった。(09)
2010/02/28(Sun) 01時半頃
用務員 バーナバスは、3階の廊下を歩いていく・・・・・・。グロリアを抱えたまま・・・・・・。
2010/02/28(Sun) 02時頃
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― 3階廊下 ―
[そして、音楽室の手前の階段前。スティーブンと、……]
――……セシル?
[グロリアを抱えたまま、その二人の姿を見た。]
(654) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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>>656
ああ、アトラナート先生が、さっき、『ケイト』にとり憑かれてな。 今はもう、大丈夫なんだが……。
[そして、セシルとスティーブンの様子を怪訝そうに見た。]
(658) 2010/02/28(Sun) 02時頃
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>>662
ああ、ケイトはもう、いないと言ってた。 俺にも出て行ったような言葉が聴こえたよ。
[そういえば、自身の左腕の血は止まっていた。でも、包帯は赤く染まっていただろう。]
教師が生徒を助けるのは務めだ。 だけど、自己犠牲もほどほどにな……。
[そう言って、自分の胸がちくりと痛む。 抱えたグロリアの顔をチラリと見た。]
(664) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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>>668
先生、アンタ、わかってないな…。
さっきも俺に、血を吸うなんてたいしたことじゃないって言ってたが……。
血と水は一緒じゃねぇんだ。 化学式の記号が違うとか、そういう問題じゃねぇんだよ。 アンタも、この身になればわかるのにな。
[そして、グロリアを抱えたまま、階段を下りはじめる。]
(669) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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用務員 バーナバスは、ふと、スティーブンを振り返る。
2010/02/28(Sun) 02時半頃
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そういえば、アンタ、俺にもくれるのか? それとも、二人だと献血以上の量になるから、お断りか?
[そして、また降りていく…。]
(670) 2010/02/28(Sun) 02時半頃
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用務員 バーナバスは、理事長の孫 グロリアに吃驚したけど、落とさないようにまた強く抱き寄せた。
2010/02/28(Sun) 02時半頃
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>>671
むつかしいことをごちゃごちゃいうな。
好きだからに決まってるじゃねぇか……。
ちなみに、アンタの血はやるって言われても遠慮するよ。 吸ったら、身体中が数式になりそうだ。
[それは冗談ではあったのだが……**]
(673) 2010/02/28(Sun) 03時頃
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― 南棟1F用務室 ―
[気を失ったグロリアを連れて、そのまま一階へ。 用務室に入り、畳に寝かせて布団をかけた。
そして、立ち上がり、水道の蛇口を捻る。
また、黒い水が出るかと思ったが、それは、普通の水だった。 一杯飲んで、ちゃぶ台の横に座る。]
――……日誌……か。
[さっき見かけてた日誌。 またその束を見つめた。]
(700) 2010/02/28(Sun) 11時頃
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用務員 バーナバスは、不穏なケイトの声を聞き、目を見開いたあと、日誌を手に取る。**
2010/02/28(Sun) 12時頃
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― 用務室 ―
[日誌を必死に読み直していた。 なので、グロリアが起きた時に、反応はした。
だけど、そのあと、そおっと出て行ってしまったことに気づいてはいなかった。]
――……?先生?
[気がつけば、布団は蛻の殻……。]
あ………
[眉を寄せる。 急いで部屋から出て廊下を見回したが、もうどこに行ったのかさっぱりわからない。]
(817) 2010/02/28(Sun) 15時半頃
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― 用務室 ―
くっそ……。
[グロリアを探したい気持ちと、ケイトの謎を解かねばならない気持ちが葛藤する……。]
(827) 2010/02/28(Sun) 15時半頃
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― 用務室 ―
[用務日誌は想像以上に膨大で、 それを1ページ1ページ見ていくのは非常に骨が折れた。
正直、一人では無理だ。]
――……くっそ……。
[それよりも、出て行ったしまった人をはじめ、生徒たちのことが気になる。 帽子を外してしばらく頭をぐしゃぐしゃ掻いていたが、決心したように、日誌をどんとちゃぶ台に置いたまま、立ち上がった。]
(858) 2010/02/28(Sun) 16時半頃
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用務員 バーナバスは、廊下を出て耳を澄ますが、ちょうど家庭科室の出来事は終わったあとだったか、静かだった。
2010/02/28(Sun) 16時半頃
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― 南棟一階廊下 ―
[廊下は異形のものがごろごろと転がっている。 顔が見えれば口で手を覆い、大きく息をついた。
やがて、頭を降って、まともな人の気配を探しはじめる。 吸血衝動は、今は湧き上がらない。 おそらくはそんな気にならないものがごろごろしているせいだろう。]
おおーい、誰かいるかぁ?!
[とりあえず、声を出して、誰かを呼ぶ。]
(862) 2010/02/28(Sun) 16時半頃
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ん 誰もいねぇか。
[一階廊下を西側に歩いていく。 途中職員室の扉に貼り紙がしてあった。危ないらしい。 貼り紙をしているくらいだから、この中にはもう誰もいないだろう。まともな奴は。]
――……ちぃ
[そのまま北棟に向かう渡り廊下の方面へ]
(871) 2010/02/28(Sun) 16時半頃
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― 北棟 ―
[ちょうど家庭科室面子と入れ違いになっていることは知らない。]
――……誰もいないな。
[それはもしかすると、意図的に誰もいないところに導かれているだけかもしれないが……。]
(883) 2010/02/28(Sun) 17時頃
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――………!
[背筋がぞくりとした。]
(893) 2010/02/28(Sun) 17時半頃
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ケイトか……。
俺になんか用か?
[そのまま声のするほうには見ず……]
日誌は、まだ探してる最中だ。悪いな。
(894) 2010/02/28(Sun) 17時半頃
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うわっ
[首筋がぞくりとした。]
おめぇ
[冷たい冷たい腕が、そこに ある。]
(895) 2010/02/28(Sun) 17時半頃
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は
[制服を見る。
まわされる腕……よく、見れば、袖口に今の制服にはない一本のライン……。
それはいつの時代のものだろうか?]
遊ぶのか、そうか、
何して遊ぶんだ?
[そう、会話を続けてみる。冷や汗を流しながら]
(902) 2010/02/28(Sun) 17時半頃
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>>@12
もっと…?
って、………ぐっふ
[背後にのしかかる重み……そして、夥しい血臭……。 渇きを呼ぼうとしているのか……。]
――……くっ
[でも、匂えば……情けなく衝動は湧き上がる…。]
(907) 2010/02/28(Sun) 18時頃
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>>@113
[振り返らないまま…視線だけ自分の肩口に走らせる。]
べちゃり
[何か赤黒い塊が落ちた。 跳ね返る血糊が頬を掠める。
嫌なもののはずなのに、同時に、とても]
[渇く]
(912) 2010/02/28(Sun) 18時頃
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>>@114
いや
もうちょっと別嬪さんが、いいからな。
[言葉とはうらはらに息づかいは荒くなる。]
ほかの遊びはしないのか?
(916) 2010/02/28(Sun) 18時頃
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>>@115
先生は 別嬪だな
[すぐそこにいるなどとは知らず…。]
(919) 2010/02/28(Sun) 18時半頃
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― 北棟一階廊下 ―
[改めて床を見る。 赤黒いモノがびちゃびちゃと……。
それは、鮮やかな赤を流して……。]
――……はは、大盤振る舞いかよ。 一人じゃ飲みきれないな。
[冗談を言っている場合じゃないのだが……。]
(923) 2010/02/28(Sun) 18時半頃
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>>924
――……ッ
[後ろから抱きすくめられた手にはじかれるように振り向いて……グロリアの姿に目を丸くした。]
先生……?
(927) 2010/02/28(Sun) 18時半頃
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俺は、先生は、もう吸いません。
我慢じゃない。
我慢はしない。
[そういうと、屈み、肉塊を掴みあげると、 まるで、林檎をかじるように食いちぎった。]
(936) 2010/02/28(Sun) 19時頃
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まじぃ
[それは腐敗した、もう命を持たない、ただの塊。 それをぐちゃぐちゃと噛み締めて、血をぽたぽた口から落とした。]
はは
(938) 2010/02/28(Sun) 19時頃
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用務員 バーナバスは、理事長の孫 グロリアに振り返ると、血みどろの口で、にたぁっと笑った。
2010/02/28(Sun) 19時頃
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おい、たくさん用意してくれたけど、
これ、マズいぞ?
[グロリアの手はどうなっただろうか? そして、血を口から手からぽたぽた落としながら、ケイトに話しかけた。]
(941) 2010/02/28(Sun) 19時頃
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用務員 バーナバスは、ねっちゃぬっちゃと咀嚼していたが、やっぱりべっと吐き出した。まじぃ……。
2010/02/28(Sun) 19時頃
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>>947
[腐った肉を吐き出して、またグロリアを見ると、瞬間、銀色が煌いた。 その光にピクリと顔の筋肉を緊張させる。]
――……先 生?
[しんじない…だまされない、と共に、その白い手に鋭い刃が光る。]
何 を……。
[そして、冷たい冷たい、笑み。]
――………ッ
(950) 2010/02/28(Sun) 19時頃
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用務員 バーナバスは、グロリアの手を掴みあげようと……手を伸ばした。
2010/02/28(Sun) 19時頃
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>>954
――…ッ
[刃は閃いて、そして、彼女の首に赤いラインを作る。冷たい水が背中に走る。 その傷を凝視して、そこまで深くない、とわかると、は…と息をついた。]
よかっ……ッ
[そして、誘う口調で、触れず、近寄る口唇と首筋……コクリと喉は鳴るけれど……。]
――………ッ傷つけちゃ、駄目だ……。 アンタは飲まない。
[両腕をがしりを掴み、離した。 そう、渇きはある、渇いている。だけど、それよりも]
――……先生、どうしやした?
[その人が心配な気持ちのほうが、高くて…。]
(958) 2010/02/28(Sun) 19時半頃
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[刃物を血だまりから拾い上げ、 振りかざす女を茫然と見ている。]
一人にしない?一緒に?
[何の話かわからない。 ただ、それは暗い暗い、青]
(967) 2010/02/28(Sun) 20時頃
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