65 In Vitro Veritas
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[>>232 そしてクローンから食料の話が告げられる。 気分の悪さと亡骸を前に、すっかり感覚を忘れていた。 が、あてに出来る脱出手段が見つからないとなれば、 それは対処すべき重要な問題であることは、間違いない]
保存食か……そうか、 量にもよるがそれで少しは持つ、な。 とりあえず、後で全員で均等に分けよう。
[散花と牧野へ向けて、告げる形になったか。 ひとつ安堵を覚えている、もしも雪織がいたら均等に分ける、 それで一騒動が起こっていたに違いなく、 同時にそんな想像をする自身に少しうんざりする。]
……ああ、教えてくれてありがとう。
[目を向けるのは“コーダ”に。 “自分”に礼を言うのも、おかしな感覚だと思う。 雨宮はまだ己のクローンを個として認識出来ていない]
(253) 2011/09/29(Thu) 18時半頃
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― 非常階段 ― [>>233 促された先、スタッフルームには荷物も置きっぱなしだ。 リーネは騒動にも姿を見てないが、まだそこにいるのだろうか。 思いながら、階段へと向かえば>>234すれ違う姿、 黒田フランシスカ、雪織の亡骸の前でそういえばサロメの彼女だ、と至る。あの舞台監督はよくない噂の多い人物だ。オケのソリストの抜擢に関わるその噂を思い返す間にクローンが名乗る、次いで自分も名乗った。]
俺は、雨宮セシル。 お噂はかねがね……って、こんな状況でする挨拶でもないか。
[>>237 非常用転移装置の話をすれば、 彼女の口からまくし立てられる言葉に肩を竦めて息を吐く。 一つ一つ否定をして、非常装置の場所を伝える。 作動については、納得いくまで確認してみればよいことだ]
とりあえず、他に出口でも見つけられない限り、 どうにもならない、ので。 食料はあるけど、分けてから手をつけた方がいい。
[>>242 去っていく彼女のクローンへの言葉は、 案外柔らかなものだった、それからまた足を進める]
(259) 2011/09/29(Thu) 19時半頃
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― 現在/地下1階・スタッフルーム ― [痛がっていた、のは大丈夫なのだろうか。 たどり着いたそこに彼女の姿はない、周囲を見回す最中、 自分のクローンはヴァイオリンケースに目を止めていた。 それなりの娯楽のようなものはある、と水無月は言ってた]
それはヴァイオリン……楽器だ。 音楽を奏でる、道具。
[モニターのスイッチは落ちていたのだろうか。 旧式だったが、再生の操作くらいは出来るだろう]
この映像を見て、気持ち悪いとか、怖いとか、 そういう風には感じないのか?
それとも意味がわからない?
[雪織の亡骸の前での反応は、 無残な死を前にしての忌避に見えたが、 自分のクローンがこれを見たいと望むのは何故か?*]
(261) 2011/09/29(Thu) 20時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/29(Thu) 20時頃
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[>>264 眼を輝かせて、というべきか。 返ってきた反応は一つの共通点、妙に腑に落ちる]
やっぱり音楽が好きなんだな。
[後から、と告げる前に映像は流れ始めただろう。 最中、クローンの開きっぱなしの口、 自分の顔がそんな表情をしているのは少し嫌だ、と思う。
>>267 映像を見るクローンはそのシステムを概ね、 理解しはじめたらしい、“自分”はその状況において何を感じるだろう。 結局は諦めのうちにあるのではないか、そう思う]
そうだな、あの映像でいえば、 体の中身を奪われている方が、君で。 それを貰っているのが、俺だ。 君は俺から造られた、俺と同じもので――……、
[だけど――と、クローンの続く言葉はそれを否定する]
(275) 2011/09/29(Thu) 21時頃
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[>>268 個の主張、それを訴えられて緩く瞬く。 クローンはこちらを見つめているが、 元が同じ、というのはやはり伝わらないのだろうか、それとも]
君が俺だっていうのは、事実だよ。
そりゃまあ、考えてることがわかるわけでも、 全てがそっくり同じってわけでもないけど。 何せ住んでるところ――いる所が、違うからね。
[息を吐く、カウンターに手をついた]
まあ、ここから出られたら、 君の世話にならないように生きるよ。
[俯く眼差し影が過ぎるのは、兄と雪織とを思い返して。 それからヴァイオリンケースに目を向けた]
(280) 2011/09/29(Thu) 21時半頃
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>>304 [投げた言葉に、クローンが何を考えているのかは、わからない。 本質が同じもの、だとしても個体としては違う。 そんな抽象的な言葉が通じるようには思えない。]
ん?
ああ……そう、ヴァイオリン。 これで音楽を作るのが、俺の仕事。
[>>318 投げられた問いかけにケースを開こうとした手が止まる。 先ほどの牧野の言葉>>283 向こうはこちらを知っていたらしい、 クローンはそれは的確に会話の要因を捉えた質問をしてきた]
……それは説明が難しい、な。 君達には家族、というものはなさそうだし。
[恐らく、簡易に説明する言葉を知っている。 だがそれを口にする気にはなれない、 兄とはつまり“コーダ”にとっての“ニーナ”だ、と]
(327) 2011/09/29(Thu) 23時半頃
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[>>288 「知らなかった」という牧野の言葉、 それに、たとえば憤りのようなものを感じる権利があるのか、 といえば、否だろう。
何も疑問を感じなかったのか。
言葉にしようとした問いは、自分自身にも向けられる。 自我をもって動く存在が、家畜のように管理され、 部品として扱われている。それが問題であるとしたら、 眼を覚まさぬままのクローンであれば、部品として扱ってよいのか。
考えるつもりなどなくても、考えてしまう]
(333) 2011/09/30(Fri) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 00時頃
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[考えながらも――個としては違う存在である、 そのはずの自身のクローンを、まだ自分と切り離した 一つの存在として見ることは出来ない。 自分の延長線上にあるもの、としてしか認識できない。 その欺瞞には気付かないまま、ヴァイオリンケースを見る“コーダ”へ視線を向ける]
見てみるか?
[ケースを開ければよく磨かれた濃い飴色、 なだらかなその曲線は初めて見る者にはどんな印象か。 弓に塗る松脂の匂い、背筋の伸びるような]
まあ、こんな場合じゃないんだけどな。 ……この辺、今誰もいなさそうだし、いいか。
[言った傍から、牧野とリーネが現われることになるのだけれど]
(354) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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[弓を構える、ひとつ息を吐く。 それだけで世界は、この薄暗い暗鬱な場所から切り離された。 目蓋を伏せる、濃い影の眼元に落ちる。 口元は薄い微笑の形になる、 音に触れる幸福のにじみ出るように。
雨宮セシルの音の評価は、聴く者によって大きく分かれる。 その音の響きを、クリスタルのようだ、という者もあれば、 氷のようだ、というものもある。どちらも透明で、寂しい。
ゆったりとした舞曲の旋律は、G線1本で奏でられる。 天に昇っていく伸びやかな音。 柔らかに空間を満たしていく澄んだ響き。
――もう失われてしまった音がある。 重ならないハルモニア、音の評価は酷く正しい]
(355) 2011/09/30(Fri) 00時半頃
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[透明な輝きを宿す、旋律。 天上を描き出す音は、けれど空を知らぬ者に、 どう聴こえるのかはわからない。
甘みを帯びたけれど切ない弦の響き、 その余韻を残さず音が消えるまで、瞳は伏せられる。 ずっと重ならない音を聴き続けて。]
――……、
[向けられた眼差しに、再び青灰が映る時、 それは遠く切り離された世界から戻ってきた者のように、 ――夢から覚めた者のような色で、呼吸をひとつ。
クローンも楽器に関心があるのかもしれないけれど、 触れされるつもりはなく、元の通りに納め直して。 それから、>>366 “コーダ”のその様相に気付いた]
(371) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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[>>370 面に現われている感情は、酷く素直なもの。 鏡のようだ、と思ってしまう。 少しだけ、奏でたことを後悔、した。]
……大体、 君の聞きたいことは答えたかな?
俺にとっては仕事だけど、 他の人にとっては遊びみたいだものだから。
そろそろ下の様子を見てくるべきかな。
[大丈夫か、とでも言うように、 その硬直したままの顔の前で、ひらり、と手を振る。 白くしなやかな――“コーダ”とは違う指先]
(376) 2011/09/30(Fri) 01時半頃
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セシルは、傾ぐ体に、驚いて腕を伸ばす。
2011/09/30(Fri) 02時頃
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[触れた肩、腕に体重はほとんど伝わらぬまま、 “コーダ”はその場に膝を曲げて沈み込んだ。 小さな震えは見えたけれど、それが何を意味するのか]
……気分が悪いのか? なら、少し座って休んでろ。 病院だから、横になる所もいくらでもあるしな。
[とりあえず今度は立ち上がらせる為に、手を差し伸べた。 震えは――単純に身体的なものと解釈された、 彼の中で何かが起こっていることなど、知らない]
(382) 2011/09/30(Fri) 02時頃
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[ゆっくり伸ばされた腕をとりあえず引き上げる。 雨宮セシルにとっては、ごく普通の行動だ。 それから、誘うようにスタッフルームの奥へと視線をやる。 どこでもいいから座ってればいい、と]
――………、
[視線を巡らせれば、いつの間にか。 牧野とリーネの姿があった、隣合って座る。 今はそこに穏やかな空気があるのを知れば、 双子のように見えて――自分と彼もそんな風に見えるのかとふと思った。]
じゃあ、俺は下見て来るから。 あ、……あれには触るなよ?
[ヴァイオリンケースを示してから、背を向けた]
(384) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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セシルは、そのまま階下に下りれば倉庫の方へと向かって
2011/09/30(Fri) 03時頃
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[ここに飛ばされてから、どれくらい経ったのだろう。 アナログの時計のことを思い出したけれど、 時間を見るのを忘れていたから、役にはたたない。 午前か午後か、外が見えなければそれもわからず。
地下2階に降りれば、 漂う血臭のことを――彼女の亡骸を思い出す。 時を意識して、感じたような気がした空腹は、 胸につかえるような気分の悪さに飲み込まれる。
うつくしい音の世界から、 現実は酷くかけ離れている。
―――これが罰であるのなら、 裁かれるべき罪人はヨーランダの他にもいるのだろう。 ぼんやりと、そんな思考が過ぎった**]
(393) 2011/09/30(Fri) 03時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 03時半頃
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