56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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――ララントで其れらしき方の目撃例あり、か。 それじゃあきっともう直ぐ首都に着くのかな。
…あ、はい、これ。 この前城を抜けた時―……。 あ、ありがとうイアン。
[ぽん、ティーポットを置かれた。お返しに傍らの皿の上の焼き菓子をイアンの口に突っ込む。 あれから結局言葉通りに、僕達をずっと守ってくれている。 一応今はまだ父上の近衛と言う名目だけど、今度姉さまと一緒にお願いするつもりだ。 『イアン僕達に頂戴』とでも]
(188) 十六夜 2011/07/07(Thu) 07時半頃
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…それで、城を抜けて例の砦の調査に来てた小隊に居た人。 ムパムピス・ヴァルキッソン。 大分優秀なのに只の二等隊士なんて詐欺だって思ったな。
[五だっけ?六だっけ? とりあえずその程度の階級を吹き飛ばしての少尉への特進司令状。 当人が遠慮するなら別だけど、この位の階級なら既に確定事項だ]
……あ、そうだ。ララントの経過報告書ある?
折角緘口令敷いたってのに、脱獄騒ぎでおじゃん。 まぁ、今は諸侯も騒げない状況にしたから大した事無いけど。 結局どうなったんだっけ?
[因みにイアンは執務出来ない事が良く解った。もう嫌と言う程。 ともあれ、未だ僕達に目立った危険が来た訳では無い物の、今までとほんの少し違った日々]
(189) 十六夜 2011/07/07(Thu) 07時半頃
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[イアンを、彼を信じて見たくなって、随分思い切った事を色々やった。
和平を望むならば、一度奪われた砦の領地と捕虜を零に還して。 開戦を望むならば、和平を蹴った冷徹と国内外から吊るし上げる。
和平を望むにせよ、開戦派の人間には僕達はこの上なく邪魔だろう。 開戦を望むにせよ、緑国に取って当然僕達は邪魔な存在でしかない。
これで普段から。特に、緑国が和平に応じ、砦で調印の儀を行う時はこの上なく危ない。 だけど、一人では出来ない事でも、二人で、三人で力を合わせたら。 そう思うと、身体が動いていた]
(190) 十六夜 2011/07/07(Thu) 07時半頃
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今日は僕の部屋でも警護? 大変だよね、近衛兵も。
[今はまだ、イアンの事、良く知っている訳じゃないけど。 これからまだまだ時間があるなら、もっと知りたい。 そう思うくらいには、何故かイアンの事に夢中か。僕でも驚くくらいに気に入ってしまった見たい。 …だから責めてもう暫くは]
(191) 十六夜 2011/07/07(Thu) 07時半頃
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――姉さまー、休憩しようか?
久しぶりに揚げパン食べようよ、揚げパン。 この前ララントに帰った時食べ損なったんだよ、最悪な事に。
イアンも来る? 揚げパン美味しいよ、揚げパン。
(192) 十六夜 2011/07/07(Thu) 07時半頃
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