132 lapis ad die post cras
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[ほんの少しだけ、怖かった。 ティソや『ティソ』を、パラディソの皆を忘れてしまったら…
けれど、『ティソ』は既に自分の一部同然だった。 頭部に、ふわりと軽い感触が伝い――ほんの少しばかり、ずきりと痛みが走ったのは、一瞬の事。
『ティソ』のこと。 ラッシードのこと。 ティソのこと。 八並のこと。
それから、ジェームスの腕に寄生した事実。 (腕だった所為か、彼らの動向や思考は残っていなかった)
走馬灯のように情報が流れ込んで来る。]
(220) presage 2013/08/06(Tue) 03時半頃
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[閉ざした瞼を持ち上げる。
隣には、眠る愛しいティソが居た。
頭部に、特に違和感も感じなくて不安になり 円盤を探す。中央から僅かにそれた右側に、『彼』は居た。]
「『ティソ』、居ますか?」
『居ルヨ デモ少シ 眠ラセテ』
[意思の疎通が叶い、ほっと安堵する。 眠るティソの肩へ腕を回して、強く彼を抱き締めた。
嬉しくて、眦に熱いものが込み上げる。 涙脆いところも、如何やら共有してしまったようだ。]
(221) presage 2013/08/06(Tue) 03時半頃
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[ぽろり、眦から溢れた雫が肌を伝いティソの頬を僅かに濡らした。
己の腕の中でちょうど目覚めてしまったティソが、驚いたように此方を見遣る。]
……お待たせしました、ティソ。 ああ、これは…、 嬉しくて、出てしまったのですよ。
[彼に落ちた雫を拭いながら、涙の理由を語り。
彼には、『ティソ』を如何説明したら解り易いのだろうか。 モナリザやエスペラントのように、ケーブルを接続して情報共有する事が出来たら良いのに、等とらしくない思考が横切った矢先、鼻腔がむずむずし]
―――…っ、…ックシュン!
[ティソに向けぬよう顔を背けてくしゃみを、ひとつ。 その瞬間、ずるりと己の影が伸び、人型を模した。]
(222) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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……ッ!?
[黒い影は間髪居れずに、ヒューマンの男の姿へ変化した。 緩いウェーブの金色の髪。翡翠色の眸。 頭部に、円盤状の装飾―――…]
『ああ、成程。』 「ティソも、くしゃみで変化してましたね」
[あちらのトルドヴィンも、状況を理解は出来ているようだった。 ちゃっかりと助手席を乗っ取り、その上にティソの躯を抱いている。
姿形も、意識も二分した、自分の姿。 "双子"は己にとって特別なものであるからか、 それとも単純に、]
(223) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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「『二人居ればティソをより愛する事が出来ますからね』」
(224) presage 2013/08/06(Tue) 04時半頃
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[涙の痕が消えていく。 自分が流したものなのか、『ティソ』が流したものなのか 境目も曖昧なくらい、綺麗に融合できている。
車を走らせながらティソへこれまでの説明を行う。 抱きかかえている影は何も語らず、ただ静かにティソの躯へ触れていた。
故に、常よりも安心して話を聞いてくれているのか――…寄生されていた事実への衝撃は薄そうだった。]
良かった。 記憶の抜け落ちた期間の話、ティソにとっては辛いだけかと思ってもいたのです。
…けれど、あの期間のティソも貴方の一部…、ですしね。
[『ティソ』が耳を伸ばして喜んでいるのがわかる。 ハンドルを握ったまま、ほんの少し躯を斜めに倒して『ティソ』をティソに近づけた。]
『きゅっぷる!』
[愛らしい鳴声に己も影も、思わず頬が綻んだ]
(236) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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― 金色の草原を前に ―
[やがて、前方に光輝く草原を見止める。 空までも金色に染めてしまいそうな見事なグラデーションを 車を停めて、暫し見遣り… 視線はティソへと凪がれ]
ティソ、私はパラディソに乗れて幸運でした。 貴方に出会い、ひとを愛することの喜びを知った。
もうきっと… 独りでは、生きられない。
[ティソの頬をそっと撫ぜる。 背後の影はティソを抱き締めたまま、 瞼を伏せて頬擦りした。]
(237) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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「死が、我々を別つまで」 『いいえ、死してもなお永遠に。』
「『私と、生きてください。 ―――…愛しています。』」
[同時に頬へくちづけ、まるで取りあうようにキスを重ね。 影と一瞬顔を見合わせ、 どちらからともなくくしゃみをひとつ。
ひとりの姿になってから改めて、 ティソへ深いくちづけを送る。
幸福の余韻を引き連れたままやがて 二人の姿は金色の草原へと溶けていくだろう―――…*]
(238) presage 2013/08/06(Tue) 15時頃
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トルドヴィンは、血を吐いて倒れた。ひでぶ。
presage 2013/08/06(Tue) 15時半頃
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― 記念日 ―
[心地良い疲れが充足感を与えてくれる。 己にとって何よりもの幸福の象徴が、 悪戯な微笑みで此方を覗き込んでいる。
未だ夢の中なのではと、ぼんやりとした思考を懸命に働かせた。 紡がれる言葉までもが夢のようだ。
恋しい。 ―――…愛しい。
ただひとつの宝物へと、両腕を伸ばす。]
……私も、大好きですよ。 あの頃よりも、もっとずっと。
……私を、愛してくれてありがとう。 とても、―――…幸せ、です。
(271) presage 2013/08/07(Wed) 00時頃
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[どれだけ時が経過しようとも
いかなる困難に見舞われようとも
変わらずに、貴方だけを愛している。]**
(272) presage 2013/08/07(Wed) 00時頃
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