215 【誰歓】エンドローグ
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[じわじわと、顔に熱がのぼっていくのがよく分かる。 ――ああ、君まで赤くならないで>>169くれ、意識してしまうじゃないか!
しまいには、プスプスと煙でも立ち上るんじゃないかと自分で思うくらいに、熱かった。 叫び出したい気持ちを堪えて、これまでの人生にないくらいに考えて、考えに考えてから、ゆっくりと口を開いた。]
わたし、相当に、ばかでどうしようもないですけど、 たぶん千秋さんが思っている以上に
[卑下が先に出てきたのは、きっと空っぽ人間の性だ。けれど、]
でも、ちゃんと、居場所、作れるように、がんばろうって思えたんです だから、その、また、会いたいんです 次こそ、ちゃんと胸を張って会いに行きます
――なので、また今度、って言っても良いですか
[勢い込んだが、やはり、声はしぼんでいくようで。 ああ、慣れないのだ、こういうのは。 それでも、赤い顔を上げて、今度こそちゃんと真っ直ぐに視線を向けた。*]
(188) nabe 2015/02/14(Sat) 00時頃
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― 扉の前 ―
[凛として、という言葉が、とても好きだった。 それは、身を正すことを、手足の運び方を、纏う空気を、全てを指して。 凛と、背を張って、声も張る。あの頃、後悔を知らなかったのは、きっと自信に満ちていたからだ。
この身を満たしていたものをすべて投げ捨ててしまった今、自分はこれから山ほどの後悔を知るのだろうが、 それも悪くはないだろう。これまでに知らなかった分も、色々なものに触れて、思い悩めば。
一歩、踏み出せばそこは、白く眩く、冷たい世界。 これから、何が待ち受けているのだろう。過ちの精算だって、しなくちゃいけない。
きっと大変だ。しんどいだろうなあと思う。
だからこそ、真っ直ぐに立て。視線は遠く、先を見よ。 何にも挫けぬよう、背筋を凛と張って、振り返ることなく。 眩い光の中へ、一歩踏み出した。**]
(199) nabe 2015/02/14(Sat) 00時頃
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