179 仮想現実人狼―Avalon―
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[暫く灰汁と戦い続ければ、少し余裕が出来てくる。 フライパンに油を敷いて、シロガネは肉も焼き始めた。
その作業をしながらも、灰汁取りは続けなければならない。 さらに弱火にしてペースを落としながら、反復横跳びでもするような素早さで動き続けている。 焼き終わったお肉にはぱぱっと調味料で味付けを済ませて、最初の一つは料理をしながら口へと運ぶ。 味見である。 幸い、アヴァロンの調味料も現実世界と大体同じで。 その調子で、一つ一つを完成させていった。
シロガネは料理の完成時間を大方同じになるように作っていた為、多少盛り付けに時間がかかったけれど。]
(102) 2014/06/03(Tue) 14時頃
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[煮込んだお肉と、焼いたお肉と、から揚げと。 それに、軟骨のから揚げ。その四品が出来上がった。
スープからは一旦、ガラを引き上げて蓋を閉めておく。ガラも調理で使った為、薄味になってしまうだろうけれど。 それはそれとして、使い道があった。
そして、トニーの分だけはその焼いたお肉に隠れてフィレ肉がついていた。]
(103) 2014/06/03(Tue) 14時頃
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……。
[みんな、食べてくれるだろうか。と思いつつ、調理に使った器具を洗って元の場所へと戻した。包丁は武器になるかもしれないが、しかしシロガネは包丁を置いていった。 持っていってしまったらここで他の人が料理できなくなってしまうことを考えたのだ。
扱い慣れたその感触の方が、"その時"には扱いやすそうだったけれど。 ついでに砥ぎ棒なんかも扱いやすそうだと思った。**]
(104) 2014/06/03(Tue) 14時頃
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― 宿屋・食堂 ― [ワゴンから食器やお皿を並べ、そのお皿にはクロッシュをかけていく。銀色の半月型の丸いドームのことで、料理を冷めないようにする為のものだ。
食器はお皿もナイフやフォークといったシルバーも何故か沢山あったので、数には困らなかった。 あとは呼ぶだけ、なのだけれど。
朝食の時間とはいえ、みんなこちらへ来てくれるだろうか。 サイモンさんの部屋がああなっていたので、流石に食欲はないかもしれないと今更ながらに思った。**]
(111) 2014/06/03(Tue) 17時半頃
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マユミは、少し考え、アイテムボックスに余った何かを入れた。
2014/06/03(Tue) 17時半頃
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[>>125片づけを手伝ってくれる人に、声をかけられれば。]
お手伝い、ありがとうございます。 クシャミさん、でしたか?
[そう言いながら、死体の臓腑も手で掴んでは毛布の中へと片付けて。慣れている、と言われれば。]
だって、これ。 ……ただのデータ、でしょう?
[そう言って、くすくすと微笑んだ。 血に濡れた手の感触は、ぬるりとして。血生臭くて、とてもヴァーチャルとは思えない感覚を残していたが。]
お化け屋敷のようなものでしょう。 とても凄惨な光景ですが、ここに中の人なんていませんよ。
(126) 2014/06/03(Tue) 20時頃
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視えませんから。
[そう言って、シロガネは辺りを見渡した。]
(127) 2014/06/03(Tue) 20時頃
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― 宿屋・食堂 ―
[シロガネは、給仕用の手袋を外した。 お皿を配る際に、指紋がつかないようにと着けていたのだ。……この世界で指紋までデータの管理をしているかは分からないが、あるなら使うし、それは日常と同じく配慮をした為だった。]
……さて。 そろそろ、みなさんを呼びにいきましょうか。 占い結果で人狼と出ていれば良いのですが。
[そう言って、歩き出す。
――どちらも、人狼を見つけていなければ。 誰を処刑するか。 シロガネはそれを考えていて――。
ふと、アイテムボックスをいじろうとすれば。 投票、と言うシステムを発見する。]
(128) 2014/06/03(Tue) 20時頃
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―宿屋・広間―
[――録音アイテムの前には、他に誰かがいたろうか。
クシャミさんは、グレッグさんを人間と言い。>>122 フランシスカさんは、トルトニスさんを人間と言った。>>83]
……こうなっては、仕方がありませんね。 みなさん、食堂に食事が用意してあります。 よろしければ、お召し上がり下さい。
それと、食事が終わったら――。
[淡々と、彼女は宣言する。]
(129) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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投票システムを使って、一番票の多かった者を殺しましょうか。
(130) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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[そう、淡々と言い。 周りの反応を見ながら、シロガネは、続けた。]
クシャミさんと、フランシスカさんは対象から外しましょう。 お二人も、死に票となってしまうのでお互いを票の対象とはしないで下さい。仲間に入れるかは分かりませんが、その対象も情報となるでしょう?それに、今日はグレッグさんとトルニトスさんも外しましょう。
……つまり。
[一人、一人の名前を挙げる。 その場にいるならば、その人の顔を見て。 いなければ、いるであろう方を見て。]
ワンダさん、トニー、リンダさん、カリュクスさん、……チアキ。
(133) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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この中から、一人処刑をしましょうか。
[そう言って、シロガネはにこりと微笑んだ。]
(135) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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そうですね……、
[>>124フランシスカさんからの質問に、シロガネは振り向いて。]
……私がそれを最初に言うのはなんなので、それは後にしましょう。
[それだけ言って、シロガネは食堂の方へと歩き出した。]
(137) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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― サイモンの部屋 ― 〜少し前〜 [さんは要らない、というクシャミさんの方を見て。 何となくチアキを思い出し、首を振る。]
……いえ。
[とだけ言って、話を続ける。]
そうですね、痛かったと思います。 死ぬほど、痛かったのだろうなと。 ……なのに、可哀そうに。
[そう言いながら、丁寧な手つきで臓物を片付け終わる。]
ありがとうございました。お疲れ様です。 …それでは。
[と言って、丁寧にお辞儀をしてから。 シロガネは、調理室へと去っていった。]
(138) 2014/06/03(Tue) 20時半頃
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― 宿屋・食堂 ― [誰かそれに、着いてきた人はいたろうか。 シロガネは、食堂につけば。
端の席に座り、クロッシュの前で掌を合わせた。]
……頂きます。
[そう言って、黙々と食事を始めた。]
(141) 2014/06/03(Tue) 21時頃
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[投票をした後、シロガネは多数決で殺すと宣言をした。 ……だから、みんなはこう思うだろう。 投票が済むまでは、処刑は始まらないと。
それが――シロガネが、投票システムを見て思ったことだった。 油断をしている所をやれば、一撃で殺せるかもしれないと。
そして――。フランシスカに問われた時、彼女の脳裏に浮かんだ"処刑先"は。
――第一発見者、というのは推理小説の定番だった。]
(155) 2014/06/03(Tue) 22時頃
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[>>147トニーの姿を見れば。 シロガネは、少し意外そうに微笑んだ。 一人で食べるその姿は、寂しそうだったが。 トニーの姿を見れば、心なしか少し明るい表情を見せただろう。]
ええ、こちらに。 トニーには特製のフィレ肉を用意しました。
[そう、微笑んで。半月型の銀色を開けば、芳醇な香りとともに兎肉の料理が姿を見せるだろう。 トニーの分だけには、兎肉のソテーの中心にフィレ肉が乗せられていて。]
(156) 2014/06/03(Tue) 22時頃
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とっても美味しい、兎肉です。 お気に召して頂けるか、分かりませんが――。
[そう言って、シロガネは微笑んだ。シロガネの位置は、トニーとテーブルを挟んだ向こう側にいた。]
(159) 2014/06/03(Tue) 22時頃
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……ええ、美味しいですよ。
[そう、言って微笑みながら。 シロガネは、テーブルを周り込むように。 トニーの椅子の後ろへと、歩いてくる。
――その足取りは、音を殺していた。]
(172) 2014/06/03(Tue) 22時頃
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[後ろ手には。カリュクスから受け取った短剣を逆手に握り。 そして左手は、初期ナイフを持っていて――。]
――。
[……足を、止めれば。 トニーの後ろで、その独白を聴いて。]
……どうして、戦わなかったのです。 現実と。
[そう、聴いた。]
(180) 2014/06/03(Tue) 22時半頃
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[死の宣告をする役割は、辛かった。 ゲームだからと。 ――楽しんでやっているわけでは、なかった。
ただ。……きっと、そんな役割は。 誰だって、イヤだ。 誰かが嫌がるなら、私がそれをやればいい。 飼育係だって、学級委員だって、生徒会長だって。
縛られてばかりのマユミは、いつだって自由の兄さんが羨ましかった。
――兄さんはいつも、勝手ばかり。 楽しそうにゲームをやる姿が、羨ましくて。
本当はシロガネだって、ゲームをやりたかった。 優秀である役割なんて、私はずっと嫌だった。 そう、羨んでいて――。]
(192) 2014/06/03(Tue) 23時頃
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[少し芝居がかった口調で、トニーへと。 こう、語りだした。]
……戦わなきゃ、勝つことは出来ねぇんだ。 いいかい。誰かが戦ったから、今はあるんだ。 明日を生きる為には、戦わなくちゃ。
その為の力を、君は既に持ってるよ――。
[そう、言ってから。 シロガネは、トニーの首を刎ねようとするだろう。 カリュクスが兎の国を刎ねたように。
その台詞は、幼い頃に演劇で聴いたセリフだった。]
(194) 2014/06/03(Tue) 23時頃
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……。
[吹き出る鮮血は、テーブルクロスを赤に染めた。 後ろから周りこむように切ったので、その血がシロガネを濡らすことはなかった。 トニーは、覚悟をしていたようだった。 その理由は、何故だろう。
そう思いながら、椅子から転がり落ちる少年を見下ろした。 一撃で、首を刎ね跳ばすつもりだった。 ……けれど、左手の初期ナイフが威力不足で。 苦しみながら死んでいく様子に、シロガネは申し訳なさそうにしている。]
……ごめんね。トニー。
[死の恐怖を前にする少年に、そう告げて。 血だまりに落ちた少年の前で、暫くシロガネは放心していた。]
(206) 2014/06/03(Tue) 23時頃
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[人を殺した感触は、ゲームと思えなかった。 こんなリアルは、求めてない。 嫌な感触だった。 手に残った赤の感触。 目の前で散る赤の飛沫。 鮮血の臭いが。 ただ、香る死の臭いが。 ヴァーチャルだとは、思えなくて。
――シロガネは、壊れたように微笑んだ。]
(208) 2014/06/03(Tue) 23時頃
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[>>210その声は、聞こえていても。 シロガネは、反応しなかった。 ただ虚ろな目で、トニーの死体を見ては微笑んでいた。
そして、手に持っていた短剣を両方ともカランと落とした。]
(213) 2014/06/03(Tue) 23時半頃
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[されるがまま、シロガネは椅子に座る。 放心していて、目の前の様子には目を向けてはいても心が死んでいた。]
(222) 2014/06/03(Tue) 23時半頃
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[虚ろな微笑みは、何も映していなかった。
>>223誰かが来ても、反応せず。 >>225抱き寄せられても、されるがままで。]
(227) 2014/06/03(Tue) 23時半頃
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[ワンダさんの悲痛な声が、どこか遠くで聴こえる。
この手に残る、命を奪う感触が。 じわりとマユミの心を蝕んだ。
強く抱きしめてくれる、カリュクスさんの暖かさに。 気づけばシロガネは、涙を流していた。]
……。
[>>235その言葉を聴いても、シロガネは無反応で。 目で追うことも、なかった。]
(236) 2014/06/04(Wed) 00時頃
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