30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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……ぁ、 ふ
[かさねただけのくちびるを捕えられ、舌を絡めとられてくぐもった声を漏らす。 ぴちゃりと響いた水音に、聴覚をおかされるような心地。触れればいいと言われた事に甘えるように頬を薔薇色に染め、同時にされているだけの、佳いだけの自分が痛くて。]
も、 もう
──…離し て、
[「これ以上、みられたら」「お願い」と言う悲鳴のような言葉は音になる事がないまま──限界まで膨らんだ花実は弾けて、熱く白濁した蜜をディーンの手の中にまき散らす。 匂いたつ青い香に、達してしまった事実にどうして良いのか分からずに。二人の唾液で濡れたくちびるをわななかせたまま、縋るようにディーンを見上げた**。]
(293) 2010/09/07(Tue) 03時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 03時半頃
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─ 朝/ラルフの部屋>>311>>314 ─
[射し込む光の眩しさにラルフが目蓋を開いた時、部屋にディーンはいなかった。 最初に目に飛び込んでくる白は、残酷なほどの優しさに暴かれ、赦しを乞うほどに甘やかに鳴き続けた夜の果て──濡らしたタオルで身体を拭いあう所までは何とか保っていたものの、最後にラルフは立ち上がれなくなってしまい、ディーン一人に交換してもらったシーツの色。 見慣れた寝台の二段目へいたる梯子に視線を滑らせると、それでも寝台の上段に上がろうとしたラルフを、ディーンが抱きとめた事を思い出す。裸のまま1つのベッドで寝るを、厭うのか?──と問われたなら、側に居るのが怖いと答えただろう。
けれども、腕に抱かれ眠る事になったはずの寝台の上にディーンの肉体は無い。薔薇の香りに混じる、記憶に刻み込まれた彼の肉体の気配だけがラルフをまだ包み込んでいる。]
──……
[くすんだ銀灰の視線だけを巡らせると、枕元には置き手紙。 ラルフは指だけを紙片に伸ばした。見慣れた筆致で書かれたそれ。身体を気遣う言葉と、先に起きる旨とが、昨夜の出来事が夢ではない事を示す。]
(341) 2010/09/07(Tue) 14時半頃
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[ディーンに触れられないラルフの長い前髪は、その蒼白い貌と瞳の色を隠したまま。]
──… Hallelujah(ハレルヤ) ?
嗚呼
[神に背いた事のおそれよりも、慣れた賛美の歌が口をついてでる。 渇いているのは喉とくちびる。水が飲みたいとラルフの身体は欲するけれど、目覚める事で昨夜の残滓を失ってしまう事が惜しくて。 素肌に触れるタオルケットを引き寄せ、裸体を包み込む幻を損なわないよう、昨夜の記憶の海に沈む。注ぎ込む光から目を背ける**。]
(342) 2010/09/07(Tue) 14時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 14時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 21時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
ラルフは、サイラスの呼びかけに、再び閉じていた目蓋をあげてゆっくりと瞬きをした。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 22時半頃
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─ ラルフの部屋 ─
[緩慢なノックの後にサイラスの声が響いてくる。 二度寝のシーツの中、何時もの気怠さと異なる仕草でゆっくりと首を傾けた。 呼び掛けの後、答えるまでに時間はどれだけかかっただろうか。 扉の前で佇んで伺うような気配に、ようやく身を起こし、素肌にシャツを羽織り、ズボンだけを身に付けて扉の方へ進んだ。]
──……、 ディーンは、居ない、よ。
[眠っていた所為か、何処かとろんとした話し方。 実際に部屋に居ないと言う事を示すように、扉を小さく開いて、唇を噛んでいるサイラスにおっとりと首を傾けた。]
(400) 2010/09/07(Tue) 22時半頃
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─ 廊下/ラルフの部屋前 ─
[サイラスの目の前で、一番下からシャツのボタンを緩慢な動作で止める。右肩口にディーンが残していった所有印は、ボタンを止め切る前にシャツをはだければ見えるけれど、羽織っていれば隠れる位置だろう。 そして、鏡を見ていないラルフは、眠っている間に刻まれたその紅い薔薇の花弁のような印の事を自覚していない。]
…ん。 洗濯場、じゃないかな。
[サイラスはどのようにディーンと仲違いしてしまったのだろう。 と、立っていると身体が軋む位置を相手には気付かせない風を装いながら、値踏みするようにサイラスを見た。だが、サイラスはラルフの視線には気付かない、奇妙に緩慢な動作で揺れながら、背を向けて去ろうとする。 あ、と小さく声を漏らしたのは、戻って来たらしきディーンの姿が視界に入ったからだった。]
(408) 2010/09/07(Tue) 23時頃
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ラルフは、密かに小さな息を漏らして、内腿をすり合わせる動作。
2010/09/07(Tue) 23時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/07(Tue) 23時半頃
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──…… 薔薇の匂い。
[昨日シャワールームに足を踏み入れた時、濃密に感じられたのと同じ薔薇の香。それは散る間際の花や、腐り落ちる前の果実が強く薫るに似て。 瞬き。ディーンに掛けられた声に淡く微笑んで、ん、大丈夫と頷く。 何気なく扉に背をもたれさせるようにして、仲違いをした同室者同士の会話に耳を傾ける。サイラスの背に向けた値踏みするような眼差しはそのまま。]
(422) 2010/09/07(Tue) 23時半頃
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[サイラスの口から零れる言の葉に、困惑するように寄せられるのは眉。 紙飛行機を飛ばした夜、サイラスとの関係を真面目に尋ねた時のディーンの様子。それを自分が笑った事を思い出す。(行為が有った事にまでは勿論気付かないのだが)ディーンが相部屋を出た理由はおそらく……。 散り行く薔薇の噎せ返るような香りの中、同室者を案じるディーンの態度は何処かの貴公子然としてみえた。ラルフが思うのは、サイラスが何か香ではなく中毒性の薬物を寮に持ち込んでいるのでは、と言う事。]
──…… 待って、具合が悪いなら 部屋の前まで一緒に行く、よ。
[胸が騒ぐ。サイラスがディーンに口付ける様子を目の前で見てしまったから、だけではなく。]
(444) 2010/09/08(Wed) 00時頃
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[臭覚の記憶が想起させるのは、昨夜ドナルドに重なるようにして見えたヴィジョン。茨が渦巻き、少年の腕を絡めとる。若くしなやかな筋繊維に食い込む棘。滲む紅と、呪いのように刻み込まれる文様。注ぎ込まれる甘い毒。 崩れ落ちてしまったサイラスが、何をするのだろうと思うけれど。胸さわぎの理由を、ディーンに伝える事も、何かをサイラスに問う事も出来なくて。せめて、部屋の前まで付いて行きたいと思う。 身体が痛む時でも倒れない限り日常動作を行うのは、当然だと考えるラルフの言葉は、ディーンには理解し難いかもしれないとも思いながら。]
…あ、の。 ディーンの足手纏いで無ければ。
[断わられればその場で見送るだけ。と、断わられなかった事に少しだけ安堵して、彼等の部屋の前まで送る。]
(453) 2010/09/08(Wed) 00時頃
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ラルフは、ディーンの片方と言う言葉に頷いて──サイラスの片腕を自分の肩に回し廊下を歩いて行った。
2010/09/08(Wed) 00時頃
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