30 ─今夜、薔薇の木の下で。
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[紙片を捲ろうとすると、その指先に、手のひらに。 それから、くちびるに熱が広がり──蜜を含んだようなとろりとした酩酊をもたらす。ディーンの触れた頬に手のひらの感触が残っているようで。あの時、部屋に響いていた水音がいやらしく甦り耳朶を舐めるようで。]
──…… どう しよう。 身体、 あつ ……
[集まりはじめる熱は、絡まる茨か蔦かツル植物のように、ラルフの手足を絡めとる。 絡まる茨、じわりと毒を孕んで甘く突き刺す棘。それらは何故か、窓の向こうのあの薔薇園の闇にある“何か”。おぞましいものだとずっとラルフが必死で避けてきたものと、あの堪え難い変質をもたらした『事件』と、繋がっているような心地がする。]
嗚呼、そうだ。 口づけて触れ合う気持ちの良さ だけじゃなくて。 あの、音が ……酷くいけない事に思えて。
[──たまらなかった。 ディーンにからかうように佳いのかと聞かれたあの時、自分はどんな顔をしていたのだろう。いたたまれなくて。けれどもそれが。]
(449) 2010/09/05(Sun) 23時頃
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[ラルフは、ふるふると首を横に振る。息を零す。 それが自分の望みであり、幸福なのだろうか。そんな──事がまさか。]
──…… 水、浴びてから食堂に行こうか。 頭だけじゃなく、全部*。
(450) 2010/09/05(Sun) 23時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/05(Sun) 23時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/09/06(Mon) 00時頃
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─ シャワールーム ─
[シャワールームに入ると湯気に混じり噎せ返るような薔薇の香りが漂ってくる。けほと軽く咳き込み、眉を顰めた。 先客のうち、1人が少し(一方的に)不得手に思っているドナルドである事を知り、ルーカス達とは少し距離を置いた場所を選ぶ。]
──… は
[水流の冷たさが、ラルフの身に絡まった茨を解いてくれればと、天井を見上げながら、目蓋を閉じるけれど。]
(469) 2010/09/06(Mon) 00時頃
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ラルフは、ドナルドが気になって、チラリと上がってタオルで赤毛を拭いてる様子をじっと見詰めてしまう。
2010/09/06(Mon) 00時頃
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[ドナルドを注視してしまった瞬間にルーカスに声を掛けられてギクリとした。 どうやら二人は帰省の話をしているらしい。シャワーの水流に身を預け、石鹸類を手に取るでもなく片目を閉じて、ルーカスに軽く手を振り。]
…や あ。 誰か、薔薇園の薔薇を此処で煮込んだのかな?
[水を浴びても周囲から消えない香りに、ルーカスが言った「石鹸の銘柄が変わった?」と別の感想を口にする。自身の手の甲を当てて、スンと鼻を鳴らすのは、香りがもたらすものが気持ちが悪かったから。 ラルフの視線はすぐにまたドナルドに引き戻される。]
(478) 2010/09/06(Mon) 00時半頃
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