25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 01時頃
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−本邸大広間−
[パチン。 音は響いて人の影と主催の贅肉に吸収されて消えてしまう。 昼間に覗いた時よりもずっと手が加えられている。 辺りを見回してももはや溜息しか出ない。 脂大福ことヨアヒムはといえば、期待を裏切らない小者ぶりであった。
不快な表情を隠すことはない。 だが、まずは必要な情報は手に入れなくてはならない。
高嶺の様子が丁度目に入れば呆れもしたが 自分もいいとこ勝負なのかもしれないと思えばこそ 足は主催のほうへと向かう]
(10) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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…随分と若い。
[鳥の歌。それは月を恋う歌。 美しいとは思えども、金を積むかと言えば]
一通り見てみないことには。
[丁度、主催に好みの如何を尋ねられたところだったので、 ぱちりと扇を開いて少しだけ顔を隠す。 妙に粘質なあの視線から逃げたい、と言うのもある]
(18) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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[一杯目の酌は主催から。 けれど二杯目を進める手を断りさっさと離れる。 酒杯と、手近な酒一つをくすねて]
高嶺、暫く付き合え。
[別に独りで飲んでもよかったが、 それはそれで主催が煩わしくなりそうで 気心も知れている相手を選び、 其の杯が空であれば勧めるつもりだが]
(25) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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莫迦を言え。 怯えられるの謎、いつものことだ。 独りで飲むより、都合がいい。
[飛んできた揶揄など痛くもないとばかりの返事。 まだ酒は残っているようだったので、 己の杯に少し残る雫を舐めつつ]
私にとっては、ただ楽しむだけの祭りではないのでな。 いい加減にしろと言われてもいる。
[勿論、行ってくる相手は父だ。 本郷の子としての示しをつけろ、と言うことだろう]
…己の琴線に触れぬ花になどじっくり見ても仕方あるまい。
[高嶺の視線の先を眺めた後、くる、と辺りへ視線を巡らす。 僅かに視線を止めたのは白い布で視覚を塞ぐ姿。 それから、鈴の花にも視線を僅か止めた。 どちらも一瞬のことであったけれど]
(39) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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怯える?下らんな。 度胸の時点でそれはまず減点だ。
[自分は例年と態度を変えた覚えはない。 勿論それが冗談だと解っている。 盃に酒がないのは主催に見咎められようから 己でさっと継ぎ足してしまう。 そうでもしなければすぐに絡まれるのが目に見えている]
始まったばかり、舞台もまだ少ない。
[怒鳴り声をあげた桃色頭のほうをちらりと見やる。 自分より気の短い花と言うのもどうも珍しいが]
…花が蝶に化けるとでも? 樹に育つと言うほうが、現実的───
[続けようとした言葉を止めたのは、舞台の上の舞だった]
(68) 2010/08/03(Tue) 02時半頃
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本屋 ベネットは、奏者 セシルが舞台へ向かうのを、席を立ってその襟首を掴んで止めた。
2010/08/03(Tue) 02時半頃
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[殆ど、衝動に近いものだったと思う。 杯を置くのと、高嶺の傍を離れるのとどちらが早かったか。 何やら大きなケースを掴んで舞台へと上がろうとするその花の 襟首を掴んで男はその花の動きを止めようとした。
舞台の舞の流れを途切れさせないように、と言うのが 其の衝動の理由だと少し冷静になれば気づくのだが]
(74) 2010/08/03(Tue) 02時半頃
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[襟首をつかんだまま、乾の視線に気がついて軽く会釈を。 これはあとで何か高嶺にも言われるだろうと思ったが、 そんな事よりも今は舞台を中断させないことが重要だった。
白く、暴れようとしている花が抗おうものなら 払う手を掴んで捻りあげてでも止める。 睨まれたところで、この男が怯む筈もない。 必要なら、逆に胸倉を掴んで見せるぐらいのことをするだろう。
近くの侍従に、何か拘束するものを、と手短に指示しながら]
…血気盛んなのは構わんが、 それが他人の舞台を壊していい理由になると思うな。
[幾らか低い声で其の花へと告げる]
(87) 2010/08/03(Tue) 03時頃
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プライドと礼儀を勝手に吐き違えて、邪魔するな? …お前がしようとしていることは、花として最低の礼儀だ。 自分の勝手で、師に泥を塗り、同僚の先を暗転させる。 そんな事も解らないで、良くこの場所にこれたな。
[学院が聞いて呆れる、とばかりの言葉を吐いた]
(89) 2010/08/03(Tue) 03時頃
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…口のきき方すらなっていない花の芸など、 見るに値しないと言ってるのが解らんのか。
[呆れたような息しか出てこない。 ちら、と高嶺が駆けた声を耳にはさみながら]
ブスでも何でも構わんが、 そんなにお友達とやらが大事なら、 あちらをまず先に助けてやったらどうだ。 今ここでお前の芸とやらを披露するより、 お前にとってよっぽど有益なんじゃないのか?
[視線は窓際にいる花のほうを見やり、 それから小うるさい小型犬のような白花を見下ろす。 手元には侍従から拘束に可能なものが届いたけれど、さてどうしたものかと]
(102) 2010/08/03(Tue) 03時頃
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[僅かに手を引っ掻かれて滲んだ血に、感慨などあるわけがない。 所詮は野良猫に手を引っ掻かれたのと同じようなもの]
…随分と悠長なことだな。
[舞手の言葉に思わず呆れる。 ゆっくりと見てみたかったにもかかわらず、この騒ぎで碌に見られていない。 勢いで置いたせいか、少し中身の零れた酒杯に自分で内省をしつつ 今はそれを空けてしまうことにした。
昨今の花、と言うよりは教育がなっていないと感じるのは 古き己が花が比較対象にあるからこそ。 幼き頃にその舞台を見て、一目で欲した金色の蓮。 間近で見たことがあるものなら知るだろう。 其の最初から最後まで、花と花主はまるで歳の離れた兄弟のようでもあったと]
(127) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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…まったく。
[小さくぼやくのは花に対してか、祭りに対してか。 それともヨアヒムそのものに対してか。 本来場を収めるべき主催はどうしたのかと思えば 別の尻を追っかけまわしている始末。
こんなに疲れる花祭は初めてだと思いながら落雁をひとつつまむ。 その甘さが妙に優しいと感じられた。 舞台を降りてきた花達の姿を眺めつつ、 現役の花の中にあって霞の違和感のなさに思わず変に感嘆の息が零れた]
(144) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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本屋 ベネットは、空の杯に酒を注いで少し舌を湿らす。
2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[ちらりと水の杯を傾ける高嶺に視線を向けたあと、 空になった舞台に視線を向け、鉄色を僅か細める]
…何とも、上がりにくそうな舞台だな。
[ぽつりとこぼすのは本音。 いっそ此処で我こそはと上がってくるぐらいの度胸のある花がいれば 評価は上がるわけだが。 そこに華月や鵠の姿があればためしに視線を向けてみる]
(153) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[さて、その二人がどんな反応をしたかはさておき。 すっかり霞が乾をかどわかしにかかっている様子を見、 一人二人と思い思いに舞台の傍を離れていくを見る。 見たい舞はあれど、それを尋ねたところでどうするわけでもない]
…お前が気にせずともあれが何か始めるようだ。
[こちらに怒鳴る姿に今更返す言葉など必要もなく。 別段止める必要もないわけで、どうぞお好きにとばかりに手で舞台を無言で示す。 何を始めるのかと見ている間、幾度か手元では扇がぱちりと音を立てた]
(160) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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元気がいいどころか、文字通りのじゃじゃ馬だな。 花とするかも怪しいが…まあ、ああいうのが好みの主もいるだろう。
[パチ、とまた一つ扇を鳴らす。 名を問いかける声に、もう一つ鳴った]
…ああ、確かに。本郷碧と言う。 それが、何か。
[首を傾げると、ごく僅かに蓮の香りが揺れる。 鉄色の視線を舞台のほうへとやりながら逆に問いかけた]
(164) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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…完成されているかどうかより、強いてあげるなら 己が手をかけて育てたいと思う花、だな。 あとは、どれだけ罵られようと蔑まれようと 這い上がってくるだけの根性は、必要かも知れん。
尤も、新しい花なんて必要だとは思っていないんだが
[パチリ。もう一つ音が鳴る。 植物の剪定の音や、秒を刻む針の音に似ている]
別に。尋ねる様に聞かれたから、何かあるのかと思っただけだ。 成程…おまえ、左舞の薗の出か。
[名前を聞いて納得したのか、そんな言葉が出る。 酒杯を僅かに傾けながら、今度はこちらが問いかける番だった]
(167) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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[絵というものには、男はあまり強くはなかった。 ただ、それでもそれなりの愉しみ方と言うものがある。
何故その色をそこに乗せるのか。 その色が、その絵の中でどんな意味を持つのか。 こういう発想は純粋な探究心によって生まれた。
その次には動作。 一番長く親しんでいるのが舞であるからかもしれない。 優雅さや洗練と言ったものを排除した機能的な動き。 その中にある実用の美]
…面白い。
[それが、男の純粋な感想だった]
(170) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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ただ飾るだけの花など必要としていない。 それだけのことだ。
[花が花でいられなくなったとき、主はどうあるべきか。 そんな事を、ずっと考えていたということもある。 育ててみたいと思う花があれば違うが、それはまた別の話になるだろう。 少なくとも今すぐ誰かに吹っかけようと言うことではない]
舞以前に止めに入るだろう。 唐突に舞台に上がろうとするなど。
…舞は、そうだな。好きだ。舞殿のある邸で育ったのもあるが
[パチン、とまた一つ音が鳴る]
以前、舞の得意な花を育てていた。
[だから自然と詳しくなっただけのこと]
(172) 2010/08/03(Tue) 05時半頃
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−本邸大広間− 花の数だけ芸があれば、花主の数だけ考えもあるだろうさ。
[十人十色、とはよくいったもので、 それ以上にうまく語る言葉を知らない]
舞には流れがある。 突然切れてしまえば、音も、舞も、流れが迷子になる。 それは見る側も舞う側も、よくない。
[それが花を諌めるに至った根幹の理由。 あの場所で何を始めようとしたかなど、その芸を知らぬ自分は 当然たった今絵を見るまでは知ることはなかったのだから。 突然舞台に上がろうとすれば舞の流れが止まって乱されると思うのは自然なこと]
……死んだ。随分前の話だ。
[ぱち、と、また一つ音がした。 それ以来花を手にしたことはない。 そこまでは言ったかどうだか、酒も入っていたのでやや思考はおろそかでもある]
(180) 2010/08/03(Tue) 07時半頃
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本屋 ベネットは、酒杯を片手に絵の作りあげられていく様を眺めた**
2010/08/03(Tue) 07時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 07時半頃
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−本邸大広間−
…お前は、変わっているな。
[視界を塞いだ舞人の言葉に呆れ交じりに呟いた。 手の中に引き込んだ花の形の落雁を 軽く転がしてから口に放り込んだ。 かり、と小さな音が響く]
聞こえる? 成程、お前にとっては楽なのか…あれは。
[見える、ではないのだと気付いて 小さな相槌のようなものが零れた。 あまりに自然に会話をしていたので それほど不便だと思うことがなかった。 そんな事をしているうちに笛が響き、蝶が舞う。 花の芸的な器量を見定める中で男は舞う花の謝罪を聞いた]
(293) 2010/08/03(Tue) 16時頃
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…別に構わん。今更どうという話でもない。 つまらん意地を張っているだけにすぎん。
[不思議、と聞いて、ただ男は小さく笑ったのみにすぎない。 この花の主も既にないと知ったのも、今が初めてだった]
ああ、行くといい。
[下がる非礼にを詫びるような言葉は、気にとめない。 遠くなっていく足音を引きとめるわけでもなく、 ただ男は杯を傾けた]
(294) 2010/08/03(Tue) 16時頃
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[酒に手を伸ばそうとしたところで刺すような痛みに気づく。 先程は気にしていなかった引っ掻き傷の上、 滲んだ赤がいつの間にか破片になろうとしているところ]
…やれ。
[爪先で軽く引っ掻くと欠片は柔らかく、 そして痛みと疼きを伴いながら零れ落ち やがてそこにはゆっくりと赤が滲み始める。
緩く手を持ち上げると落雁で甘くなった舌先を 赤を舐めるように這わせ軽く押し当てた。 ちり、と滲むような痛みを余所に押しあてることしばし。 ほんの少しの銀色を残してあとはそこを乾かすのみ。
いわゆる、傷なんて舐めておけば治る。その実践]
(296) 2010/08/03(Tue) 16時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 16時半頃
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[舞を眺め、時折酒を口にする。 酔うほども無し、そのような気分でも無し。 刷衛の周りは何やら賑やかなようであったが 明乃進の舞を見れば男は中座する。 少し風に当たりたくもあった。
パチリ、と扇は一つ音を立てて、男の姿は廊下を通って裏庭へと向かう]
(299) 2010/08/03(Tue) 16時半頃
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−裏庭− [月は昇り、草木は眠り始めようとしている。 昼間のように、靴を脱ぎ浅い水辺へと足を沈めることしばし]
…二人見ませば幾許か この降る雪の嬉しからまし。
[爪先を自らゆるり持ち上げてみれば爪先から飛沫が落ち、 雫は伝って踵からゆっくりと落ちる。 古い歌を口の端に乗せ、呟いたところで何も変わらない。 少し熱のある肌の上を冷めた風がゆるゆると撫でては流れて行った。 純粋な感想として、あの舞は危険だと感じた。
白拍子の風わりと揺れる袖の流れは 其のひと揺れにまで感情が乗りすぎているように見えて]
(305) 2010/08/03(Tue) 16時半頃
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[舞台に上がったということは、あれから体調も良くなったのだろう。 ただ、それヨアヒムがどんな反応をしていたかどうかまでは己の位置からは見えず]
(もうすこし考えるべきだったやも知れん)
[舞台動向よりもまず、主の動向に注意すべきではなかったか。 そう思えば思うほど足元の水は大きく音を立てる。 それには少し苛立ちも混じっていた]
(314) 2010/08/03(Tue) 17時頃
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−裏庭→本邸廊下−
(このままだと足がふやけてしまう)
[ちゃぷと短い音がした。 草も昼間と違って乾いていないので、芝の上を歩いたところで乾く事もない。 靴を拾い上げて扇と共に手にしながら本邸へと戻る。 ちょうど通りかかった侍従を捕まえて、足をふくものを用意させる]
(355) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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…明乃進?
[草を払い、足を拭き、靴を履いて大広間へと戻ろうとしたところで 見えた姿に足を止めた。 月を見上げる姿に己もまた色硝子越しに月を見上げ、 それから視線を目の前の花へと戻す]
月が、どうかしたのか。
(357) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 22時半頃
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…月に?
[そう告げられて、またもう一度月を仰ぐ。 月齢15まであと一日と言ったところか。 頭を下げる様子に首を軽く横に振り]
ああ、私は別に。お前の体調が戻ったならそれで御破算だ。 先程の舞、見せてもらった。
────好い舞だ。
[視界の記憶の中で舞う白い袂を思い出せば鉄はするりと細くなる]
(363) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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満ちるのが恐ろしい? ……完全なものは人には違和感になるとは聞くが。
[昔あった国の国旗は衷心より少しずらして円を描き 描かれた竜に睛を入れたところ天へと去っていったという話もあるが それを月に見出すと言うのだからどういうことなのかは男には解らない]
涼しげで気の乗らぬ舞よりは気の乗る舞のほうが見ていて気分はいいものだ。 他の主達は知らんが…私は、少なくとも。
舞を見る目は、それなりよりも多少はあると自負がある。 その私の目が好いと言った。ならば私はそれを信じる。
[むしろ好過ぎて少し身の裡で持て余すように感じたのもまた然り。 けれどこれに関しては口にはしなかった。
不意に響く笛の音にちらりと大広間のほうへと視線を向ける]
(375) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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そうか。
[少年がそういうのであれば、自分の気にするところではない。 もう一度月を見上げて徹を細め、それから視線を少年に戻す]
…好い舞であったよ。私はそう思う。 未だ──獅蓮の舞以上に私を心から納得させる舞手には出会わんが きっと続けていけば今以上に大成するだろうよ。
[久しぶりに朽ちた花の名を声にした気がした]
そのようだな。戻るとするか。 …お前は、どうする。
[一緒に来るか、とばかり首を傾げる。 少年が此処でもう少し考え事をするなら それはそれでそっとしておくべきだろうという考え]
(386) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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ん?ああ。何でもいいと言ったので、私がつけた。
[少しだけ声に滲むのは懐かしさ。 蓮の字は舞殿で自由に舞うことを許すと言う意味合いもあった]
…随分古くなってしまった話だ。 時間があれば、名残でも語ろう。
[その様を見ているに、明乃進がどれだけ舞を愛しているかを知る。 その姿にほんの少しだけ目を細めた。 一緒に、ということだったのでそのまま白拍子を伴って 男は大広間へと戻る。 其のころ舞台に上がっている花は誰であったか]
(394) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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